金融・経済の基礎とは
金融・経済の基礎とは、物価・金利・為替の動きと、それを測る経済指標や日本銀行の金融政策の関係です。お金の実質的な価値を判断する土台になります。

同じ1万円でも、物価が上がれば買える量は減ります。金融資産を学ぶときは、金額が増えたかだけでなく、何をどれだけ買えるかという実質的な価値を考えます。
基本の仕組み

預金が年1%増えて100万円から101万円になっても、同じ品物の価格が2%上がれば、購買力はむしろ下がります。概算では実質的な利回りは名目利回り1%−物価上昇率2%=−1%です。
金利はお金を貸し借りする価格で、景気・物価・金融政策の影響を受けます。日本銀行は公開市場操作で市場の資金量を調整し、買いオペレーションで資金を供給して金利の低下を、売りオペレーションで資金を吸収して金利の上昇を促します。経済指標が一つ動いても、株価が必ず同じ方向へ動くわけではありません。
金利・為替・物価の関係と経済指標

名目利回りは額面上の増え方、実質利回りは物価上昇を考慮した購買力の変化です。市場金利が上がると既発債の価格は一般に下がります。米国の金利が上がって日米の金利差が広がると、利回りの高いドルが買われやすくなり、ドル高・円安の要因になります。経済指標は公表する機関とセットで覚えます。
| 変化 | 一般的な影響 |
|---|---|
| 物価上昇 | 同じ金額の購買力が低下 |
| 市場金利上昇 | 既発債価格が低下 |
| 円高 | 外貨資産の円換算額が低下 |
| 日米金利差の拡大(米国金利の上昇) | ドル高・円安の要因 |
| 日銀の買いオペ | 市場へ資金供給、金利低下を促す |
| 日銀の売りオペ | 市場から資金吸収、金利上昇を促す |
| 経済指標 | 公表機関 | 内容 |
|---|---|---|
| 国内総生産(GDP) | 内閣府 | 国内で一定期間に生み出された付加価値の合計。四半期ごとに公表 |
| 景気動向指数 | 内閣府 | 先行・一致・遅行の3系列。CIは景気変動の大きさやテンポを示す |
| 全国企業短期経済観測調査(日銀短観) | 日本銀行 | 企業へのアンケート調査。業況判断DIは「良い」と答えた割合−「悪い」と答えた割合 |
| 消費者物価指数(CPI) | 総務省 | 消費者が購入する商品・サービスの価格の動き |
| 企業物価指数 | 日本銀行 | 企業間で取引される商品の価格の動き |
| マネーストック統計 | 日本銀行 | 金融機関と中央政府を除く一般法人・個人・地方公共団体などが保有する通貨量 |
試験に出る
- 実質利回り≒名目利回り−物価上昇率。名目1%・物価2%なら実質は約−1%。
- 日銀の買いオペは資金供給で金利低下、売りオペは資金吸収で金利上昇の方向。
- GDP・景気動向指数は内閣府、日銀短観・企業物価指数・マネーストックは日本銀行、消費者物価指数は総務省が公表する。
- 日米金利差の拡大(米国金利の上昇)はドル高・円安の要因になる。
- 市場金利が上がると既発債の価格は下がる。
重要な言葉
- 実質利回り
- 物価上昇を差し引いた、購買力で見たお金の増え方。
- 物価上昇率
- 物価がどれだけ上がったかを示す割合。
- 円高
- 円の価値が上がり、少ない円で多くの外貨を買える状態。
- 公開市場操作
- 日本銀行が国債などを売買して市場の資金量を調整する金融政策の手段。
- 日銀短観
- 日本銀行が企業に景況感などを尋ねて四半期ごとに公表するアンケート調査。
- マネーストック
- 金融機関と中央政府を除く経済主体が保有する通貨の総量。日本銀行が公表する。
確認問題
確かめよう円高で1ドル150円から140円になったとき、100ドルの輸入品の円価格はどう変わりますか。
1万5,000円から1万4,000円へ下がります。1ドルを買うのに必要な円が減る、つまり円の価値が上がったので、数字が小さくなっても円高です。
物価が上昇すると、同じ金額で買える量は増える。
実質利回りは、名目利回りから物価上昇率を差し引いて概算できる。
日本銀行の売りオペレーションは、市中の資金量を増やし、金利の低下を促す。
名目利回り1%、物価上昇率2%のときの実質利回りの概算は?
1ドル150円から140円になった状態は?
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)を公表する機関は?
同じ1万円でも、物価が上がれば買える量は減ります。金融資産を学ぶときは、金額が増えたかだけでなく、何をどれだけ買えるかというを考えます。
預金が年1%増えて100万円から101万円になっても、同じ品物の価格が2%上がれば、はむしろ下がります。概算では実質的な利回りは名目利回り1%−物価上昇率2%=です。
金利はお金を貸し借りする価格で、景気・物価・金融政策の影響を受けます。日本銀行は公開市場操作で市場の資金量を調整し、で資金を供給して金利の低下を、で資金を吸収して金利の上昇を促します。経済指標が一つ動いても、株価が必ず同じ方向へ動くわけではありません。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本FP協会:2級・3級FP技能検定 試験要綱 ↗
- きんざい:FP技能検定 ↗
- 日本証券業協会:債券価格と金利の関係 ↗
- 金融庁:NISAの年間投資枠と非課税保有限度額 ↗
- 金融庁:預金保険制度で保護される預金等 ↗
- 日本取引所グループ:先物・オプションの学習資料 ↗
- 国民年金基金連合会:iDeCoの特徴 ↗
- 日本FP協会:3級 試験範囲の細目(2026年9月確認) ↗
- 金融庁:NISA制度・旧制度との違い ↗
- 金融庁:令和8年度税制改正について(NISAの対象年齢見直し) ↗
- 日本投資者保護基金 ↗
- 財務省:個人向け国債 ↗
- 日本銀行:公開市場操作 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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