日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。
2024年9月 1級 学科(応用編)の概要
健康保険の療養の給付・保険外併用療養費・埋葬料
ライフプランニングと資金計画 · 健康保険 / 一部負担金 / 入院時生活療養費 / 保険外併用療養費 / 埋葬料
健康保険の各種給付制度に関する以下の説明文の空欄①~⑥に当てはまる語句または数値を答えなさい。 「健康保険の被保険者が業務災害・通勤災害以外の事由により病気やケガをしたときは、療養の給付を受けることができます。70歳未満の被保険者の場合、原則として、医療費の( ① )割を一部負担金として医療機関等の窓口で支払います。 また、被保険者が病気やケガで医療機関に入院したときは、医療機関から提供される食事に係る費用について入院時食事療養費の支給を受けることができますが、( ② )歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者が病気やケガで医療療養病床に入院したときは、医療機関から提供される食事および光熱水費に係る費用について( ③ )療養費の支給を受けることができます。 健康保険では、保険が適用されない診療(以下、『保険外診療』という)を受けると、原則として、保険が適用される診療も含めて、医療費の全額が自己負担となります。ただし、保険外診療を受ける場合であっても、評価療養、選定療養、( ④ )療養については、保険診療との併用が認められており、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、その部分については一部負担金相当額を支払うこととなり、残りの額は保険外併用療養費として健康保険から給付が行われます。 なお、評価療養とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養(( ④ )療養を除く)として厚生労働大臣が定めるものとされており、先進医療や治験に係る診療等が該当します。また、選定療養とは、被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養とされており、一般病床数( ⑤ )床以上の地域医療支援病院で紹介状なしに受けた初診等が該当します。 被保険者が業務災害・通勤災害以外の事由により死亡した場合は、所定の手続により、死亡した被保険者により生計を維持されていた者であって、埋葬を行う者に対して、埋葬料として( ⑥ )万円が支給されます」
解答・解説を表示
解答
① 3(割) ② 65(歳) ③ 入院時生活(療養費) ④ 患者申出(療養) ⑤ 200(床) ⑥ 5(万円)
解説
健康保険は、医療を現物(サービス)で給付するのが基本です。自己負担の割合は年齢や所得によって変わります。また、保険外診療と保険診療の併用は原則として禁止ですが、例外として保険外併用療養費があります。入院時の食事や生活の費用、死亡時の埋葬料なども給付の対象です。
解き方
- 問題文の空欄の前後を読み、給付の種類や年齢・割合・病床数・金額などの条件を拾い出します。
- 健康保険法などの決まりに当てはまる用語や数値を選びます。
答えの内訳
- ①:3(割)
- 70歳未満の健康保険被保険者の一部負担割合は原則として3割です。
- ②:65(歳)
- 65歳に達する日の属する月の翌月以後の被保険者が療養病床に入院した場合は生活療養の対象となります。
- ③:入院時生活(療養費)
- 65歳以上の者が療養病床に入院した際、食費および居住費(光熱水費)に関して「入院時生活療養費」が支給されます。
- ④:患者申出(療養)
- 保険外併用療養費の対象となる保険外診療は、評価療養、選定療養、患者申出療養の3種類です。
- ⑤:200(床)
- 選定療養の対象となる紹介状なしの大病院受診は、一般病床200床以上の地域医療支援病院や特定機能病院などが該当します。
- ⑥:5(万円)
- 被保険者が業務外の事由により死亡したとき、生計を維持されていた埋葬を行う者に支給される埋葬料は定額5万円です。
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覚えるポイント
- 保険外併用療養費の対象となる3類型:評価療養、選定療養、患者申出療養
- 紹介状なし大病院受診の選定療養の対象病床数は原則200床以上
- 健康保険の埋葬料は定額5万円(生計維持関係がない者が埋葬した場合は実費上限5万円の埋葬費)
間違えやすいところ
- 入院時食事療養費(一般病床など)と入院時生活療養費(65歳以上の療養病床)は、対象の年齢や病床の種類が違うので混同に注意します。
- 埋葬料(5万円)と出産育児一時金(50万円)の金額を混同しないよう注意します。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の健康保険法
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
公的介護保険の認定手続・施設サービス・自己負担割合・高額介護サービス費
ライフプランニングと資金計画 · 介護保険 / 要介護認定 / 認定の有効期間 / 特別養護老人ホーム / 利用者負担割合 / 高額介護サービス費
公的介護保険に関する以下の説明文の空欄①~⑥に当てはまる語句または数値を答えなさい。 「介護保険の保険給付は、市町村(特別区を含む)から要介護認定または要支援認定を受けた被保険者に対して行われます。 要介護認定または要支援認定の申請に対する処分は、原則として、申請のあった日から( ① )日以内に行われます。介護保険の被保険者が初めて要介護認定または要支援認定を受けた場合の有効期間は、原則として、申請のあった日からその日が属する月の末日までの期間と( ② )カ月間を合算した期間(申請のあった日が月の初日である場合は( ② )カ月間)です。また、要介護認定または要支援認定を受けた被保険者が、当該認定に係る有効期間満了後も要介護状態または要支援状態に該当すると見込まれ、引き続き保険給付を受ける場合は、原則として、有効期間満了日の( ③ )日前から満了日までの間に、認定の更新申請が必要となります。 要介護認定・要支援認定を受けると、サービスを選択するにあたり、サービスをどのように組み合わせて受けるか、どの指定業者のサービスを受けるかなどの計画書となるケアプランを作成します。なお、介護給付の施設サービスのうち、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を利用することができる要介護被保険者は、原則として、要介護状態区分が( ④ )以上の被保険者に限られます。 介護保険の保険給付を受ける被保険者が、介護サービスまたは介護予防サービスを提供する事業者との間で契約を結び、当該事業者からサービスの提供を受けた場合、原則として、費用(食費、居住費等を除く)の1割を負担することになります。ただし、その負担割合は、被保険者本人や同一世帯の65歳以上の被保険者の所得等によって異なり、Aさんの合計所得金額が220万円以上で、かつ、Aさんと妻Bさんの年金収入とその他の合計所得金額の合計額が463万円以上である場合、その負担割合は( ⑤ )割となります。 なお、要介護被保険者が介護サービスに要した1カ月の自己負担額が一定額を超えた場合は、所定の手続により、( ⑥ )の支給を受けることができます」
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解答
① 30(日) ② 6(カ月間) ③ 60(日) ④ 3 ⑤ 3(割) ⑥ 高額介護サービス費
解説
介護保険では、要介護・要支援の認定の手続きや期間、施設に入れる条件、所得に応じた利用者の負担割合が細かく決められています。負担が重いときの軽減として高額介護サービス費もあります。
解き方
- 問題文の空欄の前後から、認定期間・申請日数・特別養護老人ホームの入所基準・自己負担割合の所得区分・給付の名称を確認します。
- 介護保険法などの決まりに従って、正しい数値や制度の名前を選びます。
答えの内訳
- ①:30(日)
- 要介護認定または要支援認定の申請に対する処分は、原則として申請の日から30日以内に行われます。
- ②:6(カ月間)
- 新規に要介護認定または要支援認定を受けた場合の有効期間は、原則として6カ月間です。
- ③:60(日)
- 有効期間満了後も引き続き給付を受けるための認定の更新申請は、有効期間満了日の60日前から満了日までの間に行います。
- ④:3
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)への新規入所は、原則として要介護状態区分が要介護3以上の被保険者に限られます。
- ⑤:3(割)
- 65歳以上の第1号被保険者本人の合計所得金額が220万円以上で、2人以上世帯の年金収入+その他の合計所得金額が463万円以上である場合、自己負担割合は3割となります。
- ⑥:高額介護サービス費
- 介護保険のサービス利用に伴う自己負担額(1カ月)が一定の限度額を超えた場合、超過分が「高額介護サービス費」として支給されます。
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覚えるポイント
- 要介護認定の新規有効期間は原則6カ月(更新時は原則12カ月)
- 認定処分は申請から原則30日以内、更新申請は満了日の60日前から満了日まで
- 特養(介護老人福祉施設)の入所は原則として要介護3以上
- 介護保険の自己負担割合は1割・2割・3割(現役並み高所得者は3割)
間違えやすいところ
- 健康保険の「高額療養費」と介護保険の「高額介護サービス費」は名前が似ているので取り違えないよう注意します。
- 要介護認定の新規の有効期間(原則6カ月)と更新の有効期間(原則12カ月)を混同しないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の介護保険法
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
遺族厚生年金の受給額計算(65歳以降の先発受給)
ライフプランニングと資金計画 · 遺族厚生年金 / 併給調整 / 支給停止
設例に基づき、Aさんが2024年9月8日に死亡し、妻Bさん(65歳)が遺族厚生年金の受給権を取得した場合における、妻Bさんに実際に支給される遺族厚生年金の年額(支給停止分控除後の額)を計算しなさい。なお、年金額の端数処理は円未満を四捨五入し、円単位で解答すること。
解答・解説を表示
解答
227,824(円)
解説
65歳以上の配偶者が受け取る遺族厚生年金は、2つの額のうち高い方になります。1つは亡くなった配偶者の報酬比例部分の4分の3です。もう1つは、配偶者の報酬比例部分の半分と自分の老齢厚生年金の半分を足した額です。ただし、自分の老齢厚生年金が全額優先して支払われ、その分だけ遺族厚生年金は止まります。
解き方
- 亡くなったAさんの厚生年金の記録から報酬比例部分を求め、その4分の3の額を計算します。
- 妻Bさん自身の老齢厚生年金と合わせる特例(それぞれ2分の1ずつ)を使い、高い方の遺族厚生年金額を求めます。
- 求めた遺族厚生年金額から、優先して支払われる妻Bさん自身の老齢厚生年金額を引き、実際に受け取る額を出します。
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覚えるポイント
- 65歳以降の遺族厚生年金は「夫の3/4」と「夫の1/2+妻の1/2」の有利選択となる。
- 自身の老齢厚生年金が全額優先支給され、遺族厚生年金はその差額のみ支給される。
間違えやすいところ
- 妻が65歳以上なので中高齢寡婦加算は付かない、という点を見落とさないようにします。
- 自分の老齢厚生年金を引くのを忘れ、支給停止前の額をそのまま答えないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令・基準(2024年度価額)
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.6(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
財務比率の計算(ROE、サスティナブル成長率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、負債比率)
金融資産運用 · 財務分析 / ROE / サスティナブル成長率 / インタレスト・カバレッジ・レシオ / 負債比率
設例の〈X社の財務データ等〉に基づいて、文章の空欄①~④に入る適切な数値を計算しなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
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解答
① 10.81(%) ② 5.86(%) ③ 120.41(倍) ④ 93.23(%)
解説
これは企業の経営の効率や安全さを測る財務指標の計算です。自己資本には「株主資本」だけでなく「その他の包括利益累計額」も含め、新株予約権や非支配株主持分は入れません。インタレスト・カバレッジ・レシオの分子には、営業利益に受取利息と配当金を足した事業利益を使います。
解き方
- 貸借対照表から、自己資本(株主資本合計とその他の包括利益累計額合計)を正しく見つけます。
- それぞれの財務指標の式に損益計算書などの数値を入れて計算し、決められた端数の処理をします。
答えの内訳
- ①:10.81(%)
- ROE(自己資本当期純利益率)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 です。自己資本は株主資本合計120,000百万円+その他の包括利益累計額合計1,200百万円=121,200百万円(新株予約権800百万円は除く)となります。ROE = 13,100百万円 ÷ 121,200百万円 × 100 = 10.8085...% となり、小数点以下第3位を四捨五入して 10.81% です。
- ②:5.86(%)
- サスティナブル成長率 = ROE × 内部留保率(または (当期純利益-配当金総額) ÷ 自己資本 × 100)です。内部留保額 = 13,100百万円 - 6,000百万円 = 7,100百万円。サスティナブル成長率 = 7,100百万円 ÷ 121,200百万円 × 100 = 5.8580...% となり、小数点以下第3位を四捨五入して 5.86% です。
- ③:120.41(倍)
- インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益 + 受取利息 + 受取配当金)÷ 支払利息 です。分子は 20,000百万円 + 270百万円 + 200百万円 = 20,470百万円、分母は 支払利息170百万円 となります。20,470百万円 ÷ 170百万円 = 120.4117...倍 となり、小数点以下第3位を四捨五入して 120.41倍 です。
- ④:93.23(%)
- 負債比率 = 負債合計 ÷ 自己資本 × 100 です。負債の部合計は 113,000百万円、自己資本は 121,200百万円(株主資本120,000+その他の包括利益累計額1,200)です。113,000百万円 ÷ 121,200百万円 × 100 = 93.2343...% となり、小数点以下第3位を四捨五入して 93.23% です。
覚えるポイント
- 自己資本=純資産の部合計-新株予約権(-非支配株主持分)。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子は営業利益だけでなく受取利息・配当金を含める。
間違えやすいところ
- 自己資本を出すとき、新株予約権を入れてしまったり、その他の包括利益累計額を外してしまう間違いに注意します。
- インタレスト・カバレッジ・レシオの分子を営業利益だけにし、受取利息や配当金を足し忘れないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令・出題基準
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.7(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
投資信託のシャープ・レシオとポートフォリオの標準偏差の計算
資産運用設計 · シャープ・レシオ / ポートフォリオ理論 / 標準偏差
設例の〈投資信託Yおよび投資信託Zの実績収益率・標準偏差・相関係数〉に基づいて、次の①および②に答えなさい。計算過程を示し、答は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入して小数点以下第2位まで求めること。なお、シャープ・レシオについては、安全資産利子率を0.10%として計算すること。 ① 投資信託Yのシャープ・レシオはいくらか。 ② 投資信託Yと投資信託Zを7:3の割合で組み入れたポートフォリオの標準偏差はいくらか。
解答・解説を表示
解答
① 1.16、② 12.17(%)
解説
シャープ・レシオは、リスク(標準偏差)1単位あたりでどれだけ余分に利益が得られたかを示す指標です。数値が大きいほど運用の効率がよいことを表します。また、複数の資産を組み合わせたポートフォリオの標準偏差は、各資産の割合・標準偏差・資産どうしの相関係数から計算した分散の平方根で求めます。
解き方
- 投資信託Yの収益率から安全資産利子率を引き、Yの標準偏差で割ってシャープ・レシオを出し、小数点以下第3位を四捨五入します。
- ポートフォリオの分散の式に、構成比(0.7と0.3)・標準偏差(13.00と12.00)・相関係数(0.80)を入れて、分散148.186を計算します。
- 分散の平方根を出して標準偏差を求め、決められた端数の処理(小数点以下第3位を四捨五入)をします。
答えの内訳
- ①:1.16
- シャープ・レシオは「(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差」で求められます。(15.20%-0.10%)÷13.00%=1.1615…となり、小数点以下第3位を四捨五入して1.16となります。
- ②:12.17(%)
- 2資産のポートフォリオの分散は「w1^2×σ1^2+w2^2×σ2^2+2×w1×w2×ρ×σ1×σ2」です。0.7^2×13.00^2+0.3^2×12.00^2+2×0.7×0.3×0.80×13.00×12.00=82.81+12.96+52.416=148.186。標準偏差はその平方根(√148.186)=12.1731…%となり、小数点以下第3位を四捨五入して12.17%となります。
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覚えるポイント
- シャープ・レシオの分子は(収益率-無リスク資産利子率)であり、超過リターンを用いること。
- ポートフォリオの分散計算における共分散部分「2×w1×w2×相関係数×σ1×σ2」の「2」の掛け忘れに注意すること。
間違えやすいところ
- シャープ・レシオを計算するとき、安全資産利子率を引くのを忘れないようにします。
- 分散を出した後に平方根を取るのを忘れ、分散の値をそのまま標準偏差の答えにしないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令・基準
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.8(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.2(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
株式信用取引の仕組みと規制
資産運用設計 · 信用取引 / 委託保証金 / 制度信用取引 / 品貸料 / 増担保規制
信用取引に関する以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を記入しなさい。なお、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。 「新たに信用取引を行う場合の委託保証金の額は、法令により、信用取引に係る有価証券の約定価額の30%相当額以上とされており、約定価額の30%相当額が( ① )万円に満たない場合は( ① )万円とされます。信用取引の委託保証金について、金銭ではなく、その代用として有価証券を差し入れる場合、当該有価証券は、その時価に代用掛目を乗じた金額で評価されます。 仮に、信用取引において、保有するS社株式4,000株(1株当たり時価1,250円)と金銭200万円を担保として差し入れ、T社株式(1株当たり時価4,000円)を新規に売建てする場合、株式担保の代用掛目が80%、委託保証金率が30%とすると、手数料等を考慮しなければ、売建て可能なT社株式の最大株数は( ② )株となります。 信用取引では、反対売買による決済だけでなく、( ③ )や現渡しによる決済を行うことも可能です。なお、信用取引で買い建てた銘柄の配当や株主優待は、権利付最終日までに( ③ )を行い、現物株式として保有することで受け取ることができます。 制度信用取引における弁済の繰延期限は、証券取引所の規則により、原則として最長で( ④ )カ月とされています。一方、一般信用取引では、投資家と証券会社との間で自由に期限を設定することができます。 なお、制度信用取引において、貸株残高が融資残高を超過して株不足が発生した場合、証券金融会社は、その不足株数を機関投資家等から調達しますが、その調達に要した費用は( ⑤ )と呼ばれます。( ⑤ )は、発生した銘柄に係る信用取引の売り方が負担することになります。 信用取引による売買が成立した後に相場の変動による評価損が発生し、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金(追証)を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなければなりません。また、特定の銘柄に係る信用取引の利用が過度であると認められる場合、証券取引所が新規の信用取引の利用を抑制するため、一般に( ⑥ )規制と呼ばれる信用取引に関する規制を実施することがあります。( ⑥ )規制では、対象となる銘柄の委託保証金率の引上げや委託保証金のうちの現金の割合の指定などの措置がとられます」
解答・解説を表示
解答
① 30(万円)、② 5,000(株)、③ 現引き、④ 6(カ月)、⑤ 品貸料、⑥ 増担保(規制)
解説
信用取引は、お客さんが委託保証金を担保として証券会社に預け、お金や有価証券を借りて売買する取引です。制度信用取引では、取引所が決めた返済期限(最長6カ月)や品貸料(逆日歩)のルールが使われます。市場が過熱すると、取引所による増担保規制などの規制が行われます。
解き方
- 信用取引の法定の最低保証金額(30万円)と、制度信用取引の基本ルール(期限6カ月、品貸料、増担保規制)を確認します。
- 株式担保は時価に代用掛目をかけた額を出し、現金と足して担保の総評価額を求めます。それを委託保証金率で割って建てられる額を出し、最大の売建株数を計算します。
- 買建玉を現物で受け取る決済を表す専門用語(現引き)を当てはめます。
答えの内訳
- ①:30(万円)
- 法令上の最低委託保証金額は30万円です。約定価額の30%相当額が30万円未満の場合は30万円を差し入れる必要があります。
- ②:5,000(株)
- 担保評価額は、S社株式4,000株×時価1,250円×掛目80%+金銭200万円=400万円+200万円=600万円です。委託保証金率が30%であるため、売建可能な約定上限額は600万円÷30%=2,000万円となります。T社株式の時価は1株4,000円なので、2,000万円÷4,000円=5,000株となります。
- ③:現引き
- 信用買いを行っている建玉に対して、買付代金を証券会社に支払い、現物株式を引き取る決済方法を「現引き(品受)」と呼びます。
- ④:6(カ月)
- 金融商品取引所のルールに基づく制度信用取引における弁済期限(返済期日)は、最長で6カ月と定められています。
- ⑤:品貸料
- 制度信用取引において貸株が融資を超過して株不足が発生した際に入札によって決定される調達費用は「品貸料(逆日歩)」と呼ばれ、売り方が負担します。
- ⑥:増担保(規制)
- 過度な信用取引の過熱を抑えるため、取引所が委託保証金率の引き上げや現金比率の指定を行う規制を「増担保規制(増担保金徴収措置)」といいます。
覚えるポイント
- 信用取引の最低委託保証金は30万円、保証金率は30%以上。
- 制度信用取引の返済期日は最長6カ月、一般信用取引の返済期日は証券会社と投資家間の契約で自由に決定。
- 逆日歩(品貸料)は売り方が支払い、買い方が受け取る。
間違えやすいところ
- 株式担保に代用掛目をかけず、時価の全額をそのまま保証金として計算しないようにします。
- 買建玉を代金を払って受け取る決済を、「現渡し」(売建玉に現物株を渡すこと)と混同しないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令・規則
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.9(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.3(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
雑損控除および青色事業専従者給与の要件
タックスプランニング · 雑損控除 / 青色事業専従者控除
所得税に関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 〈雑損控除〉 雑損控除は、納税者が有する一定の資産または納税者と生計を一にする配偶者その他の親族で総所得金額等が48万円以下である者が有する一定の資産について、災害または( ① )もしくは横領による損失が生じた場合に、納税者のその年分の総所得金額等から控除することができる。控除しきれない金額は、翌年以後、最長で( ② )年間にわたり繰越控除することができる。 〈青色事業専従者控除〉 青色事業専従者とは、青色申告者と生計を一にする親族等のうち、その年の12月31日現在の年齢が( ③ )歳以上であり、その年を通じて( ④ )カ月を超える期間、専らその青色申告者の事業に従事する者をいう。
解答・解説を表示
解答
① 盗難 ② 3(年間) ③ 15(歳) ④ 6(カ月)
解説
雑損控除は、災害・盗難・横領のような不測の損害を税で救う仕組みです。引ききれなかった損失は、最長3年間くりこして控除できます。また、家族への給料を経費にできる青色事業専従者給与は、働ける15歳以上の生計を一にする親族で、年間6カ月を超えてその事業に専ら従事していることなどが必要です。
解き方
- 雑損控除の対象になる理由(災害・盗難・横領)と、通常の雑損失の繰越控除の期間(最長3年)を確認します。
- 青色申告者の生計を一にする親族が専従者と認められる年齢(15歳以上)と従事期間(6カ月超)を当てはめます。
答えの内訳
- ①:盗難
- 雑損控除の対象となる原因は、震災・風水害などの「災害」、ならびに「盗難」または「横領」に限られ、詐欺や恐喝による損失は対象外となります。
- ②:3(年間)
- 雑損控除において、その年分の総所得金額等から控除しきれない雑損失の金額がある場合、翌年以後最長3年間にわたり繰越控除が可能です。
- ③:15(歳)
- 青色事業専従者の要件として、その年の12月31日現在において年齢が15歳以上(原則として高校生等を除く)であることが定められています。
- ④:6(カ月)
- 青色事業専従者と認められるには、その年を通じて6カ月を超える期間(年の中途開業等の場合は従事可能期間の2分の1超)、専ら事業に従事する必要があります。
覚えるポイント
- 雑損控除の対象は災害・盗難・横領(詐欺・恐喝は不可)。
- 青色事業専従者の要件は15歳以上かつ原則6カ月を超える専従。
間違えやすいところ
- 雑損控除の対象になる原因に、詐欺や恐喝を入れてしまわないようにします。
- 特定非常災害の繰越年数(5年)と、通常の雑損失の繰越年数(3年)を混同しないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
退職所得および事業所得の金額の計算
タックスプランニング · 退職所得控除 / 売上原価の計算 / 減価償却費 / 青色申告特別控除
《設例》の資料に基づき、Aさんの2024年分の①退職所得の金額、②事業所得の金額をそれぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、結果は円単位で解答すること。なお、複式簿記・e-Taxによる申告を行い、所得税が最も少なくなる課税方法を選択すること。
解答・解説を表示
解答
① 6,800,000(円) ② 13,030,000(円)
解説
退職所得は、勤続年数の1年未満の端数を切り上げて控除額を出し、残った額に2分の1をかけます。個人事業の所得計算では、評価方法や償却方法を届け出ていないときは法律で決まった方法(棚卸資産は最終仕入原価法、減価償却は定額法)を使います。10万円未満の減価償却資産は、取得した年に全額を必要経費に入れられます。さらに要件を満たす青色申告者は、最高65万円の青色申告特別控除を引けます。
解き方
- 退職所得控除額を計算し(勤続32年:800万円+70万円×12年=1,640万円)、収入金額から引いて2分の1をかけます。
- 棚卸資産は法律で決まった評価方法(最終仕入原価法)で年末棚卸高を求め、当期仕入高から引いて売上原価を出します。
- パソコン(少額資産なので全額経費)と機械設備(定額法で月割りの償却費を計算)の減価償却費や経費を決めます。
- 売上高から売上原価・各種の必要経費・電子申告による青色申告特別控除(65万円)を引き、事業所得を求めます。
答えの内訳
- ①:6,800,000(円)
- 勤続年数は31年11カ月であるため端数を切り上げて32年となります。退職所得控除額は800万円+70万円×(32年-20年)=1,640万円です。退職所得の金額=(3,000万円-1,640万円)×1/2=6,800,000円となります。
- ②:13,030,000(円)
- 棚卸資産の評価方法は法定の「最終仕入原価法」となるため年末棚卸高は670万円、売上原価は7,275万円-670万円=6,605万円です。取得価額8万円のパソコンは少額減価償却資産として全額(8万円)経費算入します。機械設備(240万円)の償却方法は法定の「定額法」(償却率0.125)となり、3月〜12月の10カ月分の減価償却費は240万円×0.125×(10/12)=25万円です。事業所得=9,200万円-(6,605万円+1,194万円+25万円+8万円)-青色申告特別控除65万円=13,030,000円となります。
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覚えるポイント
- 勤続年数の端数月は1年に切り上げる。
- 個人の法定減価償却方法は定額法、法定棚卸評価方法は最終仕入原価法。
- 電子申告(e-Tax)等を行う複式簿記の青色申告特別控除は65万円。
間違えやすいところ
- 個人の法定の減価償却方法を、法人と同じ定率法だと間違えないようにします。
- 減価償却の月割り計算で、3月に取得したときの月数を12カ月や9カ月と数え間違えないようにします(3月は算入して10カ月です)。
- 電子申告による青色申告特別控除65万円を引き忘れないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の所得税法に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.11(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.12(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
総所得金額、雑損控除および所得税・復興特別所得税の申告納税額の計算
タックスプランニング · 総所得金額 / 雑損控除 / 基礎控除 / 所得税額の計算 / 復興特別所得税
前問《問58》の計算結果(退職所得の金額6,800,000円、事業所得の金額13,030,000円)を踏まえ、Aさんの2024年分の所得税および復興特別所得税の申告納税額の計算に関する表の空欄①~⑥に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、空欄⑥については100円未満を切り捨てること。
解答・解説を表示
解答
① 14,080,000(円) ② 1,812,000(円) ③ 480,000(円) ④ 1,922,400(円) ⑤ 38,220(円) ⑥ 1,743,800(円)
解説
所得税額は、まず総合課税の所得を合計して総所得金額を出し、そこから所得控除を引いて課税総所得金額を求めます。注意したいのは、雑損控除の足切りに使う「総所得金額等」には、総合課税の所得だけでなく、申告分離課税の退職所得なども足すという点です。
解き方
- 給与所得(160万円-55万円=105万円)と事業所得(1,303万円)を足して、総所得金額①を求めます。
- 差引損失額(390万円)から、総所得金額等(総所得金額+退職所得=2,088万円)の10%を引いて、雑損控除額②を出します。
- 合計所得金額から基礎控除額③を決め、課税総所得金額に速算表を使って所得税額④を計算します。
- 基準所得税額に2.1%をかけて復興特別所得税額⑤を出し、源泉徴収税額を引いたあと100円未満を切り捨てて、申告納税額⑥を出します。
小問ごとの答え
- 小問 ①:14,080,000
- 給与収入160万円に対する給与所得控除額は最低保障額の55万円となるため、給与所得は160万円-55万円=105万円です。総所得金額は事業所得1,303万円と給与所得105万円を合計して14,080,000円となります。
- 小問 ②:1,812,000
- 差引損失額は450万円+140万円-200万円=390万円です。総所得金額等には退職所得(分離課税)も含まれ、14,080,000円+6,800,000円=20,880,000円となります。雑損控除額は「390万円-20,880,000円×10%=1,812,000円」と「災害関連支出140万円-5万円=135万円」のいずれか多い方の金額である1,812,000円となります。
- 小問 ③:480,000
- 合計所得金額は20,880,000円であり、2,400万円以下であるため、基礎控除の額は480,000円となります。
- 小問 ④:1,922,400
- 課税総所得金額は総所得金額14,080,000円-所得控除合計3,600,000円=10,480,000円です。速算表より「10,480,000円×33%-1,536,000円=1,922,400円」となります。
- 小問 ⑤:38,220
- 基準所得税額は1,922,400円-税額控除102,400円=1,820,000円です。復興特別所得税額は1,820,000円×2.1%=38,220円となります。
- 小問 ⑥:1,743,800
- 所得税及び復興特別所得税の額は1,820,000円+38,220円=1,858,220円です。源泉徴収税額114,360円を差し引くと1,743,860円となり、100円未満を切り捨てて1,743,800円となります。
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覚えるポイント
- 雑損控除の基準となる「総所得金額等」には分離課税の退職所得や譲渡所得等も含まれる点
- 復興特別所得税は基準所得税額(税額控除後の所得税額)の2.1%で計算する点
間違えやすいところ
- 雑損控除を計算するとき、総所得金額等の10%として退職所得を除いた分だけをかけてしまう間違いに注意します。
- 申告納税額で100円未満を切り捨てる処理を忘れ、端数を残したままにしないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.13(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.14(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
建築基準法上の道路規定および固定資産税の課税標準特例
不動産 · 建築基準法の道路 / 接道義務 / 2項道路 / 位置指定道路 / 固定資産税の標準税率 / 小規模住宅用地の特例
建築基準法の道路および固定資産税に関する文章中の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。
解答・解説を表示
解答
① 2(m) ② 4(m) ③ 2(年) ④ 位置指定(道路) ⑤ 1.4(%) ⑥ 6(分の1)
解説
建築基準法では、よい市街地の環境と消防・避難の道を守るため、敷地は幅4m以上の道路に2m以上接することが原則として義務です。また、住宅を大切にする政策の一環として、固定資産税では住宅用地の課税標準を大きく軽くする特例があります。
解き方
- 接道義務の条件(幅4m以上の道路に2m以上接する)を確認し、①と②を決めます。
- 建築基準法第42条の道路の定義(4号道路は2年以内、5号道路は位置指定道路)から、③と④を導きます。
- 地方税法の固定資産税の標準税率1.4%と、小規模住宅用地の軽減の割合(6分の1)から、⑤と⑥を導きます。
小問ごとの答え
- 小問 ①:2(m)
- 都市計画区域および準都市計画区域内において、建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければなりません(接道義務)。
- 小問 ②:4(m)
- 建築基準法第42条第1項における原則的な道路の幅員は4m以上です。また、同条第2項のいわゆる2項道路は幅員4m未満の道が対象となります。
- 小問 ③:2(年)
- 建築基準法第42条第1項第4号道路は、新設・変更等の事業計画のある道路で、2年以内に事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものを指します。
- 小問 ④:位置指定(道路)
- 私道等を築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたものは、建築基準法第42条第1項第5号に規定され、一般に「位置指定道路」と呼ばれます。
- 小問 ⑤:1.4(%)
- 地方税法に規定される固定資産税の標準税率は1.4%です(市町村は条例によって異なる税率を定めることも可能です)。
- 小問 ⑥:6(分の1)
- 住宅用地に係る固定資産税の課税標準の特例において、住宅1戸につき200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準となるべき価格の6分の1となります。
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覚えるポイント
- 建築基準法の接道義務は「幅員4m以上の道路に2m以上接道」
- 住宅用地の固定資産税課税標準の特例:200㎡以下の小規模住宅用地は6分の1、200㎡超の一般住宅用地は3分の1
間違えやすいところ
- 小規模住宅用地の固定資産税の軽減割合(6分の1)と、都市計画税の軽減割合(3分の1)を混同しないようにします。
- 42条1項4号道路の工事予定の期間(2年以内)の数値を書き間違えないようにします。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.16(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
居住用財産の譲渡所得の特例(買換え特例と3,000万円特別控除・軽減税率)の税額計算
不動産 · 特定の居住用財産の買換え特例 / 3,000万円特別控除 / 居住用財産の軽減税率の特例 / 譲渡所得税の計算
Aさんが、所有期間10年超の自宅(取得費不明、譲渡費用480万円)を8,000万円で譲渡して7,600万円の買換資産を取得した場合の税額を計算しなさい。〔計算過程〕を示し、100円未満を切り捨てて円単位で答えなさい(本問の譲渡所得以外の所得や所得控除等は考慮しない)。 ①「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた場合の譲渡所得の金額に係る所得税および復興特別所得税、住民税の合計額 ②「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」および「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた場合の譲渡所得の金額に係る所得税および復興特別所得税、住民税の合計額
解答・解説を表示
解答
① 723,200(円) ② 5,854,500(円)
解説
居住用財産の買換え特例では、課税されるのは譲渡価額のうち買換資産の取得価額を超える差額だけです。差額分に見合う必要経費だけを按分して差し引き、長期譲渡所得を計算します。このときの税率は軽減税率ではなく、一般の長期譲渡所得の税率になります。一方、3,000万円特別控除と軽減税率の特例を併用するときは、譲渡益から3,000万円を引いた後の金額に、6,000万円以下の部分について軽減税率(所得税10%・住民税4%)を適用します。
解き方
- 買換え特例では、まず譲渡価額と買換資産の取得価額の差額を出します。次に取得費と譲渡費用をその差額の割合で按分し、課税長期譲渡所得を求めます。それに一般の長期譲渡所得の税率(所得税15%+復興特別所得税2.1%、住民税5%)を掛けて合計します。
- 3,000万円特別控除と軽減税率を併用するときは、譲渡価額から取得費・譲渡費用と特別控除3,000万円を引いて課税長期譲渡所得を出します。その金額は6,000万円以下なので、軽減税率(所得税10%+復興特別所得税2.1%、住民税4%)を掛けて合計します。
答えの内訳
- ①:723,200(円)
- 譲渡価額8,000万円が買換資産の取得価額7,600万円を超えるため、収入金額とみなされる額は 8,000万円-7,600万円=400万円です。取得費は不明のため概算取得費(譲渡価額の5%=400万円)を用い、譲渡費用480万円と合わせた合計880万円を買換割合(400万円/8,000万円)で按分すると、必要経費は (8,000万円×5%+480万円)×(400万円/8,000万円)=44万円となります。課税長期譲渡所得金額は 400万円-44万円=3,560,000円です。買換え特例適用時の税率は一般の長期譲渡所得(所得税15%・住民税5%)となるため、所得税額=3,560,000円×15%=534,000円、復興特別所得税額=534,000円×2.1%=11,214円、所得税および復興特別所得税の合計(100円未満切捨て後)=545,200円。住民税額=3,560,000円×5%=178,000円。税額の合計は 545,200円+178,000円=723,200円となります。
- ②:5,854,500(円)
- 譲渡益から3,000万円の特別控除を差し引くため、課税長期譲渡所得金額は 8,000万円-(8,000万円×5%+480万円)-3,000万円=41,200,000円となります。課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下であるため、軽減税率(所得税10%・住民税4%)が適用されます。所得税額=41,200,000円×10%=4,120,000円、復興特別所得税額=4,120,000円×2.1%=86,520円、所得税および復興特別所得税の合計(100円未満切捨て後)=4,206,500円。住民税額=41,200,000円×4%=1,648,000円。税額の合計は 4,206,500円+1,648,000円=5,854,500円となります。
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覚えるポイント
- 買換え特例では課税の繰延べが行われるが、譲渡差額に対する税率は軽減税率ではなく一般の長期譲渡所得税率(所得税15%・住民税5%)が適用される点。
- 所得税と復興特別所得税の合計額を計算する際、100円未満切り捨ての端数処理を行うタイミングに注意すること。
間違えやすいところ
- 買換え特例で必要経費を全額引いてしまい、買換差額の割合(差額収入÷譲渡価額)で按分するのを忘れるミスです。
- 買換え特例を使った譲渡所得に、誤って10%の軽減税率を当てはめてしまうミスです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
複数地域にわたる土地の建蔽率および容積率の上限面積の計算
不動産 · 2項道路とセットバック / 建蔽率の緩和(耐火建築物・防火地域内外) / 容積率制限(複数道路の最大幅員) / 按分計算
近隣商業地域(防火地域・指定建蔽率80%・指定容積率400%・幅員制限6/10・160㎡)と第一種低層住居専用地域(防火規制なし・指定建蔽率50%・指定容積率100%・幅員制限4/10・160㎡)にまたがる長方形の甲土地(合計320㎡)に耐火建築物を建築する場合、次の①および②に答えなさい(計算過程の記載は不要、㎡表示)。 なお、甲土地は北側が幅員5m公道、東側が幅員3m公道(建築基準法第42条第2項道路、反対側は宅地)に接しており、特定行政庁が指定する角地ではない。 ① 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。 ② 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
解答・解説を表示
解答
① 248(㎡) ② 620(㎡)
解説
建築基準法第42条第2項道路に接する土地は、セットバックした部分を除いた面積で計算します。建蔽率は地域ごとに適用し、指定建蔽率80%の地域で防火地域かつ耐火建築物なら制限がなくなり(100%)、その他の地域でも耐火建築物なら10%緩和されます。前面道路が2つ以上あるときは、いちばん広い道路の幅員をすべての地域の前面道路として容積率を判定し、地域ごとの有効敷地面積に掛けた合計が延べ面積の上限です。
解き方
- 東側の2項道路のセットバック幅0.5mを求め、近隣商業地域と第一種低層住居専用地域の有効敷地面積をそれぞれ155㎡と計算します。
- 近隣商業地域は100%、第一種低層住居専用地域は耐火建築物の緩和で60%の建蔽率を使い、建築面積の上限を155㎡+93㎡=248㎡と求めます。
- いちばん広い北側5mの公道を前面道路として、地域ごとの容積率の限度(近商300%、一低専100%)を判定し、延べ面積の上限を465㎡+155㎡=620㎡と求めます。
答えの内訳
- ①:248(㎡)
- 東側3m公道は2項道路であり、中心線から2m後退(セットバック)が必要です。後退幅は (4m-3m)/2=0.5mとなり、奥行き20m(各地域10m)にわたって後退するため、セットバック面積は各地域 10m×0.5m=5㎡、敷地面積は各地域 160㎡-5㎡=155㎡(合計310㎡)となります。建蔽率は、近隣商業地域部分が「指定建蔽率80%+防火地域+耐火建築物」により建蔽率制限なし(100%)となり 155㎡×100%=155㎡ です。第一種低層住居専用地域部分は、建築物が防火地域と無指定にわたって耐火建築物として建築されるため、耐火建築物による10%緩和が適用されて 50%+10%=60% となり 155㎡×60%=93㎡ です。よって建築面積の上限は 155㎡+93㎡=248㎡ となります。
- ②:620(㎡)
- 前面道路が2つ以上ある場合、最も広い道路の幅員(北側5m)を前面道路幅員として容積率制限を判定します。近隣商業地域部分の道路幅員による容積率制限は 5m×6/10=300% であり、指定容積率400%より小さいため300%が適用され、155㎡×300%=465㎡ となります。第一種低層住居専用地域部分の道路幅員による容積率制限は 5m×4/10=200% ですが、指定容積率100%のほうが小さいため100%が適用され、155㎡×100%=155㎡ となります。よって延べ面積の上限は 465㎡+155㎡=620㎡ となります。
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覚えるポイント
- 建築基準法第42条第2項道路のセットバック部分は敷地面積から除外して計算する。
- 2以上の前面道路がある場合、容積率計算では常に最大幅員がすべての地域の前面道路幅員となる。
間違えやすいところ
- セットバック前の敷地面積320㎡のまま建蔽率や容積率を計算してしまうミスです。
- 東側の道路幅員4mを東側の部分だけに使ってしまうミスです(いちばん広い5mを土地全体に使います)。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.15(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.17(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.4(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
類似業種比準方式による取引相場のない株式の評価
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 類似業種比準方式 / 業種目の選定
《設例》の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、端数処理については、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。なお、X社株式の類似業種比準価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、最も低い価額となる方法を選択するものとする。
解答・解説を表示
解答
4,369(円)
解説
類似業種比準方式は、事業内容が似ている上場会社の株価をもとに、配当・利益・純資産の3つを比べて評価する方法です。小分類が定められている業種では、原則の小分類のほか、その小分類が属する中分類も選べます(大分類は選べません)。選べる業種目が複数あるときは、いちばん低くなる業種目を選びます。
解き方
- 1株当たりの資本金等の額を求めます(1,000万円÷20,000株=500円、50円換算で10株分です)。
- 小分類(パン・菓子製造業)と中分類(食料品製造業)のそれぞれで3要素の比準割合を計算し、端数処理のルールに従って比べます。
- 有利な中分類の数値を使い、株価×比準割合×乗数(中会社・大会社等の斟酌割合0.60)を計算し、10銭未満を切り捨ててから500円(10倍)に換算します。
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覚えるポイント
- 類似業種比準価額の業種目は、小分類に該当する場合、小分類とその属する中分類のいずれか有利な方を選択可能である(大分類は選択不可)。
- 端数処理は各比準要素・比準割合が小数点第2位未満切捨て、50円当たり株価が10銭未満切捨て、最終株価が円未満切捨てとなる。
間違えやすいところ
- 小分類と中分類だけでなく、表にある大分類(製造業)も選べると間違えて、大分類で計算してしまうミスです。
- 1株当たりの資本金等の額が50円ではなく500円なので、最後に10倍(500円÷50円)するのを忘れてしまう計算ミスです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の財産評価基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
純資産価額方式および併用方式による中会社株式の評価
相続・事業承継 · 取引相場のない株式の評価 / 純資産価額方式 / 中会社の評価区分(L値)
《設例》の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの①純資産価額および②類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額を、それぞれ求めなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は円未満を切り捨てて円単位とすること。なお、X社株式の相続税評価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、最も低い価額となる方法を選択するものとする。
解答・解説を表示
解答
① 7,260(円) ② 5,091(円)
解説
中会社の株式は、類似業種比準価額と純資産価額を、会社の規模に応じた比率(L値:大0.90、中0.75、小0.60)で加重平均する併用方式で原則評価します。純資産価額は、資産の相続税評価額から負債と含み益に対する法人税等相当額(37%)を引き、発行済株式数で割って求めます。併用方式と純資産価額方式を選べるときは、納税者に有利な低いほうを使います。
解き方
- 相続税評価額による純資産と帳簿価額による純資産の差額(含み益4,000万円)を出し、37%の法人税等相当額1,480万円を引いて1株当たり純資産価額7,260円を求めます。
- 規模区分「中会社の中」のL値0.75を使い、問63で求めた類似業種比準価額4,369円と純資産価額7,260円を加重平均して、併用方式の価額5,091円を求めます。
答えの内訳
- ①:7,260(円)
- 相続税評価額による総資産27,000万円-負債合計11,000万円=純資産額16,000万円。 帳簿価額による総資産23,000万円-負債合計11,000万円=純資産額12,000万円。 評価差額:16,000万円-12,000万円=4,000万円。 評価差額に対する法人税等相当額(37%):4,000万円×37%=1,480万円。 差引純資産価額:16,000万円-1,480万円=14,520万円。 1株当たりの純資産価額:145,200,000円÷20,000株=7,260円。
- ②:5,091(円)
- X社は「中会社の中」に該当するため、類似業種比準価額の割合(L値)は0.75となる。 併用方式による評価額:類似業種比準価額×0.75+1株当たり純資産価額×(1-0.75) 4,369円×0.75+7,260円×0.25=3,276.75円+1,815円=5,091.75円。 円未満を切り捨てて5,091円(純資産価額7,260円より低いため本価額を採用)。
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覚えるポイント
- 純資産価額方式における法人税等相当額の控除率は37%である。
- 中会社のL値は、中会社の大=0.90、中会社の中=0.75、中会社の小=0.60である。
間違えやすいところ
- 法人税等相当額の控除を忘れ、相続税評価額の純資産1億6,000万円をそのまま株式数で割ってしまうミスです。
- 中会社の規模区分「中」のL値を0.60や0.90と取り違えて、併用計算をしてしまうミスです。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の財産評価基本通達に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.19(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式問題 p.20(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
贈与税の配偶者控除および生前贈与加算
相続・事業承継 · 贈与税の配偶者控除 / 店舗併用住宅の持分贈与 / 生前贈与加算期間の延長
贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)および暦年課税における生前贈与加算について、以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を答えなさい。 「本控除の適用を受けるためには、贈与を受けた時において贈与者との婚姻期間が20年以上であることが必要です。また、配偶者から贈与された財産が居住用不動産である場合は、贈与を受けた年の翌年の( ① )までに当該居住用不動産をその者の居住の用に供し、かつ、その後も引き続き居住の用に供する見込みであることが要件とされており、贈与税の申告書を、財産の贈与を受けた日から( ② )日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本または抄本、戸籍の附票の写し等を添付して提出する必要があります。 仮に、配偶者から店舗併用住宅(相続税評価額5,500万円、店舗部分60%、居住用部分40%)の2分の1の持分の贈与を受けて本控除の適用を受ける場合、同年中に他の贈与を受けていないときは、贈与税額は( ③ )万円となります。なお、店舗併用住宅の居住の用に供している部分の面積が、その土地等または家屋の面積のそれぞれのおおむね10分の( ④ )以上である場合、その土地等または家屋の全部を居住用不動産に該当するものとしてさしつかえないとされています。 なお、2024年1月1日以降に暦年課税による贈与を受けた者が、当該贈与に係る贈与者の相続において相続人となる場合に、その相続が当該贈与を受けた日の翌日から( ⑤ )年以内に開始したものであるときは、原則として、当該贈与により取得した財産の贈与時の価額を、相続税の課税価格に加算する必要があります。ただし、本控除の適用を受けた財産に係るその控除額に相当する部分の価額は加算対象となりません。また、加算対象贈与財産のうち、相続の開始前3年以内に取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から最高で( ⑥ )万円を控除することができます」
解答・解説を表示
解答
① 3月15日 ② 10(日) ③ 131(万円) ④ 9 ⑤ 7(年) ⑥ 100(万円)
解説
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産などをもらったときに、最高2,000万円まで控除できる特例です。税制改正で、暦年課税の生前贈与を相続税に加算する期間が3年から7年に延びました。延びた部分には、総額100万円の控除枠があります。
解き方
- 贈与税の配偶者控除の居住開始の期限(翌年3月15日)と、添付書類の作成要件(贈与の日から10日を過ぎた後に作成)を確かめます。
- 店舗併用住宅の持分を贈与したときの配偶者控除額を計算し、基礎控除後の課税価格に一般の税率を使って贈与税額を求めます。
- 令和5年度税制改正による暦年課税の生前贈与の加算期間(7年)と、延長部分の控除額(100万円)を当てはめます。
答えの内訳
- ①:3月15日
- 贈与税の配偶者控除の適用要件として、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその居住用不動産を居住の用に供し、かつ、その後も引き続き居住の用に供する見込みであることが求められます。
- ②:10(日)
- 申告書に添付する戸籍謄本または抄本等の書類は、財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたものである必要があります。
- ③:131(万円)
- 店舗併用住宅全体の居住用部分の価額は5,500万円×40%=2,200万円であり、配偶者控除限度額(2,000万円)以上あります。取得した持分全体の価額は5,500万円×1/2=2,750万円であるため、限度額2,000万円の配偶者控除が全額適用できます。課税価格は2,750万円-2,000万円=750万円となり、基礎控除110万円を差し引いた課税価格は640万円となります。一般贈与財産の税率(40%、控除額125万円)を適用して、640万円×40%-125万円=131万円となります。
- ④:9
- 店舗併用住宅等において、居住用部分の面積がおおむね10分の9以上である場合は、その全部を居住用不動産として取り扱うことができます。
- ⑤:7(年)
- 2024年1月1日以降の暦年課税による生前贈与について、相続税の課税価格への加算対象期間が従来の3年から「7年」へと段階的に延長されました。
- ⑥:100(万円)
- 延長された4年間(相続開始前3年超7年以内)に取得した生前贈与財産については、その総額から100万円を控除した残額が加算対象となります。
覚えるポイント
- 贈与税の配偶者控除:婚姻期間20年以上、控除限度額2,000万円、翌年3月15日までに居住、添付書類は贈与後10日経過以降に作成されたもの
- 暦年課税の加算期間延長:2024年1月1日以後贈与分から3年から7年へ順次延長、延長期間分は合計100万円控除
間違えやすいところ
- 持分を贈与したときに、居住用部分だけに持分を掛けて配偶者控除を按分してしまう誤りです(家屋全体の居住用部分が2,000万円以上あれば満額を控除できます)。
- 生前贈与加算の延長部分の100万円控除を、毎年100万円控除できると勘違いすることです(4年分の合計から100万円を引きます)。
出題の前提:2024年4月1日現在施行の法令等(相続税法第21条の6、第19条、相続税法基本通達21の6-4、21の6-5等)に基づく。
出典:金融財政事情研究会『2024年9月 1級 学科(応用編)』
公式問題 p.21(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp) / 公式模範解答 p.5(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)
2024年9月 1級 学科(応用編)
参照した公式資料
金融財政事情研究会が公開した2024年9月 1級 学科(応用編)の問題・解答資料です。
- 公式問題(公式掲載ページ) ↗ — www.kinzai.or.jp(資料の掲載案内)
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