日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2026年5月 1級 学科(基礎編)の概要
各種係数を用いた必要資金の計算
ライフプランニングと資金計画 · 各種係数 / 年金現価係数 / 現価係数
Aさん(40歳)は、60歳から65歳までの5年間は毎年80万円、65歳から85歳までの20年間は毎年120万円を毎年1回取り崩して受け取りたいと考えている。取崩期間中の運用利回りを年3%(複利)とした場合、Aさんが60歳時点で準備すべき金額として最も適切なものはどれか。なお、計算には所定の係数表を使用し、結果は万円未満を切り上げること。
解答・解説を表示
解答
2
解説
毎年一定額を取り崩すために必要な元本は、年金現価係数で計算します。一方、将来のある時点のまとまったお金を今の価値に直すときは、現価係数を使います。時点が違うお金は、そのままでは足せないからです。
解き方
- 60歳から65歳までの5年間で毎年80万円を取り崩すのに必要な資金を、年金現価係数(5年)を使って60歳時点で計算します。
- 65歳から85歳までの20年間で毎年120万円を取り崩すのに必要な資金を、年金現価係数(20年)を使って65歳時点で計算します。
- 65歳時点で求めた金額を、現価係数(5年)を使って60歳時点の今の価値に直します。
- 2つの期間の60歳時点の資金を合計し、万円未満を切り上げます。
- 選択肢 1不正解
- 65歳以降の資金を60歳時点に割り引く計算や、端数処理がきちんとできていないため誤りです。
- 選択肢 2正解
- 60歳時点で必要な額は366.376万円+1,540.00078万円=1,906.37678万円となり、万円未満を切り上げると1,907万円になるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 65歳時点の必要資金を割り引かずにそのまま足すなど、計算の手順が間違っているため誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 使う係数の選び方や割引計算のしかたが間違っているため誤りです。
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覚えるポイント
- 据置き後に取り崩す年金資金は、開始時点の年金現価をさらに現価係数で現在価値へ割り引く
間違えやすいところ
- 65歳時点で必要な資金を60歳時点に割り引く計算を忘れ、そのまま足してしまう間違いです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
健康保険の保険給付および保険料
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 傷病手当金 / 出産手当金 / 高額療養費 / 埋葬料
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
1
解説
健康保険の保険料が免除されるのは、産前産後休業や育児休業の期間だけです。傷病手当金を受け取っていることを理由に保険料が免除される制度はありません。免除の対象が、これらの休業に限られているからです。
解き方
- 傷病手当金を受け取るときに、健康保険料の免除があるかを確認します(免除はありません)。
- 退職後に給付を受けられる要件(継続して1年以上の被保険者期間)を確認します。
- 高額療養費で合算できる対象(同じ医療保険制度の被保険者・被扶養者に限る)を確認します。
- 被保険者が死亡したときの埋葬料の金額(5万円)を確認します。
- 選択肢 1正解
- 健康保険では、傷病手当金を受け取っている間も保険料は免除されずに徴収されるため、この記述が最も不適切です。
- 選択肢 2不正解
- 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があれば、退職後も受給できるはずだった期間について出産手当金を受け取れるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 後期高齢者医療制度の被保険者である父の一部負担金は健康保険とは別の制度なので、高額療養費の合算には含められず、この記述は正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 被保険者が死亡し、生計を維持されていた遺族が埋葬したときは、埋葬料として一律5万円が支給されるため正しいです。
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覚えるポイント
- 産前産後休業・育児休業期間は社会保険料が免除されるが、傷病手当金の受給期間は免除されない
間違えやすいところ
- 病気で休んで傷病手当金をもらっている間も、産休や育休と同じように保険料が免除されると間違えやすいです。
出題の前提:健康保険法第105条、第159条等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の諸給付(高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金等)
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 高年齢雇用継続給付 / 高年齢再就職給付金 / 再就職手当 / 高年齢求職者給付金
雇用保険に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
雇用保険では、同じ就職を理由とする給付を二重に受け取ることはできません。高年齢再就職給付金と再就職手当は、どちらか一方だけを選びます。同じ出来事に給付が重なると、受け取りすぎになるからです。
解き方
- 高年齢雇用継続基本給付金の計算の対象(支払われた賃金額に掛ける)を確認します。
- 高年齢求職者給付金の支給日数(1年未満は30日分、1年以上は50日分)を確認します。
- 高年齢再就職給付金と再就職手当の併給のルール(どちらか一方を選ぶ)を確認します。
- 雇用保険マルチジョブホルダー制度の資格要件(一方を辞めて合計の要件を満たさなくなったときの資格喪失)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 給付金の率は「支給対象月に支払われた賃金額」に掛けるもので、「60歳到達時の賃金月額」に掛けるのではないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 高年齢求職者給付金の日数は、算定基礎期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分であるため誤りです。
- 選択肢 3正解
- 高年齢再就職給付金と再就職手当はどちらか一方を選ぶもので、一方を受け取ると金額にかかわらず他方は支給されないため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- マルチジョブホルダー制度で一方の事業所を辞め、合計の労働条件で被保険者の要件を満たさなくなると資格を失うため誤りです。
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覚えるポイント
- 高年齢再就職給付金と再就職手当は併給不可(いずれか一方を選択)
- 高年齢求職者給付金の日数は30日または50日の一時金
間違えやすいところ
- 高年齢雇用継続給付の率を掛ける対象を、支払われた賃金ではなく60歳時点の賃金だと間違えやすいです。
出題の前提:雇用保険法第61条の2、第37条の4等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雇用保険の教育訓練休暇給付金
ライフプランニングと資金計画 · 雇用保険 / 教育訓練休暇給付金 / 教育訓練給付金
雇用保険の教育訓練休暇給付金に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
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解答
3
解説
教育訓練休暇給付金は、2025年10月に始まった制度で、自分から学び直すための無給・低賃金の休暇を支える給付です。休んでいる間に賃金の一部が支払われたときは、賃金日額の80%を上限として調整します。賃金と給付を合わせて受け取りすぎないようにするためです。
解き方
- 教育訓練休暇給付金を受け取る要件(労働協約などの制度に基づき、自分から取得すること)を確認します。
- 何回も取得したときの給付の適用関係を確認します。
- 休暇中に事業主から賃金の一部が支払われたときの給付額の調整方法(単純な差額控除ではない)を確認します。
- 訓練を終えた後に教育訓練給付金と併せて受け取れるかを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 労働協約や就業規則などに定めた制度に基づき、労働者が自分から取得した休暇であることが要件とされているため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 30日以上の教育訓練休暇を分けて何回も取る場合でも、決められた要件を満たせば支給の対象になるため正しいです。
- 選択肢 3正解
- 賃金の一部が支払われた日の給付額は、支払賃金を全額引くのではなく、賃金と給付の合計が休業開始前の賃金日額の80%を超えないように調整されるため、最も不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 休暇の間の教育訓練休暇給付金を受け取った後、訓練を終えて要件を満たせば、受講費用の教育訓練給付金も併せて受け取れるため正しいです。
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覚えるポイント
- 教育訓練休暇給付金の一部賃金受給時の減額調整は「賃金日額の80%」基準(全額控除ではない)
間違えやすいところ
- 支払われた賃金が全額そのまま給付金から引かれると間違えやすいです。
出題の前提:雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号、2025年10月1日施行)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国民年金の保険料追納・死亡一時金・寡婦年金・繰下げ支給
ライフプランニングと資金計画 · 国民年金 / 死亡一時金 / 保険料追納 / 寡婦年金 / 繰下げ受給
国民年金に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
2
解説
国民年金の第1号被保険者が亡くなったときには、独自の給付があります。保険料の納付済期間などが36月以上ある場合に支給されるのが「死亡一時金」です。また、納付済期間などが10年以上ある夫が亡くなったとき、妻に60歳から65歳まで支給されるのが「寡婦年金」です。
解き方
- 免除・猶予された保険料を追納するときの加算の要件(承認された年度の翌々年度以降から加算)を確認します。
- 死亡一時金の支給要件(第1号被保険者の納付済月数が36月以上、遺族の範囲と順位)を判定します。
- 寡婦年金の受給開始年齢(妻が60歳になった日の属する月の翌月から)を確認します。
- 老齢基礎年金の繰下げの申出ができる時期(66歳になった日以降)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 追納の加算額が上乗せされるのは、承認を受けた日の属する年度の「翌々年度以降」に追納する場合なので、2024年度分は2026年5月時点では加算されず誤りです。
- 選択肢 2正解
- 第1号被保険者としての納付済期間が36月(3年)以上ある人が老齢・障害の基礎年金を受けずに亡くなったとき、生計を同じくしていた母は死亡一時金を受け取れるため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 寡婦年金の支給期間は、原則として妻が60歳になった日の属する月の翌月から65歳になる月までなので、50歳の時点ですぐには受給できず誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 老齢基礎年金の繰下げの申出は66歳になった日以後でないとできないため、65歳10カ月の時点で選ぶことはできず誤りです。
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覚えるポイント
- 死亡一時金の納付要件は36月(3年)以上
- 寡婦年金の支給期間は妻が60歳から65歳になるまで
- 年金の繰下げ申出は66歳到達以降でなければ行えない
間違えやすいところ
- 寡婦年金が夫の死亡の翌月からすぐに支給されると勘違いしやすいです。
- 繰下げ支給の請求は65歳になった後いつでも1カ月単位でできると誤解しやすいです。
出題の前提:国民年金法第28条、第49条、第52条の2等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
障害厚生年金の額の計算・加給年金・額の改定・最低保障
ライフプランニングと資金計画 · 障害厚生年金 / 配偶者加給年金 / 障害年金の額の改定 / 最低保障額
障害厚生年金に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
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解答
3
解説
障害等級1級・2級の障害厚生年金を受け取る権利がある人は、権利を得た後に結婚した配偶者について加給年金を足してもらえます。また、65歳以降に障害が重くなったときも、年金額の改定を請求できます。生活の変化に合わせて給付を調整するためです。
解き方
- 障害認定日以降の被保険者期間の扱い(受給権を得た後の期間は年金額の計算に入らない)を確認します。
- 後から生計維持の関係になった配偶者の加給年金が、いつから足されるか(事由が起きた日の属する月の翌月分から)を確認します。
- 65歳になった後の障害等級の改定請求の可否(現在1級・2級の人は65歳以降も請求できる)を判定します。
- 障害等級3級の最低保障額(障害基礎年金2級本体額の4分の3)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 障害厚生年金の額は障害認定日が属する月までの被保険者期間を基礎に計算され、その後の期間は入れないため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 1級または2級の受給権者が結婚により生計を維持する配偶者を持つことになったときは、その事実が起きた日の属する月の翌月分から加給年金が足されるため正しいです。
- 選択肢 3正解
- 65歳未満で障害等級2級の受給権を得た人は、65歳になった日以後でも障害が重くなれば額の改定を請求できるため、最も不適切です。
- 選択肢 4不正解
- 障害厚生年金3級には最低保障額があり、その額は障害基礎年金2級の4分の3相当額であるため正しいです。
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覚えるポイント
- 既受給者(1級・2級)は65歳以降も増進による額の改定請求が可能
- 障害厚生年金3級の最低保障額は障害基礎年金2級の4分の3
間違えやすいところ
- 65歳を過ぎると障害年金の請求や改定が一切できなくなると混同しやすいです(事後重症請求の制限と額の改定請求を混同)。
出題の前提:厚生年金保険法第50条の2、第52条等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業退職金共済制度(中退共)の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 中退共 / 掛金月額 / 国の掛金助成 / 解約手当金 / 退職金の分割払い
中小企業退職金共済制度(中退共)に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
中退共は国の退職金の制度です。掛金は事業主が全額を負担し、退職金や解約手当金は原則として従業員本人に直接支払われます。退職金を分割で受け取るには、60歳以上などの要件があります。
解き方
- 掛金月額の選べる範囲(一般従業員は5,000円〜30,000円の16種類)を確認します。
- 掛金を増額したときの国の助成の割合(増額分の3分の1を1年間)を確認します。
- 契約が解除されたときの解約手当金を受け取る人(事業主ではなく従業員本人)を確認します。
- 退職金を分割で受け取る要件(退職時に60歳以上であること)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 一般従業員の掛金月額は5,000円から30,000円までの16種類(パート等の特例で2,000円〜4,000円もある)で、1,000円からではないため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 掛金月額18,000円以下の従業員の掛金を増額するときの国の助成率は、増額分の「3分の1」(上限あり)を1年間助成する制度であるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- 退職金共済契約が解除されたとき、解約手当金は事業主ではなく被共済者(従業員)に直接支給されるため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 中退共の退職金を分割(全部分割または一部分割)で受け取るには退職時に60歳以上である必要があり、60歳未満の人は分割を選べないため正しいです。
覚えるポイント
- 中退共の退職金分割払いは「退職時60歳以上」が必須要件
- 解約手当金は従業員本人に支払われる(事業主には戻らない)
- 掛金増額助成は増額分の3分の1
間違えやすいところ
- 中退共の解約手当金が、掛金を負担した事業主に戻ると間違えやすいです。
出題の前提:中小企業退職金共済法第10条、第13条等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
住宅金融支援機構のフラット35およびリ・バース60
ライフプランニングと資金計画 · フラット35 / リ・バース60 / ペアローン / ノンリコース型
住宅金融支援機構のフラット35およびリ・バース60に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
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解答
4
解説
住宅金融支援機構の住宅ローンでは、フラット35でペアローンを組んだり、フラット35からフラット35へ借り換えたりできます。一方、リ・バース60の全期間固定金利タイプは、ノンリコース型だけです。
解き方
- フラット35でペアローンが使えるか(使える)を確認します。
- 借り換え前のローンがフラット35のとき、フラット35借換融資が使えるか(使える)を確認します。
- リ・バース60の借入利率の決め方(取扱金融機関ごとに違う)を確認します。
- リ・バース60の全期間固定金利タイプの商品の条件(ノンリコース型のみ)を確認します。
- 選択肢 1不正解
- フラット35では、同じ物件について夫婦や親子などがそれぞれ主債務者となるペアローンを使うことができるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- フラット35借換融資は、民間金融機関のローンだけでなく、すでにあるフラット35からの借り換えにも使えるため誤りです。
- 選択肢 3不正解
- リ・バース60の借入利率は取扱金融機関がそれぞれ決めるため、金利タイプが同じでも金融機関によって違うため誤りです。
- 選択肢 4正解
- 住宅金融支援機構のリ・バース60で、全期間固定金利タイプとして扱われているのはノンリコース型だけであるため正しいです。
覚えるポイント
- フラット35はペアローン利用可能、フラット35からの借換えも可能
- リ・バース60の全期間固定金利タイプはノンリコース型のみ
間違えやすいところ
- フラット35からフラット35への借り換えはできないと思い込む間違いです。
出題の前提:住宅金融支援機構 フラット35融資基準、リ・バース60商品概要
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約照会制度
リスク管理 · 生命保険契約照会制度 / 生命保険協会
一般社団法人生命保険協会が運営する生命保険契約照会制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
生命保険契約照会制度は、ふだん(死亡時や認知判断能力の低下時)や災害時に、照会する人が生命保険契約に入っているかをまとめて調べて答える制度です。生命保険協会が答えるのは契約の有無だけで、保険金受取人などの詳しい内容の回答や、請求の代行はしません。
解き方
- 使える人の範囲や、調査の対象にならない保険契約の種類など、照会制度の基本ルールを確認します。
- 生命保険協会が答える情報の範囲(契約の有無だけ)と、各保険会社の手続を確認して正誤を判定します。
- 選択肢 1不正解
- 認知判断能力の低下を理由とする場合は、法定代理人(成年後見人等)、任意後見人、保佐人、補助人のほか、照会対象者の配偶者や親権者、3親等内の親族なども使えるため誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 災害救助法が適用された地域での行方不明などの災害時の照会では、罹災証明書や被災状況を示す書類などを出し、警察などの行方不明者届の受理証明書は要らないため誤りです。
- 選択肢 3正解
- この制度では、財形保険・財形年金保険、支払が始まった年金保険、保険金などが据置中の契約は調査の対象外と決められているため正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 生命保険協会が答えるのは契約の「有無」だけで、保険の種類や受取人、保険金額などの詳しい内容は各生命保険会社から照会者に直接連絡されるため誤りです。
覚えるポイント
- 生命保険契約照会制度の回答内容は契約の有無のみで、契約内容は各社から開示される。
間違えやすいところ
- 生命保険協会が保険金額や受取人を直接調べて答えると間違えやすいので注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生命保険契約の各種手続
リスク管理 · 払済保険 / 契約転換制度 / 高度障害保険金
生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険の変更手続(払済保険への変更や契約転換)や給付金の扱いでは、予定利率や転換時の年齢など、保険の計算の基礎を理解する必要があります。また、保険金が支払われると契約が終わるというルールも大切です。
解き方
- 払済保険に変えるときの予定利率の引き継ぎや、診査・告知が必要かを確認します。
- 契約転換時の保険料の計算の基準と、高度障害保険金を受け取ったときに契約が終わること、保険料の返還があるかを判定します。
- 選択肢 1不正解
- 払済保険に変えるときは、変更時の解約返戻金をもとに元の保険の予定利率を当てはめて新しい保険金額を計算し、引き継ぐため正しいです。
- 選択肢 2不正解
- 払済保険への変更は保険金額が下がる変更で、保険会社の危険が増えないため、医師の診査や健康状態の告知は要らないため正しいです。
- 選択肢 3不正解
- 契約転換制度を使うときは、転換した時点の被保険者の年齢や保険料率を基準に、転換後の契約の保険料が計算されるため正しいです。
- 選択肢 4正解
- 高度障害保険金は死亡保険金と同じ金額が支払われて契約が終わるもので、一時払保険料のうち未経過分が返ってくることはないため、最も不適切です。
覚えるポイント
- 払済保険への変更時は予定利率が引き継がれ告知・診査は不要である。
間違えやすいところ
- 一時払養老保険で高度障害保険金が支払われたときに、未経過の保険料が返ってくると混同しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人年金保険の商品性
リスク管理 · 定額個人年金保険 / 確定年金と有期年金 / 個人年金保険料税制適格特約
個人年金保険の一般的な商品性に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 定額個人年金保険の保険料は、年金額や年金受取開始年齢等の他の契約内容が同一であれば、確定年金であるものよりも、有期年金であるもののほうが割安となる。 (b) 定額個人年金保険(10年確定年金)の年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、死亡給付金受取人に対し、既払込保険料総額から既払年金合計額を差し引いた額が一括して支払われる。 (c) 契約者(=保険料負担者)および被保険者を夫、年金受取人を妻として定額個人年金保険(終身年金)に加入する場合に、保険料払込期間が10年以上であるときは、個人年金保険料税制適格特約を付加することができる。
解答・解説を表示
解答
1
解説
確定年金より、有期年金のほうが保険料は安くなります。確定年金は生死に関係なく一定期間ずっと給付されますが、有期年金は被保険者が生きている間だけ給付されるからです。また、個人年金保険料税制適格特約では、年金受取人は被保険者と同一人(または被保険者と配偶者の夫婦年金)でなければなりません。
解き方
- (a)では、確定年金と有期年金で死亡リスクと保険料の決まり方がどう違うかを確かめます(適切)。
- (b)では、確定年金の受取期間中に死亡したときの支払額(残りの期間の年金の現在価値)を確かめます(不適切)。
- (c)では、個人年金保険料税制適格特約で受取人と被保険者が同じでなければならないことを確かめます(不適切)。
- 選択肢 1正解
- 適切なものは(a)の1つだけなので、選択肢1が正解です。
- 選択肢 2不正解
- (b)と(c)は不適切なので、適切なものが2つというこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 3不正解
- (b)と(c)は不適切なので、適切なものが3つというこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (a)が適切なので、0(なし)というこの選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 個人年金保険料税制適格特約の年金受取人は、被保険者と同一人でなければならない。
間違えやすいところ
- 税制適格特約では、受取人が配偶者なら契約者や被保険者と違ってもよいと間違えやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
定期保険の経理処理
リスク管理 · 法人契約の定期保険 / 最高解約返戻率に応じた損金算入 / 資産計上割合
X株式会社(X社)の代表取締役Aさん(加入時65歳)が加入する定期保険(保険期間・払込期間100歳満了、受取人X社、最高解約返戻率65.0%、年払保険料540万円)について、初回の保険料支払時におけるX社の経理処理として最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
2019年7月8日以後の法人向け定期保険などでは、資産に計上する割合が最高解約返戻率によって決まります。最高解約返戻率が50%超70%以下のときは、資産計上割合が40%、損金算入割合が60%です。
解き方
- 最高解約返戻率(65.0%)から、当てはまる区分(50%超70%以下)を見つけます。
- 50%超70%以下の区分の資産計上割合(40%)と損金算入割合(60%)を、年払保険料540万円に掛けて計算します。
- 選択肢 1正解
- 損金算入額は540万円×60%=324万円、資産に計上する額は540万円×40%=216万円なので、正しい仕訳です。
- 選択肢 2不正解
- 損金算入50%・資産計上50%とする仕訳は、最高解約返戻率が50%超70%以下の場合のルールに合いません。
- 選択肢 3不正解
- 損金算入40%・資産計上60%は、最高解約返戻率が70%超85%以下の場合の処理なので誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 最高解約返戻率(65%)をそのまま資産計上割合にした、誤った計算です。

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覚えるポイント
- 最高解約返戻率50%超70%以下は資産計上40%・損金60%、70%超85%以下は資産計上60%・損金40%。
間違えやすいところ
- 解約返戻率の数値をそのまま資産計上割合として掛けてしまう計算ミスに注意しましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
地震保険の補償内容と保険金額
リスク管理 · 地震保険 / 保険金額の設定限度 / 一部損の支払額
地震保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
地震保険の保険金額は、主契約(火災保険)の30%〜50%の範囲(建物5,000万円、家財1,000万円が上限)で決めます。損害の区分は全損・大半損・小半損・一部損の4段階です。一部損では、保険金額の5%(時価の5%が限度)が定額で支払われます。紛失や盗難は補償の対象外です。
解き方
- 地震保険の保険金額の範囲(火災保険金額の30%〜50%、かつ上限額)を確かめます。
- 割引制度が使える対象(建物・家財の両方)、補償されない事由(紛失・盗難)、一部損の計算の基準をそれぞれ考えます。
- 選択肢 1不正解
- 地震保険の保険金額は火災保険金額の30%〜50%の範囲なので、1,500万円のときは450万円以上750万円以下で設定します(900万円は60%となり設定できません)。
- 選択肢 2不正解
- 建物の免震・耐震性能に応じた割引制度は、その建物の中にある生活用動産(家財)の地震保険料にも適用されます。
- 選択肢 3不正解
- 地震などに乗じた紛失や盗難で生じた損害は、地震保険では補償されません(免責)。
- 選択肢 4正解
- 損害の程度が一部損のときは、実際の修理費用の多い少ないにかかわらず、建物の時価の5%を限度に保険金額の5%が支払われます。
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覚えるポイント
- 地震保険の補償割合:全損100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%(いずれも時価限度)。
間違えやすいところ
- 家財の地震保険料には、建物の耐震等級割引などが使えないと間違えやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)
リスク管理 · 自賠責保険 / 重過失減額 / 支払限度額 / 仮渡金
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、対人賠償の基本を支える強制保険です。支払限度額は死亡3,000万円、後遺障害は最高4,000万円、傷害は120万円です。被害者に重い過失がある場合を除いて全額が支払われ、過失割合が7割未満なら過失相殺による減額はありません。
解き方
- 自賠責保険の支払限度額(死亡3,000万円、傷害120万円、後遺障害は最高4,000万円)を確かめます。
- 傷害の範囲(休業損害・慰謝料を含む)、仮渡金の制度(定額の給付)、重過失減額の基準(7割未満は減額なし)と比べて判断します。
- 選択肢 1不正解
- 被害者1人当たりの支払限度額は、死亡が3,000万円、後遺障害が等級に応じて75万円から最高4,000万円(常時介護などが必要な場合)、傷害が120万円です。
- 選択肢 2不正解
- 自賠責保険では、傷害による損害として治療関係費や文書料だけでなく、休業損害や慰謝料も補償されます。
- 選択肢 3不正解
- 仮渡金は実費の精算ではなく、死亡のときは290万円、傷害のときは程度に応じて5万円・20万円・40万円の定額が支払われます。
- 選択肢 4正解
- 被害者の過失割合が7割未満のときは重過失減額の対象にならず、保険金額から過失相殺による減額はされません。
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覚えるポイント
- 自賠責保険の重過失減額:過失7割未満は減額なし、7割以上8割未満は2割減額など。
間違えやすいところ
- 自賠責保険の仮渡金を、実際の治療費などの実費の支払いと混同しないようにしましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種傷害保険の商品性
リスク管理 · 就業中のみの危険補償特約 / 国内旅行傷害保険 / 海外旅行傷害保険
各種傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述(a)〜(c)のうち、適切なものはいくつあるか。 (a) 就業中のみの危険補償特約を付帯した普通傷害保険では、被保険者が職務に従事している間に被った傷害について、労働者災害補償保険(政府労災保険)における業務災害の認定がない場合、保険金は支払われない。 (b) 国内旅行傷害保険では、被保険者が旅行行程中に発生した地震により被った傷害は、補償の対象とならない。 (c) 海外旅行傷害保険では、被保険者が旅行行程中に転倒したことにより被った傷害は、出国する前のものであっても補償の対象となる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
傷害保険の保険金を支払うかどうかは、民間保険の約款(契約の決まり)に基づいて別々に判断されます。国内旅行傷害保険では、原則として地震・噴火・津波による傷害は補償されません。一方、海外旅行傷害保険の責任期間は住居を出発してから帰着するまでなので、国内の移動中(出国前)の事故も対象になります。
解き方
- (a)では、労災保険の認定と、民間保険の就業中危険補償特約の給付要件の関係を考えます(労災の認定は必須ではないので不適切)。
- (b)では、国内旅行傷害保険で地震などによる傷害が補償されないことを確かめます(適切)。
- (c)では、海外旅行傷害保険の責任期間(自宅の出発から帰着まで)と国内移動中の補償を確かめます(適切)。
- 選択肢 1不正解
- (b)と(c)の2つが適切なので、1つというこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- (b)と(c)の記述が適切なので、2つというこの選択肢が正解です。
- 選択肢 3不正解
- (a)が不適切なので、3つというこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (b)と(c)が適切なので、0(なし)というこの選択肢は誤りです。
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覚えるポイント
- 海外旅行傷害保険の補償期間は「住居を出発してから住居に帰着するまで」である。
間違えやすいところ
- 海外旅行保険は、日本を出国して(飛行機が離陸して)から適用されると誤解しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
わが国の経済指標
金融資産運用 · 消費者物価指数(CPI) / 景気動向指数 / 日銀短観(業況判断DI)
わが国の経済指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入する財やサービスを対象とし、企業間で取引される財は含みません。景気動向指数では、有効求人倍率や鉱工業生産指数は一致系列に分類されます。また日銀短観の業況判断DI(企業の景況感を表す指数)は、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて求めます。
解き方
- CPIの調査対象(家計が最後に消費する財・サービスに限られ、原材料や設備機械は含まれない)を確かめます。
- 有効求人倍率と鉱工業生産指数が、景気動向指数のどの系列(一致系列)に使われるかを判断します。
- 日銀短観の業況判断DIの決め方(「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた差)を確かめます。
- 選択肢 1正解
- CPIは家計が購入する最終財・サービスを対象とし、原油などの原材料や部品の中間財、設備投資財は含まないので、正しい記述です。
- 選択肢 2不正解
- 有効求人倍率(新規求人倍率を除く)は、景気動向指数では先行系列ではなく一致系列に使われています(新規求人倍率は先行系列です)。
- 選択肢 3不正解
- 鉱工業生産指数は、景気動向指数では遅行系列ではなく一致系列に使われています。
- 選択肢 4不正解
- 日銀短観の業況判断DIは、「良い」と答えた企業の割合(%)から「悪い」と答えた企業の割合(%)を引いて求めます。
覚えるポイント
- 景気動向指数の系列:有効求人倍率と鉱工業生産指数は一致系列、新規求人倍率は先行系列。
間違えやすいところ
- 短観DIを、「良い」と答えた企業の割合だけだと勘違いしないように注意しましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
各種信託商品の一般的な特徴
金融資産運用 · 信託商品 / 後見制度支援信託 / 特定贈与信託 / 特定寄附信託 / 遺言代用信託
各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
信託の仕組みを使った商品には、障害者の生活支援、寄附、親族への財産の承継、被後見人の財産の保護など、目的に応じた種類があります。それぞれ、法令上の要件や税制の優遇、利用できる人の範囲が細かく決められています。
解き方
- 各信託商品(特定寄附信託、特定贈与信託、後見制度支援信託、遺言代用信託)について、委託者・受益者の資格と税法上の扱いを確かめます。
- 任意後見制度の委任者が、後見制度支援信託の対象から外れていることを、法令や実務の扱いから判断します。
- 選択肢 1不正解
- 特定寄附信託で所得税の寄附金控除の対象になるのは、信託財産から公益法人などに実際に寄附した金額です。元本や運用収益の全額が、設定した時点ですぐ控除されるわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- 特定贈与信託で委託者になれるのは個人だけです。親族が経営する法人などの法人は委託者になれません。
- 選択肢 3正解
- 後見制度支援信託は、家庭裁判所の指示書に基づいて設定する仕組みで、法定後見(成年後見など)と未成年後見が対象です。任意後見契約の委任者は対象ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 遺言代用信託では、死亡後の受益者(第二受益者など)は配偶者に限らず、子などの後継者を自由に指定できます。配偶者がいない人でも利用できます。
覚えるポイント
- 後見制度支援信託は法定後見・未成年後見が対象で任意後見は対象外
- 特定贈与信託の委託者は個人に限られる
間違えやすいところ
- 特定寄附信託で預けた元本の全額が、設定した時点で寄附金控除できると間違えやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託の一般的な商品性
金融資産運用 · 外貨建MMF / MRF / ファンド・オブ・ファンズ / ファミリーファンド方式
投資信託の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
公社債投資信託(MMFやMRF)は、高い流動性(いつでもお金に換えやすいこと)と安全性を重視して作られています。解約の制限や手数料の負担が、普通の投資信託と違う点が特徴です。また、ファミリーファンド方式やファンド・オブ・ファンズの仕組みと定義を正確に理解する必要があります。
解き方
- 公社債投信である外貨建MMFとMRFについて、手数料や信託財産留保額があるかどうかを確かめます。
- ファミリーファンド方式でのベビーファンドとマザーファンドの関係、そしてファンド・オブ・ファンズの定義を確かめます。
- 選択肢 1正解
- 外貨建MMFは格付けの高い公社債などで運用され、信託報酬は信託財産から毎日差し引かれますが、解約時の解約手数料や信託財産留保額はかかりません。
- 選択肢 2不正解
- MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は証券総合口座で使う決済用のファンドで、購入した当日から解約でき、信託財産留保額や解約手数料はかかりません。30日未満の解約制限があるのは国内MMFなどの特徴です。
- 選択肢 3不正解
- ファンド・オブ・ファンズは、投資信託証券への投資割合を50%超(主に3分の2以上など)とするものを指します。個別銘柄を50%未満とする規定ではありません。
- 選択肢 4不正解
- ファミリーファンド方式で投資家が購入するのは「ベビーファンド」です。ベビーファンドが集めた資金を「マザーファンド」に投資して一緒に運用します。記述は資金の流れが逆になっています。
覚えるポイント
- ファミリーファンドは投資家がベビーファンドを購入し、マザーファンドで合同運用する
- 外貨建MMFやMRFは解約手数料・信託財産留保額なし
間違えやすいところ
- ファミリーファンド方式で、ベビーファンドとマザーファンドの資金の流れを混同しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
割引債の複利最終利回りと利付債の単利最終利回りの計算
金融資産運用 · 債券利回り計算 / 割引債 / 固定利付債 / 最終利回り
以下の表に記載されている割引債の1年複利計算による最終利回り(空欄①)と固定利付債の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。 【条件】 割引債:単価88.42円、償還価格100.00円、残存期間8年 固定利付債:単価98.85円、償還価格100.00円、表面利率1.08%、残存期間4年
解答・解説を表示
解答
3
解説
債券の利回り計算では、複利最終利回りは、投資した元本が満期の償還価格になるまでの幾何平均の利回り(年率)です。単利最終利回りは、表面利率に年換算の償還差損益を加えた合計(インカムとキャピタル)が、投資単価に対してどれだけになるかの割合です。
解き方
- 割引債の1年複利利回りを計算します:(償還価格 ÷ 購入価格)^(1 ÷ 残存年数) - 1 = (100 ÷ 88.42)^(1/8) - 1 ≒ 1.01548... - 1 ≒ 1.55%。
- 固定利付債の単利最終利回りを計算します:[表面利率 + (償還価格 - 購入価格) ÷ 残存年数] ÷ 購入価格 × 100 = [1.08 + (100 - 98.85) ÷ 4] ÷ 98.85 × 100 = [1.08 + 0.2875] ÷ 98.85 × 100 = 1.3675 ÷ 98.85 × 100 ≒ 1.3834% → 小数点以下第3位を四捨五入して1.38%。
- ①が1.55%、②が1.38%となる組み合わせを選択肢の中から探します。
- 選択肢 1不正解
- 固定利付債の計算が1.36%になっているので誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 割引債を単利で計算すると(100-88.42)÷8÷88.42≒1.637%になりますが、指定は1年複利計算なので1.55%が正しく、さらに②も誤りです。
- 選択肢 3正解
- 割引債の複利利回りは1.55%、固定利付債の単利利回りは1.38%で、どちらも正しいです。
- 選択肢 4不正解
- 割引債の利回りが1.63%になっているので誤りです。
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覚えるポイント
- 割引債の複利利回りは (償還価格/購入単価)^(1/n) - 1
- 単利最終利回り = [表面利率 + (額面 - 単価)/残存年数] / 単価 × 100
間違えやすいところ
- 割引債の計算で、複利と指定されているのに単利の計算式を使ってしまうミスです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
国内外の主要株価指標
金融資産運用 · TOPIX / DAX指数 / FTSE100指数 / ダウ・ジョーンズ工業株価平均
国内外の株価指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
世界の代表的な株価指数には、時価総額加重型(浮動株調整後)と株価平均型という2つの算出方法があります。それぞれ、対象となる市場と構成する銘柄数が決められています。
解き方
- 各指数の対象市場、構成する銘柄数、算出方法(時価総額加重型か株価平均型か)を照らし合わせます。
- FTSE100が時価総額加重型で、時価総額の上位100銘柄で構成されていることを確かめます。
- 選択肢 1不正解
- TOPIXは、旧東証一部上場の全銘柄を引き継いだ構成銘柄(流通時価総額100億円以上などの選定基準による)で算出されます。スタンダード市場やグロース市場の全銘柄が対象なわけではありません。
- 選択肢 2不正解
- DAX指数は、フランクフルト証券取引所に上場する主要40銘柄(2021年9月に30から40へ拡大)で構成される指数で、全銘柄ではありません。
- 選択肢 3正解
- FTSE100指数は、ロンドン証券取引所に上場する時価総額の上位100銘柄で構成される、時価総額加重型の株価指数です。
- 選択肢 4不正解
- ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)は代表的な30銘柄で算出されますが、時価総額加重型ではなく株価平均型(ダウ方式)の指数です。
覚えるポイント
- NYダウと日経平均株価は「株価平均型」
- TOPIX・S&P500・FTSE100・DAXは「時価総額加重型」
間違えやすいところ
- NYダウを時価総額加重型と混同しやすいです。
- DAXを全銘柄の指数だと誤解しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
大阪取引所における株価指数先物取引
金融資産運用 · 株価指数先物取引 / 限月 / SQ日 / 取引最終日
大阪取引所における株価指数先物取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
株価指数先物の取引ができる最終日(取引最終日)は、SQ日(特別清算指数を算出する日)の前営業日です。SQ日は各限月の第2金曜日で、この日にSQ値を使って残った建玉が決済されます。SQ日そのものには取引できません。
解き方
- 株価指数先物のしくみ(証拠金とレバレッジの危険、祝日取引、立会時間と板寄せ)が正しいか確認します。
- 取引最終日とSQ日の関係を確認します(取引最終日はSQ日の前営業日です)。
- 選択肢 1不正解
- 先物取引は証拠金を使うレバレッジ取引なので、相場が大きく動くと預けた証拠金より大きな損失が出ることがあります。
- 選択肢 2不正解
- 大阪取引所は、海外の市場が急に動いたときのリスクヘッジ(損失を減らす取引)のため、一定の祝日にも先物やオプションの取引を行えます。
- 選択肢 3不正解
- 日経225先物やTOPIX先物は、日中と夜間(ナイト・セッション)の両方の立会で、寄り付きと引けのオークション(板寄せ)を採用しています。
- 選択肢 4正解
- 取引最終日は第2金曜日(SQ日)ではなく、その前の営業日です。SQ日にはSQ値を使って決済されます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 取引最終日はSQ日の「前営業日」
- SQ日は第2金曜日(祝日の場合は前倒し)
間違えやすいところ
- 取引最終日とSQ日(特別清算の日)を同じ日だと勘違いしやすい点に注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
資本資産評価モデル(CAPM)
金融資産運用 · CAPM / ベータ(β) / 市場リスク / 超過収益率
資本資産評価モデル(CAPM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
β(ベータ)値は、市場全体の動きにどれだけ反応するかを表す数値です。安全資産のβは0、市場全体のポートフォリオのβは1です。値が大きいほど、市場の変動の影響を強く受けます。
解き方
- 安全資産のβは0、市場全体のβは1という定義を確認します。
- ポートフォリオのβが、各資産のβを構成比率で加重平均した値になる性質を確認します。
- トレイナーの測度やジェンセンのアルファなど、運用成績を測る指標の定義を確認します。
- 選択肢 1不正解
- 安全資産は市場の動きに反応しないので、βは0です。βが1なのは市場全体のポートフォリオです。
- 選択肢 2正解
- βが大きいポートフォリオほど市場の変動に敏感なので、価格の変動も大きくなります。
- 選択肢 3不正解
- ポートフォリオのβは、組み入れた資産のβを構成比率で加重平均した値と同じです。分散投資で小さくなるのは市場リスク以外のリスクです。
- 選択肢 4不正解
- CAPMの期待収益率との差(超過収益率)を測るのは「ジェンセンのアルファ」です。トレイナーの測度は超過収益率をβで割った値です。
覚えるポイント
- 安全資産のβ=0、市場のβ=1
- ポートフォリオのβは構成資産のβの加重平均(β自体は分散投資で相殺されない)
- CAPM期待収益率との差=ジェンセンのアルファ
間違えやすいところ
- 分散投資でポートフォリオのβも小さくなると勘違いしやすい(小さくなるのは市場リスク以外のリスクです)。
- トレイナーの測度とジェンセンのアルファの定義を混同しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公募株式投資信託の分配金と源泉徴収税額の計算
金融資産運用 · 個別元本 / 普通分配金 / 元本払戻金(特別分配金) / 源泉徴収税率
居住者であるAさんは、2023年4月に特定口座(源泉徴収選択口座)で、国内の上場株式を投資対象とするXファンド(公募追加型株式投資信託、当初1口1円、年1回分配)10,000口を基準価額12,000円で購入した。下記の〈Xファンドの分配金実績・分配落後基準価額の推移〉に基づき、2026年3月期における10,000口当たりの収益分配金について、所得税および復興特別所得税、住民税の源泉(特別)徴収後の手取金額として、最も適切なものはどれか。なお、源泉(特別)徴収される税額は円未満切捨てとすること。 【決算日と分配実績・分配落後基準価額の推移】 ・購入時:個別元本12,000円 ・2024年3月期:分配金500円、分配落後基準価額11,800円 ・2025年3月期:分配金600円、分配落後基準価額11,900円 ・2026年3月期:分配金400円、分配落後基準価額11,700円
解答・解説を表示
解答
2
解説
分配金は、個別元本(その人が買ったときの元本)を上回る部分は普通分配金として課税され、下回る部分は元本払戻金(特別分配金)として非課税になります。元本払戻金が出た分だけ、個別元本が引き下げられます。
解き方
- 各期の個別元本の動きを計算します。2024年3月期は分配落後基準価額11,800円が個別元本12,000円を下回るので元本払戻金200円、2025年3月期は全額普通分配金、2026年3月期は分配落後11,700円が個別元本11,800円を下回るので元本払戻金100円・普通分配金300円となります。
- 手取額を計算します。普通分配金300円×20.315%=60.945円を円未満切捨てで60円とし、400円-60円=340円となります。
- 選択肢 1不正解
- 400円全額が普通分配金だと間違えた場合の金額(400円×20.315%=81円、400-81=319円)です。
- 選択肢 2正解
- 2024年3月期に元本払戻金200円が出て個別元本が11,800円になり、2026年3月期は元本払戻金100円・普通分配金300円なので、税額60円を引くと340円になります。
- 選択肢 3不正解
- 2026年3月期の普通分配金の判定や税額の端数処理が間違っています。
- 選択肢 4不正解
- 元本払戻金の額を間違えて、普通分配金を100円として計算した場合の金額です。
覚えるポイント
- 元本払戻金(特別分配金)= 分配前の個別元本 - 分配落後の基準価額(下回る場合)
- 元本払戻金が発生すると、その分だけ個別元本が修正(引き下げ)される
間違えやすいところ
- 分配前の基準価額と個別元本だけを比べてしまい、分配落後の基準価額との差額(元本払戻金)の計算を間違えやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
日本投資者保護基金の補償対象
金融資産運用 · 日本投資者保護基金 / FX証拠金 / 分別管理 / 信用リスク
日本投資者保護基金に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。 (a) 顧客がA証券会社で行っている外国為替証拠金取引に係る証拠金について、A証券会社の破綻時において区分管理がなされていないために返還されない場合であっても、日本投資者保護基金による補償を受けることはできない。 (b) 顧客がB証券会社で購入した社債について、その発行会社が破綻したために元金の償還や利子の支払がなされない場合であっても、日本投資者保護基金による補償を受けることはできない。 (c) 顧客がC証券会社で購入した上場株式について、C証券会社の破綻時において分別管理がなされていないために返還されず、日本投資者保護基金による補償を受ける場合、補償額は、当該株式の取得価額に基づき算出され、1,000万円が上限となる。
解答・解説を表示
解答
2
解説
日本投資者保護基金は、破綻した証券会社が分別管理(顧客の資産を会社の資産と分けて管理すること)を怠って返せなくなった資産を、1人あたり1,000万円まで補償する制度です。FXなどの店頭デリバティブ取引や、商品の発行会社が破綻したことによる損失は対象外です。
解き方
- (a)FXの証拠金が保護基金の対象か確認します(対象外なので記述は適切です)。
- (b)社債の発行会社の破綻による損失が対象か確認します(投資のリスクなので対象外で、記述は適切です)。
- (c)返還されない株式の補償額の基準が「取得価額」か「時価」かを確認します(時価が基準なので不適切です)。
- 適切な記述の数を数えます((a)と(b)の2つです)。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(a)と(b)の2つなので、1つとするこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- (a)と(b)が適切で(c)が不適切なので、適切なものは2つで正しいです。
- 選択肢 3不正解
- (c)が不適切なので、3つとするこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (a)と(b)が適切なので、0(なし)とするこの選択肢は誤りです。
覚えるポイント
- 店頭デリバティブ(店頭FX等)は投資者保護基金の補償対象外
- 株式等の補償額は取得価額ではなく「時価」を基準に計算(上限1,000万円)
間違えやすいところ
- 証券会社で買った社債の発行会社の破綻と、証券会社自身の破綻を混同しやすいです。
- 株式の補償額の基準を、取得価額と時価で混同しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
個人事業主の事業所得の計算と必要経費の取扱い
タックスプランニング · 事業所得 / 必要経費 / 固定資産の譲渡 / 同族会社との取引
居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
事業所得の必要経費は、収入を得るために直接かかった費用や、仕事で生じた費用です。事業用の固定資産(車両など)を売った損益は譲渡所得になるため、事業所得には入れません。個人事業主の交際費には、法人のような限度額はありません。
解き方
- 事業所得で、租税公課や交際費を必要経費に入れられるかのルールを確認します。
- 事業用の固定資産を売った損益は、事業所得ではなく譲渡所得になることを確認します。
- 選択肢 1不正解
- 事業に使っている土地や建物などの固定資産税・不動産取得税は、事業所得の必要経費に入れられます。
- 選択肢 2不正解
- 個人事業主の交際費は、仕事に直接必要なら全額を必要経費にできます(法人のような限度額はありません)。
- 選択肢 3正解
- 事業に使っている車両(固定資産)を売った所得は「譲渡所得」なので、事業所得の収入や必要経費には入れられません。
- 選択肢 4不正解
- 生計を一にする親族への地代家賃は必要経費になりませんが、親族が全株式を持つ別の会社に適正な賃料を払う場合は必要経費にできます。
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覚えるポイント
- 個人の事業用固定資産の売却による所得は事業所得ではなく譲渡所得となる。
間違えやすいところ
- 法人の交際費の損金不算入のルールを、個人事業主の所得税の計算にも当てはまると勘違いしやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職手当と確定拠出年金一時金の重複受給に係る退職所得の計算
タックスプランニング · 退職所得 / 確定拠出年金 / 退職所得控除額 / 重複期間の計算
居住者であるAさんは、2025年1月に勤務先を退職し、同年2月に退職手当2,400万円(勤続期間:1988年4月1日~2025年1月31日、36年10カ月)を受領、同年3月に確定拠出年金の老齢給付金を一時金450万円(加入期間:2015年1月~2025年1月、10年1カ月)で受領した。Aさんの2025年分の退職所得の金額として、最も適切なものはどれか。なお、役員勤務はなく、障害者にも該当せず、「退職所得の受給に関する申告書」は提出済とする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
同じ年に2つ以上の退職金などを受け取るときは、退職所得控除額を計算するときに、勤続期間や加入期間が重ならないようにします。重複する部分は二重に数えず、最も長い通算期間で控除額を求めます。
解き方
- 勤続期間(1988年4月〜2025年1月の36年10カ月)とDC加入期間(2015年1月〜2025年1月)を重複させずに通算すると、勤続年数は37年(1年未満切上げ)になります。
- 退職所得控除額=800万円+70万円×(37年-20年)=1,990万円を計算します。
- 退職所得=(2,400万円+450万円-1,990万円)×1/2=430万円を計算します。
- 選択肢 1不正解
- 退職手当だけで控除額を計算するなどの誤りがあり、正しくありません。
- 選択肢 2不正解
- 重複期間の控除の計算や2分の1にする手順が間違っています。
- 選択肢 3不正解
- 確定拠出年金の加入年数だけで別に控除を重ねるなど、計算が不適切です。
- 選択肢 4正解
- 収入の合計2,850万円から控除額1,990万円を引き、差額860万円×1/2=430万円が正しい退職所得です。
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覚えるポイント
- 同一年中に複数の退職金を受給した場合、重複期間を排除して退職所得控除額を計算する。
間違えやすいところ
- 勤続期間とDC加入期間で、退職所得控除額をそれぞれ満額使えると勘違いしやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の損益通算等の適用要件
タックスプランニング · 損益通算 / 非上場株式の譲渡損失 / 不動産所得の損失 / 事業的規模
居住者に係る所得税の損益通算等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
株式等の譲渡損益は、上場株式等と一般株式等(非上場株式等)に分けられ、両者の間で損益通算はできません。非上場株式の譲渡損失は、配当所得など他の所得とも損益通算できません。
解き方
- 株式等の譲渡所得を、上場株式等と一般株式等に分けたうえで、損益通算できるかを確認します。
- 不動産所得の損失で、土地の取得に使った借金の利子と建物の取得に使った借金の利子の扱いの違い、および事業的規模での除却損の扱いを確認します。
- 選択肢 1正解
- 非上場株式(一般株式等)の譲渡損失は、同じ一般株式等の譲渡所得からしか引けず、配当所得など他の所得とは損益通算できません。
- 選択肢 2不正解
- 上場株式等の譲渡損失と、非上場株式等(一般株式等)の譲渡所得との間で損益通算はできません。
- 選択肢 3不正解
- 他の所得と損益通算できないのは「土地等」を取得するための借金の利子です。「建物」を取得するための借金の利子は損益通算できます。
- 選択肢 4不正解
- 賃貸アパートの取壊しによる損失は、事業的規模なら全額を必要経費にでき、不動産所得の金額を限度とする制限はありません(業務的規模のときに限度があります)。
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覚えるポイント
- 非上場株式(一般株式等)の譲渡損失は、上場株式の譲渡所得や配当所得、その他所得と損益通算できない。
間違えやすいところ
- 損益通算できないのは「土地」の取得に使った借金の利子で、「建物」は損益通算できる点を取り違えやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の各種人的控除の重複適用と要件判定
タックスプランニング · 扶養控除 / 配偶者控除 / ひとり親控除 / 準確定申告
居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
解答・解説を表示
解答
3
解説
所得控除の対象になる親族は、原則その年の12月31日の状況で判断します。ただし、年の途中で亡くなった人の準確定申告では、亡くなったときの状況で判断します。そのため、準確定申告と年末の確定申告の両方で、同じ扶養親族を控除の対象にできます。
解き方
- 年の途中で亡くなった人の準確定申告の扶養控除と、残った親族の年末調整・確定申告の扶養控除が重なるかを確認します。
- 亡くなった人の準確定申告で扶養控除にした子を、残った配偶者が同じ年の確定申告でも扶養控除にできるので、誤っているのは肢3だと分かります。
- 選択肢 1不正解
- 病気で入院しているのは一時的なことなので「同居」として扱われ、老人扶養親族なら同居老親等として扶養控除が受けられます。
- 選択肢 2不正解
- 年の途中で配偶者が亡くなった場合、亡くなったときの状況で配偶者控除を判断し、12月31日の状況でひとり親に当たれば両方受けられます。
- 選択肢 3正解
- 年の途中で亡くなった妻の準確定申告で長女を扶養控除にしても、夫Eさんは自分の2025年分で長女を扶養控除にできます。
- 選択肢 4不正解
- 同じ人を、ある人が扶養控除の対象にし、別の人が配偶者控除の対象にすることは認められていません。
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覚えるポイント
- 年の途中で死亡した者の準確定申告で適用した扶養控除は、年末調整・確定申告を行う他の親族でも重複して適用できる。
間違えやすいところ
- 年末時点で同じ人を複数人が控除の対象にすることはできませんが、準確定申告と年末の確定申告の間では重複が認められる例外を見落としやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
所得税の青色申告制度の要件と各種特典
タックスプランニング · 青色申告 / 青色申告決算書 / 純損失の繰戻し還付 / 青色事業専従者給与
居住者に係る所得税の青色申告に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
青色申告者が不動産所得と事業所得の両方があるときは、損益計算書は所得の種類ごとに別々に作ります。一方、貸借対照表は事業全体の財産の状態を表すので、1通にまとめて作ります。
解き方
- 不動産所得と事業所得の両方がある青色申告者の青色申告決算書で、損益計算書と貸借対照表をどう作るかを確認します。
- 純損失の繰戻し還付、棚卸資産の低価法を選べる資格、青色事業専従者給与の事業的規模の要件が、どれも正しいことを確認します。
- 選択肢 1正解
- 損益計算書は業務ごとに別々に作り、貸借対照表は2つの業務を合算して作るので、記述が逆です。
- 選択肢 2不正解
- 純損失の繰戻し還付を受けるには、損失が出た年だけでなく、前年の所得税も青色申告書を提出している必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 棚卸資産の評価方法として低価法を選べるのは青色申告者だけで、白色申告者は原価法を使わなければなりません。
- 選択肢 4不正解
- 不動産所得で青色事業専従者給与を必要経費にするには、不動産の貸付が「事業的規模(5棟10室基準など)」である必要があります。
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覚えるポイント
- 不動産所得と事業所得を併掌する場合、損益計算書は各別、貸借対照表は合算して作成する。
間違えやすいところ
- 損益計算書と貸借対照表のどちらを合算するか、どちらを別々に作るかを取り違えて覚えがちです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における棚卸資産の評価方法
タックスプランニング · 法人税 / 棚卸資産の評価方法 / 低価法 / 法定評価方法
法人税における棚卸資産の評価方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
法人税の低価法は、原価法(最終仕入原価法など)で計算した取得価額と、期末時価を比べて、低いほうを棚卸資産の評価額にする方法です。
解き方
- 低価法の定義(原価法で計算した取得価額と期末時価を比べる)を確認します。
- 肢2は期末時価ではなく「最終仕入原価法で計算した取得価額」と比べると書いてあるので、誤りだと分かります。
- 選択肢 1不正解
- 棚卸資産の評価方法は、原則として事業の種類ごと、商品・製品、半製品、仕掛品、原材料などの区分ごとに選んで届け出ます。
- 選択肢 2正解
- 低価法は、原価法で計算した取得価額と「事業年度終了のときの価額(期末時価)」を比べて、低いほうを評価額とする方法です。
- 選択肢 3不正解
- 評価方法を期限までに届け出なかったときの法定評価方法は「最終仕入原価法」です。
- 選択肢 4不正解
- 棚卸資産の評価方法を変えるときは、原則として変えようとする事業年度の開始日の前日までに変更承認申請書を出して承認を受けます。
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覚えるポイント
- 低価法は「原価法による取得価額」と「期末時価」を比較していずれか低い価額とする。
間違えやすいところ
- 法定評価方法の最終仕入原価法と、低価法が何と比べるかの定義を混同しないように整理します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.18(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税における減価償却資産の税務上の取扱い
タックスプランニング · 法人税 / 減価償却資産 / 一括償却資産 / 取得価額の算入
法人税における減価償却資産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人は製造業を営む内国法人(普通法人)であり、取得した資産は貸付用ではないものとする。また、当期は2025年4月1日から2026年3月31日までの事業年度とする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
取得価額20万円未満の資産を3年均等で償却する一括償却資産制度では、資産を一つずつ管理しない簡単な方法のため、途中で滅失や除却があっても未償却残高を一時に損金へ入れることはできません。だから最初の計画どおり3年均等の償却を続けます。
解き方
- 特許権などの使い始めた日、登録免許税などの取得価額への入れ方、少額の減価償却資産の扱いが正しいかを確かめます。
- 一括償却資産が滅失した場合でも未償却残高を損金に入れる(除却損を計上する)ことはできず、3年均等償却を続ける決まりを根拠に判断します。
- 選択肢 1不正解
- 特許権や商標権などの無形固定資産は、取得した日から事業に使い始めたものとして扱われます。
- 選択肢 2不正解
- 不動産取得税や登録免許税などは、取得価額に入れず、支払った時の損金(租税公課)にできると認められています。
- 選択肢 3不正解
- 取得価額が10万円未満の減価償却資産(少額の減価償却資産)は、使える期間に関係なく、使い始めた事業年度に全額を損金にできます。
- 選択肢 4正解
- 一括償却資産(取得価額20万円未満)は、滅失や除却があっても未償却残高を損金にできず、残りの期間も3年均等償却を続けなければなりません。
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覚えるポイント
- 一括償却資産は滅失・除却・売却しても未償却残高の一括損金算入は不可(3年均等償却を継続)。
間違えやすいところ
- 普通の減価償却資産なら除却損として損金に入れられますが、一括償却資産には除却損が認められない例外がある点を見落としやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
消費税の簡易課税制度およびインボイス制度の取扱い
タックスプランニング · 消費税 / 簡易課税制度 / 適格簡易請求書 / インボイス発行事業者の登録取消し
消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
4
解説
消費税の簡易課税制度には75%特例があります。また、被相続人(亡くなった人)が出した届出の効力は相続人に引き継がれません。インボイス発行事業者になった免税事業者は、決められた日までに登録取消届出書を出せば、翌課税期間以降に登録を取り消せます。
解き方
- 簡易課税の75%ルール、相続のときに届出の効力が引き継がれないこと、小売・飲食店などの適格簡易請求書を渡せるかを確かめます。
- インボイス発行事業者の登録取り消しの決まりを確かめ、課税事業者選択届出書にある「2年縛り」が免税事業者のインボイス登録取り消しには当てはまらないと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 2種類以上の事業を行うとき、1種類の特定事業の課税売上高が全体の75%以上を占めるなら、その特定事業だけの仕入率を全体の課税売上に使えます。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人が出した簡易課税制度選択届出書の効力は相続人に及ばないため、事業を引き継いだ相続人が適用を受けるには自分で届出書を出す必要があります。
- 選択肢 3不正解
- 小売業、飲食店業、タクシー業など、決まった数の人に課税資産を譲る事業者は、適格請求書の代わりに適格簡易請求書を渡せます。
- 選択肢 4正解
- 免税事業者がインボイス発行事業者の登録を受けても、「登録日の翌日から2年を過ぎる日まで取り消せない」という決まりはなく、決められた期間内に取消届出書を出せば登録を取り消せます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- インボイス登録取消届出書を期限までに提出すれば、翌課税期間以降の登録を取り消すことができる。
間違えやすいところ
- 「消費税課税事業者選択届出書」を出したときの「2年間続ける義務(2年縛り)」と、インボイス発行事業者の登録取り消しの決まりを混同しやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
役員と会社間の取引に係る税務上の取扱い
タックスプランニング · 役員と法人間取引 / 高額譲渡 / 低額譲渡 / 無利息融資 / 借地権認定課税
X株式会社(以下「X社」という)とその役員の間の取引における法人税および所得税の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
1
解説
役員と会社の間の取引では、時価とちがう価格で行うと、その差額について役員賞与(給与所得)や寄附金・受贈益として課税されるなど、税務上の調整が行われます。
解き方
- それぞれの取引の中身(高く売った、安く買った、お金を無利息で貸し借りした、土地を無償で使ったなど)を確かめます。
- 役員側(所得税)と会社側(法人税)で、時価と実際の取引額との差額の扱いを当てはめて、各選択肢の正しさを判断します。
- 選択肢 1正解
- 役員が会社に時価より高い価格で資産を売った場合、時価である2,800万円が譲渡所得の総収入金額となり、時価を超える200万円は役員への給与(賞与)として給与所得になります。
- 選択肢 2不正解
- 会社が持つ資産を役員に時価より低い価格で売った場合、時価と売買価額との差額100万円は、役員への経済的な利益の提供として給与所得になります。
- 選択肢 3不正解
- 役員が無利息で会社からお金を借りた場合、会社側は普通の利息分を認定利息として益金に入れ、役員側は利息を払わずに済んだ分が給与所得として課税されます。
- 選択肢 4不正解
- 権利金をやり取りする習慣がある地域で、権利金も相当の地代も払わず、土地の無償返還に関する届出書の提出もない場合、会社側では借地権の設定による受贈益が認定課税されます。
覚えるポイント
- 役員が法人へ高額譲渡した場合、時価までは譲渡所得、時価超過分は給与所得となる。
間違えやすいところ
- 役員から会社への譲渡価額の全額が譲渡所得になる、と誤解しないように注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産鑑定評価基準の手法
不動産 · 不動産鑑定評価基準 / 原価法 / 収益還元法 / DCF法 / 直接還元法
不動産鑑定評価基準に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
3
解説
不動産の価格を求める鑑定評価の手法には、費用に注目する原価法、市場に注目する取引事例比較法、収益に注目する収益還元法(直接還元法とDCF法)があります。
解き方
- 各選択肢に書かれた鑑定評価手法の意味・分類・条件を確かめます。
- 収益還元法の分類で使われる「直接法」「間接法」という誤った言葉を見つけます。
- 選択肢 1不正解
- 原価法は再調達原価を求めて減価修正を行う手法で、造成地や埋立地のように土地だけでも再調達原価を正しくつかめる場合は使えます。
- 選択肢 2不正解
- 収益還元法は将来の純収益の現在価値の合計から収益価格を求める手法で、賃貸用不動産や事業用不動産の価格判断に特に役立ちます。
- 選択肢 3正解
- 収益価格を求める方法は「直接還元法」と「DCF法」です。複数の期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計する手法はDCF法で、間接法ではありません。
- 選択肢 4不正解
- 取引事例比較法を使うときは、原則として近隣地域または同じ需要圏内の似た地域にある不動産の取引事例から選びます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 収益還元法の手法は「直接還元法」と「DCF法」の2種類である。
間違えやすいところ
- 直接法・間接法という会計や統計の用語と混同して迷わないように注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(不動産鑑定評価基準)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
宅地建物取引業法における専任媒介契約
不動産 · 宅地建物取引業法 / 専任媒介契約 / 業務処理状況の報告義務 / レインズ登録
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
4
解説
宅地建物取引業法では、専任媒介契約や専属専任媒介契約で依頼者を守るため、有効期間の上限、指定流通機構への登録義務、定期的な業務処理状況の報告義務が決められています。依頼者に不利な特約は無効です。
解き方
- 専任媒介契約の法律のルール(有効期間、重ねての依頼の禁止、指定流通機構への登録、業務報告義務)を確かめます。
- 業務報告義務をゆるめる特約が、法律の強い決まり(依頼者に不利な特約は無効)に反していないかを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 専任媒介契約の有効期間は3カ月を超えられず、更新する場合も更新した時から3カ月を超えることはできません。
- 選択肢 2不正解
- 専任媒介契約を結んだ場合、依頼者は有効期間中に別の宅地建物取引業者へ重ねて媒介を頼むことは禁止されています。
- 選択肢 3不正解
- 専任媒介契約を結んだ業者は、契約を結んだ日から7日以内(休業日を除く)に指定流通機構(レインズ)へ決められた事項を登録する義務があります。
- 選択肢 4正解
- 業務処理状況の報告義務(2週間に1回以上)に反する特約で依頼者に不利なものは無効とされるため、報告の頻度を減らしたり行わないとする特約は定められません。
覚えるポイント
- 専任媒介契約の報告義務(2週間に1回以上)に関する依頼者に不利な特約は無効である。
間違えやすいところ
- 一般媒介契約と、専任媒介契約・専属専任媒介契約との報告の頻度や特約の可否のちがいに注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(宅地建物取引業法第34条の2)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
借地借家法における普通借地権
不動産 · 借地借家法 / 普通借地権 / 存続期間 / 建物の再構築 / 建物買取請求権
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における普通借地権とは、定期借地権等以外の借地権をいう。また、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
借地借家法では、最初の存続期間の途中で建物がなくなり、残りの期間を超えて長く残る建物を建てて地主の承諾を得た場合、存続期間は承諾の日か築造の日の早い方から20年になります(最初の期間の残りがそれより長ければその残りです)。
解き方
- 最初の存続期間が終わる前の再築についての借地借家法第7条の期間の決まり(20年)を確かめます。
- 選択肢2で「30年間存続する」と書かれている誤りを判断します。
- 選択肢 1不正解
- 一定期間、地代を上げないという特約(不増額特約)は借地人に有利なので有効です。
- 選択肢 2正解
- 残存期間を超えて長く残る建物の築造について承諾がある場合、存続期間は承諾の日か築造の日の早い方から原則として20年存続します(30年ではありません)。
- 選択肢 3不正解
- 契約更新後の存続期間について、合意により法律で決まった期間(1回目20年、2回目以降10年)より長い期間(50年など)を定めることは有効です。
- 選択肢 4不正解
- 借地契約が更新されない場合、借地権者は地主に対し、借地上の建物を時価で買い取るよう求める(建物買取請求権)ことができます。
覚えるポイント
- 期間満了前の建物再築で地主の承諾がある場合、期間は原則として20年間存続する。
間違えやすいところ
- 最初の契約の最短期間である30年と、再築のときの20年を混同しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(借地借家法第7条、第11条、第13条)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
高齢者住まい法における終身建物賃貸借
不動産 · 高齢者住まい法 / 終身建物賃貸借 / 減額しない特約 / 賃借人要件 / 解約申入れ
高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)における終身建物賃貸借に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
解答・解説を表示
解答
2
解説
高齢者住まい法の終身建物賃貸借制度は、高齢者が亡くなるまで安心して住める仕組みです。賃借人になれるのは原則60歳以上で、契約は書面で行います(公正証書でなくても書面なら足ります)。借賃を減額しない特約も有効です。
解き方
- 終身建物賃貸借の成立条件(書面の交付義務、公正証書は必要でないこと)、賃借人の年齢条件(60歳以上)、途中解約(療養や施設入所などの解約申入れ)、貸料不減額特約の可否を照らし合わせます。
- 借賃不減額特約が有効である選択肢2を正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 終身建物賃貸借契約は書面(電磁的記録を含む)で行わなければなりませんが、公正証書によることまでは義務づけられていません。
- 選択肢 2正解
- 終身建物賃貸借では、借賃を減額しない旨の特約を定めた場合、その特約は有効とされています(借地借家法第32条の規定によらない特約)。
- 選択肢 3不正解
- 終身建物賃貸借の対象となる賃借人の年齢条件は、70歳以上ではなく「60歳以上」です。
- 選択肢 4不正解
- 賃借人は、療養、老人ホームなどへの入所、親族との同居などのやむを得ない事情があるときは、解約の申入れをすることができます(申入れから1カ月経過で終了)。
覚えるポイント
- 終身建物賃貸借では「60歳以上」が対象であり、借賃を減額しない特約も有効である。
間違えやすいところ
- 公正証書が必要である定期建物賃貸借の条件などと混同しないように注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(高齢者の居住の安定確保に関する法律第52条、第56条、第60条等)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法における建蔽率および容積率の算定
不動産 · 建築基準法 / 建蔽率 / 容積率 / 延べ面積不算入 / 共用廊下・階段
建築基準法における建蔽率および容積率に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
容積率を求めるときは、住宅の地階(1/3限度)、車庫(1/5限度)、共同住宅などの共用廊下・階段(全額不算入)などのゆるめる措置がありますが、建蔽率(建築面積)を求めるときは原則として除外されません。
解き方
- セットバック部分の敷地面積不算入のルール、住宅地階の延べ面積不算入のルール(1/3)、自動車車庫の不算入のルール(1/5)を確かめます。
- 共同住宅の共用廊下・階段部分が容積率不算入でも、建蔽率の建築面積からは除かれない点を確かめて誤りを見つけます。
- 選択肢 1不正解
- 建築基準法第42条第2項の道路に係る後退(セットバック)部分の面積は、建蔽率や容積率を求めるときの敷地面積には入れません。
- 選択肢 2正解
- 共同住宅の共用廊下・階段の床面積は容積率の対象となる延べ面積には入りませんが、建蔽率の対象となる建築面積には入ります。
- 選択肢 3不正解
- 天井が地盤面から1m以下にある地階の住宅などの床面積は、住宅などの用途に使う部分の床面積の合計の3分の1を限度に延べ面積に入れません。
- 選択肢 4不正解
- 自動車車庫などの用途に使う部分の床面積は、敷地内の建物の各階床面積の合計の5分の1を限度に延べ面積に入れません。
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覚えるポイント
- 共用廊下・階段の床面積は容積率不算入だが、建蔽率(建築面積)には算入される。
間違えやすいところ
- 容積率の延べ面積不算入の特例と、建蔽率の建築面積の算定ルールを混同しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(建築基準法第52条第6項等)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.22(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
農地法における権利移転および転用規制
不動産 · 農地法 / 農地法第3条 / 下限面積要件の廃止 / 相続の届出 / 農地法第4条・第5条
農地法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
1
解説
農地法第3条(権利の移動)の下限面積の条件は、農地を有効に使い、担い手を確保するために廃止されました。相続で取得した場合は農業委員会への届出(おおむね10カ月以内)、市街化区域内での転用はあらかじめの届出で足りるなどの特例があります。
解き方
- 農地法第3条の許可の基準にある下限面積要件が改正でどうなったかを確かめます。
- 5,000平方メートル以上の下限面積要件が存在するとする記述1が誤りであると判断します。
- 選択肢 1正解
- 農地法第3条の下限面積要件(もとは50アール=5,000平方メートル)は、2023年4月施行の法改正で廃止されたため、この記述は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 相続などで農地の権利を取得した人は、その権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に農業委員会へ届出をしなければなりません。
- 選択肢 3不正解
- 市街化区域内の農地を転用する場合、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば、都道府県知事などの許可は要りません。
- 選択肢 4不正解
- 自分の農地に200平方メートル未満の農業用施設(温室や作業場など)を設置するための転用は、都道府県知事などの許可を要しません。
覚えるポイント
- 農地法第3条の下限面積要件(原則50アール)は法改正により廃止された。
間違えやすいところ
- 古い制度の基準(下限面積要件)の知識のまま答えないように注意します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(農地法第3条、第4条、第5条)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の登記に係る登録免許税の非課税等の取扱い
不動産 · 登録免許税 / 相続人申告登記 / 数次相続の免税 / 少額土地の免税措置
登録免許税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
2
解説
不動産の登記にかかる登録免許税には、相続人申告登記が課税されないことや、相続で土地を取得したときの免税措置(不動産の価額が100万円以下の土地の免税、数次相続で亡くなった人が受ける土地の登記の免税など)があります。ただし、家屋には適用されないことや評価額の上限(100万円)に注意が必要です。
解き方
- 各登記での登録免許税の減免・非課税の特例の条件(贈与、相続人申告登記、数次相続の免税、小規模な土地の免税)を確かめます。
- 相続人申告登記が非課税である記述2を正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 贈与税の配偶者控除が適用される場合でも、登録免許税が非課税になる制度はなく、決められた登録免許税(税率2%)が課されます。
- 選択肢 2正解
- 相続人申告登記(不動産登記法第76条の3)の申請では、不動産の評価額にかかわらず登録免許税は非課税とされています。
- 選択肢 3不正解
- 相続で土地を取得した人が登記名義人にならないまま死亡した場合の中間登記の免税特例は「土地」が対象で、「家屋」には適用されません。
- 選択肢 4不正解
- 相続による土地の所有権移転登記の免税措置でいう土地の固定資産税評価額の上限は「100万円以下」です(200万円以下ではありません)。
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覚えるポイント
- 相続人申告登記は非課税。相続による土地の免税特例の上限は「100万円以下」。
間違えやすいところ
- 土地の免税特例の対象に「家屋」が含まれない点と、評価額の上限(100万円)を誤解しないようにします。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等(登録免許税法別表第一、租税特別措置法第84条の2の3等)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.23(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の要件
タックスプランニング・不動産 · 居住用財産の3,000万円特別控除 / 借地権 / 財産分与 / 共有持分
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」に関する記述のうち、適切なものの個数として最も適切なものを選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
居住用財産の3,000万円特別控除は、住まいとして使っていた家やその土地を売ったときに使える制度です。借地権(土地を借りて使う権利)も対象に含まれます。また、離婚のときの財産分与による譲渡や、共有している人がそれぞれ計算する場合にも、要件を満たせば使えます。
解き方
- まず(a)です。借地の上の家と一緒に売る借地権が、控除の対象に入るかを見ます。対象に入るので、(a)は誤りです。
- 次に(b)です。協議離婚の財産分与で住まいを渡したとき、特例を使えるかを判断します。離婚が成立した後の分与なら使えるので、(b)は適切です。
- 次に(c)です。夫婦の共有名義の自宅を第三者に売ったときの控除の限度額を確かめます。共有する人はそれぞれ最大3,000万円まで控除できるので、(c)は適切です。
- 最後に、適切な記述は(b)と(c)の2つだと確かめて、当てはまる選択肢を選びます。
- 選択肢 1不正解
- 適切な記述は(b)と(c)の2つあるので、1つとするこの選択肢は誤りです。
- 選択肢 2正解
- (a)は借地権も家屋と一緒に譲渡すれば対象となるので誤り、(b)は離婚成立後の財産分与で特別関係者への譲渡に当たらず使えるので適切、(c)は共有者がそれぞれ最大3,000万円控除できるので適切です。つまり適切な記述は2つです。
- 選択肢 3不正解
- (a)が誤りなので、適切な記述は3つではなく、この選択肢は誤りです。
- 選択肢 4不正解
- (b)と(c)が適切なので、0(なし)とするこの選択肢は誤りです。
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覚えるポイント
- 居住用家屋とともに譲渡する敷地利用権(借地権)も3,000万円特別控除の対象に含まれます。
- 夫婦共有名義の居住用財産を第三者へ売却した場合、各共有者がそれぞれ3,000万円特別控除の適用を受けられます。
間違えやすいところ
- 婚姻中に配偶者へ譲渡すると、特別関係者への譲渡となり特例は使えません。しかし、離婚が成立した後の財産分与は元配偶者への譲渡となり、特例を使えます。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法における贈与契約の効力・種類
相続・事業承継 · 民法 / 定期贈与 / 書面によらない贈与 / 負担付贈与 / 死因贈与
民法における贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
定期贈与(決まった時期に財産を渡す約束)は、贈与者と受贈者のどちらかが亡くなると終わります。これは、二人の信頼関係を土台にした約束だからです。あわせて、書面によらない贈与の解除、負担付贈与の利益を受ける人、遺言と死因贈与がぶつかったときの撤回のルールも押さえましょう。
解き方
- 選択肢1です。民法第552条の定期贈与が終わる理由(贈与者または受贈者の死亡)を確かめ、受贈者が亡くなったときに権利が相続されるかを判断します。
- 選択肢2です。民法第550条の書面によらない贈与の解除(まだ履行していない部分はどちらからでも可能)を確かめます。
- 選択肢3です。民法第553条以下の負担付贈与で、利益を受ける人を第三者にできるかを確かめます。
- 選択肢4です。遺言と、その後にした死因贈与がぶつかる場合の遺言撤回のみなし(民法1023条の準用)を確かめます。
- 選択肢 1正解
- 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者または受贈者の死亡で効力を失うと定められており(民法552条)、受贈者の相続人には引き継がれません。
- 選択肢 2不正解
- 書面によらない贈与は、贈与者と受贈者のどちらも、まだ履行していない部分について解除できます(民法550条)。
- 選択肢 3不正解
- 負担付贈与では、受贈者が負う義務から利益を受ける人を、贈与者本人だけでなく第三者にすることもできます。
- 選択肢 4不正解
- 遺言の作成後に、その内容とぶつかる死因贈与の契約をしたときは、ぶつかる部分について遺言を撤回したものとみなされます。
覚えるポイント
- 民法552条:定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって終了する(相続されない)。
- 民法550条:書面によらない贈与は、各当事者が解除できる(履行完了部分を除く)。
間違えやすいところ
- 定期贈与は、贈与者が亡くなったときだけでなく、受贈者が亡くなったときにも終わります。この点を見落としやすいので注意しましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.24(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の課税関係・申告要件および新制度の取扱い
相続・事業承継 · 贈与税 / 生命保険の名義変更 / 使用貸借 / 相続時精算課税制度 / 基礎控除
贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
4
解説
生命保険の契約者の名義を変えただけでは、贈与税はかかりません。親族から土地を無償で借りる使用貸借でも、借地権をもらったとみなす課税はありません。年の中途で特定贈与者が亡くなったときは、精算課税の対象財産を相続税の課税価格に足して申告し、贈与税の申告はしません。暦年課税と相続時精算課税は、それぞれ別に基礎控除が使えます。
解き方
- 選択肢1です。保険契約者の名義を変えたときに贈与税がかかるかを確かめます。解約返戻金などを受け取ったときに課税されるので、この記述は誤りです。
- 選択肢2です。土地の使用貸借で借地権の認定課税があるかを確かめます。借地権として贈与税は課されないので、この記述は誤りです。
- 選択肢3です。相続時精算課税の特定贈与者が年の中途で亡くなったときの手続を確かめます。贈与税の申告は不要で相続税の申告で行うので、この記述は誤りです。
- 選択肢4です。同じ人が同じ年に受ける暦年課税の財産と相続時精算課税の財産について、それぞれの基礎控除の関係を法令に照らして判断します(適切)。
- 選択肢 1不正解
- 保険契約者の名義を変えただけでは贈与税はかかりません。その後、保険金や解約返戻金を受け取ったときに課税されます。
- 選択肢 2不正解
- 親の土地を無償で借りて建物を建てる使用貸借では、地代を払っていなくても、借地権をもらったとはみなされません。
- 選択肢 3不正解
- 特定贈与者が贈与の年の途中で亡くなったときは、受贈者は原則としてその贈与について贈与税の申告書を出す必要がなく、相続税の申告書に書いて精算します。
- 選択肢 4正解
- 同じ年に暦年課税の財産と相続時精算課税の財産の両方を贈与された場合、暦年課税の基礎控除(最大110万円)と相続時精算課税の基礎控除(年110万円)をそれぞれ別に引いて税額を計算します。
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覚えるポイント
- 保険契約者の名義変更時点では課税されず、保険金・解約返戻金等の請求時に課税されます。
- 土地の使用貸借では借地権の認定課税は行われません。
間違えやすいところ
- 相続時精算課税の特定贈与者が亡くなったときは、贈与税の申告をするのではなく、相続税の申告に合算して処理します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の相続税法
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
民法上の法定相続分・代襲相続・特別受益・寄与分
相続・事業承継 · 法定相続分 / 半血兄弟姉妹 / 代襲相続 / 特別受益 / 寄与分
民法における相続分等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
2
解説
代襲相続(亡くなった相続人に代わって子が相続する制度)が起きるのは、死亡・欠格・廃除のときで、相続放棄は含まれません。兄弟姉妹が相続人になるとき、父母の一方だけを同じくする半血の相続分は、両方を同じくする全血の2分の1です。特別受益は遺産に足し戻して計算し、寄与分は療養看護だけでなく家業の手伝いや財産の出資なども含みます。
解き方
- 選択肢1です。相続放棄が代襲相続の原因になるかを確かめます。相続放棄は代襲の原因にならないので、この記述は誤りです。
- 選択肢2です。全血の兄弟姉妹2人と半血の兄弟姉妹1人の割合を計算します。全血と半血は2対1なので、兄2/5、姉2/5、弟1/5となり適切です。
- 選択肢3です。特別受益の持ち戻しの計算を確かめます。相続開始時の財産に贈与分を足すのであって、引くのではないため誤りです。
- 選択肢4です。寄与分の対象を確かめます。療養看護だけでなく、事業の労務提供や財産の給付なども含むので、限定されるとする記述は誤りです。
- 選択肢 1不正解
- 代襲相続が起きるのは、子が相続開始前に死亡した、欠格になった、廃除された場合です。相続を放棄した場合は代襲相続しません。
- 選択肢 2正解
- 父母の一方だけを同じくする半血の相続分は全血の2分の1なので、兄2、姉2、弟1の割合となり、弟の法定相続分は5分の1になります。
- 選択肢 3不正解
- 特別受益があるときは、相続開始時の財産に贈与分を足した額(持ち戻し)を相続財産とみなして計算します。引くのではありません。
- 選択肢 4不正解
- 寄与分として認められる行為は、無償の療養看護だけでなく、被相続人の事業の手伝いや財産の提供なども含まれます。
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覚えるポイント
- 相続放棄は初めから相続人とならなかったものとみなされるため、代襲相続は発生しません。
- 半血兄弟姉妹の法定相続分は、全血兄弟姉妹の2分の1となります。
間違えやすいところ
- 特別受益は、相続財産に足し戻して(加算して)各人の取り分を計算します。「控除」と書いてある選択肢に注意しましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の民法
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.25(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法定相続情報証明制度の仕組みと手続
相続・事業承継 · 法定相続情報証明制度 / 法定相続情報一覧図 / 申出資格 / 再交付 / 法定相続情報番号
法定相続情報証明制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
4
解説
法定相続情報証明制度は、不動産を持っているかどうかに関係なく使えます。一覧図の写しの交付と再交付は無料で請求でき、請求できるのは申出の翌年から5年間です。ただし、登記の申請で番号を書くだけで写しの添付を省けるような「法定相続情報番号」という仕組みはありません。
解き方
- 選択肢1です。不動産を持っていない被相続人でも使えるかを確かめます。使えるので適切です。
- 選択肢2です。一覧図の写しの交付手数料があるかを確かめます。無料なので適切です。
- 選択肢3です。一覧図の保管と再交付を請求できる期間を確かめます。申出日の翌年から5年間なので適切です。
- 選択肢4です。一覧図の写しに「法定相続情報番号」が書かれ、添付を省ける規定があるかを確かめます。そのような制度はないので誤りです。
- 選択肢 1不正解
- 不動産を持っておらず、遺産が預貯金などだけの場合でも、法定相続情報証明制度を使えます。
- 選択肢 2不正解
- 法定相続情報一覧図の写しの交付・再交付の手数料は、請求する通数に関係なく無料です。
- 選択肢 3不正解
- 申出人は、一覧図が保管されている期間(申出の年の翌年から5年間)内なら、写しの再交付を請求できます。
- 選択肢 4正解
- 一覧図の写しに「法定相続情報番号」が書かれ、番号を書くだけで添付を省ける仕組みはありません。登記の申請などには、一覧図の写しそのものを出す必要があります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 法定相続情報証明制度の交付・再交付手数料は無料です。
- 保管期間および再交付可能期間は「申出の年の翌年から5年間」です。
間違えやすいところ
- 不動産の登記が関係しない預貯金口座の解約のためだけでも、この制度は申出・利用ができます。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の不動産登記規則第247条(法定相続情報証明制度)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
相続税の課税財産および税額計算上の取扱い
相続・事業承継 · 相続財産 / 準確定申告の還付金 / 退職年金の継続受給権 / 代償分割 / 特別寄与料
相続税の課税財産等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
1
解説
準確定申告(亡くなった人の代わりにする所得税の申告)による還付金は、亡くなった人に属する債権なので相続財産となり、相続税がかかります。相続開始後に生じる還付加算金は、相続した人の雑所得です。退職年金の受給権はみなし相続財産、代償財産は相続税の対象、特別寄与料は課税価格から引きます(税額からではありません)。
解き方
- 選択肢1です。準確定申告の還付金本体と還付加算金の課税のされ方を確かめます。還付金は相続税、還付加算金は相続人の所得税になるので適切です。
- 選択肢2です。退職年金を遺族が続けて受け取る権利の性質を確かめます。みなし相続財産として相続税の対象になるので誤りです。
- 選択肢3です。代償分割で渡された現金の課税を確かめます。相続による取得として相続税の対象となり、贈与税ではないので誤りです。
- 選択肢4です。特別寄与料を支払ったときの相続税の調整を確かめます。納める税額から直接引くのではなく、課税価格から引くので誤りです。
- 選択肢 1正解
- 準確定申告による所得税の還付金は本来の相続財産として相続税の対象となり、死亡後に生じる還付加算金は、受け取った相続人の雑所得(所得税の対象)になります。
- 選択肢 2不正解
- 被相続人の死亡により相続人が続けて受け取ることになった退職年金の受給権は、定期金に関する権利(みなし相続財産)として相続税の対象になります。
- 選択肢 3不正解
- 代償分割で渡された代償財産は、遺産分割による取得として相続税の対象となり、贈与税はかかりません。
- 選択肢 4不正解
- 特別寄与料を支払った相続人は、納める「相続税額」から引くのではなく、相続税の「課税価格」からその金額を引きます。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 準確定申告の還付金(本税還付)は相続財産(相続税対象)、還付加算金は相続人の雑所得(所得税対象)。
- 特別寄与料は支払った相続人の「課税価格」から控除します(税額控除ではない)。
間違えやすいところ
- 特別寄与料について「相続税額から控除する」と間違える問題はよく出ます。正しくは課税価格から控除します。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の相続税法および所得税法
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.26(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
生前贈与加算および相続時精算課税財産の相続税課税価格への算入額の計算
相続・事業承継 · 生前贈与加算 / 暦年課税の生前贈与加算 / 相続時精算課税 / 基礎控除
Aさんが父母から贈与を受け、2026年5月24日に父が死亡した場合における、父の相続に係る相続税の課税価格に加算される金額として、最も適切なものを1つ選択しなさい。
解答・解説を表示
解答
3
解説
相続開始前の贈与の加算では、母からの贈与は父の相続税に関係しません。2024年1月1日以後の相続時精算課税には、受贈者1人につき年110万円の基礎控除があります。同じ年に複数の特定贈与者から贈与を受けたときは、基礎控除額を贈与財産の価額に応じて分けます。相続税の課税価格には、基礎控除を引いた残額が加算されます。
解き方
- 父の相続税の課税価格に加算する対象を整理します。父からの贈与だけが対象で、母からの贈与は対象外です。
- 2023年10月10日の父からの暦年贈与200万円は、死亡日(2026年5月24日)から3年以内なので、200万円全額を加算します。
- 2024年11月20日の父からの精算課税贈与500万円は、2024年分の基礎控除110万円を引き、500万円-110万円=390万円を加算します。
- 2025年2月10日の父からの精算課税贈与2,000万円は、同じ年に母からも精算課税贈与2,000万円を受けているため、年110万円の基礎控除を価額で按分します。父の分は110万円×2,000万÷4,000万=55万円なので、父の加算額は2,000万円-55万円=1,945万円です。
- 各年の加算額を合計します。200万円+390万円+1,945万円=2,535万円です。
- 選択肢 1不正解
- 暦年課税の基礎控除などを間違って引いた計算値で、正しくありません。
- 選択肢 2不正解
- 2025年の精算課税の基礎控除110万円を全額父から引いて計算した値(200万+390万+1,890万=2,480万円)ですが、母からの贈与と分ける必要があるので誤りです。
- 選択肢 3正解
- 2023年の暦年分200万円、2024年の父分の精算課税(500万-110万=390万円)、2025年の父分の精算課税(2,000万-按分控除55万=1,945万円)の合計で2,535万円となり、最も適切です。
- 選択肢 4不正解
- 精算課税の基礎控除を正しく引いていない計算値で、誤りです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 相続時精算課税の年110万円基礎控除は「受贈者(もらう側)」単位であり、同年に複数の特定贈与者から贈与を受けた場合は価額比で按分します。
- 母からの贈与は、父の相続に係る相続税の課税価格には一切加算されません。
間違えやすいところ
- 2025年に父と母からそれぞれ2,000万円ずつ精算課税贈与を受けています。基礎控除110万円を父から全額引いて2,480万円とするミスに注意しましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の相続税法第19条・第21条の9~第21条の16
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
取引相場のない株式の配当還元方式による評価額の計算
相続・事業承継 · 配当還元方式 / 財産評価基本通達 / 1株当たりの配当金額 / 資本金等の額
提示された資料に基づき計算したX社株式の1株当たりの配当還元価額として、最も適切なものを1つ選択しなさい。
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解答
2
解説
配当還元方式による1株当たりの価額は、過去2年間の平均配当金額をもとに計算します。式は「(年平均配当金額÷50円ベース換算株式数)÷10%×(1株当たりの資本金等の額÷50円)」です。ただし、年平均配当金額が50円当たり2円50銭未満のときは2円50銭とみなします。そのため評価額の下限は、資本金等の額に相当する額となります。
解き方
- 直前期(180万円)と直前々期(120万円)の配当金額の平均を求めます。(180万円+120万円)÷2=150万円です。
- 1株当たりの資本金等の額を計算します。1,500万円÷3万株=500円です。50円ベース換算株式数は1,500万円÷50円=30万株です。
- 50円換算の1株当たりの年平均配当金額を計算します。150万円÷30万株=5円で、2円50銭以上です。
- 配当還元価額を計算します。(5円÷10%)×(500円÷50円)=50円×10=500円です。
- 選択肢 1不正解
- 直前々期の配当金額だけ(120万円)を使って計算したときに出る誤りです。
- 選択肢 2正解
- 直前2期の年平均配当金額は150万円で、50円換算株式数30万株で割ると50円当たり5円になります。配当還元価額は(5円÷10%)×(500円÷50円)=500円です。
- 選択肢 3不正解
- 直前期の配当金額だけ(180万円)を使い、平均を取らずに計算したとき(600円)の誤りです。
- 選択肢 4不正解
- 還元率や資本金等の額の使い方を間違えた計算値で、誤りです。
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覚えるポイント
- 配当還元価額 = (年平均配当金額 ÷ 10%) × (1株当たりの資本金等の額 ÷ 50円)。※50円あたりの配当が2円50銭未満の場合は2円50銭とする。
- 年平均配当金額は、原則として直前期と直前々期の2年間の平均で計算します。
間違えやすいところ
- 直前期1年分の配当だけで計算して600円と答えるミスが多いです。必ず直前2期の平均を取るようにしましょう。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の財産評価基本通達188-2(配当還元方式)
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.27(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
無償返還届出書・相当の地代が関係する貸宅地の相続税評価額の計算
相続・事業承継 · 貸宅地の評価 / 土地の無償返還に関する届出書 / 相当の地代
Aさんは、父から建物の敷地となっている下記のX土地およびY土地を相続により取得した。X土地およびY土地の相続税評価額の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。 〔X土地〕 ・Aさんの父は、第三者であるB株式会社にX土地を貸し付け、通常の地代を収受していた(権利金は収受していない)。X土地については「土地の無償返還に関する届出書」が税務署長に提出されている。 ・B株式会社はX土地上にアパートを建築して、第三者に賃貸(入居率は100%)していた。 ・X土地の自用地価額は4,000万円、借地権割合は60%、借家権割合は30%である。 〔Y土地〕 ・Aさんの父は、第三者であるC株式会社にY土地を貸し付け、相当の地代を収受していた(権利金は収受していない)。Y土地については「相当の地代の改訂方法に関する届出書」が税務署長に提出されている。 ・C株式会社はY土地を自社の社屋の敷地として利用している。 ・Y土地の自用地価額は5,000万円、借地権割合は60%、借家権割合は30%である。
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解答
1
解説
土地の持ち主が法人などに土地を貸している場合、「土地の無償返還に関する届出書」を出している貸宅地は、相続税の評価額を原則として自用地価額の80%で評価します。相当の地代を受け取り、「相当の地代の改訂方法に関する届出書」を出している貸宅地も同じく80%で評価します。
解き方
- X土地は無償返還届出書が出されており、持ち主自身が建てて貸しているわけではないので、貸家建付地ではなく自用地価額の80%で評価します。4,000万円×80%=3,200万円です。
- Y土地は相当の地代を受け取り、改訂方法に関する届出書が出されているので、自用地価額の80%で評価します。5,000万円×80%=4,000万円です。
- 2つの土地の相続税評価額を合計します。3,200万円+4,000万円=7,200万円です。
- 選択肢 1正解
- X土地の3,200万円とY土地の4,000万円の合計は7,200万円になるので適切です。
- 選択肢 2不正解
- X土地を借地権割合と借家権割合で貸家建付地として計算した3,280万円と間違えた場合の数値で、誤りです。
- 選択肢 3不正解
- Y土地について借地権などの控除をせず、自用地価額5,000万円のまま合計した結果で、誤りです。
- 選択肢 4不正解
- X土地を貸家建付地と間違え、さらにY土地を自用地価額として合計した結果で、誤りです。
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覚えるポイント
- 無償返還届出書の提出がある貸宅地および相当の地代を収受している貸宅地は自用地価額×80%で評価する。
間違えやすいところ
- 借りている人が土地の上に賃貸アパートを建てていても、地主から見ると貸家建付地ではなく、無償返還届出書による貸宅地(80%評価)になります。この点を見落としやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
経営承継円滑化法における遺留分に関する民法の特例
相続・事業承継 · 経営承継円滑化法 / 除外合意 / 固定合意 / 遺留分の特例
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問における推定相続人とは、相続が開始した場合に相続人となるべき者のうち、被相続人の兄弟姉妹およびこれらの者の子以外の者をいう。
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解答
3
解説
経営承継円滑化法の遺留分の特例では、後継者が旧代表者から取得した株式を遺留分算定の基礎財産から除く「除外合意」と、評価額を固定する「固定合意」が認められています。後継者以外の人との公平に配慮し、その人への贈与分も除けるしくみがあります。
解き方
- 除外合意と固定合意が対象にできる範囲と、あわせて決められる事項(後継者以外への贈与財産を除く合意など)の決まりを確かめます。
- 後継者以外の推定相続人が受けた贈与財産を除けるとする選択肢3が正しいと判断します。
- 選択肢 1不正解
- 法改正で親族以外の後継者もこの特例の対象になったので、「旧代表者の推定相続人のうち」に限るとする点は誤りです。
- 選択肢 2不正解
- 固定合意でも、対象となる非上場株式の「全部または一部」を合意の対象にできるので誤りです。
- 選択肢 3正解
- 除外合意に合わせて、後継者以外の推定相続人が旧代表者から贈与などで得た財産も遺留分算定の基礎財産に入れないと決められるので適切です。
- 選択肢 4不正解
- 家庭裁判所への許可の申立ては、合意した日から1カ月以内に後継者が1人でできます。当事者全員が出向く必要はないので誤りです。
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覚えるポイント
- 除外合意・固定合意は株式の一部のみを対象とすることも可能であり、家庭裁判所への申立ては後継者単独で1カ月以内に行う。
間違えやすいところ
- 親族以外の後継者も遺留分特例の対象になる点、家庭裁判所への申立ては全員で出向くのではなく後継者が1人でできる点を見落としやすいです。
出題の前提:2025年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2026年5月 1級 学科(基礎編)』
公式問題 p.28(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2026年5月 1級 学科(基礎編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2026年5月 1級 学科(基礎編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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