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FP技能検定 · 学習ガイド

ポートフォリオ理論の詳細

ポートフォリオ理論とは

ポートフォリオ理論は、資産の組合せのリスクとリターンを、共分散や相関係数を使ってとらえます。同じ期待収益率でも組合せでリスクが変わります。

二つの資産が同じ方向に動く場合は変動が残り、逆方向に動く場合は変動を打ち消す相関の比較図
同じ変動幅の二資産を半分ずつ持つ例です。同方向に動くと変動が残り、逆方向に動くと変動を打ち消し合います。分散効果は資産の数だけでなく相関と保有割合に左右されます。

二資産のリスク計算には、それぞれのリスクに加えて共分散、つまり一緒にどう動くかが入ります。期待収益率が同じでも相関によって組合せのリスクは変わります。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に各資産のリスクが10%の資産A・Bを半分ずつ入れた円を置き、右側へ矢印を二股に分ける。上段は「相関0→約7.07%」、下段は「相関1→10%」とし、配分が同じでも結果が違うことを示す。
覚えること:各10%・半々、相関0で約7.07%

リスクが各10%の二資産を半分ずつ持ち、相関係数0と仮定すると、分散は0.5²×0.1²+0.5²×0.1²=0.005。標準偏差は√0.005≒7.07%です。相関1なら10%になり、同じ比率でも結果が違います。

CAPMでは市場全体に対する感応度βを使い、期待収益率を無リスク利子率+β×市場リスクプレミアムで表します。無リスク2%、市場期待8%、β1.2なら2+1.2×(8−2)=9.2%です。モデル上の期待であり将来収益の保証ではありません。

市場環境を見るときは、景気・物価・金利・為替を別々のニュースにせずつなげます。一般に金利上昇は借入れによる需要を抑える方向に働き、将来の利益を割り引く率にも影響します。ただし企業の利益見通しや市場の予想も動くため、「利上げなら株価は必ず下がる」と一つの因果だけで断定しません。日本銀行の展望レポートでは、中心的な見通しと上振れ・下振れリスクを分けて読みます。

株式の指標は分母を区別します。株価1,000円、1株当たり利益100円ならPERは10倍、1株当たり純資産800円ならPBRは1.25倍です。PERは利益、PBRは純資産と株価を比較します。赤字や一時的な利益の影響、業種の違いがあるため、低い数値だけで割安と判断しません。

ポートフォリオの計算後は、目的に合った資産配分と見直し方法を決めます。例えば株式50%・債券50%を基準にして株高で株式比率が増えたとき、値上がりしたからさらに買うのか、元の配分へ戻すのかでリスクが変わります。リバランスは配分を整える操作で、収益を保証するものではありません。

期待収益率と二資産の分散

期待収益率と二資産の分散の図解。上部に資産Aと資産Bを左右に置き、それぞれの投資比率wA・wBから下の分散式へ矢印を引く。式「二資産の分散=wA²σA²+wB²σB²+2wAwBσAσBρ」は読みやすく折り返し、最後の共分散項だけ色で強調する。
覚えること:二資産の分散には共分散項も必要

期待収益率は各資産の期待収益率を投資比率で加重平均します。二資産の分散は、比率をwA・wB、標準偏差をσA・σB、相関係数をρとすると、wA²σA²+wB²σB²+2wAwBσAσBρです。最後の共分散項を落とすと、相関がある二資産のリスクを誤ります。

相関係数が+1なら同方向、0なら線形の相関なし、−1なら完全に逆方向です。相関が低いほど分散効果は大きくなり得ますが、個別リスクが減っても市場全体のリスクは残ります。βは市場に対する感応度、標準偏差は総変動、シャープレシオは超過収益÷標準偏差で、分母を区別します。

効率的フロンティアは、同じリスクなら期待収益率が高い、同じ期待収益率ならリスクが低い組合せの集合です。CAPMは無リスク利子率+β×市場リスクプレミアムという均衡モデルで、個別の資産の将来リターンを保証する予測式ではありません。

期待収益率と二資産の分散
指標測るもの使う比較
期待収益率比率による平均収益投資配分
標準偏差収益率全体のばらつき総リスク
相関係数二資産の連動分散効果
β市場に対する感応度CAPM
シャープレシオ超過収益÷標準偏差リスク当たり収益

運用成果の評価と理論株価

運用成果の評価と理論株価の図解。中央に「来期配当50円」を分子、「期待収益率6%−成長率2%」を分母とする分数を置き、右向きの矢印で「理論株価1,250円」につなぐ。分母の下に「前提:6%>2%」を添える。
覚えること:期待収益率>成長率が前提

リスク調整後の運用成果は、分母と比較対象で区別します。シャープレシオ=(収益率−無リスク利子率)÷標準偏差、トレイナーレシオ=(収益率−無リスク利子率)÷β、ジェンセンのアルファ=収益率−{無リスク利子率+β×(市場収益率−無リスク利子率)}です。いずれも大きいほど効率がよいと評価します。

収益率10%、無リスク利子率1%、標準偏差15%、β1.2、市場収益率7%なら、シャープレシオは(10−1)÷15=0.6、トレイナーレシオは9÷1.2=7.5、ジェンセンのアルファは10−{1+1.2×(7−1)}=1.8%です。

配当割引モデルは、理論株価を将来配当の現在価値の合計とみます。配当が一定なら配当÷期待収益率、毎年一定率で成長する定率成長モデルでは来期の配当÷(期待収益率−成長率)です。来期配当50円、期待収益率6%、成長率2%なら50÷(0.06−0.02)=1,250円で、期待収益率が成長率を上回ることが前提です。

ROE=当期純利益÷自己資本、配当利回り=1株当たり配当÷株価、配当性向=配当÷当期純利益です。PBR=PER×ROEの関係があり、株価1,000円・1株当たり利益100円・1株当たり純資産800円なら、ROE12.5%×PER10倍=PBR1.25倍と整合します。

運用成果の評価と理論株価
指標計算式読み方
シャープレシオ(収益率−無リスク利子率)÷標準偏差総リスク当たりの超過収益
トレイナーレシオ(収益率−無リスク利子率)÷β市場リスク当たりの超過収益
ジェンセンのアルファ収益率−CAPMの期待収益率プラスなら期待を上回った
定率成長モデル来期配当÷(期待収益率−成長率)成長率が上がると理論株価は上がる
PBR株価÷1株当たり純資産(=PER×ROE)1倍割れは解散価値を下回る目安

試験に出る

  • 二資産のリスクには共分散(相関)が影響する。
  • 相関係数が小さいほど、組合せの標準偏差は小さくなりやすい。相関係数−1なら標準偏差をゼロにする配分がある。
  • CAPMは期待収益率を無リスク利子率+β×市場リスクプレミアムで表す。
  • シャープレシオは標準偏差、トレイナーレシオはβで超過収益を割る。ジェンセンのアルファはCAPMの期待収益率との差。
  • 定率成長モデルの理論株価は来期の配当÷(期待収益率−成長率)。
  • PERは利益、PBRは純資産と株価を比較し、PBR=PER×ROEの関係がある。低い数値だけで割安と判断しない。
  • リバランスは資産配分を整える操作で、収益を保証しない。

重要な言葉

共分散
二つの資産の収益率が一緒に動く度合いを表す指標。
ベータ
市場全体に対する資産の感応度を表す指標。
リバランス
増減した資産配分を、基準の比率へ戻す操作。
トレイナーレシオ
超過収益をβで割った比率。市場リスク1単位当たりの超過収益を測る。
ジェンセンのアルファ
実際の収益率が、CAPMで求めた期待収益率をどれだけ上回ったかを示す値。
配当割引モデル
株式の理論価格を、将来受け取る配当の現在価値の合計として求める考え方。

確認問題

確かめよう標準偏差とβは同じリスク指標でしょうか。

前者は収益率全体のばらつき、後者は市場への感応度です。シャープレシオ等を比べるときも分母が何を測るかを確認します。

期待収益率が同じでも、相関によって組合せのリスクは変わる。

標準偏差とβは同じリスク指標である。

無リスク利子率2%、市場期待8%、β1.2のときCAPMによる期待収益率は?

収益率10%、無リスク利子率1%、β1.2、市場収益率7%のファンドのジェンセンのアルファは?

来期の1株当たり配当50円、期待収益率6%、配当成長率2%の定率成長モデルによる理論株価は?

二資産のリスク計算には、それぞれのリスクに加えて、つまり一緒にどう動くかが入ります。期待収益率が同じでもによって組合せのリスクは変わります。

リスクが各10%の二資産を半分ずつ持ち、と仮定すると、分散は0.5²×0.1²+0.5²×0.1²=0.005。標準偏差は√0.005≒です。相関1なら10%になり、同じ比率でも結果が違います。

では市場全体に対するβを使い、期待収益率を無リスク利子率+β×市場リスクプレミアムで表します。無リスク2%、市場期待8%、β1.2なら2+1.2×(8−2)=9.2%です。モデル上の期待であり将来収益の保証ではありません。

市場環境を見るときは、景気・物価・金利・為替を別々のニュースにせずつなげます。一般には借入れによる需要を抑える方向に働き、将来の利益を割り引く率にも影響します。ただし企業の利益見通しや市場の予想も動くため、「利上げなら株価は必ず下がる」と一つの因果だけで断定しません。の展望レポートでは、中心的な見通しと上振れ・下振れリスクを分けて読みます。

株式の指標は分母を区別します。株価1,000円、1株当たり利益100円ならは10倍、1株当たり純資産800円ならは1.25倍です。PERは利益、PBRは純資産と株価を比較します。赤字や一時的な利益の影響、業種の違いがあるため、低い数値だけで割安と判断しません。

ポートフォリオの計算後は、目的に合ったと見直し方法を決めます。例えば株式50%・債券50%を基準にして株高で株式比率が増えたとき、値上がりしたからさらに買うのか、元の配分へ戻すのかでリスクが変わります。は配分を整える操作で、収益を保証するものではありません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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