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FP技能検定 · 学習ガイド

ライフプランニングと資金計画

制度を横断する相談事例を、年齢・加入歴・受給開始時期・家計の資金繰りに分解します。複雑な条件を一つの表に置き、判断と計算の根拠を説明する練習です。

仕組みを理解する

公的年金の詳細計算

在職老齢年金は、老齢厚生年金の受給者が働いて一定の収入を得るとき、年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。基本月額と総報酬月額相当額の合計で調整します。

エルくんが報酬比例部分と総報酬月額相当額を基準と比較する箱へ入れ、基礎年金を計算対象外に分ける図。
在職老齢年金は対象となる基本月額と総報酬月額相当額を基に調整します。老齢基礎年金は停止対象外で、支給停止調整額は適用年度を確認します。

1級の年金問題では、式を覚えるだけでなく、どの期間や給付にどの調整を当てるかが重要です。生年月日、加入歴、配偶者の年齢、就労状況を時系列に並べ、基礎年金と厚生年金を分けて考えます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に基本月額10万円と総報酬月額相当額60万円を積んだ縦棒を置き、合計70万円の位置まで伸ばす。2026年度の支給停止調整額65万円で横線を引き、超過した5万円の帯を半分に分けて、右向き矢印で停止額2万5,000円と調整後の老齢厚生年金7万5,000円につなぐ。
覚えること:2026年度は65万円超過分の半額停止

2026年4月以降の在職老齢年金を例にします。基本月額(加給年金額・経過的加算額を除く報酬比例部分の月額)が10万円、総報酬月額相当額が60万円のとき、合計70万円は支給停止調整額65万円を5万円上回ります。

よって支給停止額は(10+60−65)÷2=2万5,000円、調整後の老齢厚生年金は月7万5,000円です。総報酬月額相当額は標準報酬月額にその月以前1年間の標準賞与額の合計÷12を加えた額で、手取り給与とは異なります。

老齢基礎年金は在職老齢年金による支給停止の対象外なので、この計算には含めません。65万円は2026年度の基準であり、2025年度の51万円など過去問の基準へそのまま置き換えないでください。加給年金、振替加算、繰上げ・繰下げも、開始・終了の要件と併給調整を個別に確かめます。

加入歴を三つの計算に分解

加入歴を三つの計算に分解の図解。上部の加入歴を「20歳前/20歳以上60歳未満/60歳後」に区切り、下の三段へ矢印で振り分ける。基礎年金には原則20歳以上60歳未満の納付・免除等の月数、報酬比例部分には厚生年金の報酬と加入月数をつなぎ、経過的加算には厚生年金の定額部分相当額から対応する基礎年金相当額を引く矢印を描く。
覚えること:基礎に20歳前・60歳後の厚年月は除外

1級の応用編や実技では、老齢基礎年金、老齢厚生年金の報酬比例部分、経過的加算と加給年金額を同じ事例で計算します。基礎年金は原則20歳以上60歳未満の国民年金の納付・免除等の月数、報酬比例部分は厚生年金の加入月数と報酬、経過的加算は厚生年金の定額部分相当額から対応する老齢基礎年金相当額を引いたものです。

老齢基礎年金=満額×(保険料納付済月数+免除月数×反映割合)÷480です。2026年度の満額は年847,300円(1956年4月2日以後生まれ)です。2009年4月以後の免除期間は、全額免除2分の1、4分の3免除8分の5、半額免除4分の3、4分の1免除8分の7を反映し、学生納付特例・納付猶予の期間は追納しなければ反映しません。

報酬比例部分は2003年3月までの平均標準報酬月額×7.125/1000×月数と、2003年4月以降の平均標準報酬額×5.481/1000×月数を原則合算します。実際の問題では生年月日や再評価率・指定された乗率を優先します。厚生年金の20歳前・60歳後の月数を基礎年金の480月の分子に機械的に含めない点が重要です。

経過的加算=定額単価×厚生年金加入月数(上限480月)−老齢基礎年金満額×1961年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金加入月数÷480です。20歳前や60歳以後の厚生年金期間は後ろの控除側に入らないため、その月数分が経過的加算として年金額に上乗せされます。定額単価は問題文の数値を使います。

加給年金額は、受給者の厚生年金加入期間20年以上と、生計を維持する65歳未満の配偶者または18歳到達年度末までの子(障害等級1・2級なら20歳未満)で判定します。2026年度の配偶者の加給年金額は243,800円で、受給者の生年月日に応じた特別加算を含めると最大423,700円です。配偶者自身が加入期間20年以上の老齢厚生年金等を受け取れる場合は支給停止されます。

加入歴を三つの計算に分解
計算部分主に使う期間・情報
老齢基礎年金20~60歳の納付済月数と免除月数×反映割合
報酬比例部分2003年3月以前/4月以後の報酬と月数
経過的加算定額単価×厚年月数(上限480月)−基礎年金満額×1961年4月以後の20~60歳の厚年月数÷480
加給年金額受給者・配偶者・子の条件
在職老齢年金基本月額と総報酬月額相当額

在職定時改定・繰下げ・振替加算

在職定時改定・繰下げ・振替加算の図解。左から右へ「前年9月〜当年8月の加入期間」→「9月1日基準」→「10月分から改定」の順に並べ、矢印でつなぐ。上部に、対象が65歳以上70歳未満で厚生年金に加入して働く受給者であることを示す。
覚えること:65〜69歳の加入就労受給者は10月改定

65歳以上70歳未満で厚生年金に加入して働く受給者は、毎年9月1日を基準日として前年9月から当年8月までの加入期間を反映し、10月分から老齢厚生年金が改定されます(在職定時改定、2022年4月導入)。退職して資格を喪失したときの退職改定とは別の仕組みです。

繰下げは1952年4月2日以後生まれなら75歳まで可能で、1か月0.7%の増額(最大84%)です。繰下げ待機中は加給年金も支給されず、加給年金額は増額されません。在職老齢年金で支給停止される部分も増額の対象外です。

70歳到達後(80歳到達前)に繰下げの申出をせず、さかのぼって本来の受給を選ぶと、請求の5年前に繰下げの申出があったとみなして増額した年金の5年分が一括で支払われます(2023年4月施行)。

配偶者が65歳になると加給年金は終わり、1926年4月2日から1966年4月1日までに生まれた配偶者には老齢基礎年金に振替加算が付きます。配偶者自身の厚生年金加入期間が20年以上ある場合は付かず、生年月日が若いほど額は少なくなります。

障害・遺族年金の併給調整、離婚分割、育児期間の特例

障害・遺族年金の併給調整、離婚分割、育児期間の特例の図解。上部に「3歳未満の子の養育」と申出を条件として置く。中央の標準報酬月額から下向きに二股の矢印を出し、左は「従前の標準報酬月額→年金額」、右は「下がった標準報酬月額→保険料」と仕切って対比する。
覚えること:3歳未満養育・申出で年金は従前報酬基準

障害厚生年金は報酬比例部分で計算し、1級は1.25倍、加入月数が300月未満なら300月とみなします。1・2級には配偶者の加給年金額が付き、3級には最低保障額(2級の障害基礎年金の4分の3)があります。障害基礎年金の1級は2級の1.25倍で、子の加算が付きます。

遺族厚生年金は死亡者の報酬比例部分の4分の3です。65歳以後に自分の老齢厚生年金を受けられる配偶者は、①その4分の3の額と、②4分の3の額の3分の2+自分の老齢厚生年金の2分の1の、いずれか多い額を求めます。自分の老齢厚生年金を全額受け、①②の多い額がそれを上回る差額だけを遺族厚生年金として受けます。

65歳以後は1人1年金の例外として、老齢基礎年金と遺族厚生年金、障害基礎年金と老齢厚生年金または遺族厚生年金を組み合わせられます。老齢基礎年金と障害厚生年金は組み合わせられないため、障害厚生年金3級だけの人は、障害厚生年金か、老齢基礎年金+老齢厚生年金かを選びます。

離婚時の年金分割は婚姻期間中の厚生年金の標準報酬を分ける制度で、基礎年金は分割しません。合意分割は按分割合の上限が2分の1で、合意または裁判所の決定が必要です。3号分割は2008年4月以後の第3号被保険者期間を合意なしで2分の1ずつ分けます。請求期限は2026年4月1日以後の離婚等なら5年、それより前の離婚等なら2年です。

3歳未満の子を養育する期間に標準報酬月額が下がっても、申出により養育開始前の従前の標準報酬月額で年金額を計算します(養育期間標準報酬月額特例)。保険料は下がった標準報酬月額で負担します。産前産後休業・育児休業期間の厚生年金保険料は、事業主の申出で本人負担分・事業主負担分とも免除され、年金額では納付した期間として扱われます。

障害・遺族年金の併給調整、離婚分割、育児期間の特例
65歳以後の組合せ併給の可否
老齢基礎年金+老齢厚生年金可
老齢基礎年金+遺族厚生年金可(老齢厚生年金を先に全額受け、遺族厚生年金は差額)
障害基礎年金+老齢厚生年金可
障害基礎年金+遺族厚生年金可
老齢基礎年金+障害厚生年金不可

試験に出る

  • 在職老齢年金の支給停止額は(基本月額+総報酬月額相当額−支給停止調整額)÷2で求める。
  • 老齢基礎年金は在職老齢年金による支給停止の対象外。計算に含めない。
  • 支給停止調整額は年度で変わる。2026年度は65万円、2025年度は51万円。
  • 総報酬月額相当額には標準賞与額の月割り分等が含まれ、手取り給与とは違う。
  • 加給年金・振替加算・繰上げ繰下げは、開始終了の要件と併給調整を個別に確認する。
  • 経過的加算=定額単価×厚生年金加入月数(上限480月)−老齢基礎年金満額×1961年4月以後の20歳以上60歳未満の厚生年金加入月数÷480。
  • 65歳以後の遺族厚生年金は自分の老齢厚生年金を全額受けたうえでの差額支給。老齢基礎年金と障害厚生年金は併給できない。
  • 離婚時年金分割の請求期限は、2026年4月1日以後の離婚等なら5年、それより前の離婚等なら2年。

重要な言葉

基本月額
老齢厚生年金(報酬比例部分)の年額を12で割った月額。加給年金額と経過的加算額は含めない。
総報酬月額相当額
その月の標準報酬月額に、その月以前1年間の標準賞与額の合計÷12を加えた額。手取り給与とは異なる。
支給停止調整額
在職老齢年金の支給停止を判定する基準額。年度ごとに見直される。
経過的加算
65歳からの老齢厚生年金に上乗せされる、定額部分相当額と老齢基礎年金相当額の差額。20歳前・60歳以後の厚生年金期間を年金額に反映させる。
在職定時改定
65歳以上70歳未満の在職受給者の老齢厚生年金を、毎年9月1日の加入状況で10月分から改定する仕組み。

確認問題

確かめようある年齢を境に年金額が変わるとき、その理由として何が考えられますか。

加入期間の増加・給付開始・加算の終了です。金額の横に変化の原因を書き、制度改正と本人の年齢変化も区別します。

老齢基礎年金も在職老齢年金による支給停止の対象になる。

在職老齢年金の支給停止額は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えた分の半分で計算する。

65歳以後、障害厚生年金3級だけを受給している人は、老齢基礎年金と障害厚生年金を併せて受け取れる。

2026年度の在職老齢年金で、基本月額10万円・総報酬月額相当額60万円のときの支給停止額は?

在職老齢年金の支給停止計算に含めないものは?

65歳の妻が、夫の死亡により遺族厚生年金を受ける。夫の報酬比例部分の年金額は120万円、妻自身の老齢厚生年金は80万円。遺族厚生年金として支給される額は?

1級の年金問題では、式を覚えるだけでなく、どの期間や給付にどの調整を当てるかが重要です。、加入歴、配偶者の年齢、就労状況を時系列に並べ、と厚生年金を分けて考えます。

2026年4月以降の在職老齢年金を例にします。基本月額(加給年金額・経過的加算額を除く報酬比例部分の月額)が10万円、総報酬月額相当額がのとき、合計70万円は支給停止調整額を5万円上回ります。

は在職老齢年金による支給停止の対象外なので、この計算には含めません。65万円は2026年度の基準であり、2025年度のなど過去問の基準へそのまま置き換えないでください。加給年金、振替加算、繰上げ・繰下げも、開始・終了の要件と併給調整を個別に確かめます。

社会保険の詳細

社会保険の複合問題では、対象となる原因、被保険者区分、受給期間、他の収入との調整を順に判定します。制度ごとに条件が異なります。

休業から待期・対象日・給与調整を経て給付額を確定する時間軸の図
休業中の給付は、原因や加入条件に加え、待期・支給対象日・給与等との調整を確認します。休んだ日すべてが同じように給付対象になるとは限りません。

社会保険の複合問題は、給付がありそうな制度を並べるだけでは解けません。被保険者区分、受給期間、他の収入との調整を順に判定する必要があります。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に在職中、右に退職後を置き、間を縦線で仕切って時間の流れを右向き矢印で示す。左右にそれぞれ独立した条件確認枠を置く。
覚えること:在職中と退職後の条件を別々に確認

例えば病気休業中に給与が一部支払われ、その後退職する事例では、在職中の給付条件と退職後の継続給付条件を別々に確認します。「退職したから必ず終了」「一度受け始めたから無条件に継続」のどちらも飛躍です。

月額の給付を求めるときは、標準報酬月額等を基にする式か、実際の給与額を使う式かを確認します。仮に日額6,000円・対象日数20日なら12万円ですが、待期日や対象外日を含めて30日と数えてはいけません。

傷病・出産・育児・介護の入口

傷病・出産・育児・介護の入口の図解。中央を縦線で仕切り、左に傷病手当金と休業中の所得補償、右に高額療養費と同じ月の医療費の自己負担限度額を配置する。左右を矢印で結ばず、対象が違うことを示す。
覚えること:高額療養費は月の医療費自己負担に上限

私傷病での傷病手当金は連続3日の待期後4日目から、支給開始日から通算1年6か月までが基本です。退職後の継続給付には退職日まで継続1年以上の被保険者期間と、退職時に受給中または受給できる状態であること等が必要です。退職日に出勤した場合は継続給付の条件を満たしません。

傷病手当金の日額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30×3分の2です。給与が一部支払われた日は、給与が手当金より少なければ差額を支給します。退職後の継続給付中に老齢年金を受けられる場合や、同じ傷病で障害厚生年金を受ける場合も、年金との差額支給などの調整があります。

出産手当金、雇用保険の育児休業給付、介護休業給付、労災保険の休業補償給付は、それぞれ休業理由・被保険者資格・賃金支払・日数の条件が違います。育児休業給付金は休業開始から180日までは休業開始時賃金日額の67%、その後は50%です。介護休業給付金は対象家族1人につき通算93日(3回まで分割可)、67%です。

高額療養費は休業中の所得補償ではなく、同じ月の医療費の自己負担限度額の制度です。2026年8月診療分から限度額の改定と年間上限の新設が行われたため、2026年度試験の基準日(2026年4月1日)時点の問題では改定前の限度額で判定します。

同じ休業で給与・年金・保険給付が重なる場合は差額支給や支給停止を調べます。標準報酬月額、賃金日額、給付基礎日額は制度ごとに異なるので、一つの給与額を全式に流用しません。

傷病・出産・育児・介護の入口
事由主な制度照合する条件
私傷病健康保険・傷病手当金待期・労務不能・給与・退職
出産健康保険・出産手当金等被保険者と産前産後の期間
育児雇用保険・育児休業給付金180日まで67%、以後50%
介護雇用保険・介護休業給付金通算93日・3回まで、67%
業務上・通勤災害労災保険災害の認定・休業
高額な保険診療高額療養費月・年齢・所得区分

被保険者区分と短時間労働者

被保険者区分と短時間労働者の図解。画面を左右に仕切り、左の2026年4月1日は賃金要件のカードが付いたチェック欄、右の2026年10月1日は同じ欄からカードを外す様子を、左から右への矢印でつなぐ。両側の下に「他の要件も確認」を置き、賃金要件の撤廃だけで加入が決まるようには描かない。
覚えること:2026年10月1日から賃金要件撤廃

短時間労働者は、2026年4月1日時点では、従業員51人以上の企業等で、週の所定労働時間20時間以上、所定内賃金月額8.8万円以上、2か月を超える雇用見込み、学生でないことの要件をすべて満たすと、厚生年金・健康保険の被保険者になります。

賃金要件(106万円の壁)は2026年10月1日に撤廃され、企業規模要件も2027年10月から段階的に縮小されます。問題の基準日でどの要件を使うかを先に決め、被保険者になるかどうかで保険料と給付(傷病手当金・出産手当金の有無)を分けて判定します。

試験に出る

  • 社会保険の複合問題は、原因・被保険者区分・受給期間・他収入との調整を順に判定する。
  • 在職中の給付条件と、退職後の継続給付条件は別に確認する。
  • 月額給付は、標準報酬月額等を基にする式か実給与を使う式かを確認する。
  • 対象日数を数えるとき、待期日や対象外日を含めない。
  • 同じ病気や休業でも、制度ごとに支給日数や調整額が異なる。
  • 傷病手当金の日額は、支給開始日以前の継続12か月の標準報酬月額の平均÷30×3分の2。
  • 短時間労働者の賃金要件(月8.8万円以上)は2026年10月1日に撤廃。2026年4月1日基準の問題では要件が残る。
  • 高額療養費は2026年8月診療分から限度額を改定。2026年4月1日基準の問題では改定前の限度額で判定する。

重要な言葉

被保険者
医療や年金などの社会保険に加入し、給付の対象となる人。
標準報酬月額
報酬月額を等級表に当てはめた額。健康保険・厚生年金の保険料と、傷病手当金などの給付額の計算に使う。
待期日
傷病手当金では、労務不能となった連続3日間。この日数には手当金が支給されない。

確認問題

確かめよう制度間で同じ病気や休業を扱っても、支給対象の日数や調整額は同じでしょうか。

同じとは限りません。傷病手当金は待期3日の後から標準報酬月額を基に、育児・介護休業給付は休業開始時賃金日額を基に計算するなど、制度ごとに日数と基礎額が違います。共通する事実と制度ごとの判定欄を分けた表で計算します。

病気で退職すれば、在職中に受けていた給付は必ず終了する。

同じ病気や休業でも、制度によって支給日数や調整額は異なる。

病気休業後に退職する事例で、確認すべきことは?

支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均が30万円の被保険者の、傷病手当金の日額は?(1円未満四捨五入)

社会保険の複合問題は、給付がありそうな制度を並べるだけでは解けません。、、他の収入との調整を順に判定する必要があります。

例えば病気休業中に給与が一部支払われ、その後退職する事例では、の給付条件との継続給付条件を別々に確認します。「退職したから必ず終了」「一度受け始めたから無条件に継続」のどちらも飛躍です。

月額の給付を求めるときは、等を基にする式か、実際の給与額を使う式かを確認します。仮に日額6,000円・対象日数20日ならですが、待期日や対象外日を含めて30日と数えてはいけません。

確定拠出年金・確定給付年金

確定拠出年金は掛金と運用結果で給付が決まる制度で、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。運用リスクを誰が負うかが分かれ目です。

DCでは掛金から運用結果を経て給付へ、DBでは給付設計に沿って資金を準備する違いを示す図
DCは掛金と運用結果から給付を考え、DBは給付設計に沿って資金を準備します。運用が想定を下回った場合の影響を誰が負うかが異なります。

確定拠出年金は掛金と運用結果から給付が決まり、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。運用リスクを誰が負うかを起点にすると、企業と加入者それぞれの課題が見えます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。上部中央に「想定」の線がある運用目盛りを置き、実績がその線を下回る位置から左右へ矢印を分ける。中央の仕切りを挟み、左にDCと加入者の将来給付、右にDBと財政状況に応じた企業側の追加負担を配置する。
覚えること:DC給付に影響もDBは財政次第で追加負担

年金資産の運用が想定を下回ったとき、DCでは加入者の将来給付に影響し得ます。DBでは制度の財政状況に応じて企業側の追加負担などが問題になります。「確定給付ならどのような状況でも絶対に変更不能」という意味ではありません。

企業型DCのマッチング拠出では、加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限が2026年4月1日に撤廃されました。企業型DCの拠出限度額は2026年12月1日から月5.5万円が6.2万円(DB等の他制度掛金相当額を差し引く)へ引き上げられる予定で、問題に適用される時点の限度額で判定します。

受取時の課税では、公的年金等控除や退職所得控除を使う場面がありますが、複数の退職一時金を受け取る時期や勤続期間の重複で調整が生じます。各給付に同じ控除を独立に満額適用できるとは限りません。

DB・DCの費用と税を比較

DB・DCの費用と税を比較の図解。画面を縦に二分し、左はDBの規約による給付算定と事業主の財政責任、右は企業型DCで事業主が掛金を拠出し、加入者が運用する流れを描く。右側は掛金から運用商品、運用結果へ矢印でつなぎ、左右の仕切りを明確にする。
覚えること:DBは事業主が財政責任、DCは運用結果

DBは規約で給付算定方法を定め、運用不足が生じれば事業主の追加負担等が問題になります。企業型DCは原則事業主が掛金を拠出し、加入者が運用商品を選びます。iDeCoは個人が掛金を拠出します。中小企業退職金共済、小規模企業共済、国民年金基金は対象となる人と掛金負担者が異なります。

DCの個人掛金(iDeCo・マッチング拠出)は拠出時に小規模企業共済等掛金控除、運用益は原則非課税です。年金受取は公的年金等に係る雑所得、一時金受取は退職所得です。退職所得控除は勤続20年以下なら40万円×年数(最低80万円)、20年超なら800万円+70万円×(年数−20年)で、DC一時金の勤続年数は掛金の拠出期間等で数えます。

会社の退職金とDC一時金の勤続期間が重なると、後に受け取る側の退職所得控除額から重複期間分を差し引きます。退職金を先、DC一時金を後に受け取るときは前年以前19年内、DC一時金を先、退職金を後に受け取るときは前年以前9年内の受取が対象です。後者は2025年度税制改正で4年内から延長され、2026年1月1日以後に支払を受ける退職手当等から適用されます。

iDeCoの限度額も2026年12月1日施行予定の改正で、第1号は月6.8万円から7.5万円(国民年金基金等と合算)、第2号は月6.2万円から企業型DCの事業主掛金やDB等の他制度掛金相当額を引いた額へ変わります。60歳以上70歳未満の一定の人も加入できるようになります。施行前を基準日とする問題には改正前の限度額を使います。

中小企業退職金共済(中退共)は、中小企業の事業主が従業員ごとに掛金を全額負担する制度です。掛金月額は5,000円~3万円(短時間労働者は2,000~4,000円の特例あり)で、法人は損金、個人事業主は必要経費に算入します。事業主と役員(使用人兼務役員を除く)は加入できず、退職金は機構から従業員へ直接支払われます。

中退共の新規加入時は、掛金月額の2分の1(従業員1人5,000円上限)を加入後4か月目から1年間、18,000円以下の掛金月額を増額すると増額分の3分の1を1年間、国が助成します。退職時60歳以上なら、退職金額などの要件を満たせば分割払いを選べます。

転職時は、DB・企業型DC・iDeCo等の間で年金資産を移せる場合があります(ポータビリティ)。企業型DCの資格喪失後6か月以内に移換の手続をしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換中は運用されず手数料がかかり、その期間は60歳から受け取るための通算加入者等期間にも算入されません。

DB・DCの費用と税を比較
制度掛金の拠出・運用給付
DB事業主が財政責任を負う規約の算定方法
企業型DC事業主が拠出、加入者が運用運用結果による
iDeCo個人が拠出・運用運用結果による
中退共中小企業の事業主が全額拠出、機構が運用機構から従業員へ直接支給
小規模企業共済個人事業主・小規模企業の役員等が自ら拠出廃業・退職時の共済金
DB・DCの費用と税を比較
区分(月額)2026年4月1日時点2026年12月1日以後(予定)
企業型DC(DB等なし)5.5万円6.2万円
企業型DC(DB等あり)5.5万円−他制度掛金相当額6.2万円−他制度掛金相当額
iDeCo第1号6.8万円(国民年金基金等と合算)7.5万円(同)
iDeCo第2号(企業年金なし)2.3万円6.2万円
iDeCo第2号(企業年金あり・公務員)2.0万円(企業年金の掛金等との合計5.5万円以内)6.2万円−企業型DC事業主掛金・他制度掛金相当額
iDeCo第3号2.3万円2.3万円

試験に出る

  • 確定拠出年金は掛金と運用結果で給付が決まり、確定給付年金は約束した給付を準備する。
  • 運用リスクを誰が負うかで、企業と加入者の課題が変わる。
  • 受取時は公的年金等控除や退職所得控除を使う場面があるが、受取時期の重複で調整が生じる。
  • 同じ控除を各給付に独立に満額適用できるとは限らない。
  • 受取年と、勤務・加入期間という二種類の期間を混同しない。
  • マッチング拠出の「加入者掛金は事業主掛金以下」の制限は2026年4月1日に撤廃。企業型DC・iDeCoの拠出限度額引上げは2026年12月1日施行予定。
  • 退職所得控除の重複期間調整は、退職金→DC一時金の順なら前年以前19年内、DC一時金→退職金の順なら前年以前9年内(2026年1月1日以後の支払から。従来は4年内)の受取が対象。
  • 中退共は掛金を事業主が全額負担して損金算入し、事業主・役員は加入できない。退職金は従業員へ直接支払われる。

重要な言葉

確定拠出年金
掛金とその運用結果によって将来の給付額が決まる年金制度。
確定給付年金
あらかじめ約束した給付額に沿って資金を準備する年金制度。
マッチング拠出
企業型DCで、事業主掛金に上乗せして加入者も掛金を拠出する仕組み。加入者掛金を事業主掛金以下とする制限は2026年4月1日に撤廃された。
退職所得控除
勤続20年以下は40万円×年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(年数−20年)で求める、退職所得の計算で差し引く額。
中小企業退職金共済
中小企業の事業主が掛金を負担し、勤労者退職金共済機構から従業員へ直接退職金を支払う国の制度。

確認問題

確かめよう会社退職金とDC一時金の受取りで、混同しないようにする二種類の期間は何ですか。

受取年と対応する勤務・加入期間です。二本の時間軸に置いてみましょう。

確定拠出年金では、運用が想定を下回っても給付額は変わらない。

複数の退職一時金を受け取ると、同じ控除をそれぞれ満額使えるとは限らない。

運用リスクを加入者が負う年金制度は?

2026年中にDC一時金を受け取った人が、その後に会社の退職金を受け取る。退職所得控除の重複期間調整の対象となるDC一時金の受取時期は?

確定拠出年金は掛金と運用結果から給付が決まり、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。を誰が負うかを起点にすると、それぞれの課題が見えます。

年金資産の運用が想定を下回ったとき、DCではの将来給付に影響し得ます。DBでは制度の財政状況に応じての追加負担などが問題になります。「確定給付ならどのような状況でも絶対に変更不能」という意味ではありません。

企業型DCのでは、加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限が2026年4月1日に撤廃されました。企業型DCの拠出限度額は2026年12月1日から月5.5万円が6.2万円(DB等の他制度掛金相当額を差し引く)へ引き上げられる予定で、問題に適用される時点の限度額で判定します。

受取時の課税では、やを使う場面がありますが、複数の退職一時金を受け取る時期や勤続期間の重複で調整が生じます。各給付に同じ控除を独立に満額適用できるとは限りません。

ライフプランニングの実務

ライフプランニングは、基本シナリオと複数の変化を並べ、資金がどこで不足するかを確かめる実務です。支出削減だけでなく、働き方や資産の順序も選択肢になります。

エルくんが修繕費の条件を扱い、基本計画と収入減・支出増の残高推移を比較して不足時期を確認する図。
ライフプランは前提が変わった場合も確認します。収入や物価、一時支出を変え、いつ資金が不足するかを比較して対策を考えます。

実務的な計画は、一つの予測が当たることに依存させません。基本シナリオに加えて、収入減や物価上昇などの変化で、資金がどこから不足するかを確かめます。

ライフプランニングの実務
前提を変える確認する箇所
支出が年30万円増える毎年の黒字と貯蓄の減り方
5年後に300万円必要になるその年の残高と準備期間
収入の終了時期が早まる年金等が始まるまでの不足

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に上下2段の計画表を置き、上段は「年間黒字50万円」から「支出増年30万円」を差し引き、「年間余裕20万円」へ右向き矢印でつなぐ。罫線で区切った下段では、その余裕を5年積み上げた100万円と、5年後の一時支出300万円を並べて比較する。
覚えること:年次収支と5年後の一時支出を同じ表に

年間収支が50万円の黒字でも、物価上昇などで支出が年30万円増えれば余裕は20万円です。さらに5年後に300万円の一時支出があるなら、単純な積上げ100万円だけでは足りません。年次収支と一時金を同じ表に置く理由がここにあります。

対策は支出削減だけでなく、働く期間、資産の使う順序、借入条件、保障の見直しなど複数あります。生活防衛資金まで長期運用へ回す案は、期待収益率が高くても短期の支払能力を弱めることがあります。

相談業務では、顧客の目的、家族構成、収支、保有資産、負債を確認してから選択肢を比較します。FPの知識があっても、税務代理や具体的な法律事務などを無条件で行えるわけではありません。資格ごとの業務範囲を守り、利益相反と個人情報の管理にも注意して専門家へつなげます。

クレジットカードのショッピングは代金の後払い、キャッシングは借入れです。リボルビング払いは月の支払額が一定でも、残高や手数料率によって完済までの期間と総負担が増えることがあります。返済額だけでなく元本がいくら減るかを確認します。

法人の売上計上と入金がずれる場合、利益が出ても運転資金が不足することがあります。設備投資の支出、借入元本の返済、減価償却費は損益と現金収支で扱いが違うため、決算書と資金繰り表を照合します。会社の借入と経営者個人の保証・生活資金も別に把握します。

制度の最新動向は、金額を一つ暗記するより「どの年度から、誰に、どの計算が変わるか」で確認します。日本年金機構の年金額改定情報と本人の通知書を照合し、計画表の受取額・保険料・開始時期を更新します。例えば年金見込額が増えても生活費の増加がそれを上回れば、老後の年間不足は拡大します。改定後の収入と支出を同じ年度で比べます。

専門職業家との連携では肩書を羅列せず、課題と依頼業務を対応させます。税務申告・個別税務相談は税理士、所有権移転等の権利登記は司法書士、土地の分筆等の表示登記に必要な調査・測量は土地家屋調査士という区別が出発点です。同じ土地の相談でも、税額・権利・物理的区画では依頼先が違います。FP資格だけで各独占業務を行えるわけではなく、本人の資格・法令上の権限を確認します。

六段階の相談手順と複数シナリオ

六段階の相談手順と複数シナリオの図解。上段を基本ケース、下段を収入が年50万円減る5年間のケースとし、仕切りを挟んで同じ年の可処分所得による収支を上下に比較する。下段では5年の累積差250万円を示し、一時金の支出が重なる年から貯蓄残高へ矢印を引く。
覚えること:一時金と重なる年の貯蓄残高の負を確認

相談は関係の確立、情報収集、現状分析、提案の検討・提示、実行支援、定期的な見直しの順に進めます。年齢・年収だけで商品を選ばず、ライフイベント表、年次キャッシュフロー表、個人バランスシートを作り、必要保障額と資金不足の年を特定します。

基本ケースに加え、収入減、長寿、物価・金利の変化、介護・修繕費などのケースを置きます。例えば年収が年50万円下がる5年間なら累積差は250万円で、一時金の支出と重なる年に貯蓄残高が負にならないかを確認します。税・社会保険料を引いた可処分所得で収支を比較します。

六段階の相談手順と複数シナリオ
段階使う資料・判断
情報収集希望・収支・資産負債・契約を確認
現状分析三つの家計資料と不足年の特定
提案複数案・前提・費用・リスクの比較
実行・見直し手続支援と数値の更新

中小法人の財務分析と資金調達

中小法人の財務分析と資金調達の図解。中央に0円から1億円までの横棒を置き、7,500万円の位置で縦の仕切りを入れる。仕切りから右端までを色分けし、売上高と損益分岐点の差が経営安全率25%になる関係を示す。
覚えること:売上1億・分岐7500万→安全率25%

中小法人の相談では、安全性を流動比率(流動資産÷流動負債)、当座比率(当座資産÷流動負債)、自己資本比率(自己資本÷総資本)で見ます。これらは高いほど安全です。固定比率(固定資産÷自己資本)と固定長期適合率(固定資産÷(自己資本+固定負債))は、低いほど安全です。

損益分岐点売上高は固定費÷(1−変動費率)です。売上高1億円、変動費6,000万円、固定費3,000万円なら限界利益率40%で、損益分岐点売上高は7,500万円、経営安全率は(1億円−7,500万円)÷1億円=25%です。固定費を下げるか限界利益率を上げると、損益分岐点は下がります。

資金調達は、銀行借入などの間接金融と、社債・株式などの直接金融に分けます。売掛債権や在庫を担保にするABL(動産・債権担保融資)、信用保証協会の保証付き融資、少人数私募債も選択肢です。借入元本の返済は損金にならないため、税引後利益と減価償却費で返済できるかを資金繰り表で確かめます。

中小法人の財務分析と資金調達
指標算式望ましい方向
流動比率流動資産÷流動負債高い
当座比率当座資産÷流動負債高い
自己資本比率自己資本÷総資本高い
固定長期適合率固定資産÷(自己資本+固定負債)低い(100%以下)
損益分岐点売上高固定費÷(1−変動費率)低い

試験に出る

  • 計画は一つの予測に依存させず、収入減・物価上昇・長寿・金利上昇などの変化を並べる。
  • 生活防衛資金まで長期運用へ回すと、短期の支払能力を弱めることがある。
  • 法人は利益が出ても運転資金が不足することがあり、決算書と資金繰り表を照合する。
  • 税務は税理士、権利登記は司法書士、分筆等の表示登記は土地家屋調査士と役割が分かれる。
  • 制度は金額の暗記ではなく、どの年度から誰にどの計算が変わるかで確認する。
  • 損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)。流動比率・当座比率・自己資本比率は高いほど、固定比率・固定長期適合率は低いほど安全。

重要な言葉

生活防衛資金
急な支出や収入減に備えて、すぐ使える形で確保しておく資金。
運転資金
売上と入金のずれを埋めるなど、事業を回すために必要な資金。
減価償却費
設備などの取得費用を、使用期間に分けて費用化したもの。

確認問題

確かめよう土地を分けて売る相談で「登記だから同じ専門家」とまとめてよいでしょうか。

いいえ。分筆に関する表示登記と、売買に伴う所有権移転登記では業務を区別し、税務も別に確認します。

確かめよう提案の理由を「利回りが高いから」で終えてよいでしょうか。

「いつの不足を、どの資金で、どのリスクを負って解消するか」まで説明します。前提が変わったときに見直す指標も決めます。

生活防衛資金は、期待収益率が高いなら長期運用に回してよい。

同じ土地の相談でも、税務・権利登記・分筆では依頼する専門家が異なる。

土地の分筆に必要な表示登記の調査・測量を担当するのは?

売上高1億円、変動費6,000万円、固定費3,000万円の法人の損益分岐点売上高は?

実務的な計画は、一つの予測が当たることに依存させません。基本シナリオに加えて、やなどの変化で、資金がどこから不足するかを確かめます。

年間収支が50万円の黒字でも、物価上昇などで支出が年30万円増えれば余裕はです。さらに5年後にの一時支出があるなら、単純な積上げ100万円だけでは足りません。年次収支と一時金を同じ表に置く理由がここにあります。

対策は支出削減だけでなく、働く期間、資産の使う順序、借入条件、保障の見直しなど複数あります。まで長期運用へ回す案は、期待収益率が高くても短期のを弱めることがあります。

相談業務では、顧客の目的、家族構成、収支、、負債を確認してから選択肢を比較します。FPの知識があっても、や具体的な法律事務などを無条件で行えるわけではありません。資格ごとの業務範囲を守り、利益相反と個人情報の管理にも注意して専門家へつなげます。

クレジットカードのショッピングは代金の後払い、キャッシングは借入れです。は月の支払額が一定でも、残高や手数料率によって完済までの期間とが増えることがあります。返済額だけでなく元本がいくら減るかを確認します。

法人の売上計上と入金がずれる場合、利益が出てもが不足することがあります。設備投資の支出、借入元本の返済、は損益と現金収支で扱いが違うため、決算書と資金繰り表を照合します。会社の借入と経営者個人の保証・生活資金も別に把握します。

制度の最新動向は、金額を一つ暗記するより「どの年度から、誰に、どの計算が変わるか」で確認します。の年金額改定情報と本人の通知書を照合し、計画表の受取額・保険料・開始時期を更新します。例えば年金見込額が増えてもの増加がそれを上回れば、老後の年間不足は拡大します。改定後の収入と支出を同じ年度で比べます。

専門職業家との連携では肩書を羅列せず、課題と依頼業務を対応させます。税務申告・個別税務相談は、所有権移転等の権利登記は、土地の分筆等の表示登記に必要な調査・測量は土地家屋調査士という区別が出発点です。同じ土地の相談でも、税額・権利・物理的区画では依頼先が違います。FP資格だけで各独占業務を行えるわけではなく、本人の資格・法令上の権限を確認します。

顧客から聞く情報と資料で確かめる情報

顧客ヒアリングでは、直接聞くことと資料で調べることを分けます。希望は本人から確認し、権利関係などは資料で確かめます。

家族の希望カードと客観資料カードをエルくんが計画机の別区画へ差し込み、両方を集める図。
希望や家族の意向は本人に聞き、契約・権利・規制・相場は資料でも確かめます。希望と客観情報を区別してそろえ、計画の前提を確認します。

提案を始める前に、本人が望むことと、実現を制約する事実を分けます。希望が分かっても物件の条件が不明なら実行可能性を判断できず、資料だけそろえても本人の目的に合うとは限りません。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。画面を縦線で左右に分け、左に顧客から聞く「必要な手取額・貸せる期間」、右に資料で調べる「市場賃料」を置く。左の数字から右の資料へ照合の矢印を引く。
覚えること:同意と業務範囲に沿い、数字を資料と照合

顧客ヒアリングでは「直接聞くこと」と「資料で調べること」を分けます。例えば空き地を貸したい相談なら、本人の老後の住まい、必要収入、家族の意向、売却への抵抗感は直接確認します。登記事項、契約内容、用途地域等の規制、市場賃料は公簿・契約書・公的情報等で調査します。主観的な希望を客観的な事実と取り違えず、聞いた数字も資料と照合します。

情報収集の回答は、設例にある事実をただ繰り返さず、提案に足りない条件と使い道を結び付けます。「借入残高を確認する」なら返済後の手取資金を見積もるため、「共有者の意向を確認する」なら実行可能な案を絞るためです。顧客の同意と業務範囲に沿って収集し、家族全員の意向が一致していると勝手に仮定しません。

例えば「老後収入のため土地を貸したい」という希望には、毎年必要な手取額と貸せる期間を聞き、登記・規制・契約・周辺賃料を調べて応えます。希望する収入と実際の賃料見込みが違えば、借入返済や税負担も含めて案を見直します。数字だけを集めず、提案のどの判断に使う資料かを明確にします。

希望・事実・推計を別々に扱う

希望・事実・推計を別々に扱うの図解。正方形の中央を縦の仕切りで3欄に分け、左に本人の賃料希望、中央に市場資料で確かめた周辺実績、右に点線枠の将来の仮定を並べる。月10万円と月8万円の間に変換を示す矢印は置かず、別の情報として見せる。
覚えること:希望・事実・仮定を分けて記す

本人に聞くのは目的、優先順位、住まい・家族・事業の希望、許容できる借入や価格変動です。資料で裏付けるのは登記事項、借入残高、保険証券、年金記録、決算書、用途地域や市場相場です。資料があっても本人の意思は読み取れず、口頭の数字だけでは契約条件が確定しません。

計画値には「確認した事実」「本人の希望」「将来の仮定」を明記します。たとえば月10万円の賃料希望と周辺実績月8万円は別欄に置き、空室・管理費・税・借入返済を反映した手取額へ直します。どの不足額や選択肢の判定に資料を使うかまで記すと、後から条件が変わっても修正できます。

希望・事実・推計を別々に扱う
情報確認先用途
希望・優先順位本人と家族へのヒアリング提案の制約条件
権利・契約登記・契約書・保険証券実行可能性
収入・残高給与・年金・借入・決算の資料現状の収支
将来の賃料・利率市場資料と仮定シナリオ分析

試験に出る

  • 提案前に、本人の希望(主観)と実現を制約する事実(客観)を分ける。
  • 登記事項・契約内容・用途地域の規制・市場賃料は資料や公的情報で調べる。
  • 情報収集は事実の繰り返しでなく、提案のどの判断に使うかまで示す。
  • 家族全員の意向が一致していると勝手に仮定しない。
  • 売りたくないという意向は登記簿では分からず、直接確認が必要。

重要な言葉

顧客ヒアリング
希望や意向を直接聞き、事実と分けて整理する情報収集。
用途地域
土地利用の目的に応じて建築物を制限する地域区分。
市場賃料
周辺の実際の取引から見積もる、その物件の賃料水準。

確認問題

確かめよう登記簿だけで「売りたくない」という本人の意向まで分かるでしょうか。

いいえ。主観的な希望は直接確認し、権利関係などの客観的事実は資料で確かめます。

登記簿を見れば、本人の売却への意向まで判断できる。

顧客の同意と業務範囲に沿わない情報は、勝手に集めてはならない。

資料で確かめるべき情報は?

提案を始める前に、本人が望むことと、実現を制約するを分けます。希望が分かっても物件の条件が不明ならを判断できず、資料だけそろえても本人の目的に合うとは限りません。

顧客ヒアリングでは「直接聞くこと」と「資料で調べること」を分けます。例えば空き地を貸したい相談なら、本人の老後の住まい、必要収入、家族の意向、売却への抵抗感は直接確認します。登記事項、契約内容、等の規制、は公簿・契約書・公的情報等で調査します。主観的な希望を客観的な事実と取り違えず、聞いた数字も資料と照合します。

情報収集の回答は、設例にある事実をただ繰り返さず、提案に足りない条件と使い道を結び付けます。「借入残高を確認する」なら返済後のを見積もるため、「の意向を確認する」なら実行可能な案を絞るためです。顧客の同意と業務範囲に沿って収集し、家族全員の意向が一致していると勝手に仮定しません。

例えば「老後収入のため土地を貸したい」という希望には、毎年必要なと貸せる期間を聞き、・規制・契約・周辺賃料を調べて応えます。希望する収入と実際の賃料見込みが違えば、借入返済や税負担も含めて案を見直します。数字だけを集めず、提案のどの判断に使う資料かを明確にします。

覚えるポイント

  • 年金の調整対象と対象外を分け、給付ごとに計算する。
  • 複数の退職給付は受取年と対応期間を二本の時間軸で見る。
  • ライフプランは予測値一つではなく、変化した場合の資金不足も確かめる。
  • 情報収集:本人・家族の意向と、公簿・契約・法令・市場等の客観的事実を分け、提案に必要な条件を確認する。
  • 65歳以後の遺族厚生年金は自分の老齢厚生年金との差額。離婚分割の請求期限は2026年4月1日以後の離婚等で5年。
  • DC一時金と退職金の重複期間調整は、受取順で19年内(退職金が先)と9年内(DC一時金が先、2026年から)を使い分ける。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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