所得とは
所得とは、収入からその所得に対応する必要経費や控除を差し引いた、課税の土台となる金額です。現金の受取額とその年に算入する額は一致しないことがあります。

所得の計算では、現金を受け取った額と、その年の所得に算入する額が一致しないことがあります。特に減価償却や退職所得では、支出・受取の時点と税の計算方法を分けます。
基本の仕組み

事業用設備を60万円で購入し、問題の条件で当年の減価償却費が12万円なら、所得計算で引くのは原則その12万円です。現金60万円が出たからといって、全額を当年の必要経費にするとは限りません。個人の法定償却方法は定額法で、取得価額10万円未満は全額、20万円未満は3年均等の一括償却を選べます。
給与、退職、一時、雑などは、それぞれ控除や課税方法が異なります。退職所得では勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外が計算結果を変えるため、受取額だけで公式を選ばないようにします。
所得10種類と退職所得の計算

所得税の所得は利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類です。同じ入金でも所得区分により必要経費、控除、総合課税・分離課税が変わります。公的年金は原則として雑所得、死亡保険金は負担者と受取人の関係によって所得税以外の税目になる場合があります。
一般的な退職所得は(退職収入−退職所得控除額)×1/2です。退職所得控除は勤続20年以下なら40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数−20年)で、障害者になったことによる退職では100万円を加えます。勤続年数の1年未満は切り上げるため、25年1か月なら26年として計算します。
役員等としての勤続5年以下の特定役員退職手当等は2分の1を適用しません。それ以外の勤続5年以下の短期退職手当等は、控除後300万円を超える部分に2分の1を適用しません。「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、源泉徴収で課税が完結します。
| 所得のグループ | 該当する種類 |
|---|---|
| 経常的な資産収益 | 利子・配当・不動産 |
| 労働・事業 | 事業・給与・退職 |
| 財産の処分・偶発収入 | 山林・譲渡・一時 |
| ほかの区分に当たらない収入 | 雑 |
主な所得の計算式

所得区分が決まったら、区分ごとの式で所得金額を求めます。総合課税の譲渡所得と一時所得は、特別控除(最高50万円)を引いた後、長期譲渡と一時所得だけ2分の1を総所得金額に算入します。譲渡の短期・長期は、総合課税では所有期間5年以内か超かで分けます。
給与所得控除の最低額は、令和7年分が65万円、令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行、令和8年分以後に適用)により令和8年分・令和9年分は74万円です。公的年金等は雑所得として公的年金等控除額を引きます。
| 所得 | 計算式 |
|---|---|
| 配当 | 収入金額−株式等を取得するための負債利子 |
| 不動産・事業 | 総収入金額−必要経費(青色申告特別控除はその後) |
| 給与 | 収入金額−給与所得控除額 |
| 退職 | (収入金額−退職所得控除額)×1/2 |
| 譲渡(総合課税) | 収入−取得費・譲渡費用−特別控除50万円(長期は合算時1/2) |
| 一時 | 総収入金額−支出した金額−特別控除50万円(合算時1/2) |
| 雑(公的年金等) | 収入金額−公的年金等控除額 |
試験に出る
- 現金の受取額と、その年の所得に算入する額は一致しないことがある。
- 減価償却では、支出額そのものではなく当年の償却費を所得計算で引く。
- 退職所得は勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外で結果が変わる。
- 一時所得は(総収入金額−支出した金額−特別控除最高50万円)の2分の1を総所得金額に算入する。
- 給与所得控除の最低額は令和7年分65万円、令和8年分・令和9年分74万円。対象年分を先に確かめる。
- 特定役員退職手当等は2分の1課税なし、短期退職手当等は控除後300万円超の部分だけ2分の1課税なし。
重要な言葉
- 減価償却費
- 事業用設備等の取得額を、使用期間にわたって費用配分した金額。
- 必要経費
- 所得を計算する段階で収入から差し引く、その所得に対応する費用。
- 退職所得
- 退職により受け取る一時金。勤続年数等で課税方法が定まる。
確認問題
確かめよう式を書く前に何を三行に分けますか。
「収入」「経費または控除」「例外条件」です。計算の速さより、どの式を適用するかの判断が先です。
事業用設備の購入額は、その全額を購入した年の必要経費にできる。
所得の種類によって、控除や課税方法が異なる。
事業用設備を購入した年の所得計算で、原則として引く金額は?
退職所得の計算で結果を変え得るものは?
勤続25年1か月、退職金2,000万円(障害退職ではなく、特定役員・短期退職手当等に当たらない)の退職所得は?
所得の計算では、現金を受け取った額と、その年の所得に算入する額が一致しないことがあります。特にやでは、支出・受取の時点と税の計算方法を分けます。
事業用設備をで購入し、問題の条件で当年の減価償却費がなら、所得計算で引くのは原則その12万円です。現金60万円が出たからといって、全額を当年の必要経費にするとは限りません。個人の法定償却方法は定額法で、取得価額10万円未満は全額、20万円未満は3年均等の一括償却を選べます。
給与、退職、一時、雑などは、それぞれや課税方法が異なります。では勤続年数の端数処理や短期退職手当等の例外が計算結果を変えるため、受取額だけで公式を選ばないようにします。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本FP協会:2級・3級FP技能検定 試験要綱 ↗
- きんざい:FP技能検定 ↗
- 国税庁:所得控除のあらまし ↗
- 国税庁:損益通算 ↗
- 国税庁:不動産所得が赤字のときの他の所得との通算 ↗
- 国税庁:必要経費の知識 ↗
- 国税庁:2025年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等 ↗
- 日本FP協会:2級 試験範囲の細目(2026年9月確認) ↗
- 総務省:森林環境税及び森林環境譲与税について ↗
- 財務省:令和8年度税制改正の大綱(青色申告特別控除の引上げ) ↗
- 国税庁:退職手当等に対する源泉徴収 ↗
- 国税庁:青色申告制度 ↗
- 国税庁:消費税の納税義務の免除 ↗
- 国税庁:令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について ↗
- 国税庁:生命保険料控除 ↗
- 国税庁:配当控除 ↗
- 国税庁:マイホームの取得等と所得税の税額控除 ↗
- 国税庁:交際費等の範囲と損金不算入額の計算 ↗
- 国税庁:簡易課税制度 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
教材の編集方針・訂正について
