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FP技能検定 · 学習ガイド

債券の詳細

債券とは

債券の利回りは、いつ買い、いつ手放すかで式が変わります。応募者利回り・最終利回り・所有期間利回りを時間軸で区別します。

債券の購入から利息受取、途中売却までの期間で収益を数える図
所有期間利回りは、保有中の利息と売却損益を購入価格・保有期間と対応させます。途中で売る場合、満期償還額をそのまま使いません。

債券の利回りは、いつ買い、いつ手放すかによって式が変わります。新発債を満期まで持つ応募者利回り、途中で買って満期まで持つ最終利回り、途中売却する所有期間利回りを、時間軸で区別します。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の「購入98円」から右の「売却101円」へ、2年の時間軸を矢印でつなぐ。下に年利息2円と年平均売却益(101−98)÷2=1.5円を並べ、両者を足して購入価格98円で割る計算へ導く。
覚えること:(2+1.5)÷98×100≒3.57%

額面100円、利息年2円の債券を98円で買い、2年後に101円で売る例なら、年平均の売却益は(101−98)÷2=1.5円。単利の所有期間利回りは(2+1.5)÷98×100≒3.57%です。満期償還額100円はこの計算では使いません。

金利上昇で既発債価格が下がる関係に加え、満期までの期間が長い債券等では価格変動が大きくなる傾向があります。信用リスクと金利リスクは別で、信用力が高くても途中売却価格が保証されるわけではありません。

利回りと債券リスクの全体像

利回りと債券リスクの全体像の図解。中央に縦の仕切りを置き、左は「表面利率=年利子÷額面」、右は「所有期間利回り=(年利子+年平均売買損益)÷購入価格」を上下の分数図で対比する。右側だけ購入から途中売却へ向かう矢印を描き、エルくんが年利子と売買損益を表すコインを両手で分子に入れる。
覚えること:表面利率は額面基準、売買損益は含まない

応募者利回りは発行価格から満期、最終利回りは市場で買った価格から満期、所有期間利回りは途中売却までの年平均収益です。いずれも原則、年利子と年平均売買損益を合算し、取得価格で割ります。表面利率は額面に対する年利子の割合であり、取得価格や売却損益を反映しません。

ゼロクーポン債は利札がなく、購入価格と償還額の差が収益です。額面100、購入価格90なら、償還差益10を年数で割ってから取得価格90で利回りを計算します。外貨建債券では現地通貨の利回りと円換算後の為替損益を分け、円を外貨に替えるときは通常TTS、外貨を円に戻すときはTTBを使います。

リスクは金利変動、発行体の信用、為替、途中売却時の流動性などに分けます。同じ債券でも円貨で満期保有するか外貨で途中売却するかによって、問題で計算すべき損益が変わります。

利回りと債券リスクの全体像
指標分母と対象期間
表面利率額面に対する年利子の割合
応募者利回り発行価格で取得し満期まで保有
最終利回り既発債を市場価格で取得し満期まで保有
所有期間利回り購入価格で取得し途中で売却

価格変動の大きさと信用リスク

価格変動の大きさと信用リスクの図解。中央に残存期間の横スライダーを置き、左を「短い」、右を「長い」とする。左上の金利変動を共通の入力として示し、スライダーの右側から、価格変動の大きさを示す縦ゲージへ矢印をつなぐ。場面を分ける仕切りは置かない。
覚えること:他が同じなら残存期間↑で金利感応度↑

デュレーションは、債券の元利金を回収するまでの平均的な期間で、金利変動に対する価格の感応度の目安です。残存期間が長いほど、表面利率が低いほど、また利回り水準が低いほど長くなります。利札のない割引債のデュレーションは残存期間と等しくなります。

格付けはBBB(Baa)以上が投資適格、BB(Ba)以下が投機的格付けです。発行体の信用力が下がると債券価格は下落し、利回りは上昇します。信用力の低い債券ほど利回りが高いのは、デフォルト(債務不履行)リスクの上乗せ分を含むためです。

価格変動の大きさと信用リスク
条件(他は同じ)金利変動による価格変動
残存期間が長い大きい
表面利率が低い大きい
格付けが下がる価格下落・利回り上昇

金利を動かす経済指標と金融政策

金利を動かす経済指標と金融政策の図解。左に日本銀行、右に金融市場を置き、両者の間にエルくんを1体だけ描く。国債等は市場から日本銀行へ、資金は日本銀行から市場へ向かう矢印で示し、市場の下に「金利低下要因」を配置する。
覚えること:買いオペ=資金供給、金利低下要因

景気動向指数は内閣府が公表し、CIを中心に先行・一致・遅行の3系列があります。景気の現状は一致指数で判断します。日銀短観の業況判断DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値です。

日本銀行は公開市場操作で金融市場の資金量を調節します。国債等を買い入れる買いオペは資金供給で金利の低下要因、売りオペは資金吸収で金利の上昇要因です。一般に金利上昇局面では既発債の価格が下がります。

金利を動かす経済指標と金融政策
指標公表機関内容
GDP(国内総生産)内閣府国内で生み出された付加価値の合計
景気動向指数内閣府CI・DI、先行・一致・遅行系列
日銀短観日本銀行企業の業況判断DIなど
企業物価指数日本銀行企業間で取引される商品の価格
マネーストック日本銀行金融機関・中央政府を除く通貨保有主体の通貨量
消費者物価指数総務省消費者が購入する商品・サービスの価格

試験に出る

  • 応募者利回り・最終利回り・所有期間利回りの違いを時間軸で判断する。
  • 所有期間利回りの計算では、売却益と利息を購入価格で割る。
  • 満期償還額は所有期間利回りの計算に使わない。
  • 金利上昇で既発債価格が下がること、残存期間が長いほど変動が大きいこと。
  • 信用リスクと金利リスクを区別し、途中売却価格は保証されないこと。
  • デュレーションは残存期間が長いほど、表面利率や利回りが低いほど長くなり、金利変動に対する価格変動が大きい。
  • 格付けBBB(Baa)以上が投資適格、BB(Ba)以下が投機的格付け。信用リスクが高まると価格は下がり利回りは上がる。
  • 景気動向指数・GDPは内閣府、日銀短観・企業物価指数・マネーストックは日本銀行、消費者物価指数は総務省が公表する。

重要な言葉

応募者利回り
新発債を購入し満期まで持つ場合の利回り。
最終利回り
既発債を購入し満期まで持つ場合の利回り。
所有期間利回り
債券を途中で売却する場合の利回り。
デュレーション
債券の元利金を回収するまでの平均的な期間。値が大きいほど金利変動で価格が大きく動く。
格付け
格付機関が発行体の元利払いの確実性を記号で示したもの。BBB以上が投資適格。

確認問題

確かめよう利回りの式の分母は額面と購入価格のどちらでしょうか。

購入価格(応募者利回りでは発行価格)です。額面を基準にするのは表面利率だけです。問題に税・手数料の指定があれば最後まで反映します。

所有期間利回りの計算では、満期償還額100円を使う。

金利が上昇すると、既発債の価格は下がる傾向がある。

他の条件が同じなら、表面利率が低い債券ほど金利変動による価格変動は小さい。

日本銀行の買いオペレーションは、市場に資金を供給し金利の低下要因となる。

新発債を満期まで持つ場合の利回りは?

額面100円、利息年2円の債券を98円で買い2年後に101円で売るとき、年平均の売却益は?

他の条件が同じとき、金利変動に対する価格変動が最も大きい債券は?

の利回りは、いつ買い、いつ手放すかによって式が変わります。新発債を満期まで持つ、途中で買って満期まで持つ最終利回り、途中売却する所有期間利回りを、時間軸で区別します。

額面、利息年2円の債券を98円で買い、2年後に101円で売る例なら、年平均の売却益は(101−98)÷2=。単利の所有期間利回りは(2+1.5)÷98×100≒3.57%です。満期償還額100円はこの計算では使いません。

金利上昇で価格が下がる関係に加え、満期までの期間が長い債券等では価格変動が大きくなる傾向があります。と金利リスクは別で、信用力が高くても途中売却価格が保証されるわけではありません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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