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FP技能検定 · 学習ガイド

公的年金の計算

公的年金とは

公的年金の計算では、基礎年金と厚生年金の報酬比例部分を分け、期間と報酬を別々に整理します。受給資格期間と年金額への反映は、別のものとして扱います。

納付・免除・合算対象期間を、受給資格に数える期間と年金額へ反映する期間の二列で対応させる図
受給資格期間に数えることと年金額へ全額反映することは別です。納付・免除・合算対象期間等を区分し、計算に使う月数を確定します。

年金額の問題は、基礎年金と厚生年金を一つの式に混ぜず、期間と報酬を別々に整理します。基礎年金は納付等の期間、厚生年金の報酬比例部分は加入中の報酬と期間が中心です。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。正方形の中央に「仮の満額 年80万円」×「全額納付360月」÷「基準480月」→「基礎年金部分60万円」を左から右へ配置する。360月を分子、480月を分母にした分数を中央に大きく描き、下部を「覚えること」欄として仕切る。
覚えること:仮80万円×360月÷480月=60万円

説明用に満額を年80万円、全額納付期間を360月、基準を480月と置けば、基礎年金部分は80万円×360÷480=60万円です。80万円は計算用の仮定で、2026年度の実際の満額は年847,300円(1956年4月2日以後生まれ)です。免除期間等があれば、その期間の反映割合を加えます。

報酬比例部分では、2003年4月の総報酬制導入の前後など、計算式が分かれる期間を区切ります。平均標準報酬月額と平均標準報酬額は同じではありません。数値の単位が月額か年額かも確認します。

受給資格と年金額に算入する月

受給資格と年金額に算入する月の図解。中央を縦線で仕切り、左に「受給資格」の箱、右に「年金額」の箱を置く。「合算対象期間」の月カードから左の箱へだけ矢印を引き、左に「算入」、右に「算入しない」と記す。
覚えること:合算対象期間は資格のみ算入

老齢基礎年金の受給資格は原則10年以上です。保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間などを資格判定に合算しますが、合算対象期間は年金額を増やしません。免除期間は資格に入り、年金額への反映割合は免除の区分と時期で変わります。

満額の基礎年金を計算する基準は原則40年(480月)です。受給資格の10年と満額の40年を混同しないでください。未納期間は資格期間にも額にも算入しません。

学生納付特例は学生本人の前年所得だけで判定し、世帯主の所得は問いません。追納しなければ年金額には反映されません。追納できるのは承認を受けた月前10年以内の期間分で、3年度目以降は当時の保険料に加算額が付きます。

第1号被保険者は付加保険料(月400円)を納めると、付加年金として200円×納付月数が老齢基礎年金に上乗せされます。国民年金基金の加入者は付加保険料を納められません。

受給資格と年金額に算入する月
期間受給資格年金額
保険料納付済期間算入算入
全額免除・一部免除期間算入2009年4月以後分は全額免除1/2、4分の3免除5/8、半額免除3/4、4分の1免除7/8(追納すれば納付済と同じ)
産前産後の保険料免除期間算入納付済期間として算入
学生納付特例・納付猶予期間算入追納しなければ算入しない
合算対象期間算入算入しない
未納期間算入しない算入しない

厚生年金の報酬比例部分

厚生年金の報酬比例部分の図解。1枚の計算用紙を上下に仕切り、上段に「2003年3月まで:平均標準報酬月額×7.125/1000×加入月数」、下段に「2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」を配置する。下段に「賞与も含む」を添え、両段からの矢印を下の合計欄へ集める。
覚えること:区間別計算を合計、経過措置・再評価も確認

老齢厚生年金の報酬比例部分は、原則として2003年3月までの平均標準報酬月額×7.125/1000×加入月数と、2003年4月以降の平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数を合計します(生年月日による経過措置や再評価を別途確認)。後者は賞与も含む総報酬制です。出題時は与えられた報酬・月数・乗率に従い、区間ごとに計算します。

老齢・障害・遺族の給付を分ける

老齢・障害・遺族の給付を分けるの図解。正方形の中央を縦線で二分し、左に障害基礎年金の「1・2級」、右に障害厚生年金の「1〜3級」を並べる。エルくんは右側の列に「3級」の札を差し込み、基礎年金には3級の枠を設けない。
覚えること:等級は基礎1・2級、厚生1〜3級

公的年金は老齢・障害・遺族の三つの給付に分かれ、基礎年金と厚生年金で対象と計算が異なります。離婚時年金分割は婚姻期間中の厚生年金記録を分割する仕組みで、基礎年金を分割する制度ではありません。

合意分割は按分割合の上限が2分の1で、当事者の合意か裁判所の決定が必要です。3号分割は2008年4月以後の第3号被保険者期間が対象で、合意は不要です。請求期限は2026年4月1日以後の離婚等なら5年、それより前の離婚等なら2年です。

障害基礎年金は、初診日に被保険者であること、障害認定日(原則、初診日から1年6か月を経過した日)に1・2級に該当すること、保険料納付要件で判定します。1級は2級の1.25倍で、子の加算があります。20歳前に初診日がある障害も、20歳以後に等級に該当すれば所得制限付きで支給されます。

障害厚生年金は3級と障害手当金まであり、配偶者の加給年金は1・2級だけに付きます。被保険者期間が300月未満なら300月とみなして計算します。

遺族基礎年金は子のある配偶者または子が対象です。遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3で、在職中の死亡など短期要件では300月みなしがあります。夫の死亡時に子のない30歳未満の妻は5年の有期給付、子のない40歳以上65歳未満の妻などには中高齢寡婦加算が付きます。

国民年金第1号被保険者の独自給付として、寡婦年金と死亡一時金があります。寡婦年金は、第1号の納付済期間等が10年以上の夫が死亡し、婚姻期間10年以上の妻に60歳から65歳まで夫の老齢基礎年金額の4分の3を支給します。死亡一時金は納付月数36月以上が要件で、両方に該当すればどちらかを選びます。

遺族厚生年金の有期給付化など2025年改正による遺族年金の見直しは、2028年4月から段階的に施行されます。2026年度試験では現行の要件で判定します。

老齢・障害・遺族の給付を分ける
給付主な受給要件年金額の要点
障害基礎年金初診日要件・障害認定日に1・2級・納付要件2級は老齢基礎年金の満額と同額、1級は1.25倍、子の加算
障害厚生年金初診日に厚生年金被保険者・1〜3級報酬比例(300月みなし)、1級は1.25倍、1・2級に配偶者加給
遺族基礎年金生計維持されていた子のある配偶者または子満額相当+子の加算
遺族厚生年金配偶者・子、父母、孫、祖父母の順報酬比例部分の4分の3、中高齢寡婦加算

繰上げ・繰下げと在職老齢年金

繰上げ・繰下げと在職老齢年金の図解。上段に「基本月額10万円+総報酬月額相当額60万円=70万円」の帯を左から右へ並べ、65万円の境界線を引く。超過した5万円の半分に当たる2.5万円を、下段の老齢厚生年金10万円から支給停止分として分け、支給7.5万円を残す。2026年4月からの例として描く。
覚えること:2026年4月〜合計65万円超の半分停止

繰上げ受給は60歳から可能で、減額率は1か月0.4%です(1962年4月2日以後生まれ、最大24%)。老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げ、取消しはできません。繰上げ後は寡婦年金を受けられず、原則として事後重症による障害基礎年金も請求できません。

繰下げ受給は66歳以後75歳までで、1か月0.7%の増額(最大84%)です。老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げられます。繰下げ待機中は加給年金が支給されず、加給年金自体も増額されません。在職老齢年金で支給停止される部分も増額の対象外です。

在職老齢年金は、厚生年金の被保険者や適用事業所で働く70歳以上の人の老齢厚生年金を調整する仕組みです。支給停止調整額は2026年4月から65万円(2026年度額、2025年度は51万円)です。基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えると、超えた額の2分の1が支給停止されます。

例えば基本月額10万円、総報酬月額相当額60万円なら、(10+60−65)÷2=2.5万円が停止され、支給は月7.5万円です。基本月額は加給年金額を除く報酬比例部分の月額、総報酬月額相当額は標準報酬月額と直近1年の標準賞与額÷12の合計です。老齢基礎年金は支給停止の対象外です。

加給年金と振替加算

加給年金と振替加算の図解。中央の「65歳」を境に、左の加給年金が終わり、右の配偶者の老齢基礎年金に振替加算が付く流れを矢印で示す。振替加算の対象となる生年月日は、右側に「1926/4/2〜」「1966/4/1生」の2つを続けて表示する。
覚えること:対象期間生まれは65歳で基礎年金に振替

加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上の人が65歳になった時点で、生計を維持する65歳未満の配偶者や、18歳到達年度末までの子(1・2級の障害なら20歳未満)がいると加算されます。生計維持は、配偶者の年収850万円未満などで判断します。

2026年度の配偶者の加給年金額は243,800円で、受給者の生年月日に応じた特別加算(最大179,900円)を合わせると最大423,700円です。配偶者自身が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金を受け取れる場合、配偶者分の加給年金は支給停止されます。

配偶者が65歳になると加給年金は終わり、配偶者の老齢基礎年金に振替加算が付きます。対象は1926年4月2日から1966年4月1日までに生まれた配偶者で、生年月日が若いほど額は少なくなります。1966年4月2日以後生まれの配偶者には振替加算がありません。

試験に出る

  • 基礎年金は納付等の期間、報酬比例部分は加入中の報酬と期間で計算する。
  • 免除期間・学生納付特例・合算対象期間が、受給資格と年金額にどう反映されるかの違い。
  • 2003年4月の総報酬制導入前後で、報酬比例部分の乗率と用いる報酬(平均標準報酬月額・平均標準報酬額)が分かれること。
  • 繰上げ(月0.4%減)・繰下げ(月0.7%増)の率と、同時請求・別々請求の違い。
  • 在職老齢年金の支給停止調整額が2026年4月から65万円になり、老齢基礎年金は停止対象外であること。
  • 加給年金の要件(被保険者期間20年以上・65歳未満の配偶者等)と、振替加算への切替え。
  • 障害給付・遺族給付の受給要件と、300月みなし・中高齢寡婦加算などの加算。

重要な言葉

基礎年金
納付等の期間に応じて支給される年金の部分。
報酬比例部分
加入中の報酬と期間に応じて計算される厚生年金の部分。
受給資格期間
年金を受け取るために必要な加入期間。金額への反映とは別。

確認問題

確かめよう受給資格期間に含まれる月が、年金額へすべて全額反映されるでしょうか。

いいえ。合算対象期間や追納していない学生納付特例期間は資格期間に数えても年金額には反映されず、免除期間は免除の区分に応じた割合だけ反映されます。

平均標準報酬月額と平均標準報酬額は同じ意味である。

受給資格期間に含まれる月は、すべて年金額に全額反映される。

基礎年金部分を計算するときに用いるのは?

2003年4月の総報酬制導入の前後で変わるのは?

年金額の問題は、と厚生年金を一つの式に混ぜず、期間と報酬を別々に整理します。基礎年金は納付等の期間、厚生年金のは加入中の報酬と期間が中心です。

説明用に満額を、全額納付期間を360月、基準を480月と置けば、基礎年金部分は80万円×360÷480=です。80万円は計算用の仮定で、2026年度の実際の満額は年847,300円(1956年4月2日以後生まれ)です。免除期間等があれば、その期間の反映割合を加えます。

報酬比例部分では、の総報酬制導入の前後など、計算式が分かれる期間を区切ります。平均標準報酬月額とは同じではありません。数値の単位が月額か年額かも確認します。

は60歳から可能で、減額率は1か月0.4%です(1962年4月2日以後生まれ、最大24%)。老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げ、取消しはできません。繰上げ後は寡婦年金を受けられず、原則として事後重症による障害基礎年金も請求できません。

は66歳以後75歳までで、1か月0.7%の増額(最大84%)です。老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げられます。繰下げ待機中は加給年金が支給されず、加給年金自体も増額されません。在職老齢年金で支給停止される部分も増額の対象外です。

は、厚生年金の被保険者期間が20年以上の人が65歳になった時点で、生計を維持する65歳未満の配偶者や、18歳到達年度末までの子(1・2級の障害なら20歳未満)がいると加算されます。生計維持は、配偶者の年収850万円未満などで判断します。

配偶者が65歳になると加給年金は終わり、配偶者の老齢基礎年金にが付きます。対象は1926年4月2日から1966年4月1日までに生まれた配偶者で、生年月日が若いほど額は少なくなります。1966年4月2日以後生まれの配偶者には振替加算がありません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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