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FP技能検定 · 学習ガイド

タックスプランニング

所得計算から控除・申告へ進み、法人税・消費税と地方税まで比較します。会計利益と課税所得、当年の収入と前年所得への課税を区別します。

仕組みを理解する

各所得の計算の詳細

所得とは、収入からその所得に対応する必要経費や控除を差し引いた、課税の土台となる金額です。現金の受取額とその年に算入する額は一致しないことがあります。

設備購入の一時の現金支出を、使う期間に対応する減価償却費へ分ける図
設備の購入で現金が出ても、費用に算入する時期は減価償却等のルールに従います。現金支出と当年の必要経費を区別します。

所得の計算では、現金を受け取った額と、その年の所得に算入する額が一致しないことがあります。特に減価償却や退職所得では、支出・受取の時点と税の計算方法を分けます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。正方形の左側に「設備購入60万円」と現金支出、右側に「所得計算」と「必要経費12万円」を配置し、中央の仕切りを越える矢印には「当年償却費12万円」と記す。60万円がそのまま右側へ移る矢印は描かない。
覚えること:償却費12万円なら原則12万円を引く

事業用設備を60万円で購入し、問題の条件で当年の減価償却費が12万円なら、所得計算で引くのは原則その12万円です。現金60万円が出たからといって、全額を当年の必要経費にするとは限りません。個人の法定償却方法は定額法で、取得価額10万円未満は全額、20万円未満は3年均等の一括償却を選べます。

給与、退職、一時、雑などは、それぞれ控除や課税方法が異なります。退職所得では勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外が計算結果を変えるため、受取額だけで公式を選ばないようにします。

所得10種類と退職所得の計算

所得10種類と退職所得の計算の図解。正方形の中央に、左から右へ「退職収入」→「退職所得控除を差し引く」→「残額を1/2にする」→「退職所得」の順で、一本の帯と矢印を配置する。控除で取り除く部分と残額を色分けし、下部に「覚えること」を置く。
覚えること:一般の退職所得は控除後×1/2

所得税の所得は利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類です。同じ入金でも所得区分により必要経費、控除、総合課税・分離課税が変わります。公的年金は原則として雑所得、死亡保険金は負担者と受取人の関係によって所得税以外の税目になる場合があります。

一般的な退職所得は(退職収入−退職所得控除額)×1/2です。退職所得控除は勤続20年以下なら40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数−20年)で、障害者になったことによる退職では100万円を加えます。勤続年数の1年未満は切り上げるため、25年1か月なら26年として計算します。

役員等としての勤続5年以下の特定役員退職手当等は2分の1を適用しません。それ以外の勤続5年以下の短期退職手当等は、控除後300万円を超える部分に2分の1を適用しません。「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、源泉徴収で課税が完結します。

所得10種類と退職所得の計算
所得のグループ該当する種類
経常的な資産収益利子・配当・不動産
労働・事業事業・給与・退職
財産の処分・偶発収入山林・譲渡・一時
ほかの区分に当たらない収入雑

主な所得の計算式

主な所得の計算式の図解。所有期間5年超を入口に、左から右へ「収入→取得費・譲渡費用を引く→特別控除を引く」と矢印でつなぐ。最後に仕切りを置き、その右側で総所得金額への算入時だけ1/2にする。
覚えること:総合課税の長期譲渡は合算時1/2

所得区分が決まったら、区分ごとの式で所得金額を求めます。総合課税の譲渡所得と一時所得は、特別控除(最高50万円)を引いた後、長期譲渡と一時所得だけ2分の1を総所得金額に算入します。譲渡の短期・長期は、総合課税では所有期間5年以内か超かで分けます。

給与所得控除の最低額は、令和7年分が65万円、令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行、令和8年分以後に適用)により令和8年分・令和9年分は74万円です。公的年金等は雑所得として公的年金等控除額を引きます。

主な所得の計算式
所得計算式
配当収入金額−株式等を取得するための負債利子
不動産・事業総収入金額−必要経費(青色申告特別控除はその後)
給与収入金額−給与所得控除額
退職(収入金額−退職所得控除額)×1/2
譲渡(総合課税)収入−取得費・譲渡費用−特別控除50万円(長期は合算時1/2)
一時総収入金額−支出した金額−特別控除50万円(合算時1/2)
雑(公的年金等)収入金額−公的年金等控除額

試験に出る

  • 現金の受取額と、その年の所得に算入する額は一致しないことがある。
  • 減価償却では、支出額そのものではなく当年の償却費を所得計算で引く。
  • 退職所得は勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外で結果が変わる。
  • 一時所得は(総収入金額−支出した金額−特別控除最高50万円)の2分の1を総所得金額に算入する。
  • 給与所得控除の最低額は令和7年分65万円、令和8年分・令和9年分74万円。対象年分を先に確かめる。
  • 特定役員退職手当等は2分の1課税なし、短期退職手当等は控除後300万円超の部分だけ2分の1課税なし。

重要な言葉

減価償却費
事業用設備等の取得額を、使用期間にわたって費用配分した金額。
必要経費
所得を計算する段階で収入から差し引く、その所得に対応する費用。
退職所得
退職により受け取る一時金。勤続年数等で課税方法が定まる。

確認問題

確かめよう式を書く前に何を三行に分けますか。

「収入」「経費または控除」「例外条件」です。計算の速さより、どの式を適用するかの判断が先です。

事業用設備の購入額は、その全額を購入した年の必要経費にできる。

所得の種類によって、控除や課税方法が異なる。

事業用設備を購入した年の所得計算で、原則として引く金額は?

退職所得の計算で結果を変え得るものは?

勤続25年1か月、退職金2,000万円(障害退職ではなく、特定役員・短期退職手当等に当たらない)の退職所得は?

所得の計算では、現金を受け取った額と、その年の所得に算入する額が一致しないことがあります。特にやでは、支出・受取の時点と税の計算方法を分けます。

事業用設備をで購入し、問題の条件で当年の減価償却費がなら、所得計算で引くのは原則その12万円です。現金60万円が出たからといって、全額を当年の必要経費にするとは限りません。個人の法定償却方法は定額法で、取得価額10万円未満は全額、20万円未満は3年均等の一括償却を選べます。

給与、退職、一時、雑などは、それぞれや課税方法が異なります。では勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外が計算結果を変えるため、受取額だけで公式を選ばないようにします。

損益通算の詳細

損益通算とは、一定の所得で生じた損失を、他の所得の利益と相殺できる仕組みです。通算の対象となる所得や損失の内訳を確認する必要があります。

不動産所得の赤字のうち土地取得借入金利子に相当する部分を通算対象から分ける図
不動産所得の損失でも、土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分は他の所得との損益通算の対象外です。赤字の内訳を確認します。

2級では、所得名が損益通算の対象でも、損失の中に対象外の部分がないかを確認します。不動産所得の損失に含まれる土地取得のための借入金利子などが典型です。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の不動産所得の赤字80万円の帯を、土地取得借入金利子に当たる30万円と残り50万円に仕切る。30万円は脇の除外枠へ移し、50万円から右の給与所得へは「他の条件を満たす」場合だけ矢印をつなぐ。
覚えること:他の条件を満たせば通算50万円

不動産所得の赤字が80万円で、そのうち土地取得借入金利子に相当する額が30万円という条件なら、他の条件を満たす通算可能額は50万円として考えます。80万円全部を給与所得から引く計算とは違います。

上場株式等の譲渡損失には、一定の配当所得等との通算や繰越控除の仕組みがありますが、給与所得との自由な通算ではありません。申告方法や継続申告等の要件も確認します。

通算できる赤字と例外

通算できる赤字と例外の図解。画面を縦線で左右に仕切り、左に「通算の候補」、右に「通算対象外」を置く。不動産所得の赤字を表す紙片の束から、土地等取得の借入金利子に対応する赤字の紙片だけを右へ移す矢印を描く。
覚えること:不動産の土地等取得借入金利子相当分は除く

損益通算の基本対象は不動産・事業・山林・譲渡所得の損失です。ただし不動産所得の土地等取得のための借入金利子に対応する赤字、別荘・ゴルフ会員権など生活に通常必要でない資産の損失は通算できません。

土地・建物等の譲渡損失も、居住用財産の買換え等や特定居住用財産の譲渡損失の特例に該当する場合を除き通算できません。一般株式等の譲渡損失も対象外で、雑所得や一時所得の赤字は基本の四分類に入りません。

上場株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得等との通算、要件を満たす3年間の繰越控除を検討します。給与所得等と直接差し引く仕組みではありません。純損失の繰越控除は青色申告者なら原則3年で、白色申告者は被災事業用資産の損失などに限られます。

通算できる赤字と例外
損失の種類他所得との扱い
不動産・事業・山林・譲渡原則、損益通算の候補
不動産の土地取得借入金利子相当分通算対象から除く
上場株式等の譲渡損失一定の配当等との通算・繰越を検討
土地・建物等の譲渡損失原則通算不可(居住用財産の特例を除く)
生活に通常必要でない資産の損失通算不可
雑所得の赤字給与所得等と通算しない

試験に出る

  • 所得名が通算対象でも、損失の内訳に対象外部分がないか確認する。
  • 不動産所得の損失に含まれる土地取得のための借入金利子は通算の対象外となる部分がある。
  • 通算可能額を計算するときは、赤字の全額ではなく対象部分だけを引く。
  • 上場株式等の譲渡損失は、給与所得と自由に通算できない。
  • 譲渡損失の配当所得等との通算や繰越控除には申告要件がある。
  • 土地・建物等の譲渡損失や、別荘・ゴルフ会員権など生活に通常必要でない資産の損失は原則として通算できない。

重要な言葉

損益通算
一定の所得で生じた損失を、他の所得の利益と相殺する仕組み。
借入金利子
土地取得のための借入金に付く利子。不動産所得の損失では通算対象外となる部分がある。
繰越控除
控除しきれなかった損失を、一定の要件で翌年以降に繰り越す仕組み。

確認問題

確かめよう赤字が出たとき、どのように確認しますか。

①不動産・事業・山林・譲渡のどの所得の赤字か、②土地取得の借入金利子など対象外の部分を除いたか、③引く相手の所得が制度上認められているか、の三点です。確かめてから数字を矢印で結んで引きます。

不動産所得の損失に含まれる土地取得のための借入金利子は、通算の対象外となる部分がある。

上場株式等の譲渡損失は、給与所得と自由に通算できる。

土地・建物等の譲渡損失は、原則として給与所得と損益通算できる。

不動産所得の赤字80万円のうち、土地取得借入金利子30万円がある場合、通算可能額として考えるのは?

上場株式等の譲渡損失の通算について正しいものは?

2級では、所得名が損益通算の対象でも、損失の中に対象外の部分がないかを確認します。の損失に含まれる土地取得のためのなどが典型です。

不動産所得の赤字がで、そのうち土地取得借入金利子に相当する額がという条件なら、他の条件を満たす通算可能額は50万円として考えます。80万円全部を給与所得から引く計算とは違います。

上場株式等のには、一定の配当所得等との通算やの仕組みがありますが、給与所得との自由な通算ではありません。申告方法や継続申告等の要件も確認します。

所得控除の詳細

所得控除とは、生活上の事情や負担を税の計算に反映し、所得から差し引く仕組みです。誰についての控除かや所得・年齢などの要件を確認します。

所得控除を税率の前、税額控除を税率の後に差し引く二つの位置を示す図
所得控除は税率をかける前、税額控除は税額を計算した後に差し引きます。控除額と税負担の軽減額を同じものとして扱わないようにします。

所得控除は生活上の事情や負担を税の計算へ反映するものです。名前だけでなく、誰についての控除か、その人の所得や年齢、実際に負担した額などを確認します。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左から右へ、対象医療費30万円から補てん保険金5万円、差し引く基準額10万円を順に引く計算列を描き、右端の枠に控除額15万円を置く。各項目の間は「−」、結果の前は「=」でつなぐ。
覚えること:30万円−5万円−10万円=控除15万円

医療費控除の単純例として、対象医療費30万円、補てん保険金5万円、差し引く基準額10万円という条件なら、控除額は30−5−10=15万円です。支払額30万円全額が控除になるわけでも、15万円がそのまま還付されるわけでもありません。

扶養控除等では収入と所得の要件を混同しないようにします。給与だけの人でも給与所得控除後の所得を使う場面があります。基礎控除や扶養関連は改正があるため、問題の適用年と用語を確認します。

所得控除の種類と判定順

所得控除の種類と判定順の図解。左上に「年齢・合計所得」「生計・負担者」の確認欄を置き、下向き矢印で中央の「所得控除」へつなぐ。中央から右へ「所得金額 − 所得控除 → 課税所得」の順に並べ、条件を先に判定してから差し引く流れを示す。
覚えること:年齢・合計所得・生計・負担者を先に判定

所得控除は、所得金額から差し引いて課税所得を求める段階です。人的控除には基礎・配偶者・配偶者特別・扶養・障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生控除などがあり、支出に対応する控除には社会保険料・生命保険料・地震保険料・医療費・寄附金控除などがあります。対象者の年齢、合計所得金額、生計関係、実際の負担者を先に判定します。

医療費控除では本人または生計を一にする親族の医療費から保険金等の補てん額を除き、原則10万円または総所得金額等の5%の低い方を引きます(上限200万円)。補てん金はその給付の対象となる医療費から差し引き、他の医療費まで一括で差し引かない点を確認します。セルフメディケーション税制との選択適用も区別します。

所得控除の種類と判定順
区分主な控除確認する条件
人的控除基礎・配偶者・扶養・障害者等所得・年齢・生計
保険料の負担社会保険料・生命保険料・地震保険料支払者と証明
個別の支出医療費・寄附金対象支出・補てん・限度額

主な所得控除の金額(年分に注意)

主な所得控除の金額(年分に注意)の図解。上部に「合計所得132万円以下」を共通条件として置き、中央を縦に仕切って左に令和7年分の95万円、右に令和8・9年分の104万円を並べる。金額の間には左から右への矢印を置き、年分による違いを示す。
覚えること:132万円以下なら8・9年分104万円

基礎控除は令和7年分から、合計所得金額に応じた特例が加わりました。令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行)で令和8年分以後はさらに引き上げられ、令和8年分・令和9年分は最高104万円です。2026年度の試験では、設問がどの年分を前提にしているかを先に確かめます。

生命保険料控除は2012年以後の契約で一般・介護医療・個人年金の各最高4万円、合計最高12万円です。令和8年分・令和9年分は23歳未満の扶養親族がいれば一般生命保険料控除の上限が6万円になる特例があり、合計12万円は変わりません。

主な所得控除の金額(年分に注意)
本人の合計所得金額基礎控除(令和7年分)基礎控除(令和8年分・令和9年分)
132万円以下95万円104万円
132万円超336万円以下88万円104万円
336万円超489万円以下68万円104万円
489万円超655万円以下63万円67万円
655万円超2,350万円以下58万円62万円
2,350万円超2,500万円以下48万円・32万円・16万円と逓減48万円・32万円・16万円と逓減
2,500万円超0円0円
主な所得控除の金額(年分に注意)
所得控除控除額主な要件
配偶者控除38万円(70歳以上48万円)本人の合計所得1,000万円以下。配偶者の合計所得58万円以下(令和8年分は62万円以下)
配偶者特別控除最高38万円配偶者の合計所得58万円超133万円以下(令和8年分は62万円超)
扶養控除一般38万円、特定扶養63万円、老人扶養48万円(同居老親等58万円)16歳以上。扶養親族の合計所得58万円以下(令和8年分は62万円以下)
特定親族特別控除最高63万円19歳以上23歳未満の親族で、合計所得が扶養控除の要件を超え123万円以下
寄附金控除特定寄附金−2,000円総所得金額等の40%が支出額の上限
地震保険料控除最高5万円火災保険料は対象外
セルフメディケーション税制1万2,000円超の部分(上限8万8,000円)通常の医療費控除との選択適用

試験に出る

  • 所得控除は誰についての控除か、所得や年齢などの要件を確認する。
  • 医療費控除は支払額そのものではなく、補てん額と基準額を引いた額。
  • 控除額がそのまま還付されるわけではない。
  • 扶養控除等では収入と所得の要件を混同しない。
  • 「生計を一にする」は同居だけでは判断せず実態で見る。
  • 配偶者控除は本人の合計所得1,000万円以下が要件。配偶者の合計所得要件は令和7年分58万円以下、令和8年分62万円以下。
  • 扶養控除は16歳未満は対象外。特定扶養親族(19歳以上23歳未満)63万円。特定親族特別控除は令和7年分から最高63万円。

重要な言葉

所得控除
生活上の事情や負担を反映して所得から差し引く仕組み。
医療費控除
対象医療費から補てん額と基準額を引いた額を所得から控除する制度。
扶養控除
生計を一にする扶養親族がいる場合に受けられる所得控除。
特定親族特別控除
19歳以上23歳未満の親族の所得が扶養控除の要件を超えても、123万円以下なら段階的に受けられる控除。

確認問題

確かめよう「生計を一にする」は必ず同居を意味するでしょうか。

いいえ。勤務や修学のため別居していても、常に生活費や学資金の送金を受けていれば生計を一にするとされます。住所が同じかどうかだけで判断しません。

所得控除では、控除を受ける人の所得や年齢などの要件を確認する。

医療費控除の控除額は、支払った医療費の全額である。

16歳未満の扶養親族については、扶養控除の適用を受けられない。

対象医療費30万円、補てん保険金5万円、基準額10万円のときの医療費控除額は?

「生計を一にする」の判断として適切なものは?

は生活上の事情や負担を税の計算へ反映するものです。名前だけでなく、誰についての控除か、その人のや年齢、実際に負担した額などを確認します。

の単純例として、対象医療費30万円、補てん保険金5万円、差し引く基準額10万円という条件なら、控除額は30−5−10=です。支払額30万円全額が控除になるわけでも、15万円がそのまま還付されるわけでもありません。

等では収入と所得の要件を混同しないようにします。給与だけの人でも給与所得控除後の所得を使う場面があります。や扶養関連は改正があるため、問題の適用年と用語を確認します。

税額控除

税額控除とは、算出した税額から直接差し引く控除です。所得から引く所得控除とは段階が異なり、適用条件や上限を確認します。

既払税額15万円から年税額12万円を充当し、差額3万円を還付へ移す図
年税額12万円、源泉徴収等の既払額15万円なら、他の調整がない単純例では3万円が還付の方向です。既払額が不足する場合は追加納付になります。

住宅ローン控除や配当控除等は税額から引く仕組みですが、対象となる所得や住宅等の条件が異なります。適用順序と控除できる上限まで含めて考えます。

税額控除
段階計算例
算出税額20万円
税額控除を差し引く20−12=8万円
源泉徴収済み税額と精算する8−10=−2万円(還付の方向)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。正方形の上段に「算出税額20万円 − 税額控除12万円 → 控除後8万円」を左から右へ配置する。横線で区切った下段では、控除後8万円と源泉徴収額10万円を比べ、「還付2万円」へ矢印をつなぐ。
覚えること:適用可能な税額控除後、源泉徴収額を精算

算出税額20万円、問題上適用できる税額控除が12万円なら控除後8万円です。源泉徴収額が10万円なら、さらに精算して2万円の還付となる単純例です。税額控除と源泉徴収済額は同じ制度ではなく、別の段階で差し引きます。

配当控除は、どの配当でも、どの申告方法でも使えるわけではありません。対象配当、総合課税の選択等を先に確かめます。税率の低さだけを見て申告方法を選ぶ問題でも、他の所得や控除との関係を落とさないようにします。

課税所得から納付額まで

課税所得から納付額までの図解。中央に縦一列の流れを置き、所得金額から所得控除を引いて課税所得へ、税率を適用して算出税額へと下向き矢印でつなぐ。算出税額から税額控除を引く段と、既納税額を精算して納付・還付に至る段を横線で仕切る。
覚えること:税額控除後に既納税額を精算

収入から所得区分別の経費・控除を引いて所得金額を求め、損益通算等を行い、所得控除を引いて課税所得を出します。税率を適用した算出税額から住宅借入金等特別控除や配当控除などの税額控除を引き、その後に源泉徴収済額・予定納税額を精算します。所得控除、税額控除、既納税額を同じ欄で引かないでください。

配当控除は、国内法人の配当を総合課税で申告した場合に適用され、申告分離課税・申告不要を選んだ配当には適用されません。控除率は課税総所得金額等のうち1,000万円以下の部分が10%、超える部分が5%です。J-REITの分配金や外国株式の配当は対象外です。

住宅借入金等特別控除は、年末借入残高(限度額あり)×0.7%を税額から引きます。合計所得2,000万円以下、返済期間10年以上、原則床面積50㎡以上、取得から6か月以内の居住などが要件です。入居年と住宅区分で限度額・控除期間が変わり、令和8年度改正で適用期限が延長され限度額等も見直されたため、適用年分を先に読みます。

住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要で、給与所得者は2年目以降を年末調整で受けられます。所得税から引ききれない分は、一定の限度で翌年度の個人住民税から控除されます。

課税所得から納付額まで
段階引くもの
所得金額必要経費・所得区分別控除
課税所得損益通算等・所得控除
算出税額からの控除配当控除・住宅借入金等特別控除など
納付・還付の精算源泉徴収税額・予定納税額

試験に出る

  • 税額控除は所得控除と違い、算出税額から直接差し引く。
  • 住宅ローン控除や配当控除は対象所得や条件、上限が異なる。
  • 税額控除を引いた後、源泉徴収済額と精算する順序。
  • 配当控除は対象配当や申告方法の選択などの要件がある。
  • 税率の低さだけで申告方法を選ばない。
  • 配当控除率は課税総所得金額等1,000万円以下の部分が10%(超える部分5%)。J-REITや外国株式の配当は対象外。
  • 住宅ローン控除は年末残高×0.7%。合計所得2,000万円以下、返済期間10年以上などが基本の要件。

重要な言葉

税額控除
算出税額から直接差し引く控除。所得控除とは段階が異なる。
配当控除
対象配当について、一定の要件で税額から差し引く制度。
源泉徴収
支払時にあらかじめ差し引かれる税金。確定申告で精算する。

確認問題

確かめよう税額控除を引いた後に源泉徴収を精算する道順を言えますか。

所得金額−所得控除=課税所得、課税所得×税率=算出税額、算出税額−税額控除、最後に源泉徴収税額・予定納税額を差し引いて納付か還付、の順です。すでに納めた税額と制度上の軽減は別の段階です。

税額控除は、算出税額から直接差し引く。

配当控除は、どの配当でもどの申告方法でも使える。

J-REIT(上場不動産投資法人)の分配金は、総合課税を選択すれば配当控除の対象となる。

算出税額20万円、税額控除12万円、源泉徴収額10万円のとき、精算結果は?

税額控除と所得控除の違いとして正しいものは?

や配当控除等は税額から引く仕組みですが、対象となる所得や住宅等の条件が異なります。と控除できる上限まで含めて考えます。

20万円、問題上適用できる税額控除が12万円なら控除後8万円です。が10万円なら、さらに精算して2万円の還付となる単純例です。税額控除と源泉徴収済額は同じ制度ではなく、別の段階で差し引きます。

は、どの配当でも、どの申告方法でも使えるわけではありません。対象配当、の選択等を先に確かめます。税率の低さだけを見て申告方法を選ぶ問題でも、他の所得や控除との関係を落とさないようにします。

確定申告

確定申告とは、1年間の所得と税額を自分で計算して税務署に申告・納付する手続です。申告義務や課税方法の選択、控除の手続要件を区別します。

既払税額15万円から年税額12万円を充当し、差額3万円を還付へ移す図
年税額12万円、源泉徴収等の既払額15万円なら、他の調整がない単純例では3万円が還付の方向です。既払額が不足する場合は追加納付になります。

確定申告では、申告義務、選択できる課税方法、控除を受けるための手続を区別します。申告不要の条件に当てはまっても、還付や損失の繰越のために申告する場面があります。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の仕切りを挟み、左に「所得税:申告不要の条件を満たす」、右に「住民税:申告が必要な場合もある」を配置する。左の判定が右へそのまま移らないよう、仕切りを越える矢印に×を付ける。
覚えること:所得税が申告不要でも住民税は要確認

給与所得者の副収入に関する問題では、20万円という数字だけを見ず、収入か所得か、給与の受取先、年末調整の有無などを確認します。所得税の申告不要の扱いが住民税の申告にもそのまま当てはまるとは限りません。

青色申告には帳簿等の要件に応じた特典があります。「青色なら最大控除を必ず使える」のではなく、記帳・貸借対照表等・期限内申告・電子申告等の条件を確認して控除額を選びます。

令和8年度税制改正により、青色申告特別控除は令和9年分以後、現行の55万円控除の要件(複式簿記・期限内申告等)にe-Taxでの申告を加えて65万円に、さらに仕訳帳・総勘定元帳の電磁的記録の保存等を行えば75万円に引き上げられます。

同じ改正で、e-Taxを使わない複式簿記の申告に対する55万円の区分はなくなり、10万円控除からは前々年分の事業・不動産所得の収入金額が1,000万円を超える人が除かれます。令和8年分以前の申告には現行の区分を使います。

国税と地方税の申告・課税は完全には一致しません。所得税の確定申告が不要な条件を満たしても、住民税の申告が必要な場合があります。個人事業税では対象業種や事業主控除等を別に確認し、所得税の計算結果を無条件で転記しません。

海外の所得では、居住者・非居住者の区分や所得源泉を確認します。外国でも課税される場合の外国税額控除や租税条約は、国をまたぐ二重課税の調整に関係します。海外口座で受け取ったことだけを理由に、日本の申告対象外とは判断できません。

税制改正は、成立した年と適用される所得の年が違う場合があります。基礎控除や住宅関連の控除を計算するときは、国税庁の対象年分、所得条件、経過措置を確認します。去年の申告書の数字をそのまま今年の控除額へ転記しないことが大切です。

申告期限・還付・青色申告

申告期限・還付・青色申告の図解。1本の時間軸に「翌年」を示し、上段の還付申告は1月1日を起点に右へ原則5年間続く矢印、下段の通常の確定申告は2月16日〜3月15日の短い帯で示す。5年間の矢印には省略記号を入れ、帯との長さを縮尺として比較させない。
覚えること:還付は翌年1月1日から原則5年

所得税の確定申告期間は原則、対象年の翌年2月16日から3月15日までです。還付申告は翌年1月1日から原則5年間行えます。年の途中で死亡した人の準確定申告は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に相続人が行います。

給与所得者は、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円以下なら原則として確定申告不要です。これは所得(収入−経費)の基準で、給与収入2,000万円超の人は申告が必要です。住民税の申告不要を自動的に意味しません。

青色申告の承認申請は、適用を受けたい年の3月15日まで(1月16日以後の開業なら開業日から2か月以内)に行います。特典には青色申告特別控除、青色事業専従者給与の必要経費算入、純損失の3年間繰越控除・繰戻還付があります。現行の控除額は65万円・55万円・10万円で、令和9年分からの改正後の区分を令和8年分以前の設問に適用しないでください。

申告期限・還付・青色申告
手続主な時期・条件
通常の確定申告原則、翌年2月16日〜3月15日
還付申告翌年1月1日から原則5年間
準確定申告相続の開始を知った日の翌日から4か月以内
青色申告の承認申請適用年の3月15日まで(1月16日以後開業は2か月以内)
青色申告特別控除帳簿・期限・e-Tax等で控除額が変わる
住民税申告所得税の申告不要と別判定

試験に出る

  • 確定申告では、申告義務・課税方法の選択・控除の手続を区別する。
  • 申告不要の条件でも、還付や損失の繰越のために申告する場合がある。
  • 給与所得者の副収入は、収入か所得か、年末調整の有無などを確認する。
  • 所得税の申告不要の扱いが住民税の申告にもそのまま当てはまるとは限らない。
  • 基礎控除等は改正があるため、対象年分と経過措置を確認する。
  • 青色申告特別控除は現行最高65万円。令和9年分以後はe-Taxでの申告を要件に65万円、帳簿の電磁的記録保存等も満たすと75万円に改正される。
  • 給与所得者は、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下なら原則として確定申告不要。給与収入2,000万円超は申告が必要。

重要な言葉

確定申告
1年間の所得と税額を計算して申告・納付する手続。
青色申告
一定の記帳等の要件を満たすと特典が受けられる申告方式。
青色申告特別控除
青色申告者が要件に応じて所得から差し引ける控除。現行は最高65万円で、令和9年分以後は65万円・75万円の区分に改正される。
外国税額控除
外国で課税された税額を、一定の範囲で日本の税額から差し引く仕組み。
租税条約
国をまたぐ二重課税を調整するために結ばれる条約。

確認問題

確かめよう税金を減らす計算条件だけでなく、何まで問題に含まれていませんか。

提出期限や必要書類です。金額の条件と手続の条件の両方を満たして初めて使える制度があります。

所得税の確定申告が不要なら、住民税の申告も必ず不要である。

申告不要の条件でも、還付や損失の繰越のために申告する場合がある。

給与所得者の副収入が問題になる場合、確認すべきことは?

青色申告の特典について正しいものは?

では、申告義務、選択できる課税方法、控除を受けるための手続を区別します。申告不要の条件に当てはまっても、還付やのために申告する場面があります。

給与所得者の副収入に関する問題では、という数字だけを見ず、収入か所得か、給与の受取先、年末調整の有無などを確認します。所得税の申告不要の扱いがの申告にもそのまま当てはまるとは限りません。

には帳簿等の要件に応じた特典があります。「青色なら最大控除を必ず使える」のではなく、記帳・等・期限内申告・電子申告等の条件を確認して控除額を選びます。

により、は令和9年分以後、現行の55万円控除の要件(複式簿記・期限内申告等)にe-Taxでの申告を加えて65万円に、さらに仕訳帳・総勘定元帳の電磁的記録の保存等を行えば75万円に引き上げられます。

国税と地方税の申告・課税は完全には一致しません。所得税の確定申告が不要な条件を満たしても、の申告が必要な場合があります。では対象業種や事業主控除等を別に確認し、所得税の計算結果を無条件で転記しません。

海外の所得では、居住者・非居住者の区分や所得源泉を確認します。外国でも課税される場合のやは、国をまたぐ二重課税の調整に関係します。海外口座で受け取ったことだけを理由に、日本の申告対象外とは判断できません。

税制改正は、成立した年と適用される所得の年が違う場合があります。や住宅関連の控除を計算するときは、国税庁の対象年分、所得条件、を確認します。去年の申告書の数字をそのまま今年の控除額へ転記しないことが大切です。

法人税・消費税と会社役員の税務

法人税とは、会社の所得に対して課される国税です。会計上の利益と税務上の所得は一致しないことがあり、損金算入の要件を確認します。

エルくんが利益100の計算台へ損金不算入20の調整タイルを戻して120を作る図。
考え方の例:他の調整がなければ100+20=120万円です。会計上の費用でも税務上の損金にできない金額は加算して所得を求めます。

会社の会計利益と、法人税を計算する所得は同じとは限りません。会計で費用にしても、税務で損金として認められる条件を満たさないことがあるためです。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に左から右へ進む計算図を置き、「利益100万円」+「損金不算入20万円」→「税務上の所得120万円」と示す。20万円以外の調整がない単純な条件であることを、加算部分の枠内に「これだけ」と記す。
覚えること:利益100万+不算入20万のみ→120万

利益100万円に、損金不算入の費用20万円だけがある単純な条件なら、税務上の所得は120万円です。逆に税務上の損金に算入する調整があれば減算します。

役員給与や交際費等は損金算入の要件・限度を確認します。役員へ臨時に払った金額を、従業員給与と同じ感覚で全て損金にできるとは限りません。会社と役員の間の低額譲渡や貸付けも、両者の税務を分けて考えます。

消費税は、原則として売上に係る消費税額から要件を満たす仕入税額控除等を控除して計算します。課税・非課税・不課税、納税義務、簡易課税、インボイスの条件は別の論点です。売上税額だけをそのまま納付額としません。

法人税の加減算と消費税の入口

法人税の加減算と消費税の入口の図解。左の「会計利益」から右の「法人所得」へ一本の矢印を通す。途中の計算枠は上下に仕切り、上段で「損金不算入」「益金算入」を+、下段で「損金算入・益金不算入」を−として反映する。
覚えること:会計利益に加減算し法人所得を計算

法人の会計利益に、損金不算入・益金算入を加え、損金算入・益金不算入を差し引いて所得を計算します。役員給与では定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与などの要件に該当するかが争点です。交際費や寄附金も会計上の費用を無条件で税務上の損金にしません。

消費税では、資産の譲渡等が課税・非課税・不課税のどれか、免税取引かを分けます。納税義務は原則として基準期間の課税売上高1,000万円超で生じ、特定期間の売上や適格請求書発行事業者登録などの例外を確認します。仕入税額控除には帳簿・請求書等の保存要件があり、簡易課税は基準期間売上等の条件と届出を別に見ます。

法人税の加減算と消費税の入口
論点先に判定すること
法人所得会計利益への加算・減算
役員給与定期同額・事前確定届出・業績連動等
消費税の対象課税・非課税・不課税・免税
消費税の納税義務基準期間・特定期間・登録
仕入税額控除取引区分と保存書類

法人税の主な数値

法人税の主な数値の図解。正方形の図を縦線で左右に分け、左に普通法人「23.2%」、右に中小法人を配置する。右側では所得の「年800万円以下」の部分だけを「15%(特例)」の枠に入れ、軽減税率が適用される範囲を示す。
覚えること:中小法人の年800万円以下は特例15%

法人税率は普通法人で23.2%、中小法人は年800万円以下の所得部分に軽減税率15%(特例)が適用されます。青色申告法人の欠損金は10年間繰り越せます。法人の減価償却は償却限度額の範囲で損金経理した額が損金になり、法定償却方法は原則定率法(建物等は定額法)です。

交際費等は、資本金1億円以下の中小法人なら年800万円までの定額控除と接待飲食費の50%損金算入の選択、資本金100億円超の法人は全額不算入です。1人当たり1万円以下の飲食費(社内飲食費を除く)は交際費等から除かれます。受取配当等は益金不算入、法人税・住民税や罰科金は損金不算入です。

法人税の主な数値
項目主な扱い
役員給与の損金算入定期同額・事前確定届出・業績連動(不相当に高額な部分は不算入)
交際費等(中小法人)年800万円まで、または接待飲食費の50%
減価償却償却限度額内の損金経理額。法人の法定償却方法は原則定率法
欠損金の繰越控除青色申告法人は10年間
受取配当等益金不算入の制度あり

会社と役員間の取引

会社と役員間の取引の図解。中央でエルくんが左の役員側から右の会社側へ資産を渡す。上に「時価の1/2未満」の条件を置き、縦の仕切りを挟んで左に役員側の扱い、右に会社側の扱いを示す。
覚えること:役員→会社、時価の1/2未満は時価譲渡

会社と役員の取引では、時価との差額を誰の所得とするかを会社側・役員側に分けて考えます。役員が会社へ時価の2分の1未満で資産を譲渡すると、役員は時価で譲渡したものとみなされ、会社は時価との差額が受贈益になります。会社から役員への低額譲渡や無利息貸付けでは、差額や通常の利息相当額が役員給与となります。

会社と役員間の取引
取引会社側役員側
役員→会社へ低額譲渡(時価の1/2未満)時価との差額が受贈益時価で譲渡したものとみなす
役員→会社へ高額譲渡時価を超える部分は役員給与時価までは譲渡所得、超える部分は給与所得
会社→役員へ低額譲渡時価との差額は役員給与差額は給与所得
会社→役員へ無利息貸付け通常の利息との差額は役員給与差額は給与所得
役員→会社へ無利息貸付け課税関係なし原則課税なし

消費税の主な数値

消費税の主な数値の図解。左に「基準期間の課税売上高が1,000万円以下」の枠、右に「特定期間」の判定枠を置く。右枠では課税売上高と給与等の支払額がそれぞれ1,000万円を超える2本の目盛りを縦に並べ、「両方」の合流矢印から納税義務へつなぐ。
覚えること:特定期間:両方1,000万円超で納税

基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間(前年または前事業年度開始から6か月)の課税売上高と給与等の支払額がともに1,000万円を超えると納税義務があります。資本金1,000万円以上の新設法人は設立当初2年間、納税義務があります。

簡易課税は基準期間の課税売上高5,000万円以下で、適用したい課税期間の開始前に届出を行い、原則2年間は継続します。みなし仕入率は事業区分ごとに90%〜40%です。免税事業者が適格請求書発行事業者になった場合の2割特例(納付税額を売上税額の2割とする)は、令和8年9月30日を含む課税期間までです。令和8年度改正で、個人事業者に限り令和9年分・令和10年分は3割特例が設けられました。

申告期限は個人事業者が翌年3月31日、法人が事業年度終了日の翌日から2か月以内です。

試験に出る

  • 会計上の利益と、法人税を計算する所得は一致しないことがある。
  • 損金不算入の費用があると、会計利益より税務上の所得が大きくなる。
  • 役員給与や交際費等は損金算入の要件・限度がある。
  • 消費税は売上税額そのものではなく、要件を満たす仕入税額控除等を差し引く。
  • 会社と役員の間の取引は、両者の税務を分けて考える。
  • 中小法人の交際費は年800万円までの定額控除と接待飲食費の50%損金算入の選択。1人当たり1万円以下の飲食費は交際費から除かれる。
  • 役員が会社に時価の1/2未満で資産を譲渡すると、役員は時価で譲渡したものとみなされる。会社が役員に低額譲渡した差額は役員給与。
  • 簡易課税は基準期間の課税売上高5,000万円以下で、事前の届出が必要。

重要な言葉

損金不算入
会計上は費用でも、税務上の損金に算入できない金額。
仕入税額控除
売上に係る消費税額から、要件を満たす仕入れ等の税額を差し引く仕組み。
役員給与
役員に支払う給与。損金算入には一定の要件がある。
交際費等
得意先等への接待・贈答などの費用。法人税では損金算入に限度がある。
簡易課税制度
売上税額にみなし仕入率を掛けて仕入税額を計算する中小事業者向けの方法。

確認問題

確かめよう会計で費用20万円を計上したら法人税でも必ず20万円を引ける?

いいえ。損金算入の要件を確認します。

会計で費用に計上した金額は、法人税の計算でも必ず損金にできる。

消費税は、売上税額から仕入税額控除等を差し引いて計算するのが原則である。

会社が役員から無利息で金銭を借り入れても、原則として役員に所得税は課されない。

消費税の簡易課税制度は、基準期間の課税売上高が1億円以下なら届出なしで適用される。

利益100万円に損金不算入の費用20万円がある場合、税務上の所得は?

役員給与の損金算入について正しいものは?

資本金1億円以下の中小法人(大法人の子会社等を除く)の交際費等の損金算入について正しいものは?

会社のと、法人税を計算するは同じとは限りません。会計で費用にしても、税務で損金として認められる条件を満たさないことがあるためです。

利益100万円に、の費用20万円だけがある単純な条件なら、税務上の所得はです。逆に税務上の損金に算入する調整があれば減算します。

や交際費等はの要件・限度を確認します。役員へ臨時に払った金額を、従業員給与と同じ感覚で全て損金にできるとは限りません。会社と役員の間の低額譲渡や貸付けも、両者の税務を分けて考えます。

は、原則として売上に係る消費税額から要件を満たす等を控除して計算します。課税・非課税・不課税、納税義務、簡易課税、インボイスの条件は別の論点です。売上税額だけをそのまま納付額としません。

住民税・事業税と所得税の違い

個人住民税とは、前年の所得を基に翌年度に課される地方税です。所得税とは課税時期や控除の条件が異なります。

エルくんが所得税・法人税等の税名カードを国/地方×個人/法人の整理棚へ入れる図。
同じ所得に関わっていても、国税と地方税では対象や控除の条件が異なります。図は税の種類の整理で、税額や申告要件の計算を示すものではありません。

所得に関わる税金は所得税だけではありません。同じ収入を扱う場合でも、国税と地方税では課税時期や計算条件が異なります。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央を縦線で仕切り、左に「前年の所得」、右に退職後の「当年の給与なし」と「住民税の所得割」を配置する。左の所得から右の所得割へ矢印を引き、前年の所得を基にする関係を示す。
覚えること:退職後も前年所得への所得割が残る場合あり

個人住民税は前年の所得を基にする所得割と、均等割等を区別します。退職して当年の給与がなくなっても、前年の所得に対する負担が残ることがあります。所得税と控除額が同じとは限りません。2024年度からは、個人住民税均等割と併せて森林環境税(国税・年1,000円)が賦課徴収されています。

個人事業税は対象となる事業に課され、所得税の青色申告特別控除と同じ控除をそのまま適用するわけではありません。事業主控除や業種ごとの税率など、事業税独自の条件で整理します。

法人にも法人税とは別に法人住民税・法人事業税があります。個人の所得税や住民税は必要経費にできませんが、事業税等は扱いが異なります。単に税金という理由で一括して必要経費・損金と判断しないことが大切です。

課税主体・時点・事業主控除

課税主体・時点・事業主控除の図解。中央の縦線で左右を分け、左は「その年の所得」から「所得税(国税)」へ、右は「前年所得」から「個人住民税(地方税)」へ矢印を引く。右の矢印には「翌年度に課税」を添え、課税の基になる所得の時点を対比する。
覚えること:所得税は原則当年・住民税は前年→翌年度

所得税は国税で原則その年の所得に課税し、個人住民税は地方税で前年所得を基に翌年度に課税します。森林環境税は国税ですが個人住民税均等割と併せて年1,000円が徴収されます。所得控除・税額控除の額や適用条件を所得税からそのまま住民税へ移しません。

個人事業税は法定業種に対する都道府県税です。事業主控除は原則年290万円(営業期間が1年未満なら月割)で、青色申告特別控除は適用しません。法人には法人税のほか法人住民税・法人事業税があり、税目と納税者を分けて判断します。

課税主体・時点・事業主控除
税課税主体・基準
所得税国・その年の所得
個人住民税地方・前年の所得
個人事業税都道府県・法定業種と事業主控除
森林環境税国税・個人住民税と併せて徴収

試験に出る

  • 所得に関わる税は所得税だけでなく、地方税では課税時期が異なる。
  • 個人住民税は前年の所得を基に、所得割と均等割等を区別する。
  • 所得税の控除額と住民税の控除額は同じとは限らない。
  • 個人事業税は青色申告特別控除をそのまま適用せず、事業主控除等の独自条件がある。
  • 個人の所得税・住民税は必要経費にできないが、事業税等は扱いが異なる。

重要な言葉

個人住民税
前年の所得を基に翌年度に課される地方税。所得割と均等割等がある。
個人事業税
対象となる事業に課される地方税。事業主控除等の独自の条件がある。
均等割
所得の多少にかかわらず一定額が課される部分。

確認問題

確かめよう今年退職して収入が減ったら、前年所得に対する住民税も必ずゼロ?

いいえ。どの年の所得へ課税するかを確認します。

個人住民税は、当年の所得に基づいて当年に課される。

個人の所得税や住民税は必要経費にできないが、事業税等は扱いが異なる。

個人住民税の説明として正しいものは?

個人事業税について正しいものは?

所得に関わる税金はだけではありません。同じ収入を扱う場合でも、では課税時期や計算条件が異なります。

は前年の所得を基にする所得割と、等を区別します。退職して当年の給与がなくなっても、前年の所得に対する負担が残ることがあります。所得税と控除額が同じとは限りません。2024年度からは、個人住民税均等割と併せて(国税・年1,000円)が賦課徴収されています。

は対象となる事業に課され、所得税の青色申告特別控除と同じ控除をそのまま適用するわけではありません。や業種ごとの税率など、事業税独自の条件で整理します。

法人にも法人税とは別に・があります。個人の所得税や住民税は必要経費にできませんが、事業税等は扱いが異なります。単に税金という理由で一括して必要経費・損金と判断しないことが大切です。

覚えるポイント

  • 経費の支出時点と所得計算への算入時点を分ける。
  • 通算できる所得でも、赤字の内訳に対象外部分がないか確認する。
  • 控除の金額条件と手続条件を両方点検する。
  • 役員給与・交際費等は損金算入の要件と限度があり、会社と役員の取引は両者の課税を分けて考える。
  • 個人住民税は前年所得に課税され、個人事業税は事業主控除290万円を引き、青色申告特別控除は適用しない。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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