日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2025年5月 1級 学科(応用編)の概要
社会保険の適用年齢・手続および在職老齢年金の仕組み
ライフプランニングと資金計画 · 厚生年金保険 / 健康保険 / 介護保険 / 在職老齢年金
MさんがAさんに対して説明した、65歳以降もX社で勤務を継続する場合の社会保険の取扱いや在職老齢年金に関する文章中の空欄①~⑥に入る最も適切な数値を求めなさい。
解答・解説を表示
解答
① 70(歳) ② 75(歳) ③ 65(歳) ④ 18(万円) ⑤ 6(月) ⑥ 150(万円)
解説
公的年金と公的医療保険・介護保険には、加入できる年齢の上限があります。保険料の集め方や、標準報酬月額・標準賞与額の決め方にも決まりがあります。これらを正確に覚えておくことが大切です。
解き方
- 厚生年金保険は70歳未満、健康保険は75歳未満(75歳で後期高齢者医療制度に移る)だと確かめます。
- 65歳になると国民年金の第2号被保険者でなくなり、扶養されている配偶者は第3号から第1号被保険者に変わります。
- 介護保険料は年金が年18万円以上なら天引きされ、標準報酬月額は4・5・6月の報酬で決まり、標準賞与額の上限は150万円です。
答えの内訳
- ①:70
- 厚生年金保険の第1号厚生年金被保険者の資格喪失年齢は原則として「70歳」到達時(70歳の誕生日の前日)です。
- ②:75
- 健康保険の被保険者は、「75歳」に達したときに後期高齢者医療制度の被保険者となるため、健康保険の被保険者資格を喪失します。
- ③:65
- 国民年金の第2号被保険者は、65歳以上の者については老齢給付の受給権を有しない者に限られます。老齢厚生年金の受給権を取得する「65歳」に達すると国民年金の第2号被保険者ではなくなり、その被扶養配偶者は第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わります。
- ④:18
- 介護保険の第1号被保険者に対する保険料の特別徴収(年金からの天引き)は、老齢・退職年金等の年額が「18万円」以上である場合に実施されます。
- ⑤:6
- 厚生年金保険・健康保険の定時決定は、毎年4月、5月、「6月」に受けた報酬の平均額を基に、9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定します。
- ⑥:150
- 厚生年金保険における標準賞与額の上限は、1月あたり「150万円」(健康保険は年度累計573万円)です。
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覚えるポイント
- 厚生年金保険の被保険者資格喪失は原則70歳未満
- 健康保険の資格喪失は75歳(後期高齢者医療制度への移行)
- 厚生年金の標準賞与額上限は1月あたり150万円(健康保険は年間573万円)
間違えやすいところ
- 健康保険の標準賞与額の上限は年間573万円、厚生年金保険は1月あたり150万円です。この2つを混同しないようにしましょう。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
老齢給付(老齢基礎年金・在職老齢厚生年金)の年金額の計算
ライフプランニングと資金計画 · 老齢基礎年金 / 在職老齢年金 / 経過的加算 / 加給年金
Aさんが65歳以降も厚生年金保険の被保険者としてX社で勤務する場合における、原則として65歳から受給できる老齢給付について、①老齢基礎年金の年金額、および②在職老齢年金による支給調整後の老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)をそれぞれ計算しなさい(年金額の端数処理は円未満四捨五入)。
解答・解説を表示
解答
① 766,700円 ② 966,560円
解説
老齢基礎年金は、保険料を納めた月数に応じて分けて計算します。老齢厚生年金は報酬比例部分・経過的加算・加給年金からできています。働いて給料をもらいながら受けるときは、基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額(2024年度は50万円)を超えると、報酬比例部分が一部または全部止まります。
解き方
- 20歳から60歳までで国民年金の保険料を納めた月数を数え、老齢基礎年金の額を計算します(480月-29月=451月)。
- 総報酬制が始まる前と後の被保険者期間・平均標準報酬額・乗率から報酬比例部分の額を出し、基本月額を求めます。
- 基本月額と総報酬月額相当額(530,000円)から、2024年度の支給停止調整額(500,000円)を使って年間の支給停止額を計算します。
- 経過的加算額を計算します(被保険者期間は上限の480月を使います)。
- 受給できる加給年金額(408,100円)を足して、支給調整後の老齢厚生年金額を出します。
答えの内訳
- ①:766,700(円)
- 2024年度の老齢基礎年金の満額は816,000円。Aさんの20歳以上60歳未満の保険料納付済月数は、20歳到達の1981年11月から60歳到達の前月である2021年10月までの480月のうち、未加入期間29月を除いた451月。よって、816,000円 × (451月 / 480月) = 766,700円。
- ②:966,560(円)
- 【報酬比例部分】380,000円×(7.125/1,000)×228月 + 490,000円×(5.481/1,000)×283月 = 617,310円 + 760,050.3円 = 1,377,360.3円 → 1,377,360円。 基本月額 = 1,377,360円 ÷ 12 = 114,780円。 【在職老齢年金による支給停止額】2024年度の支給停止調整額は500,000円。(530,000円 + 114,780円 - 500,000円) × 1/2 × 12 = 144,780円 × 1/2 × 12 = 868,680円。 支給調整後の報酬比例部分 = 1,377,360円 - 868,680円 = 508,680円。 【経過的加算額】被保険者期間は511月であるが、上限は480月。1,701円 × 480月 - 816,000円 × (451月 / 480月) = 816,480円 - 766,700円 = 49,780円。 【加給年金額】厚生年金被保険者期間が20年以上あり、65歳未満の生計維持されている配偶者がいるため加算対象となる。加給年金額 = 408,100円。 【老齢厚生年金の合計額】508,680円 + 49,780円 + 408,100円 = 966,560円。
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覚えるポイント
- 2024年度の老齢基礎年金満額は816,000円、在職老齢年金の支給停止調整額は50万円
- 経過的加算の被保険者月数の上限は480月
- 在職老齢年金による支給停止の対象は報酬比例部分のみで、経過的加算や加給年金は停止されない
間違えやすいところ
- 経過的加算では、厚生年金の被保険者期間(228月+283月=511月)を上限の480月にせず、511月のまま計算してしまう間違いに注意します。
- 在職老齢年金の支給停止を計算するとき、加給年金や経過的加算まで止めてしまう間違いに注意します。
出題の前提:2024年度価額(老齢基礎年金満額816,000円、支給停止調整額500,000円)、2024年10月1日現在施行法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職後の公的医療保険(任意継続被保険者と国民健康保険)
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険任意継続 / 国民健康保険 / 社会保険手続き
退職後の公的医療保険(健康保険の任意継続被保険者および国民健康保険)に関する次の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 「Aさんが65歳でX社を退職し、再就職をしない場合、Aさんが被扶養者とならない限り、全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者となるか、国民健康保険の被保険者となるかのいずれかを選択することになります。 全国健康保険協会管掌健康保険の任意継続被保険者となるためには、原則として、退職日まで継続して( ① )カ月以上の被保険者期間があり、退職日の翌日から( ② )日以内に、Aさんの住所地を管轄する全国健康保険協会の都道府県支部に資格取得の申出を行う必要があります。また、任意継続被保険者として加入を継続することができる期間は、最長( ③ )年間であり、保険料は全額が自己負担となります。なお、任意継続被保険者の保険料は、将来の一定期間について前納することができ、前納した保険料については、前納に係る期間の最初の月から各月までのそれぞれの期間に応じて複利現価法による年( ④ )%の割引があります。また、前納に係る期間が経過する前に任意継続被保険者の資格を喪失した場合は、所定の手続により、前納した保険料のうち未経過期間に係るものの還付を受けることができます。 国民健康保険の被保険者となる場合は、原則として、退職日の翌日から( ⑤ )日以内に、Aさんの住所地の市町村(特別区を含む)で手続をする必要があります。保険料は、各市町村(特別区を含む)の条例により、均等割、平等割、( ⑥ )割、資産割の一部または全部の組合せによって決定されます」
解答・解説を表示
解答
① 2(カ月) ② 20(日) ③ 2(年間) ④ 4(%) ⑤ 14(日) ⑥ 所得(割)
解説
会社を退職した後の公的医療保険には、これまでの健康保険を任意で続ける方法、国民健康保険に入る方法、家族の扶養に入る方法があります。任意継続の要件(継続して2カ月以上、喪失日から20日以内の申出、最長2年、前納の割引率は年4%)と、国民健康保険の届出期限(14日以内)や保険料の決め方(所得割など)を正しく理解しましょう。
解き方
- 健康保険法で決まった任意継続被保険者の加入要件(継続した被保険者期間・申出の期限・続けられる期間・前納の割引率)に数を当てはめます。
- 国民健康保険法と市区町村の条例にある届出期間(14日以内)と、保険料の決め方(均等割・平等割・所得割・資産割)の言葉を選びます。
答えの内訳
- ①:2(カ月)
- 健康保険の任意継続被保険者となるための要件は、資格喪失日の前日(退職日)までに継続して2カ月以上の被保険者期間があることです。
- ②:20(日)
- 任意継続被保険者の資格取得の申出は、原則として資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に行わなければなりません。
- ③:2(年間)
- 健康保険の任意継続被保険者として加入を継続することができる期間は、原則として最長で2年間となります。
- ④:4(%)
- 健康保険法において、任意継続被保険者の前納保険料の額を計算する際の割引率は、複利現価法による年4%と定められています。
- ⑤:14(日)
- 退職に伴い国民健康保険に加入する場合の手続きは、資格取得の日(退職日の翌日)から14日以内に市町村に対して届け出る必要があります。
- ⑥:所得(割)
- 国民健康保険料(税)の賦課基準は、自治体の条例により均等割、平等割、所得割、資産割の組み合わせによって決定されます。
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覚えるポイント
- 任意継続の資格要件は「継続2カ月以上」「20日以内に申出」「最長2年」、前納割引率は年4%。
- 国民健康保険の加入届出期限は原則「14日以内」、保険料算定は所得割・資産割・均等割・平等割。
間違えやすいところ
- 任意継続の申出期限は20日以内、国民健康保険の届出期限は14日以内です。この2つを取り違えないようにしましょう。
- 任意継続の前納の割引率は年4%です。法定利率やほかの金利と混同しないようにしましょう。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の健康保険法および国民健康保険法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務分析指標(ROE・サスティナブル成長率・流動比率・固定長期適合率・インタレスト・カバレッジ・レシオ)
金融資産運用 · ROE(自己資本利益率) / サスティナブル成長率 / 流動比率 / 固定長期適合率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ
設例の〈X社の財務データ〉に基づいて、MさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄①~⑤に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 〈財務データ(2025年3月期:単位百万円)〉 資産の部合計:573,200(流動資産 414,000、固定資産 159,200) 負債の部合計:122,000(流動負債 110,000、固定負債 12,000) 純資産の部合計:451,200(株主資本合計 426,200、その他の包括利益累計額合計 23,800、非支配株主持分 1,200) 売上高:509,000、売上総利益:201,000、営業利益:51,200 営業外収益:1,400(受取利息 350、受取配当金 500、その他 550) 営業外費用:470(支払利息 320、その他 150) 経常利益:52,130、親会社株主に帰属する当期純利益:37,080、配当金総額:9,270 〈文章〉 Ⅰ 「X社のROEは( ① )%です。ROEは、株主が出資した資金で企業がどれだけの利益を上げたのかを示す指標であり、一般に、この数値が高いほど資本効率性が高いと判断されます。また、サスティナブル成長率は、内部留保のみを事業に再投資すると仮定した場合に期待される成長率であり、X社のサスティナブル成長率は( ② )%です」 Ⅱ 「X社の流動比率は( ③ )%です。一般に、流動比率が高いほど短期的な債務の返済能力が高いとされています。一方、X社の固定比率は35.38%、固定長期適合率は( ④ )%です。… また、X社のインタレスト・カバレッジ・レシオは( ⑤ )倍です。この数値が高いほど金利負担の支払能力が高く、財務に余裕があることを示します…」
解答・解説を表示
解答
① 8.24(%) ② 6.18(%) ③ 376.36(%) ④ 34.46(%) ⑤ 162.66(倍)
解説
企業の収益性(ROE・サスティナブル成長率など)と安全性(流動比率・固定長期適合率・インタレスト・カバレッジ・レシオなど)の計算方法を覚えます。貸借対照表と損益計算書から必要な数字を正しく取り出して計算します。自己資本は、純資産合計から非支配株主持分を引いた金額(株主資本+その他の包括利益累計額)を使います。
解き方
- 自己資本を「純資産合計 - 非支配株主持分」(または「株主資本合計 + その他の包括利益累計額合計」)で計算し、450,000百万円と求めます。
- ROE = 37,080 ÷ 450,000 × 100 = 8.24% を計算します。
- 配当性向を 9,270 ÷ 37,080 = 25% と求め、内部留保率75%をかけ、サスティナブル成長率 8.24% × 75% = 6.18% を計算します。
- 流動比率 = 414,000 ÷ 110,000 × 100 ≒ 376.36% を計算します。
- 固定長期適合率 = 159,200 ÷ (450,000 + 12,000) × 100 ≒ 34.46% を計算します。
- インタレスト・カバレッジ・レシオ = (51,200 + 350 + 500) ÷ 320 ≒ 162.66倍 を計算します。
答えの内訳
- ①:8.24(%)
- ROE(自己資本利益率)= 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 = 37,080 ÷ (426,200 + 23,800) × 100 = 37,080 ÷ 450,000 × 100 = 8.24% です。
- ②:6.18(%)
- 配当性向 = 配当金総額 ÷ 親会社株主に帰属する当期純利益 × 100 = 9,270 ÷ 37,080 × 100 = 25%。内部留保率 = 1 - 0.25 = 75%。サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率 = 8.24% × 75% = 6.18% です。
- ③:376.36(%)
- 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 = 414,000 ÷ 110,000 × 100 = 376.3636…%。小数点以下第3位を四捨五入して 376.36% です。
- ④:34.46(%)
- 固定長期適合率 = 固定資産 ÷ (自己資本 + 固定負債) × 100 = 159,200 ÷ (450,000 + 12,000) × 100 = 159,200 ÷ 462,000 × 100 = 34.4588…%。小数点以下第3位を四捨五入して 34.46% です。
- ⑤:162.66(倍)
- インタレスト・カバレッジ・レシオ = (営業利益 + 受取利息 + 受取配当金) ÷ 支払利息 = (51,200 + 350 + 500) ÷ 320 = 52,050 ÷ 320 = 162.65625倍。小数点以下第3位を四捨五入して 162.66倍 です。
覚えるポイント
- 自己資本 = 純資産合計 - 非支配株主持分(新株予約権があればそれも控除)。
- サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率(1 - 配当性向)。
- 固定長期適合率の分母は「自己資本 + 固定負債」、分子は「固定資産」。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は「営業利益 + 受取利息 + 受取配当金」、分母は「支払利息(+手形売却損)」。
間違えやすいところ
- 自己資本を計算するときに、非支配株主持分(1,200百万円)を入れてしまう間違いに注意します。
- 固定長期適合率の分母で、自己資本に固定負債を足し忘れ、固定比率と混同する間違いに注意します。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子に、営業外収益の「その他」まで足してしまう間違いに注意します(足すのは受取利息と受取配当金だけです)。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の企業会計基準・会社法等に基づく財務指標の標準的定義による。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
東証の売買制度および投資信託の税金(譲渡益の源泉徴収税額)
金融資産運用 · 東京証券取引所の売買制度 / クロージング・オークション / 公募株式投資信託の税金 / 譲渡益課税
東京証券取引所における株式の売買制度(立会時間、注文方法、売買成立方式等)および公募株式投資信託の収益分配金・解約時の譲渡益課税に関する説明文の空欄①〜⑥に当てはまる語句または数値を答えなさい。なお、空欄⑥は与えられた〈条件〉(買付400万口、購入時基準価額12,500円・手数料2.2%、解約時基準価額15,000円、信託財産留保額0.5%)に基づいて源泉徴収される所得税・復興特別所得税および住民税の合計額を計算すること。
解答・解説を表示
解答
① 3時30分、② ザラバ、③ 5(分間)、④ 成行(注文)、⑤ 普通分配金、⑥ 174,709(円)
解説
東証の立会制度(取引時間の延長とクロージング・オークションの導入)を正しく覚えます。投資信託を解約するときは、信託財産留保額を引いた額が手取りの解約価額になります。取得費(手数料込み)を引いた譲渡益に、20.315%の税率で税金が源泉徴収されます。この仕組みを理解しましょう。
解き方
- 東京証券取引所の取引制度の変更(立会時間の延び、5分間のプレ・クロージング、板寄せとザラバの違い)について、言葉と数値を選びます。
- 投資信託を解約するときの1万口あたりの取得価額(購入代金+購入時手数料)と解約代金(解約時基準価額-信託財産留保額)を計算します。
- 口数(400万口)をかけて譲渡益を求め、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)をかけて源泉徴収税額を求めます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:3時30分
- 東京証券取引所の立会時間は、2024年11月5日より午後立会(後場)の終了時刻が30分延伸され、午後3時30分までとなりました。
- 小問 ②:ザラバ
- 立会時間中の売買は原則として継続して売買を成立させる「ザラバ」方式で行われます。後場のプレ・クロージング前までザラバが適用されます。
- 小問 ③:5(分間)
- 後場のザラバ終了時から午後3時25分から午後3時30分までの「5分間」、注文受付のみを行うプレ・クロージングが設けられています。
- 小問 ④:成行(注文)
- 希望する売買価格を指定せず、銘柄・売買区分・数量のみを指定して発注する注文方法を「成行注文」といいます。
- 小問 ⑤:普通分配金
- 分配落ち後の基準価額が個別元本を上回る(または同額の)場合、その分配金は全額が利益とみなされ課税対象の「普通分配金」となります。
- 小問 ⑥:174,709(円)
- 取得費は買付代金+手数料で、1万口当たり12,500円+(12,500円×2.2%)=12,775円となり、400万口で5,110,000円です。解約価額は1万口当たり15,000円-(15,000円×0.5%)=14,925円となり、400万口で5,970,000円です。譲渡益は5,970,000円-5,110,000円=860,000円となり、源泉徴収税額は860,000円×20.315%=174,709円となります。
覚えるポイント
- 2024年11月5日以降、東証の取引終了時間は15時30分となり、終了前5分間(15:25〜15:30)にプレ・クロージングが行われます。
- 投資信託の取得費には購入時手数料(税込)を含め、解約価額からは信託財産留保額を差し引いて譲渡所得を計算します。
間違えやすいところ
- 購入時手数料を取得費に足し忘れたり、信託財産留保額を解約価額から引き忘れたりして、譲渡益を間違えないようにします。
- 東証のプレ・クロージングの時間(5分間)と後場の終了時間(15時30分)を混同しないようにします。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等(および2024年11月5日導入の東証取引制度変更)
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
ポートフォリオの期待収益率および標準偏差の計算
金融資産運用 · ポートフォリオ理論 / 期待収益率 / 標準偏差 / 分散投資効果
設例の〈投資信託Y・投資信託Zの予想収益率〉に基づき、投資信託Yと投資信託Zを6:4の割合で組み入れたポートフォリオについて、①期待収益率(%)および②標準偏差(%)を求めなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位まで解答すること。
解答・解説を表示
解答
① 6.60(%)、② 6.16(%)
解説
複数のシナリオがあるときのポートフォリオの標準偏差は、次の順で計算します。まず各シナリオのポートフォリオ収益率を加重平均で求めます。次に期待収益率からの差を2乗し、確率をかけて合計して分散を出します。最後にその平方根をとると標準偏差になります。
解き方
- それぞれのシナリオでのポートフォリオの収益率(Y×0.6+Z×0.4)を計算します。
- 各シナリオの収益率にその起こる確率をかけて合計し、ポートフォリオの期待収益率を求めます。
- 各シナリオの収益率と期待収益率の差(偏差)を2乗し、確率をかけて合計して、ポートフォリオの分散を求めます。
- ポートフォリオの分散の平方根を出し、小数点以下第3位を四捨五入して標準偏差を求めます。
答えの内訳
- ①:6.60(%)
- 各資産の期待収益率は、投資信託Yが12%×0.5+6%×0.3+(-4%)×0.2=7.0%、投資信託Zが8%×0.5+12%×0.3+(-8%)×0.2=6.0%です。組み入れ比率6:4で加重平均すると、7.0%×0.6+6.0%×0.4=6.60%となります(または各シナリオごとの加重平均収益率に生起確率を乗じて合算しても同様に6.60%が得られます)。
- ②:6.16(%)
- 各シナリオにおけるポートフォリオの収益率は、シナリオ1が12%×0.6+8%×0.4=10.4%、シナリオ2が6%×0.6+12%×0.4=8.4%、シナリオ3が(-4%)×0.6+(-8%)×0.4=-5.6%となります。ポートフォリオの分散は、(10.4-6.6)^2×0.5+(8.4-6.6)^2×0.3+(-5.6-6.6)^2×0.2=3.8^2×0.5+1.8^2×0.3+(-12.2)^2×0.2=7.22+0.972+29.768=37.96です。標準偏差は√37.96≒6.1611%となり、小数点以下第3位を四捨五入して6.16%となります。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- シナリオ分析におけるポートフォリオの標準偏差は、各シナリオのポートフォリオ収益率を先に計算してから分散・標準偏差を求めるのが最も速く確実な手順です。
- 最終的なパーセント表示の数値について、指定された端数処理(小数点以下第3位四捨五入)を忘れないようにします。
間違えやすいところ
- 資産Yと資産Zの標準偏差をそのまま加重平均してポートフォリオの標準偏差にするのは間違いです(相関係数が考えられていないためです)。
- マイナスの収益率(シナリオ3の-4%や-8%)を計算するとき、符号をプラスと間違えないようにします。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.10(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税の申告調整(略式別表四)
タックスプランニング · 法人税申告書別表四 / 減価償却費の限度額計算 / 役員給与(高額買入れ) / 交際費等の損金不算入 / 所得税額控除
設例の製造業を営むX社(資本金1,000万円の中小企業者等)の2025年3月期の確定申告資料および条件に基づき、〈略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)〉の空欄①~⑦に入る適切な数値を求めなさい。 【資料の要点】 ・当期利益の額:17,179,160円 ・損金経理をした減価償却費:器具備品2,000千円(限度額1,800千円)、建物4,500千円(限度額4,800千円、前期繰越超過額500千円) ・代表取締役Aから時価20,000千円の土地を25,000千円で買い取った(事前確定届出給与の届出なし) ・支出交際費等19,700千円(1人当たり10千円以下の飲食費1,200千円、除外後の接待飲食費16,800千円、残り1,700千円) ・税額控除:給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除280千円 ・法人税等:利子源泉所得税等40,840円(所得税40千円、復興840円)、当期確定申告分見積納税額6,500千円(損金経理計6,540,840円、未払法人税等6,500千円)。前期確定申告分の事業税等の納税充当金からの納付額1,220千円。所得税額等は当期法人税額から控除を選択。
解答・解説を表示
解答
① 6,500,000 ② 200,000 ③ 5,000,000 ④ 10,100,000 ⑤ 300,000 ⑥ 40,840 ⑦ 37,500,000
解説
法人税の別表四では、会計上の当期純利益をもとにして計算します。税法上は益金になるものや損金にできないものを加算し、損金になるものや益金にならないものを減算して、課税所得を求めます。
解き方
- 損益計算書の当期利益を出発点にして、納税充当金・減価償却超過額・過大な役員給与・交際費などの調整項目を計算します。
- 交際費は、定額控除限度額(年800万円)と接待飲食費の50%損金算入を比べ、損金にできない額が小さくなる方法を選びます。
- 前期から繰り越した償却超過額を当期の不足分まで認めて減算し、納税充当金からの事業税を減算し、源泉所得税額を加算して所得金額を求めます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:6,500,000
- 損金経理をした納税充当金は、当期確定申告分の見積納税額として貸借対照表の未払法人税等に計上された6,500,000円を加算(留保)します。
- 小問 ②:200,000
- 器具備品の会社計上額2,000千円から償却限度額1,800千円を差し引いた償却超過額200,000円(200千円)を加算(留保)します。
- 小問 ③:5,000,000
- 役員からの土地の買い入れにおいて、時価20,000千円を超える支払額25,000千円-20,000千円=5,000千円(5,000,000円)は役員給与(経済的利益)とみなされ、事前確定届出給与等に該当しないため損金不算入(社外流出)となります。
- 小問 ④:10,100,000
- 1人当たり10,000円以下の飲食費1,200千円は交際費等の範囲から除外されます。残る交際費等の支出額は19,700千円-1,200千円=18,500千円(うち接待飲食費16,800千円、その他1,700千円)です。損金算入の選択肢として、(A) 定額控除限度額800万円まで損金算入とする方法では不算入額は18,500千円-8,000千円=10,500千円、(B) 接待飲食費の50%を損金算入とする方法では不算入額は18,500千円-(16,800千円×50%)=10,100千円となります。所得金額が最も低くなる方法を選択するため、少ない方の10,100,000円(10,100千円)が加算額となります。
- 小問 ⑤:300,000
- 建物について、償却限度額4,800千円に対して会社計上額が4,500千円であるため償却不足額が300千円生じています。前期からの繰越償却超過額500千円のうち、この償却不足額に達するまでの300,000円(300千円)が当期認容額として減算(留保)されます。
- 小問 ⑥:40,840
- 預金利子から源泉徴収された所得税額40,000円および復興特別所得税額840円の合計40,840円を、法人税額から控除される所得税額として加算(社外流出)します。
- 小問 ⑦:37,500,000
- 当期利益17,179,160円+加算小計(6,500,000円+200,000円+5,000,000円+10,100,000円=21,800,000円)-減算小計(300,000円+1,220,000円=1,520,000円)+法人税額控除所得税額40,840円=所得金額37,500,000円となります。
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覚えるポイント
- 中小法人における交際費等の損金不算入額は、定額控除限度額(年800万円)と飲食費50%のいずれか有利な方を選択できる。
- 役員からの高額資産買入れは時価超過額が役員賞与(社外流出)として損金不算入となる。
間違えやすいところ
- 1人あたり10,000円以下の飲食費を交際費の合計から引くのを忘れないようにします。
- 建物の償却不足額300千円と繰越償却超過額500千円では、小さい方の300千円が認められる額です。ここを取り違えないようにします。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の税法および租税特別措置法に基づく(令和6年度税制改正後の1人当たり1万円以下の飲食費基準等を反映)。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
法人税額の計算(確定申告による納付税額)
タックスプランニング · 法人税額の計算 / 中小企業向け軽減税率 / 税額控除 / 所得税額控除
前問《問57》を踏まえ、X社が当期の確定申告により納付すべき法人税額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は100円未満を切り捨てて円単位とすること。 【適用条件】 ・課税所得金額:37,500,000円 ・普通法人(資本金10,000千円)の税率:年800万円以下の部分15%、年800万円超の部分23.2% ・給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除:280千円(280,000円) ・控除対象となる所得税額等:40,840円 ・中間申告・中間納税は考慮しない。
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解答
7,723,100円
解説
期末資本金1億円以下の中小法人では、課税所得のうち年800万円以下の部分に15%の軽減税率、年800万円超の部分に23.2%の本則税率がかかります。算出した税額から特別控除と所得税額控除を引き、納付する法人税額(100円未満切捨て)を求めます。
解き方
- 所得金額37,500,000円を年800万円以下の部分と800万円超の部分に分け、それぞれの税率(15%、23.2%)をかけて法人税額を出します。
- 出した税額8,044,000円から、給与等の支給額が増えた場合の特別控除280,000円と所得税額控除40,840円を引きます。
- 引いた後の7,723,160円について100円未満を切り捨て、納付する法人税額7,723,100円を求めます。
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覚えるポイント
- 法人税の確定納付税額は、算出税額から税額控除と源泉所得税額控除を差し引いた後、100円未満を切り捨てる。
間違えやすいところ
- 年800万円以下の部分には軽減税率15%を使うのを忘れ、全額に23.2%をかけてしまう間違いに注意します。
- 最後の納付税額で100円未満を切り捨てるのを忘れ、7,723,160円のままにしてしまう間違いに注意します。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法人税法および税率表に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
中小企業の少額減価償却資産の特例および消費税の申告制度
タックスプランニング · 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 / 消費税の全額控除要件 / 消費税の確定申告期限 / 消費税の中間申告および課税期間の特例
法人税における中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例、ならびに消費税の仕入税額控除、確定申告期限、中間申告義務の判定基準および課税期間の特例に関する以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な数値を求めなさい。 〈中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(以下、「本特例」という)〉 Ⅰ 「本特例は、中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)を取得等して事業の用に供した場合に、一定の要件のもと、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができる特例です。本特例の適用対象となる中小企業者等とは、中小企業者または農業協同組合等で、青色申告書を提出するもの(通算法人を除く)のうち、常時使用する従業員の数が( ① )人以下(特定法人については、□□□人以下)の法人とされています。 なお、本特例により損金の額に算入することができる金額には限度額があります。X社のように事業年度を1年とする中小企業者等が本特例の適用を受ける場合、その事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が( ② )万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち( ② )万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります」 〈消費税の確定申告・中間申告〉 Ⅱ 「消費税の課税事業者が簡易課税制度を選択しない場合において、消費税の納付税額の計算にあたっては、課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が( ③ )%以上のときは、課税期間中の課税売上に係る消費税額からその課税期間中の課税仕入等に係る消費税額の全額を控除します。一方、課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が( ③ )%未満のときは、『個別対応方式』または『一括比例配分方式』のいずれかの方式によって計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上に係る消費税額から控除します。 課税事業者である法人は、原則として、課税期間ごとにその課税期間の終了の日の翌日から( ④ )カ月以内に、納税地を所轄する税務署長に消費税の確定申告書を提出しなければなりません。ただし、法人税における『確定申告書の提出期限の延長の特例』の適用を受ける法人は、その提出期限を1カ月延長することができます。 また、直前の課税期間の確定消費税額(年税額。地方消費税額を除く)が( ⑤ )万円を超える事業者は、原則として、消費税の中間申告書の提出が必要となります。ただし、消費税における課税期間の特例の適用を受けている場合は、中間申告書の提出は不要です。課税期間の特例とは、事業者の選択により、課税期間を3カ月ごとまたは( ⑥ )カ月ごとに区分して短縮することができる特例であり、法人の場合は、事業年度の初日から3カ月ごとまたは( ⑥ )カ月ごとに区分した各期間を1つの課税期間とすることができます」
解答・解説を表示
解答
① 500、② 300、③ 95、④ 2、⑤ 48、⑥ 1
解説
法人税法や租税特別措置法にある中小企業の特例の要件と、消費税法にある仕入税額の全額控除の条件や申告・納税の基準の数を覚える問題です。それぞれの年齢や金額の決まりを正しく押さえましょう。
解き方
- 中小企業等の少額減価償却資産の損金算入特例の要件(従業員500人以下、1事業年度で年300万円まで)を確かめます。
- 消費税で仕入税額を全額控除できる条件(課税売上高5億円以下で、課税売上割合95%以上)を確かめます。
- 消費税の確定申告期限(原則2カ月以内)・中間申告の基準額(48万円超)・課税期間を短くする特例(3カ月または1カ月)の要件を確かめます。
答えの内訳
- ①:500
- 中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入特例の対象となる法人は、青色申告書を提出する中小企業者等のうち、常時使用する従業員の数が500人以下の法人です。
- ②:300
- 本特例によって損金算入できる少額減価償却資産の取得価額の合計額は、事業年度(1年)あたり年間300万円が上限となります。
- ③:95
- 課税売上高が5億円以下であり、かつ課税売上割合が95%以上である場合には、課税仕入れ等に係る消費税額の全額を仕入控除税額として控除できます。
- ④:2
- 消費税の課税事業者である法人の確定申告書の提出期限は、原則として各課税期間の末日の翌日から2カ月以内と定められています。
- ⑤:48
- 直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を除く年税額)が48万円を超える事業者は、消費税の中間申告書を提出する義務が生じます。
- ⑥:1
- 消費税の課税期間の特例では、事業者の選択により課税期間を3カ月ごとまたは1カ月ごとに区分して短縮することができます。
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覚えるポイント
- 少額減価償却資産の損金算入上限は年300万円・従業員500人以下
- 消費税の仕入税額控除が全額適用できるのは課税売上高5億円以下かつ課税売上割合95%以上
- 消費税の中間申告義務の最低基準は直前年税額48万円超
間違えやすいところ
- 少額減価償却資産の損金算入の上限「年300万円」と、一括償却資産の上限や資産ごとの「30万円未満」を混同しないようにします。
- 消費税の中間申告の基準「48万円超」と、年11回申告になる基準「400万円超」「4,800万円超」を混同しやすいので注意します。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
不動産の取得に係る税金および固定資産の交換特例
不動産 · 不動産取得税(課税標準の特例・税率の特例・新築住宅控除) / 登録免許税(土地所有権移転・建物所有権保存登記) / 固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例の要件
不動産の取得に係る不動産取得税・登録免許税、および所得税法上の「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」に関する以下の文章の空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を求めなさい。 〈不動産取得税、登録免許税〉 Ⅰ 「借地権との交換により土地(底地)の所有権を取得した場合、原則として、不動産取得税が課されます。また、所有権移転登記をする場合、登録免許税が課されます。 Aさんが2025年中に乙土地の所有権を取得した場合、不動産取得税の課税標準は、乙土地の価格の( ① )分の1の額となり、標準税率は、『住宅の取得及び土地の取得に対する不動産取得税の税率の特例』が適用されることにより( ② )%となります。なお、Aさんが2025年中に乙土地上に自宅(戸建て住宅)を新築する場合、その床面積が50㎡以上240㎡以下であり、かつ、認定長期優良住宅に該当するときは、当該自宅について、不動産取得税の課税標準となるべき価格から最高( ③ )万円を控除することができます。 また、登録免許税について、交換により取得した乙土地の所有権移転登記に係る税率は( ④ )%となります。なお、建物の所有権( ⑤ )登記に係る税率は、原則として0.4%とされていますが、乙土地上に新築する自宅が認定長期優良住宅に該当し、所定の期間内に自宅の建物に係る所有権( ⑤ )登記をするときは、0.1%の軽減税率が適用されます」 〈固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例〉 Ⅱ 「『固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例』の適用を受けるためには、交換譲渡資産と交換取得資産がいずれも( ⑥ )年以上所有されていたものであり、交換取得資産を交換譲渡資産の交換直前の用途と同一の用途に供する必要があります。また、交換時における交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高いほうの価額の( ⑦ )%以内でなければなりません」
解答・解説を表示
解答
① 2(分の1)、② 3、③ 1,300、④ 2、⑤ 保存(登記)、⑥ 1、⑦ 20
解説
不動産を取得すると、地方税の不動産取得税と国税の登録免許税がかかります。それぞれに軽減の特例があります。また、所得税法第58条の「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」には、所有期間などの適用要件があります。これらをまとめて理解しましょう。
解き方
- 不動産取得税について、宅地の課税標準(2分の1)・特例税率(3%)・認定長期優良住宅の新築の控除額(1,300万円)を整理します。
- 交換で土地の所有権移転登記をするときの本則税率(2%)と、新築建物の登記の種類(保存登記)・認定長期優良住宅の軽減税率(0.1%)を確かめます。
- 固定資産の交換特例の要件である所有期間(1年以上)と、時価の差額の条件(高い方の20%以内)を確かめます。
答えの内訳
- ①:2
- 宅地評価土地を取得した場合の不動産取得税の課税標準は、固定資産税評価額の2分の1の額とする特例措置が適用されます。
- ②:3
- 土地および住宅の取得に係る不動産取得税の標準税率は、特例措置により原則の本則税率4%から3%へと軽減されています。
- ③:1,300
- 新築住宅の不動産取得税の控除額は一般住宅では最高1,200万円ですが、認定長期優良住宅に該当する場合は特例により最高1,300万円が控除されます。
- ④:2
- 交換による土地の所有権移転登記の登録免許税率は、売買による軽減税率とは異なり、原則の本則税率である2%(1,000分の20)となります。
- ⑤:保存
- 建物を新築した際に行う最初の所有権の登記は「所有権保存登記」です(本則0.4%、認定長期優良住宅等の特例で0.1%に軽減)。
- ⑥:1
- 「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」の適用を受けるためには、交換譲渡資産・交換取得資産ともに1年以上所有していた固定資産である必要があります。
- ⑦:20
- 交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額が、いずれか高いほうの時価の20%以内でなければ交換の特例は適用されません。
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覚えるポイント
- 認定長期優良住宅の新築時不動産取得税の控除限度額は最高1,300万円(一般住宅は1,200万円)
- 建物を新築した際に行う最初の所有権登記は「所有権保存登記」
- 固定資産の交換特例の要件は「1年以上所有」「同一用途」「時価の差額が高い方の20%以内」
間違えやすいところ
- 土地の所有権移転登記の登録免許税で、売買の特例税率(1.5%など)と交換で取得した場合(本則2%)を混同しやすいので注意します。
- 新築住宅の不動産取得税の控除額で、認定長期優良住宅の1,300万円と一般住宅の1,200万円を取り違えないようにします。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
固定資産の交換特例と交換差金受領時の譲渡所得税の計算
不動産 · 固定資産の交換の特例 / 交換差金 / 譲渡所得税 / 概算取得費
Aさんが所有する借地権(2012年10月に相続取得、取得費不明、交換時時価2,400万円、交換費用80万円で譲渡・取得区分不明)と、地主Bさんが所有する底地(所有権、交換時時価2,280万円)を交換し、あわせてAさんが交換差金120万円を受領した。この交換において「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」の適用を受ける場合、次の①および②を求めなさい。なお、計算過程を示し、答は100円未満を切り捨てて円単位とすること。 ① 課税長期譲渡所得金額 ② 課税長期譲渡所得金額に係る所得税・復興特別所得税および住民税の合計額
解答・解説を表示
解答
① 1,120,000円 ② 227,500円
解説
固定資産の交換の特例(所得税法58条)を使っても、相手から交換差金を受け取った部分には税金がかかります。受け取った交換差金の部分は、売ったのと同じと考えられるからです。取得費や譲渡費用は、交換で受け取った資産の時価と交換差金の合計に対する交換差金の割合であん分して差し引きます。
解き方
- 交換した資産の概算取得費(時価の5%)と譲渡費用(区分が分からないときは交換費用の50%)を合計します。
- 交換差金の割合[交換差金÷(交換で受け取った資産の時価+交換差金)]を掛けて、交換差金に対応する取得費と譲渡費用を求め、交換差金から引いて課税長期譲渡所得金額を出します。
- 所得税(15%)と復興特別所得税(所得税額の2.1%)を計算し、合計した後に100円未満を切り捨て、住民税(5%)を足して税額の合計を求めます。
答えの内訳
- ①:1,120,000(円)
- 交換差金を受領した場合、受領した交換差金に対応する部分について譲渡があったものとして譲渡所得が計算されます。交換譲渡資産の取得費は不明のため時価の5%(2,400万円×5%=120万円)、交換費用80万円のうち譲渡費用分は区分の定めがないため50%相当の40万円です。取得費および譲渡費用の合計は160万円となり、交換差金に対応する取得費・譲渡費用は、160万円×{120万円/(2,280万円+120万円)}=80,000円となります。したがって、課税長期譲渡所得金額は、収入金額120万円-80,000円=1,120,000円です。
- ②:227,500(円)
- 所有期間5年超の長期譲渡所得に対する税率は、所得税15%、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)、住民税5%です。所得税額は 1,120,000円×15%=168,000円、復興特別所得税額は 168,000円×2.1%=3,528円となります。所得税および復興特別所得税の合計は 168,000円+3,528円=171,528円となり、100円未満を切り捨てて171,500円となります。住民税額は 1,120,000円×5%=56,000円です。したがって、合計税額は 171,500円+56,000円=227,500円となります。
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覚えるポイント
- 交換費用の区分が不明な場合は、50%を譲渡費用、50%を取得費(取得資産の付随費用)として按分する。
- 所得税と復興特別所得税を合算した段階で100円未満端数切捨てを行い、その後に住民税を加算する。
間違えやすいところ
- 交換費用の全額を譲渡費用として差し引いてしまう誤りです。区分が分からないときは50%だけを入れます。
- 所得税と復興特別所得税を合計する前や、住民税を足した最後の合計後に端数処理をしてしまう誤りです。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の所得税法および租税特別措置法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2項道路セットバックおよび複数用途地域にわたる敷地の建蔽率・容積率の計算
不動産 · 建築基準法第42条第2項道路 / セットバック / 建蔽率の緩和 / 前面道路幅員による容積率制限 / 異なる用途地域にわたる敷地
交換後の乙土地(面積136.5㎡、長方形:間口13m・奥行10.5m)に耐火建築物を建築する場合の建築面積の上限(建蔽率)と延べ面積の上限(容積率)を求めなさい。なお、乙土地は第一種住居地域(指定建蔽率60%・指定容積率300%・準防火地域)に属する部分105㎡(間口10m)と、第一種低層住居専用地域(指定建蔽率50%・指定容積率100%・防火規制なし)に属する部分31.5㎡(間口3m)からなり、西側で幅員6mの公道、南側で幅員3mの公道(建築基準法第42条第2項道路、中心後退、向かい側は宅地)に接している。特定行政庁の指定する角地ではない。
解答・解説を表示
解答
① 88㎡ ② 270㎡
解説
建築基準法第42条第2項の道路に接する土地では、後退した部分(セットバック部分)は道路とみなすので、敷地面積から除きます。また、土地が複数の用途地域にまたがるときは、建築面積と延べ面積の上限を地域ごとに分けて計算し、合計します。
解き方
- 2項道路の中心線からの後退距離(0.5m)をもとに、地域ごとのセットバック面積を求めて有効敷地面積を出します。
- 準防火地域の内外にまたがる耐火建築物の建蔽率の緩和(各地域+10%)を使い、地域ごとの有効敷地面積に掛けて建築面積の上限を合計します。
- 前の道路が2つ以上あるときは最も広い幅員(6m)を使い、各地域の指定容積率と道路幅員による制限の小さい方を有効敷地面積に掛けて延べ面積の上限を合計します。
答えの内訳
- ①:88(㎡)
- 南側3m道路は2項道路のため、中心線から2m後退が必要となり、後退幅は(4m-3m)÷2=0.5mです。セットバック面積は、第一種住居地域が10m×0.5m=5㎡、第一種低層住居専用地域が3m×0.5m=1.5㎡であり、有効敷地面積は第一種住居地域が100㎡、第一種低層住居専用地域が30㎡となります。準防火地域内の耐火建築物には建蔽率+10%の緩和が適用され、第一種住居地域の建蔽率は70%となります。また建築物全体が耐火建築物となるため第一種低層住居専用地域も緩和を受けて60%となります。したがって建築面積の上限は、100㎡×70%+30㎡×60%=70㎡+18㎡=88㎡となります。
- ②:270(㎡)
- 乙土地は西側6m公道と南側3m公道(後退後4m)に接道しているため、建築基準法第52条第2項に基づき、幅員の大きい6m公道が前面道路幅員となります。前面道路幅員制限による容積率は、第一種住居地域・第一種低層住居専用地域ともに6m×4/10=240%です。各地域の基準容積率は、第一種住居地域が指定容積率300%と幅員制限240%の小さい方で240%、第一種低層住居専用地域が指定容積率100%と幅員制限240%の小さい方で100%となります。有効敷地面積に乗じると、100㎡×240%+30㎡×100%=240㎡+30㎡=270㎡となります。
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覚えるポイント
- 2項道路のセットバック部分は敷地面積・建蔽率・容積率の算定対象外となる。
- 前面道路が2つ以上あるときは、最大幅員の道路を前面道路として幅員制限容積率を計算する。
間違えやすいところ
- セットバック面積を土地全体からまとめて除いてしまい、地域ごとの按分を間違えるミスです。
- 狭い方の前の道路幅員(4m)で容積率の制限を計算してしまうミスです。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の建築基準法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の類似業種比準価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準価額 / 中会社
設例の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、端数処理については、1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の株数で除した年配当金額は10銭未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の株数で除した年利益金額は円未満を切り捨て、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。なお、X社株式の類似業種比準価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、最も低い価額となる方法を選択するものとする。
解答・解説を表示
解答
2,203(円)
解説
類似業種比準方式は、似た業種の株価に、配当・利益・純資産の3つの比準割合を掛けて評価額を出す方法です。さらに斟酌割合(大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5)と資本金等の額の調整を行います。
解き方
- 1株当たりの資本金等の額を50円としたときの株式数を求め、配当金額・利益金額・純資産価額の各比準要素を出します(複数の選び方があるときは最も低いものを選びます)。
- 類似業種株価から最も低いものを選び、3要素の比準割合の平均と斟酌割合0.6、1株(50円)から本来の1株当たり資本金等の額への換算を行って類似業種比準価額を計算します。
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覚えるポイント
- 類似業種株価は課税時期の月、前月、前々月、前年平均、2年間平均のうち最も低いものを選択可能。
- 利益金額からは非経常的な利益・損失を除外して計算する。
間違えやすいところ
- 直前期末の所得金額に含まれる「固定資産の売却による非経常的な利益金額」を除くのを忘れてしまうことです。
- 1株当たりの資本金等の額が50円ではない(本問では500円)ため、最後に500円/50円(10倍)の調整を忘れてしまうことです。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
非上場株式の純資産価額および併用方式による価額の計算
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 純資産価額方式 / 併用方式 / 中会社の小
設例の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの①純資産価額および②類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額を、それぞれ求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は円未満を切り捨てて円単位とすること。なお、X社株式の相続税評価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、最も低い価額となる方法を選択するものとする。
解答・解説を表示
解答
① 6,830(円) ② 4,053(円)
解説
取引相場のない株式では、中会社は原則として類似業種比準方式と純資産価額方式を組み合わせた併用方式で評価します。会社の規模に応じた割合で両方を混ぜる決まりがあるからです。「中会社の小」のL値は0.60で、類似業種比準価額×0.60+純資産価額×0.40で計算します。
解き方
- 相続税評価額による純資産額から帳簿価額との評価差額に対する法人税等相当額(37%)を引き、発行済株式数で割って1株当たりの純資産価額を求めます。
- 中会社の小のL値(0.60)を使い、問63で求めた類似業種比準価額と純資産価額を按分計算し、円未満を切り捨てます。
答えの内訳
- ①:6,830(円)
- 純資産価額方式における1株当たりの純資産価額の計算: ・相続税評価額による総資産:22,700万円 ・帳簿価額による総資産:20,700万円 ・負債合計:8,300万円 ・評価差額:22,700万円 - 20,700万円 = 2,000万円 ・法人税等相当額:2,000万円 × 37% = 740万円 ・差引純資産額:22,700万円 - 8,300万円 - 740万円 = 13,660万円 ・1株当たりの純資産価額:136,600,000円 ÷ 20,000株 = 6,830円。
- ②:4,053(円)
- 併用方式による価額の計算: ・X社の規模区分は「中会社の小」であるため、類似業種比準価額の割合(L)は0.60、純資産価額の割合は(1-L)= 0.40となる。 ・類似業種比準価額:2,203円(問63より) ・純資産価額:6,830円 ・併用方式による価額 = 2,203円 × 0.60 + 6,830円 × 0.40 = 1,321.8円 + 2,732円 = 4,053.8円 ・円未満切捨てにより、4,053円となる。
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覚えるポイント
- 純資産価額の計算では評価差額に対する法人税等相当額の控除率(37%)を乗じる。
- 中会社の規模区分に応じたL値(大:0.90、中:0.75、小:0.60)を正しく適用する。
間違えやすいところ
- 純資産価額の計算で法人税等相当額を引くのを忘れてしまうことです。
- 中会社の区分におけるL値を取り違えてしまうことです(小は0.60)。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等(財産評価基本通達)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺留分の算定、民法の特例および住宅取得等資金贈与の非課税
相続・事業承継 · 遺留分の計算 / 特別受益の持戻し期間 / 経営承継円滑化法における遺留分の民法特例 / 住宅取得等資金の贈与税の非課税
Aさんの相続および事業承継、贈与等に関する次の文章の空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈遺留分の額〉 Ⅰ 「Aさんが遺言により、相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんに相続させた場合、長女Dさんの遺留分を侵害する可能性があります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額が2億4,000万円である場合、長女Dさんの遺留分の額は( ① )万円となります。この遺留分を算定するための財産の価額には、被相続人が相続人に対して生前に行った贈与については、原則として、特別受益に該当する贈与で、かつ、相続開始前( ② )年以内にされたものの価額が算入されます」 〈遺留分に関する民法の特例(以下、「本特例」という)〉 Ⅱ 「Aさんが長男CさんにX社株式を贈与し、本特例の適用を受けると、Aさんの相続開始時において、X社株式の価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと(除外合意)や、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を合意時における価額とすること(固定合意)ができます。なお、本特例の適用を受けるためには、妻Bさん、長男Cさんおよび長女Dさんが書面による合意をし、合意をした日から( ③ )カ月以内に( ④ )大臣の確認を申請し、その確認を受けた日から( ③ )カ月以内に家庭裁判所に申立てをして、その許可を受ける必要があります」 〈直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(以下、「本特例」という)〉 Ⅲ 「長女Dさんが、Aさんから2025年中に住宅取得等資金の贈与を受け、その全額を充てて住宅用家屋を新築し、本特例の適用を受ける場合、本特例による非課税限度額は、新築した住宅用家屋が一定の省エネ等住宅であるときは( ⑤ )万円、省エネ等住宅以外であるときは□□□万円となります。長女Dさんが本特例の適用を受けるためには、原則として、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年( ⑥ )までにその住宅用家屋に居住することまたは同日後遅滞なくその住宅用家屋に居住することが確実であると見込まれることや、その住宅用家屋の床面積が50㎡以上である場合には、贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が( ⑦ )万円以下でなければならないことなど、所定の要件を満たす必要があります」
解答・解説を表示
解答
① 3,000(万円) ② 10(年) ③ 1(カ月) ④ 経済産業(大臣) ⑤ 1,000(万円) ⑥ 3月15日 ⑦ 2,000(万円)
解説
遺留分制度は、法定相続人が最低限受け取れる遺産の取り分を守る制度です。親族内で事業を円滑に引き継ぐため、経営承継円滑化法にもとづく除外合意・固定合意の特例があります。また、住宅取得等資金贈与の非課税特例では、家屋の性能や床面積に応じた限度額と所得要件が決められています。
解き方
- 法定相続人とその法定相続分を確認し、総体的遺留分割合(1/2)を掛けて長女Dの個別遺留分割合を出し、金額を計算します。
- 民法上の遺留分算定における相続人への生前贈与(特別受益)の算入期間(原則10年以内)と、事業承継円滑化法の特例の手続要件(1カ月以内、経済産業大臣)を当てはめます。
- 直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税について、省エネ等住宅の限度額(1,000万円)、居住要件の期日(翌年3月15日)、床面積50㎡以上の合計所得金額要件(2,000万円以下)を整理します。
答えの内訳
- ①:3,000(万円)
- 配偶者と子(2人)が相続人の場合、総体的遺留分は2分の1です。長女Dさんの法定相続分は4分の1(1/2×1/2)であるため、遺留分割合は1/2×1/4=8分の1となります。遺留分算定の基礎財産が2億4,000万円の場合、2億4,000万円×1/8=3,000万円となります。
- ②:10(年)
- 民法上の遺留分算定の基礎となる財産の価額には、共同相続人に対する生前贈与のうち特別受益に該当するものは、原則として相続開始前10年以内にされたものの価額が算入されます。
- ③:1(カ月)
- 経営承継円滑化法における遺留分の特例(除外合意・固定合意)は、推定相続人全員の合意をした日から1カ月以内に経済産業大臣の確認申請を行い、確認を受けた日から1カ月以内に家庭裁判所へ申立てをする必要があります。
- ④:経済産業(大臣)
- 経営承継円滑化法に基づき遺留分の特例の適用を受けるためには、所轄大臣である「経済産業大臣」の確認を受ける必要があります。
- ⑤:1,000(万円)
- 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度において、一定の耐震・省エネ・バリアフリー住宅(省エネ等住宅)に該当する場合の非課税限度額は1,000万円(一般住宅は500万円)です。
- ⑥:3月15日
- 住宅取得等資金贈与の非課税特例の居住要件は、原則として贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または同日後遅滞なく居住することが確実であると見込まれることです。
- ⑦:2,000(万円)
- 住宅取得等資金贈与の非課税特例の適用を受ける受贈者の所得要件は、新築家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下の場合は合計所得金額が2,000万円以下とされています(なお、40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)。
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覚えるポイント
- 遺留分の特別受益の算入期間は相続開始前10年以内、第三者への贈与は原則1年以内です。
- 円滑化法の遺留分特例は「合意から1カ月以内に経産大臣確認」「確認から1カ月以内に家裁申立て」の2段階手続です。
- 住宅取得等資金の非課税限度額は省エネ等住宅1,000万円、一般住宅500万円です。
間違えやすいところ
- 遺留分の特別受益の持戻し期間(10年)と、相続開始前贈与の生前贈与加算期間(順次延長され最長7年)を混同しないようにしましょう。
- 床面積40㎡以上50㎡未満の特例を使うときの合計所得金額の上限(1,000万円以下)と、50㎡以上のときの上限(2,000万円以下)を取り違えやすいので注意が必要です。
出題の前提:2024年10月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2025年5月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2025年5月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2025年5月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
- 公式模範解答(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
金財のPDFは公式掲載ページからご覧ください。古い資料は現在の一覧に掲載されていない場合があります。

