日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2026年1月 1級 学科(応用編)の概要
雇用保険の高年齢求職者給付金および高年齢被保険者
ライフプランニングと資金計画 · 高年齢求職者給付金 / 高年齢被保険者 / マルチ高年齢被保険者
定年退職(65歳)後の雇用保険に関する次の説明文の空欄①~⑤に入る最も適切な数値を解答しなさい。 〈高年齢求職者給付金〉 Ⅰ「Aさんが65歳でX社を定年退職した後、再就職を希望する場合に、高年齢求職者給付金の支給を受けるためには、離職の日の翌日から( ① )年を経過する日までに、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしたうえ、失業していることについての認定を受ける必要があります。なお、高年齢求職者給付金は、求職の申込みを行った日から、失業の状態にあった日が通算して( ② )日間経過してからでなければ支給されません。これを待期といいます。 高年齢求職者給付金は、一時金で支給され、その額は、原則として、算定基礎期間が1年以上ある場合は、基本手当日額に□□□日を乗じて得た額となり、算定基礎期間が1年未満である場合は、基本手当日額に( ③ )日を乗じて得た額となります。 高年齢求職者給付金には、その受給に関して、年齢の上限や受給回数の制限がありません。そのため、Aさんが定年退職後に再就職した会社を退職した場合であっても、その後再就職を希望するときは、所定の要件を満たせば、再び高年齢求職者給付金の支給を受けることができます」 〈高年齢被保険者〉 Ⅱ「Aさんが65歳でX社を定年退職した後、雇用保険の適用事業所に再就職し、1週間の所定労働時間が□□□時間以上、かつ、( ④ )日以上の雇用見込み等の要件を満たす場合は、雇用保険の高年齢被保険者となります。ただし、労働時間の要件を満たさない場合であっても、複数の雇用保険の適用事業所に勤務し、そのうち2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が( ⑤ )時間以上□□□時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が□□□時間以上であって、2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが( ④ )日以上であるときは、公共職業安定所長に申し出て、申出を行った日から特例的に雇用保険の高年齢被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができます」
解答・解説を表示
解答
① 1(年) ② 7(日間) ③ 30(日) ④ 31(日) ⑤ 5(時間)
解説
65歳以上の雇用保険被保険者は「高年齢被保険者」となり、離職すると一時金の「高年齢求職者給付金」が支給されます。一般の基本手当とは違い、公的年金(特別支給の老齢厚生年金等)との併給調整はありません。また、65歳以上の複数就労者には、1事業所の労働時間が週20時間未満でも、週5時間以上の事業所を2つ合算して週20時間以上になれば、マルチジョブホルダー制度が適用されます。
解き方
- 高年齢求職者給付金は、離職日の翌日から1年以内に申請し、待期期間は7日です。算定基礎期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分の一時金です。これを確認します。
- 雇用保険に入るには、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みが必要です。マルチ制度では、1つの事業所が週5時間以上で、2つ合計が週20時間以上、それぞれ31日以上の見込みが必要です。
答えの内訳
- ①:1(年)
- 高年齢求職者給付金の受給期限は、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日までと定められています。
- ②:7(日間)
- 高年齢求職者給付金は、求職の申込みをした日以後において通算して7日間の失業状態(待期期間)を経過した後に支給されます。
- ③:30(日)
- 高年齢求職者給付金の支給日数は、算定基礎期間が1年以上の場合は50日分、1年未満の場合は30日分の一時金となります。
- ④:31(日)
- 雇用保険の被保険者資格の取得要件における雇用見込み日数は、31日以上(31日以上引き続き雇用されることが見込まれること)とされています。
- ⑤:5(時間)
- 高年齢被保険者の特例(マルチ高年齢被保険者)は、65歳以上の労働者で、1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満であり、2つの事業所の労働時間を合計して20時間以上となる場合に適用申出が可能です。
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覚えるポイント
- 高年齢求職者給付金は退職後1年以内に受給を終える必要があるため早期の申請が必要であること。
- 高年齢求職者給付金の支給日数は「1年未満:30日分」「1年以上:50日分」の一時金であること。
- マルチ高年齢被保険者は65歳以上が対象で、1社あたり「週5時間以上20時間未満」、合算「週20時間以上」、「31日以上の雇用見込み」が必要であること。
間違えやすいところ
- 一般の基本手当の日数と混同し、算定基礎期間が1年未満の日数を90日などと間違えないようにします。
- 雇用保険の適用要件の見込み期間は31日以上です。1か月(30日)と間違えないようにします。
- マルチ制度では、1つの事業所の最低5時間と、合計20時間を取り違えないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の雇用保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職後の公的医療保険の選択(任意継続・被扶養者・国民健康保険)
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険の任意継続被保険者 / 健康保険の被扶養者要件 / 国民健康保険の加入手続き
定年退職後の公的医療保険の取扱いに関する次の説明文の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を解答しなさい。 「Aさんが65歳でX社を定年退職した後、再就職しない場合、Aさんは、全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者となること、妻Bさんの加入する健康保険の被扶養者となること、国民健康保険の被保険者となることのいずれかを選択することになります。 Aさんが全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者となるためには、原則として、退職日の翌日から( ① )日以内に、Aさんの住所地を管轄する全国健康保険協会の都道府県支部に資格取得の申出を行う必要があります。任意継続被保険者として加入を継続することができる期間は、最長2年間であり、保険料は全額が自己負担となります。任意継続被保険者は、原則として、( ② )と出産手当金を除き、在職中に被保険者が受けられる保険給付と同様の給付を受けることができます。ただし、( ② )と出産手当金についても、退職日までに継続して( ③ )年以上の被保険者期間があり、退職日にその支給を受けている場合は、被保険者として受けることができるはずであった期間について、継続してその支給を受けることができます。 Aさんが妻Bさんの加入する健康保険の被扶養者となるためには、主として妻Bさんにより生計を維持されていることが必要です。被保険者と同一世帯に属している者が被扶養者として認定される年間収入の要件は、原則として、その者が60歳以上である場合、( ④ )万円未満であって、かつ、被保険者の年間収入の( ⑤ )未満であることとされています。 Aさんが国民健康保険の被保険者となる場合は、原則として、退職日の翌日から( ⑥ )日以内に、Aさんの住所地の市町村(特別区を含む)で手続をする必要があります。保険料は、各市町村(特別区を含む)の条例により、均等割、平等割、所得割、資産割の一部または全部の組合せによって決定されます」
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解答
① 20(日) ② 傷病手当金 ③ 1(年) ④ 180(万円) ⑤ 2分の1(未満) ⑥ 14(日)
解説
退職後の公的医療保険には、健康保険の任意継続・家族の健康保険の被扶養者・国民健康保険の3つの選択肢があります。任意継続は資格喪失から20日以内に申請し、最長2年間加入できますが、傷病手当金と出産手当金は原則として支給されません。ただし、資格喪失前1年以上の被保険者期間があり、退職日に受給中か要件を満たしていれば、継続して受けられます。60歳以上の人が被扶養者になる場合の年収要件は180万円未満で、被保険者収入の1/2未満です。国民健康保険への切り替えは14日以内に手続きします。
解き方
- 任意継続の申出期限は20日以内です。傷病手当金と出産手当金は原則対象外ですが、被保険者期間が継続1年以上あれば継続給付を受けられます。これを確認します。
- 60歳以上の人が被扶養者になるには、年間収入180万円未満で、同居の場合は被保険者収入の1/2未満が要件です。これを確認します。
- 国民健康保険の届出期限は14日以内です。これを確認して空欄に当てはめます。
答えの内訳
- ①:20(日)
- 健康保険の任意継続被保険者となるための申出は、被保険者資格を喪失した日(退職日の翌日)から20日以内に行う必要があります。
- ②:傷病手当金
- 任意継続被保険者に新たに支給されない保険給付は「傷病手当金」と「出産手当金」です(退職前からの継続給付要件を満たす場合を除く)。
- ③:1(年)
- 退職後の傷病手当金等の継続給付を受けるには、被保険者資格喪失の日の前日(退職日)までに継続して1年以上の被保険者期間が必要です。
- ④:180(万円)
- 健康保険の被扶養者認定において、対象者が60歳以上または概ね障害厚生年金を受けられる程度の障害者である場合の年間収入要件は180万円未満です(通常は130万円未満)。
- ⑤:2分の1(未満)
- 同居(同一世帯)の場合の被扶養者認定基準は、認定対象者の年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満であることとされています。
- ⑥:14(日)
- 職場の健康保険を喪失して国民健康保険に加入する場合の手続きは、事由が生じた日(退職日の翌日)から14日以内に市区町村で行う必要があります。
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覚えるポイント
- 任意継続被保険者の申出期限は「20日以内」、資格喪失要件を満たした退職後「最長2年間」加入可能。
- 任意継続では原則として傷病手当金と出産手当金は支給されない。
- 60歳以上または障害者の健康保険被扶養者認定基準は「年収180万円未満かつ被保険者年収の1/2未満(同居時)」。
- 国民健康保険の加入手続き期限は「14日以内」。
間違えやすいところ
- 任意継続の申請は20日以内、国民健康保険の届出は14日以内です。この日数を混同しないようにします。
- 60歳以上の被扶養者の収入限度額は180万円です。60歳未満の130万円と間違えないようにします。
- 継続給付には被保険者期間が継続1年以上必要です。任意継続の要件と混同しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の健康保険法および国民健康保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢給付の受給額計算(老齢基礎年金・老齢厚生年金・繰下げ支給)
ライフプランニングと資金計画 · 公的年金 / 老齢基礎年金 / 老齢厚生年金 / 経過的加算 / 加給年金 / 繰下げ支給
定年退職するAさん(1961年6月8日生まれ)が65歳以降に受給する老齢給付について、設例の条件(2025年度価額、繰上げ支給は行わない)に基づいて次の①~③を計算しなさい(計算過程を示し、答は円単位、円未満四捨五入)。 ① Aさんが65歳から受給できる老齢基礎年金の年金額 ② Aさんが65歳から受給できる老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額) ③ Aさんが67歳0カ月で老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合に受給できる老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)
解答・解説を表示
解答
① 772,788円 ② 1,757,131円 ③ 1,566,558円
解説
老齢基礎年金は、20歳から60歳までの納付済月数を基に計算します。老齢厚生年金は、報酬比例部分に経過的加算額を加え、被保険者期間が20年以上ある受給権者に生計を維持する配偶者などがいれば、加給年金も加えます。年金を繰り下げると1か月あたり0.7%増えますが、加給年金は増額の対象になりません。
解き方
- Aさんの加入歴から、20歳から60歳までの保険料納付済月数(446月)を求め、老齢基礎年金の額を計算します。
- 報酬比例部分を総報酬制の導入前と導入後に分けて計算し、経過的加算額(上限480月)と加給年金額を合計して老齢厚生年金の額を求めます。
- 繰下げ月数(24カ月)の増額率(16.8%)を、報酬比例部分と経過的加算額の合計に掛けて、繰下げ後の老齢厚生年金額を計算します。
答えの内訳
- ①:772,788(円)
- 老齢基礎年金の計算式:831,700円×(保険料納付済月数/480月)。Aさんの20歳以上60歳未満の被保険者月数は446月であるため、831,700円×(446月/480月)=772,788.125円となり、円未満を四捨五入して772,788円となります。
- ②:1,757,131(円)
- 報酬比例部分は、総報酬制導入前が320,000円×(7.125/1,000)×228月=519,628.8円、導入後が500,000円×(5.481/1,000)×278月=762,070.2円で合計1,281,699円。経過的加算額は1,734円×480月-831,700円×(446月/480月)=59,531.875円(四捨五入して59,532円)。報酬比例部分と経過的加算の合計は1,341,231円。厚生年金加入期間が20年以上あり生計維持する65歳未満の配偶者がいるため加給年金額415,900円が加算され、1,341,231円+415,900円=1,757,131円となります。
- ③:1,566,558(円)
- 老齢厚生年金を67歳0カ月で繰下げ受給する場合、繰下げ月数は24月となり、増額率は0.7%×24月=16.8%です。繰下げ増額の対象は報酬比例部分と経過的加算額の合計(1,341,231円)であり、加給年金額は増額の対象になりません。増額分は1,341,231円×0.7%×24月=225,326.808円(四捨五入して225,327円)となり、年金額は1,341,231円+225,327円=1,566,558円となります。
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覚えるポイント
- 繰下げ増額率=0.7%×繰下げ月数(最大84%・上限75歳)
- 加給年金額は繰下げ増額の対象にならず、繰下げ待機期間中は支給されない
- 経過的加算の被保険者期間月数は原則として480月が上限となる
間違えやすいところ
- 老齢基礎年金の計算で、60歳以降に厚生年金へ加入した期間を含めてしまう間違いに注意します。
- 繰下げ年金額の計算で、加給年金まで増額の対象に含めてしまう間違いに注意します。
- 経過的加算では、厚生年金の被保険者月数(506月)をそのまま使わず、上限480月を当てはめるのを忘れないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等および2025年度年金価額に基づく
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率の計算(ROE・サスティナブル成長率・負債比率・インタレストカバレッジレシオ)
金融資産運用 · ROE / 自己資本利益率 / サスティナブル成長率 / 株主資本配当率 / 負債比率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ
設例の〈X社の財務データ等〉に基づいて、MさんがAさんに対して説明した文章の空欄①~⑤に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 ・X社のROEは( ① )%です。 ・X社のサスティナブル成長率は( ② )%です。 ・配当に係る指標には、配当性向や( ③ )があり、( ③ )は企業の株主資本に対する配当の割合を示します。 ・X社の負債比率は( ④ )%です。 ・X社のインタレスト・カバレッジ・レシオは( ⑤ )倍です。
解答・解説を表示
解答
① 8.75(%) ② 1.75(%) ③ 株主資本配当率 ④ 104.17(%) ⑤ 47.23(倍)
解説
企業を分析する指標は、計算と定義を正確に理解することが大切です。ROEは、株主から集めた資本でどれだけ効率よく利益を上げているかを示します。サスティナブル成長率は、外部調達に頼らず内部留保の再投資だけで見込める成長率です。負債比率は自己資本に対する負債の割合で長期的な安全性を、インタレスト・カバレッジ・レシオは事業利益が金融費用の何倍あるかで利払い能力を測ります。
解き方
- 貸借対照表から自己資本(株主資本合計+その他の包括利益累計額合計=72,000百万円)を求めます。
- 当期純利益と自己資本からROEを計算し、配当性向から求めた内部留保率を掛けてサスティナブル成長率を計算します。
- 株主資本に対する配当の割合を示す用語(株主資本配当率)を選びます。
- 負債合計を自己資本で割って負債比率を計算し、小数点以下第3位を四捨五入します。
- 事業利益(営業利益+受取利息・受取配当金)を支払利息で割ってインタレスト・カバレッジ・レシオを計算し、端数を処理します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:8.75(%)
- ROE(自己資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本×100。自己資本は株主資本合計(70,500百万円)+その他の包括利益累計額合計(1,500百万円)=72,000百万円です。よって、6,300百万円÷72,000百万円×100=8.75%となります。
- 小問 ②:1.75(%)
- サスティナブル成長率=ROE×内部留保率。配当性向=配当金総額÷当期純利益×100=5,040百万円÷6,300百万円×100=80.0%。内部留保率=100%-80.0%=20.0%。したがって、8.75%×20.0%=1.75%となります。
- 小問 ③:株主資本配当率
- 企業の株主資本に対する配当の割合を示す指標は「株主資本配当率」(またはDOE:Dividend on Equity ratio)です。
- 小問 ④:104.17(%)
- 負債比率=負債合計÷自己資本×100。75,000百万円÷72,000百万円×100=104.166...%となり、小数点以下第3位を四捨五入して104.17%となります。
- 小問 ⑤:47.23(倍)
- インタレスト・カバレッジ・レシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷支払利息。(9,300百万円+10百万円+135百万円)÷200百万円=9,445百万円÷200百万円=47.225倍となり、小数点以下第3位を四捨五入して47.23倍となります。
覚えるポイント
- 自己資本=純資産の部合計-非支配株主持分(新株予約権があればそれも控除)
- サスティナブル成長率=ROE×内部留保率(=ROE×(1-配当性向))
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は「営業利益+受取利息および受取配当金」
間違えやすいところ
- 自己資本に純資産合計(73,000百万円)や株主資本合計だけを使ってしまう間違いに注意します。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に営業外収益を全部加えたり、受取利息・配当金を足し忘れたりしないようにします。
- 負債比率の計算で、分母を総資産(資産の部合計)にしてしまう間違いに注意します(自己資本比率との混同)。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等および出題資料(財務データ等)に基づく
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
テクニカル分析およびNISAの概要
金融資産運用 · ローソク足 / 移動平均線 / ボリンジャーバンド / NISA制度
設例のMさんによる株価のチャート分析およびNISAに関する説明文を読み、空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。なお、文中の「□□□」は伏字である。
解答・解説を表示
解答
① ローソク ② 陽線 ③ ゴールデンクロス ④ ボリンジャーバンド ⑤ 2 ⑥ 240 ⑦ 1,200
解説
テクニカル分析では、ローソク足や移動平均線などの指標を使って、売買の勢いを読み取ります。NISA制度では、成長投資枠などの投資限度額を正しくおさえることが大切です。
解き方
- テクニカル指標の名前(ローソク足、陽線、ゴールデンクロス、ボリンジャーバンド)と、統計的な特徴(±2σで約95.4%)を空欄に当てはめます。
- 現在のNISA制度の成長投資枠について、年間の投資枠(240万円)と非課税で保有できる限度額(1,200万円)を当てはめます。
答えの内訳
- ①:ローソク
- 一定期間の株価の始値・高値・安値・終値を長方形と上下の線(ヒゲ)で表したチャートを「ローソク足」と呼びます。
- ②:陽線
- ローソク足において、期間中の終値が始値よりも高いものを「陽線」、終値が始値よりも低いものを「陰線」と呼びます。
- ③:ゴールデンクロス
- 短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ突き抜けて交差することを「ゴールデンクロス」と呼び、買いシグナルとされます。
- ④:ボリンジャーバンド
- 移動平均線を中心に、過去の株価の標準偏差(σ)を加減した帯(バンド)を表示し、価格の振れ幅を分析する指標を「ボリンジャーバンド」と呼びます。
- ⑤:2
- 正規分布を前提とした場合、株価が平均値±1σに収まる確率は約68.3%、平均値±2σの範囲内に収まる確率は約95.4%です。
- ⑥:240
- 新NISA制度における年間の投資枠は、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円です。
- ⑦:1,200
- 新NISAの生涯を通じた非課税保有限度額は全体で1,800万円であり、そのうち成長投資枠は最大1,200万円まで利用可能です。
覚えるポイント
- ボリンジャーバンドの収まる確率:±1σは約68.3%、±2σは約95.4%、±3σは約99.7%。
- NISAの総限度額は1,800万円、うち成長投資枠の上限は1,200万円。
間違えやすいところ
- 短期線が長期線を上から下に抜けるデッドクロスと、ゴールデンクロスを混同しないようにします。
- NISAの年間投資枠と、生涯の非課税保有限度額の数値を混同しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公募株式投資信託の解約に係る譲渡所得および税額の計算
金融資産運用 · 追加型株式投資信託 / 信託財産留保額 / 元本払戻金(特別分配金) / 株式等に係る譲渡所得等の課税
Aさんが特定口座(源泉徴収選択口座)で購入・保有しているY投資信託(200万口)を、次回の分配金受取前にすべて解約した。与えられた条件に基づき、①譲渡所得の金額、および②譲渡所得に係る所得税・復興特別所得税・住民税の合計額を求めなさい。なお、計算過程を示し、円未満を切り捨てて円単位で答えること。
解答・解説を表示
解答
① 348,000円 ② 70,696円
解説
公募株式投資信託を解約したときの譲渡所得は、解約価額(信託財産留保額を引いた後)から取得費(元本払戻金を引いた後)と譲渡費用を差し引いて求めます。そこに税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)を掛けて税額を計算します。
解き方
- 購入価額(手数料込み)を計算し、受け取った元本払戻金(特別分配金)を差し引いて取得費を求めます。
- 解約時の基準価額から信託財産留保額を引いた解約価額(総受取額)を計算します。
- 解約価額から取得費を引いて、譲渡所得の金額を計算します。
- 譲渡所得に所得税・復興特別所得税の税率(15.315%)と住民税率(5%)を掛け、それぞれ端数を処理してから合計します。
答えの内訳
- ①:348,000(円)
- 購入時取得費は、13,000円×(1+0.022)÷10,000口×2,000,000口=2,657,200円。元本払戻金(特別分配金)は300円÷10,000口×2,000,000口=60,000円。取得費から元本払戻金を差し引いて修正取得費は2,657,200円-60,000円=2,597,200円。解約価額は、基準価額から信託財産留保額0.5%を引いて、14,800円×(1-0.005)÷10,000口×2,000,000口=2,945,200円。譲渡所得の金額は、2,945,200円-2,597,200円=348,000円となります。
- ②:70,696(円)
- 所得税および復興特別所得税は、348,000円×15.315%=53,296.2円となり、円未満切り捨てで53,296円。住民税は、348,000円×5%=17,400円。合計額は、53,296円+17,400円=70,696円となります。
覚えるポイント
- 元本払戻金(特別分配金)は非課税であり、個別元本および取得費から減額調整する。
- 解約価額は信託財産留保額(基準価額の一定率)を控除した後の価額となる。
間違えやすいところ
- 普通分配金は配当所得としてすでに課税されているので、取得費から差し引いてはいけません。
- 所得税・復興特別所得税と住民税は、それぞれ別に端数処理(円未満切り捨て)するのを忘れないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ふるさと納税制度の仕組みとワンストップ特例
タックスプランニング · ふるさと納税 / 寄附金控除 / ワンストップ特例制度
ふるさと納税制度に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を解答しなさい。 「本制度は、自治体に対して寄附(ふるさと納税)をした場合に、寄附金額のうち( ① )円を超える部分の金額について、一定額を上限として、所得税では所得控除(寄附金控除)により、個人住民税では税額控除により、その全額に相当する税額(所得税額および個人住民税額の合計額)の控除を受けることができる制度です。 なお、ふるさと納税をした場合に、所得控除(寄附金控除)の控除額の計算において対象となる寄附金額は、ふるさと納税以外の方法で行った寄附について所得控除(寄附金控除)の適用を受ける場合と同様に、所得税における総所得金額等の( ② )%相当額が限度とされています。 本制度の適用を受けるためには、原則として、確定申告をする必要がありますが、確定申告が不要である給与所得者等については、ふるさと納税( ③ )特例制度を利用することにより、確定申告をしなくても控除を受けることができます。ただし、同制度を利用することができるのは、その年にふるさと納税をした自治体の数が( ④ )団体以内の場合に限られます。また、確定申告が不要である給与所得者等であっても、雑損控除や医療費控除等の適用を受けるために確定申告をする場合には、同制度を利用することはできません。なお、ふるさと納税( ③ )特例制度を利用すると、原則として、確定申告をした場合と同額の税額が控除されますが、所得税の控除はなく、所得税控除分相当額を含めて翌年度分の個人住民税額から控除されることになります」
解答・解説を表示
解答
① 2,000(円) ② 40(%) ③ ワンストップ(特例制度) ④ 5(団体)
解説
ふるさと納税は自治体への寄附金控除で、自己負担額2,000円を除いた全額が所得税と個人住民税から差し引かれます。確定申告が不要な給与所得者などは、その年の寄附先が5団体以内ならワンストップ特例制度を使えます。この場合、全額が翌年度の住民税から税額控除されます。
解き方
- 空欄①と②:所得税の寄附金控除では、自己負担の2,000円を超える分が対象で、限度額は総所得金額等の40%です。これを確認します。
- 空欄③と④:確定申告が不要な給与所得者向けの「ワンストップ特例制度」と、利用できる上限が「5団体以内」であることを確認します。
答えの内訳
- ①:2,000(円)
- ふるさと納税制度では、寄附金額のうち自己負担額とされる2,000円を超える部分について所得税および住民税から控除されます。
- ②:40(%)
- 所得税の寄附金控除の対象となる寄附金額の限度額は、総所得金額等の40%相当額と定められています。
- ③:ワンストップ(特例制度)
- 確定申告が不要な給与所得者等が確定申告を行わずに寄附金控除を受けるための制度を「ふるさと納税ワンストップ特例制度」と呼びます。
- ④:5(団体)
- ワンストップ特例制度を利用できるのは、その年にふるさと納税を行った自治体の数が5団体以内の場合に限られます。
覚えるポイント
- ふるさと納税の自己負担額は2,000円、寄附金控除の上限は総所得金額等の40%。
- ワンストップ特例は年間5団体までで、医療費控除等で確定申告をする場合は無効となる。
間違えやすいところ
- ワンストップ特例の上限は「5団体」で、寄附の「5回」ではありません。同じ自治体に何回寄附しても1団体と数えます。
- 所得税の寄附金限度額40%と、住民税の限度額30%を混同しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得・事業所得・雑所得の計算
タックスプランニング · 退職所得控除 / 事業所得 / 売上原価 / 減価償却費 / 一括償却資産 / 雑所得の損益通算
《設例》の〈Aさんの2025年分の収入等に関する資料〉に基づいて、Aさんの2025年分の所得税における次の①~③をそれぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。なお、③の計算にあたっては、与えられた速算表を用いるものとする。 ① 退職所得の金額 ② 事業所得の金額 ③ 雑所得の金額
解答・解説を表示
解答
① 2,200,000(円) ② 3,389,900(円) ③ 100,000(円)
解説
退職所得は、勤続年数に応じた退職所得控除額を引いて、さらに1/2を掛けて計算します。事業所得は、総収入金額から売上原価や減価償却費などの必要経費を差し引きます。税務署への届出がない個人の法定の減価償却方法は定額法で、一括償却資産は3年で均等に償却します。雑所得は、公的年金等控除後の金額と、業務・その他の雑所得の損益を合算(内部通算)して計算します。
解き方
- 退職所得:勤続37年5カ月を38年に切り上げ、退職所得控除額(800万円+70万円×18年=2,060万円)を求めます。(収入2,500万円-控除2,060万円)×1/2=2,200,000円です。
- 事業所得:売上原価(210万円-30万円=180万円)、定額法による冷蔵庫の減価償却費(120万円×0.167×3/12=50,100円)、パソコンの一括償却費(18万円÷3=60,000円)を求めます。売上高630万円から経費2,910,100円を引くと3,389,900円です。
- 雑所得:公的年金等の雑所得(収入70万円-控除50万円=20万円)と、変額個人年金保険の赤字(収入40万円-経費50万円=▲10万円)を内部通算すると、100,000円です。
答えの内訳
- ①:2,200,000(円)
- 勤続年数は37年5カ月(端数切上げで38年)。退職所得控除額=800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円。退職所得の金額=(2,500万円-2,060万円)×1/2=2,200,000円となります。
- ②:3,389,900(円)
- 売上原価=仕入高210万円-年末棚卸高30万円=180万円。業務用冷蔵庫の減価償却費(法定償却方法は定額法、10~12月の3カ月分)=120万円×0.167×3/12=50,100円。パソコンの一括償却資産(均等償却)=18万円÷3=60,000円。必要経費合計=180万円+100万円+50,100円+60,000円=2,910,100円。事業所得の金額=売上高630万円-2,910,100円=3,389,900円となります。
- ③:100,000(円)
- 公的年金等に係る雑所得は、収入70万円から公的年金等控除額50万円を控除して20万円。私的年金(変額個人年金保険)は収入40万円-必要経費50万円=▲10万円。雑所得内部での通算を行い、20万円+(▲10万円)=100,000円となります。
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覚えるポイント
- 勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げて退職所得控除額を計算する。
- 個人事業主が減価償却方法の届出をしていない場合、法定の償却方法は「定額法」となる。
- 一括償却資産(取得価額20万円未満)は月割計算をせず、3年間で均等償却する。
- 公的年金等に係る雑所得と公的年金等以外の雑所得は内部通算が可能である。
間違えやすいところ
- 退職所得の計算で、退職金から控除額を引いた後に「1/2」を掛け忘れないようにします。
- 個人事業主の減価償却で、届出がないのに法人の法定方法である定率法を使ってしまう間違いに注意します。
- 一括償却資産の償却費を月割計算(10月から使うので3/12)してしまう間違いに注意します。一括償却資産は月割しません。
- 私的年金の赤字(▲10万円)をゼロにして、公的年金の雑所得と内部通算し忘れないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等に基づく
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税および復興特別所得税の申告納税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 所得金額調整控除 / 医療費控除 / 扶養控除 / 申告納税額
《設例》および前問《問58》に基づき、Aさんの2025年分の所得税および復興特別所得税の申告納税額に関する計算表の空欄①~⑤に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、空欄⑤については100円未満を切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
① 10,039,900(円) ② 70,000(円) ③ 580,000(円) ④ 1,020,000(円) ⑤ 189,700(円)
解説
所得税の申告納税額は、まず各所得を合計して総所得金額を出します。次に所得控除を差し引いて課税総所得金額を求め、超過累進税率を当てはめます。基準所得税額に復興特別所得税(2.1%)を加えた合計から源泉徴収税額を引くと、最終的な申告納税額になります。
解き方
- 給与所得と公的年金等の雑所得が重なるときの所得金額調整控除を当てはめ、事業所得・雑所得と合計して総所得金額を求めます。
- 医療費控除や同居老親等の扶養控除の額を計算し、課税総所得金額に対する所得税・復興特別所得税から源泉徴収税額を引いて申告納税額を求めます。
答えの内訳
- ①:10,039,900(円)
- 給与所得控除後の給与等の金額は665万円(860万円-195万円)ですが、給与所得と公的年金等に係る雑所得の双方が生じているため所得金額調整控除10万円(給与所得控除後上限10万円+公的年金等雑所得上限10万円-10万円)が適用され、給与所得は655万円となります。総所得金額は、給与所得655万円+事業所得3,389,900円+雑所得100,000円=10,039,900円となります。
- ②:70,000(円)
- 控除対象医療費は、入院費用から自己都合差額ベッド料を除いた22万円から保険給付金8万円を差し引いた14万円と、通院診察料3万円の合計17万円となります。総所得金額等が200万円以上のため10万円を差し引き、170,000円-100,000円=70,000円が医療費控除額となります。
- ③:580,000(円)
- 母Cさん(84歳)は公的年金等収入が80万円で公的年金等控除額(110万円)以下のため所得は0円であり、Aさんと生計を一にして同居する70歳以上の直系尊属(同居老親等)に該当するため、扶養控除額は580,000円となります。
- ④:1,020,000(円)
- 課税総所得金額は10,039,900円-2,839,900円=7,200,000円です。速算表より税率23%・控除額636,000円を適用し、7,200,000円×23%-636,000円=1,020,000円となります。
- ⑤:189,700(円)
- 差引所得税額1,020,000円に復興特別所得税額21,420円(1,020,000円×2.1%)を加算した1,041,420円から源泉徴収税額851,690円を差し引くと189,730円となり、100円未満を切り捨てて189,700円となります。
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覚えるポイント
- 給与と公的年金等の双方を有する給与所得者に対する所得金額調整控除(最大10万円控除)の計算手順。
- 同居老親等(直系尊属と同居)の扶養控除額は一般の老人扶養親族(48万円)と異なり58万円となる点。
間違えやすいところ
- 本人の希望による差額ベッド代や、通院用の自家用車の駐車場代を医療費控除に含めてしまう間違いに注意します。
- 申告納税額を出すときに、100円未満を切り捨てる処理を忘れないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築物省エネ法および居住用財産の3,000万円特別控除
不動産 · 建築物省エネ法 / 省エネ適判 / ZEH / 居住用財産の3000万円特別控除 / 居住用財産の軽減税率特例
建築基準法、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)の規定および「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」に関する文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。
解答・解説を表示
解答
① 10(㎡) ② 200(㎡) ③ ZEH ④ 1(年) ⑤ 3(年) ⑥ 10(年)
解説
建築物省エネ法では、原則として新築の建築物に省エネ基準への適合が義務づけられます。ただし、一定の小規模な建築物などは適用除外や審査省略が認められています。居住用財産の譲渡所得の特例では、家屋を取り壊した後の敷地を譲渡するときの契約期限・譲渡完了期限・所有期間の要件が定められています。
解き方
- 建築物省エネ法で、適合義務の対象外となる規模(10㎡以下)や審査省略の対象(平屋かつ200㎡以下)、ZEHの定義を確認します。
- 居住用財産の3,000万円特別控除で、家屋取壊し後の敷地譲渡の要件(1年以内に契約・3年後の年末までに譲渡)と、軽減税率を併用するときの所有期間要件(10年超)を確認します。
答えの内訳
- ①:10(㎡)
- 建築物省エネ法において、建築物の建築に係る部分の床面積の合計が10㎡以下の建築物等は、省エネ基準適合義務の対象外とされています。
- ②:200(㎡)
- 都市計画区域等内の平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物で建築士が設計・工事監理を行ったものは、省エネ適判の手続や検査が省略されます。
- ③:ZEH
- 外皮の断熱性能を大幅に向上させ、高効率設備や再エネの導入により年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅をZEHといいます。
- ④:1(年)
- 家屋を取り壊して敷地を譲渡する場合に3,000万円特別控除の適用を受けるには、土地の譲渡契約が家屋取壊しの日から1年以内に締結される必要があります。
- ⑤:3(年)
- 家屋を取り壊して敷地を譲渡する場合、家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡が行われる必要があります。
- ⑥:10(年)
- 居住用財産の3,000万円特別控除と併せて軽減税率の特例の重複適用を受けるためには、取り壊した家屋および敷地の所有期間が取壊し年の1月1日において10年を超えている必要があります。
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覚えるポイント
- 家屋取壊し後の敷地譲渡要件:取壊しから1年以内に契約締結、居住しなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡。
- 居住用財産の軽減税率特例を併用する場合の所有期間要件は譲渡(取壊し)の年の1月1日時点で「10年超」。
間違えやすいところ
- 家屋取壊し後の契約は1年以内、譲渡は住まなくなった日から3年後の年末までです。この期間を混同しないようにします。
- 居住用財産の軽減税率特例の所有期間は「10年超」です。長期譲渡所得の「5年超」と間違えないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得の特例と税額計算
不動産 · 居住用財産の3000万円特別控除 / 長期譲渡所得の軽減税率 / 共有持分の譲渡所得計算 / 概算取得費
Aさんと妻Bさんが、自宅の家屋を取り壊して、以下の条件でその敷地である甲土地を共同して第三者に譲渡し、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」および「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた場合、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は100円未満を切り捨てて円単位とすること。なお、甲土地について、Aさんは4分の3、妻Bさんは4分の1の共有持分を有している。また、譲渡所得以外の所得や所得控除等は考慮しないものとする。 〈譲渡資産(甲土地)に関する資料〉 ・譲渡代金(譲渡価額):1億4,000万円 ・所有期間:60年 ・取得費:不明 ・譲渡費用:660万円(家屋の取壊し費用、仲介手数料等) ※譲渡代金と譲渡費用は、Aさんと妻Bさんがそれぞれの持分(4分の3および4分の1)に応じて受け取り、または支払っている。 ① Aさんの課税長期譲渡所得金額はいくらか。 ② Aさんの課税長期譲渡所得金額に係る所得税および復興特別所得税、住民税の合計額はいくらか。
解答・解説を表示
解答
① 64,800,000円 ② 9,501,100円
解説
居住用の財産を売ったときは、3,000万円特別控除と、所有期間10年超の軽減税率の特例を使えます。共有の財産では、売った金額・取得費・売却費用を持分の割合で分けます。特別控除は、共有する人それぞれの所得から最高3,000万円ずつ引けます。税額を出すときは、所得税と復興特別所得税を足した額の100円未満を切り捨ててから、住民税と足します。
解き方
- 売った金額・概算取得費(5%)・売却費用を、Aさんの持分(3/4)で分けて、3,000万円控除の前の長期譲渡所得を出します。
- 特別控除の前の譲渡所得から3,000万円を引き、課税される長期譲渡所得を出します。
- 課税長期譲渡所得を6,000万円以下と6,000万円超に分け、所得税(10%・15%)と復興特別所得税(所得税×2.1%、最後に100円未満切捨て)、住民税(4%・5%)を出して合計します。
答えの内訳
- ①:64,800,000(円)
- Aさんの持分(4分の3)に応じた計算を行います。 譲渡価額:140,000,000円 × 3/4 = 105,000,000円 取得費(概算取得費5%):105,000,000円 × 5% = 5,250,000円 譲渡費用:6,600,000円 × 3/4 = 4,950,000円 特別控除前譲渡所得金額:105,000,000円 - (5,250,000円 + 4,950,000円) = 94,800,000円 課税長期譲渡所得金額:94,800,000円 - 30,000,000円 = 64,800,000円
- ②:9,501,100(円)
- 所有期間10年超の居住用財産の軽減税率の特例を適用します(課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%、6,000万円超の部分は所得税15%・住民税5%)。 【所得税】 60,000,000円 × 10% + (64,800,000円 - 60,000,000円) × 15% = 6,000,000円 + 720,000円 = 6,720,000円 【復興特別所得税】 6,720,000円 × 2.1% = 141,120円 所得税および復興特別所得税:6,720,000円 + 141,120円 = 6,861,120円 → 100円未満切り捨てで 6,861,100円 【住民税】 60,000,000円 × 4% + (64,800,000円 - 60,000,000円) × 5% = 2,400,000円 + 240,000円 = 2,640,000円 【税額合計】 6,861,100円 + 2,640,000円 = 9,501,100円
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覚えるポイント
- 居住用財産の3,000万円特別控除は共有者それぞれが最大3,000万円まで適用可能
- 軽減税率の特例は6,000万円以下の部分が所得税10%・住民税4%、6,000万円超の部分が所得税15%・住民税5%
- 所得税と復興特別所得税の合計額について100円未満切捨ての端数処理を行う
間違えやすいところ
- 売った金額全体から先に3,000万円を引いてから持分で分けてしまう間違い。
- 所得税を出すときに復興特別所得税(2.1%)を掛け忘れたり、端数を切る順番を間違えたりするミス。
- 取得費が分からないときに、売った金額の5%(概算取得費)を使うのを忘れるミス。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建蔽率・容積率の計算
不動産 · セットバック(2項道路) / 建蔽率の緩和(準耐火建築物) / 防火規制の異なる区域にわたる建築物 / 前面道路幅員制限 / 容積率の計算
甲土地(全体面積416㎡:近隣商業地域192㎡、第二種中高層住居専用地域224㎡)上の近隣商業地域に属する部分および第二種中高層住居専用地域に属する部分にまたがって準耐火建築物を建築する場合、次の①および②に答えなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は㎡表示とすること。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 〈甲土地の概要〉 ・西側:幅員5m公道(近隣商業地域に接道、間口16m) ・南側:幅員2m公道(建築基準法第42条第2項道路、間口26m:近隣商業12m、第二種中高層14m。道路中心線は中央、反対側は宅地) ・近隣商業地域:指定建蔽率80%、指定容積率200%、前面道路幅員制限乗数6/10、準防火地域 ・第二種中高層住居専用地域:指定建蔽率60%、指定容積率150%、前面道路幅員制限乗数4/10、防火規制なし ・角地緩和なし、特定行政庁が指定する区域外 ① 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。 ② 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
解答・解説を表示
解答
① 309㎡ ② 675㎡
解説
建築基準法第42条第2項道路に面する土地では、セットバック(道路側に土地を後退させること)が必要で、後退した部分は敷地面積から除きます。建物が準防火地域と指定のない区域にまたがるときは、法第65条により全体に準防火地域の決まりがかかります。そのうえで準耐火建物を建てるなら、両方の地域で建蔽率が10%ゆるくなります。また、2つ以上の道路に面するときは、広い方の幅員で容積率の道路幅員制限を判断します。
解き方
- 南側の2項道路のセットバック面積(幅1m×各地域の間口)を出し、各地域の有効な敷地面積(近隣商業180㎡、第二種中高層210㎡)を求めます。
- 建物が準防火地域と指定のない地域にまたがるので、法第65条で全体に準防火地域の決まりがかかり、準耐火建物として両地域とも建蔽率が+10%ゆるくなることを使って、建築面積の上限を出します。
- 前面道路の幅員は広い方の5mを使い、各地域の指定容積率と道路幅員による容積率をくらべて小さい方を当てはめ、延べ面積の上限を出して合計します。
答えの内訳
- ①:309(㎡)
- 南側2m道路は2項道路であり、中心線から2m後退(後退幅1m)が必要です。セットバック面積は近隣商業地域が12m×1m=12㎡、第二種中高層住居専用地域が14m×1m=14㎡となるため、セットバック後の敷地面積は近隣商業地域が180㎡(192㎡-12㎡)、第二種中高層住居専用地域が210㎡(224㎡-14㎡)となります。 建築物が準防火地域と防火指定のない区域にまたがる場合、建築基準法第65条により建築物全体に準防火地域の規定が適用されます。準防火地域内で準耐火建築物を建築するため、両地域ともに建蔽率が10%緩和されます。 ・近隣商業地域:180㎡ × (80% + 10%) = 162㎡ ・第二種中高層住居専用地域:210㎡ × (60% + 10%) = 147㎡ 建築面積の上限:162㎡ + 147㎡ = 309㎡
- ②:675(㎡)
- 前面道路が2つある場合、幅員の広い方(西側5m公道)を前面道路として幅員制限を判定します。 ・近隣商業地域: 道路幅員制限:5m × 6/10 = 30/10 = 300% 指定容積率200% < 300% より、容積率は200%。 限度延べ面積:180㎡ × 200% = 360㎡ ・第二種中高層住居専用地域: 道路幅員制限:5m × 4/10 = 20/10 = 200% 指定容積率150% < 200% より、容積率は150%。 限度延べ面積:210㎡ × 150% = 315㎡ 延べ面積の上限合計:360㎡ + 315㎡ = 675㎡
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覚えるポイント
- 2項道路(みなし道路)のセットバック部分は敷地面積から除外される
- 準防火地域と防火規制なしにわたる建築物は全体に準防火地域の規定が適用され、準耐火建築物なら建蔽率が各+10%緩和される
- 容積率の前面道路幅員制限は広い方の道路幅員を基準にする
間違えやすいところ
- セットバックした分を引かずに、もとの土地面積(192㎡、224㎡)のまま計算してしまうミス。
- 防火の決まりがない地域では、準耐火建物による10%の緩和が使えないと勘違いするミス。
- 前面道路の幅員制限の計算で、狭い方の2m公道を使ってしまうミス。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
特定の評価会社および同族株主の判定
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 特定の評価会社 / 同族株主の判定
取引相場のない株式の相続税評価における特定の評価会社等に関する次の文章の空欄①~⑤に入る最も適切な数値を求めなさい。 「特定の評価会社には、『比準要素数1の会社』『株式等保有特定会社』『土地保有特定会社』のほか、『開業後( ① )年未満の会社等』などがあります。 『株式等保有特定会社』は、課税時期において評価会社の総資産価額(相続税評価額)に占める株式等の価額の合計額(相続税評価額)の割合が( ② )%以上である会社をいいます。 『土地保有特定会社』に該当する土地保有割合は、評価会社が大会社である場合は□□□%以上とされ、評価会社が中会社である場合は( ③ )%以上とされています。 同族株主以外の株主等が取得した株式とは、同族株主のいる会社の株式のうち同族株主以外の株主が取得した株式や、同族株主のいない会社の株主のうち、課税時期において株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の( ④ )%未満である場合におけるその株主の取得した株式などをいいます。 また、同族株主とは、課税時期における評価会社の株主のうち、株主の1人およびその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の( ⑤ )%以上(最多数グループが□□□%超である会社にあっては□□□%超)である場合におけるその株主等をいいます」
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解答
① 3(年) ② 50(%) ③ 90(%) ④ 15(%) ⑤ 30(%)
解説
取引相場のない株式の評価では、ふつうの評価方法(類似業種比準方式・純資産価額方式)がなじまない会社を「特定の評価会社」といい、原則として純資産価額で評価します。また、取得する人が経営権に影響を与えない「同族株主以外の株主等」にあたるときは、配当還元方式を使います。
解き方
- 特定の評価会社の判定基準(開業後の年数、株式等の保有割合、土地保有割合の会社規模ごとの基準)を整理します。
- 株主の判定で使う「同族株主」の議決権割合の基準(30%または50%超)と、「同族株主のいない会社」で配当還元方式を使う基準(15%未満)を確かめ、各空欄にあてはめます。
答えの内訳
- ①:3
- 開業後3年未満の会社や休業中の会社等は、特定の評価会社として原則として純資産価額方式により評価されます。
- ②:50
- 総資産価額(相続税評価額)に占める株式等の価額(相続税評価額)の合計額の割合が50%以上である会社を株式等保有特定会社といいます。
- ③:90
- 土地保有特定会社における土地保有割合(総資産価額に占める土地等の価額の割合)の判定基準は、大会社が70%以上、中会社・小会社が90%以上と規定されています。
- ④:15
- 同族株主のいない会社において、株主の1人および同族関係者の議決権割合が15%未満である場合、その株主の取得した株式は配当還元方式による評価となります。
- ⑤:30
- 同族株主とは、株主の1人およびその同族関係者の有する議決権割合が30%以上(議決権割合が50%超のグループがいる場合は50%超)であるグループに属する株主を指します。
覚えるポイント
- 株式等保有特定会社の基準割合は50%以上。
- 土地保有特定会社は大会社が70%以上、中会社・小会社は90%以上。
- 同族株主のいない会社の配当還元方式適用基準は議決権15%未満。
間違えやすいところ
- 土地保有特定会社の中会社の基準を、大会社の70%と混同しやすいです。
- 開業後の年数を2年や5年と間違えやすいです(正しくは3年未満)。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の財産評価基本通達(特定の評価会社の株式の評価、評価方式の判定)
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準価額および1株当たり純資産価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式 / 類似業種比準価額 / 純資産価額方式 / 比準要素数1の会社
長男Cさんが、現時点(2026年1月25日)においてAさんの所有するX社株式を贈与により取得する場合、《設例》の〈X社の概要〉に基づき、①X社株式の1株当たりの類似業種比準価額および②X社株式の1株当たりの純資産価額(相続税評価額)をそれぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。 なお、端数処理については、①の計算上、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てることとし、②の計算上、X社株式の1株当たりの純資産価額(相続税評価額)は円未満を切り捨てること。また、類似業種比準価額および純資産価額の算定にあたり複数の方法がある場合は、最も低い価額となる方法を選択すること。
解答・解説を表示
解答
① 648円 ② 4,840円
解説
類似業種比準価額は、配当・利益・純資産の3つの要素について、似た業種との比準割合を出し、業種の株価や会社規模に応じた斟酌割合(調整する割合)を掛けて求めます。純資産価額は、課税時期の各資産・負債の相続税評価額をもとに、帳簿価額との評価差額にかかる法人税額等相当額(37%)を引いて求めます。
解き方
- 類似業種の株価(当月・前月・前々月・前年平均・2年平均)からいちばん低い値を選び、比準割合を出して、会社規模(中会社0.6)と資本金50円換算の倍率を掛け、類似業種比準価額を求めます。
- 総資産・負債の相続税評価額と帳簿価額の差額から法人税等相当額(37%)を出し、相続税評価ベースの純資産から引いた残額を、発行済株式総数で割って1株当たりの純資産価額を求めます。
答えの内訳
- ①:648(円)
- 【計算過程】 ・1株当たりの資本金等の額:1,500万円 ÷ 30,000株 = 500円 ・類似業種の株価の選択:課税時期の属する月(500円)、前月(510円)、前々月(520円)、前年平均(490円)、2年間平均(470円)のうち最も低い「470円」を採用。 ・比準割合の計算: 配当比準割合:0円 ÷ 9.3円 = 0.00 利益比準割合:0円 ÷ 50円 = 0.00 純資産比準割合:400円 ÷ 575円 = 0.695… → 0.69(小数点第2位未満切捨て) 比準割合 = (0 + 0 + 0.69) ÷ 3 = 0.23 ・中会社の斟酌割合:0.60(中会社の中) ・資本金50円当たりの比準価額 = 470円 × 0.23 × 0.60 = 64.86円 → 64.80円(10銭未満切捨て) ・1株当たりの類似業種比準価額 = 64.80円 × (500円 ÷ 50円) = 648円
- ②:4,840(円)
- 【計算過程】 ・相続税評価額による純資産価額:50,000万円 - 34,000万円 = 16,000万円 ・帳簿価額による純資産価額:46,000万円 - 34,000万円 = 12,000万円 ・評価差額:16,000万円 - 12,000万円 = 4,000万円 ・法人税額等相当額:4,000万円 × 37% = 1,480万円 ・差引純資産価額:16,000万円 - 1,480万円 = 14,520万円 ・1株当たりの純資産価額 = 14,520万円 ÷ 30,000株 = 4,840円
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覚えるポイント
- 類似業種株価は当月・前月・前々月・前年平均・2年平均から最も低いものを選択する。
- 比準割合の端数処理は各要素および合計で「小数点第2位未満切捨て」。
- 純資産価額の評価差額に対する法人税等相当額の控除率は37%。
間違えやすいところ
- 類似業種の株価を選ぶときに「過去3年間の平均株価」を入れてしまう間違いです(3年平均は対象外)。
- 比準割合を出すときに四捨五入したり、10銭未満を切り捨てるのを忘れたりするミス。
- 1株当たり資本金の額500円に戻す計算(500円÷50円=10倍)を掛け忘れるミス。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の財産評価基本通達(類似業種比準価額の計算、純資産価額の計算)
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の相続税評価(比準要素数1の会社)
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 比準要素数1の会社 / 純資産価額方式 / 類似業種比準方式
非上場会社であるX社の代表取締役社長Aさん(所有株式数25,000株)から、長男Cさん(所有株式数1,500株、専務取締役)がX社株式を贈与により取得する場合における、X社株式の1株当たりの相続税評価額を求めなさい。なお、X社は発行済株式総数30,000株の同族会社であり、財産評価基本通達上の「比準要素数1の会社」に該当する。また、《問64》で算定した1株当たりの類似業種比準価額は648円、1株当たりの純資産価額(相続税評価額)は4,840円であり、評価方法が複数ある場合は最も低い価額を選択するものとする(円未満切り捨て)。
解答・解説を表示
解答
3,792円
解説
比準要素数1の会社(配当・利益・簿価純資産のうち、直前期末で2要素がゼロで、直前々期末でも2要素以上がゼロの会社)にあたるとき、同族株主等が取得した株式は原則として純資産価額方式で評価します。ただし、納税者が選べば「類似業種比準価額×0.25+純資産価額×0.75」で出した価額で評価することもできます。
解き方
- 取得する長男Cさんが同族株主にあたることと、X社が「比準要素数1の会社」であることを確かめます。
- 原則の純資産価額(4,840円)と、選べる併用方式の式「類似業種比準価額×0.25+純資産価額×0.75」で出した価額を計算し、くらべて最も低い価額を決めます。
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覚えるポイント
- 比準要素数1の会社の特例評価方式では、類似業種比準価額に乗じる割合が「0.25」、純資産価額に乗じる割合が「0.75」となる。
間違えやすいところ
- ふつうの会社規模(中会社の中など)で使うL割合(0.75など)を使い、「類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L)」と混同して計算しないよう注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年1月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2026年1月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2026年1月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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