本文へ移動

FP技能検定 · 学習ガイド

不動産取引の詳細

不動産取引とは

不動産取引とは、土地や建物の売買・交換・賃貸などの取引です。当事者の立場や契約の時点によって適用されるルールが変わります。

買いたい家や土地の希望と法令・権利・取引条件を照合して契約へ進む図
価格や広さだけでなく、権利や法令上の制限、取引条件を確認して契約します。解除や責任の問題は当事者の立場と時点も確かめます。

取引の問題では、当事者の立場と契約の時点で適用するルールが変わります。宅建業者が自ら売主なのか、仲介なのか、相手は消費者なのかを最初に確かめます。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に同じ土地を一つ描き、右側の2×2の枠に4種類の価格カードを並べ、土地から各カードへ矢印を引く。各カードには金額を書かず、目的と評価時点が異なることを小さな記号で示す。
覚えること:目的・評価時点が違えば価格差もあり得る

例えば同じ土地売買でも、仲介業者の報酬と売主の売買代金は別の支払です。報酬の上限を計算するなら、取引価格、消費税の扱い、媒介か代理か、適用時点の特例を確認します。

契約不適合責任は、引き渡されたものが契約内容に適合しない場合の対応です。修補などの追完、代金減額、損害賠償、解除を、要件を無視して自由に同時選択できるものと考えないようにします。

不動産の価格には実際の取引価格のほか、公示価格、相続税路線価、固定資産税評価額等があります。目的と評価時点が異なるため、同じ土地でも金額が一致するとは限りません。登記面積、実測面積、接道、用途制限も確認して価格資料を読みます。

不動産の法改正は、契約日・取得日・登記日等のどの日を基準にするかで適用が変わる場合があります。区分所有や省エネ等の制度を読むときも、国土交通省等の施行日と経過措置を確認します。価格や金利の市場データは調査時点と地域をそろえて比較します。

宅建業法の書面・媒介と四つの公的価格

宅建業法の書面・媒介と四つの公的価格の図解。左から右へ「35条書面→契約成立→37条書面」の順に並べ、契約成立の位置に縦の仕切りを置く。左は宅地建物取引士による重要事項説明、右は成立後の契約内容確認として描く。
覚えること:宅建士が契約前に35条説明、成立後37条

宅建業者が関わる売買では、契約前に宅地建物取引士が重要事項を説明する35条書面、契約成立後に契約内容を確認する37条書面を区別します。業者自ら売主で買主が業者でない場合の規制(手付の上限など)は、媒介だけの業者には適用されません。

媒介契約は一般・専任・専属専任の三種類です。専任と専属専任は1社にしか依頼できず、有効期間は3か月以内で、業務報告と指定流通機構への登録の義務があります。専属専任では、依頼者が自分で見つけた相手と直接契約すること(自己発見取引)もできません。

売買の媒介報酬の上限は、取引額400万円超なら「取引額×3%+6万円」に消費税を加えた額で、代理ならその2倍です。手付は特に定めがなければ解約手付と推定され、相手方が履行に着手するまで、買主は手付の放棄、売主は倍額の現実の提供で解除できます。業者自ら売主なら手付は代金の2割までです。

民法の契約不適合責任では、種類・品質の不適合について、買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知します。業者自ら売主で買主が業者でない場合は、通知期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効です。

公的な土地価格は四つあります。公示価格と基準地標準価格は一般の土地取引の指標、相続税路線価は相続税・贈与税の土地評価、固定資産税評価額は固定資産税等の課税の基礎です。基準日・決定主体・評価水準・見直しの周期を表で区別します。

宅建業法の書面・媒介と四つの公的価格
媒介契約他業者への依頼自己発見取引有効期間業務報告指定流通機構への登録
一般媒介できるできる法令上の制限なし義務なし義務なし
専任媒介できないできる3か月以内2週間に1回以上7日以内
専属専任媒介できないできない3か月以内1週間に1回以上5日以内
宅建業法の書面・媒介と四つの公的価格
公的価格決定・公表基準日水準の目安
公示価格国土交通省(土地鑑定委員会)毎年1月1日100%
基準地標準価格都道府県毎年7月1日公示価格と同水準
相続税路線価国税庁(国税局長)毎年1月1日公示価格の約80%
固定資産税評価額市町村(東京23区は都)基準年度の前年1月1日(3年ごとに評価替え)公示価格の約70%

登記と鑑定評価

登記と鑑定評価の図解。中央に開いた登記記録を置き、上段を「表題部」、下段を「権利部」として太線で仕切る。権利部はさらに横線で甲区と乙区に分け、それぞれの記録内容を並べる。
覚えること:甲区は所有権、乙区は所有権以外

登記記録は、土地・建物の物理的な状況を示す表題部と権利部に分かれ、権利部の甲区は所有権、乙区は抵当権・賃借権など所有権以外の権利です。登記事項証明書は誰でも交付を請求できます。登記には第三者への対抗力がありますが公信力はなく、登記名義人を信じて買っても権利を取得できない場合があります。

仮登記は将来の本登記の順位を確保するもので、仮登記のままでは第三者に対抗できません。相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります(2024年4月1日施行)。登記記録の地積は実測面積と一致しないことがあります。

不動産鑑定評価の手法は、再調達原価から減価修正する原価法(積算価格)、取引事例に事情補正・時点修正をする取引事例比較法(比準価格)、純収益から求める収益還元法(収益価格)の三つです。収益還元法には、直接還元法とDCF法があります。

登記と鑑定評価
登記記録記録される内容
表題部所在・地番・地目・地積(土地)、家屋番号・構造・床面積(建物)
権利部(甲区)所有権の保存・移転、差押えなど
権利部(乙区)抵当権・賃借権など所有権以外の権利

試験に出る

  • 当事者の立場(自ら売主か仲介か)と契約時点で適用ルールが変わる。
  • 仲介報酬と売買代金は別の支払。報酬上限は取引価格や媒介・代理で変わる。
  • 契約不適合責任では、追完・代金減額・損害賠償・解除の要件を確認する。
  • 公示価格(1月1日・国土交通省)、基準地標準価格(7月1日・都道府県)、相続税路線価(公示価格の約80%)、固定資産税評価額(約70%・3年ごとに評価替え)の違い。
  • 法改正は基準日と経過措置を確認し、市場データは時点と地域をそろえる。
  • 専任媒介・専属専任媒介の有効期間(3か月以内)、業務報告の頻度、指定流通機構への登録期限。
  • 解約手付は相手方の履行着手まで。業者自ら売主なら手付は代金の2割まで。
  • 登記には対抗力があるが公信力はない。仮登記だけでは第三者に対抗できない。

重要な言葉

契約不適合責任
引き渡されたものが契約内容に適合しない場合の売主の責任。
公示価格
地価公示法に基づき毎年公表される土地の価格。
相続税路線価
相続税や贈与税の土地評価に用いられる、道路に面した価格。
基準地標準価格
都道府県が毎年7月1日時点で調査し公表する土地の価格。公示価格を補う。
解約手付
相手方が履行に着手するまで、買主は手付の放棄、売主は倍額の現実の提供で契約を解除できる手付。
公信力
登記を信じて取引した人を保護し、登記どおりの権利を取得させる効力。不動産登記にはない。

確認問題

確かめよう問題文を読んだら、まず何を四点書きますか。

「誰が」「誰に」「いつ」「何を請求するか」です。制度名より当事者関係を先に整理すると、似た選択肢の違いが見えます。

同じ土地でも、公示価格と固定資産税評価額は必ず一致する。

仲介業者の報酬と売主の売買代金は別の支払である。

固定資産税評価額は、原則として5年ごとに評価替えされる。

不動産登記には公信力があるため、登記名義人から買えば必ず所有権を取得できる。

不動産取引の問題で最初に確認すべきことは?

契約不適合責任に関する対応として適切なものは?

専属専任媒介契約に関する記述として適切なものは?

相続税路線価の水準の目安は?

取引の問題では、当事者の立場と契約の時点で適用するルールが変わります。が自ら売主なのか、仲介なのか、相手はなのかを最初に確かめます。

例えば同じ土地売買でも、仲介業者の報酬と売主の売買代金は別の支払です。報酬の上限を計算するなら、、消費税の扱い、か代理か、適用時点の特例を確認します。

は、引き渡されたものが契約内容に適合しない場合の対応です。修補などの追完、代金減額、、解除を、要件を無視して自由に同時選択できるものと考えないようにします。

不動産の価格には実際の取引価格のほか、、、固定資産税評価額等があります。目的と評価時点が異なるため、同じ土地でも金額が一致するとは限りません。登記面積、実測面積、接道、用途制限も確認して価格資料を読みます。

不動産の法改正は、契約日・取得日・登記日等のどの日を基準にするかで適用が変わる場合があります。区分所有や省エネ等の制度を読むときも、国土交通省等のと経過措置を確認します。価格や金利の市場データは調査時点と地域をそろえて比較します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について