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FP技能検定 · 学習ガイド

確定拠出年金・確定給付年金

確定拠出年金とは

確定拠出年金は掛金と運用結果で給付が決まる制度で、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。運用リスクを誰が負うかが分かれ目です。

DCでは掛金から運用結果を経て給付へ、DBでは給付設計に沿って資金を準備する違いを示す図
DCは掛金と運用結果から給付を考え、DBは給付設計に沿って資金を準備します。運用が想定を下回った場合の影響を誰が負うかが異なります。

確定拠出年金は掛金と運用結果から給付が決まり、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。運用リスクを誰が負うかを起点にすると、企業と加入者それぞれの課題が見えます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。上部中央に「想定」の線がある運用目盛りを置き、実績がその線を下回る位置から左右へ矢印を分ける。中央の仕切りを挟み、左にDCと加入者の将来給付、右にDBと財政状況に応じた企業側の追加負担を配置する。
覚えること:DC給付に影響もDBは財政次第で追加負担

年金資産の運用が想定を下回ったとき、DCでは加入者の将来給付に影響し得ます。DBでは制度の財政状況に応じて企業側の追加負担などが問題になります。「確定給付ならどのような状況でも絶対に変更不能」という意味ではありません。

企業型DCのマッチング拠出では、加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限が2026年4月1日に撤廃されました。企業型DCの拠出限度額は2026年12月1日から月5.5万円が6.2万円(DB等の他制度掛金相当額を差し引く)へ引き上げられる予定で、問題に適用される時点の限度額で判定します。

受取時の課税では、公的年金等控除や退職所得控除を使う場面がありますが、複数の退職一時金を受け取る時期や勤続期間の重複で調整が生じます。各給付に同じ控除を独立に満額適用できるとは限りません。

DB・DCの費用と税を比較

DB・DCの費用と税を比較の図解。画面を縦に二分し、左はDBの規約による給付算定と事業主の財政責任、右は企業型DCで事業主が掛金を拠出し、加入者が運用する流れを描く。右側は掛金から運用商品、運用結果へ矢印でつなぎ、左右の仕切りを明確にする。
覚えること:DBは事業主が財政責任、DCは運用結果

DBは規約で給付算定方法を定め、運用不足が生じれば事業主の追加負担等が問題になります。企業型DCは原則事業主が掛金を拠出し、加入者が運用商品を選びます。iDeCoは個人が掛金を拠出します。中小企業退職金共済、小規模企業共済、国民年金基金は対象となる人と掛金負担者が異なります。

DCの個人掛金(iDeCo・マッチング拠出)は拠出時に小規模企業共済等掛金控除、運用益は原則非課税です。年金受取は公的年金等に係る雑所得、一時金受取は退職所得です。退職所得控除は勤続20年以下なら40万円×年数(最低80万円)、20年超なら800万円+70万円×(年数−20年)で、DC一時金の勤続年数は掛金の拠出期間等で数えます。

会社の退職金とDC一時金の勤続期間が重なると、後に受け取る側の退職所得控除額から重複期間分を差し引きます。退職金を先、DC一時金を後に受け取るときは前年以前19年内、DC一時金を先、退職金を後に受け取るときは前年以前9年内の受取が対象です。後者は2025年度税制改正で4年内から延長され、2026年1月1日以後に支払を受ける退職手当等から適用されます。

iDeCoの限度額も2026年12月1日施行予定の改正で、第1号は月6.8万円から7.5万円(国民年金基金等と合算)、第2号は月6.2万円から企業型DCの事業主掛金やDB等の他制度掛金相当額を引いた額へ変わります。60歳以上70歳未満の一定の人も加入できるようになります。施行前を基準日とする問題には改正前の限度額を使います。

中小企業退職金共済(中退共)は、中小企業の事業主が従業員ごとに掛金を全額負担する制度です。掛金月額は5,000円~3万円(短時間労働者は2,000~4,000円の特例あり)で、法人は損金、個人事業主は必要経費に算入します。事業主と役員(使用人兼務役員を除く)は加入できず、退職金は機構から従業員へ直接支払われます。

中退共の新規加入時は、掛金月額の2分の1(従業員1人5,000円上限)を加入後4か月目から1年間、18,000円以下の掛金月額を増額すると増額分の3分の1を1年間、国が助成します。退職時60歳以上なら、退職金額などの要件を満たせば分割払いを選べます。

転職時は、DB・企業型DC・iDeCo等の間で年金資産を移せる場合があります(ポータビリティ)。企業型DCの資格喪失後6か月以内に移換の手続をしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換中は運用されず手数料がかかり、その期間は60歳から受け取るための通算加入者等期間にも算入されません。

DB・DCの費用と税を比較
制度掛金の拠出・運用給付
DB事業主が財政責任を負う規約の算定方法
企業型DC事業主が拠出、加入者が運用運用結果による
iDeCo個人が拠出・運用運用結果による
中退共中小企業の事業主が全額拠出、機構が運用機構から従業員へ直接支給
小規模企業共済個人事業主・小規模企業の役員等が自ら拠出廃業・退職時の共済金
DB・DCの費用と税を比較
区分(月額)2026年4月1日時点2026年12月1日以後(予定)
企業型DC(DB等なし)5.5万円6.2万円
企業型DC(DB等あり)5.5万円−他制度掛金相当額6.2万円−他制度掛金相当額
iDeCo第1号6.8万円(国民年金基金等と合算)7.5万円(同)
iDeCo第2号(企業年金なし)2.3万円6.2万円
iDeCo第2号(企業年金あり・公務員)2.0万円(企業年金の掛金等との合計5.5万円以内)6.2万円−企業型DC事業主掛金・他制度掛金相当額
iDeCo第3号2.3万円2.3万円

試験に出る

  • 確定拠出年金は掛金と運用結果で給付が決まり、確定給付年金は約束した給付を準備する。
  • 運用リスクを誰が負うかで、企業と加入者の課題が変わる。
  • 受取時は公的年金等控除や退職所得控除を使う場面があるが、受取時期の重複で調整が生じる。
  • 同じ控除を各給付に独立に満額適用できるとは限らない。
  • 受取年と、勤務・加入期間という二種類の期間を混同しない。
  • マッチング拠出の「加入者掛金は事業主掛金以下」の制限は2026年4月1日に撤廃。企業型DC・iDeCoの拠出限度額引上げは2026年12月1日施行予定。
  • 退職所得控除の重複期間調整は、退職金→DC一時金の順なら前年以前19年内、DC一時金→退職金の順なら前年以前9年内(2026年1月1日以後の支払から。従来は4年内)の受取が対象。
  • 中退共は掛金を事業主が全額負担して損金算入し、事業主・役員は加入できない。退職金は従業員へ直接支払われる。

重要な言葉

確定拠出年金
掛金とその運用結果によって将来の給付額が決まる年金制度。
確定給付年金
あらかじめ約束した給付額に沿って資金を準備する年金制度。
マッチング拠出
企業型DCで、事業主掛金に上乗せして加入者も掛金を拠出する仕組み。加入者掛金を事業主掛金以下とする制限は2026年4月1日に撤廃された。
退職所得控除
勤続20年以下は40万円×年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(年数−20年)で求める、退職所得の計算で差し引く額。
中小企業退職金共済
中小企業の事業主が掛金を負担し、勤労者退職金共済機構から従業員へ直接退職金を支払う国の制度。

確認問題

確かめよう会社退職金とDC一時金の受取りで、混同しないようにする二種類の期間は何ですか。

受取年と対応する勤務・加入期間です。二本の時間軸に置いてみましょう。

確定拠出年金では、運用が想定を下回っても給付額は変わらない。

複数の退職一時金を受け取ると、同じ控除をそれぞれ満額使えるとは限らない。

運用リスクを加入者が負う年金制度は?

2026年中にDC一時金を受け取った人が、その後に会社の退職金を受け取る。退職所得控除の重複期間調整の対象となるDC一時金の受取時期は?

確定拠出年金は掛金と運用結果から給付が決まり、確定給付年金は約束した給付の設計に沿って資金を準備します。を誰が負うかを起点にすると、それぞれの課題が見えます。

年金資産の運用が想定を下回ったとき、DCではの将来給付に影響し得ます。DBでは制度の財政状況に応じての追加負担などが問題になります。「確定給付ならどのような状況でも絶対に変更不能」という意味ではありません。

企業型DCのでは、加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限が2026年4月1日に撤廃されました。企業型DCの拠出限度額は2026年12月1日から月5.5万円が6.2万円(DB等の他制度掛金相当額を差し引く)へ引き上げられる予定で、問題に適用される時点の限度額で判定します。

受取時の課税では、やを使う場面がありますが、複数の退職一時金を受け取る時期や勤続期間の重複で調整が生じます。各給付に同じ控除を独立に満額適用できるとは限りません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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