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FP技能検定 · 学習ガイド

不動産

不動産の登記と価格、取引のルール、建築の制限、取得から売却までの税、賃貸借、有効活用と証券化を順に学びます。数値の要件は2026年4月1日時点の制度に合わせています。

仕組みを理解する

不動産の基礎

登記とは、不動産の所在や面積、所有者、抵当権などの権利関係を法務局の記録で公示する仕組みです。

不動産の現物と登記情報を並べ、物件情報・所有権・抵当権を確認する図
登記では物件情報と所有権、抵当権等を分けて確認します。現物の利用者だけでは権利関係は分からず、登記が絶対的な真実を保証するわけでもありません。

土地や建物は、現物を見るだけでは権利関係が分かりません。見た目の利用者と法律上の所有者が同じとは限らないため、登記で所有者や抵当権などを確かめます。価格も、取引価格のほかに目的の違う公的な価格があります。

登記記録の読み方

登記記録の読み方の図解。中央の登記記録を上下に仕切り、上を「表題部」、下を「権利部」とする。権利部だけを左右に分け、左に甲区、右に乙区を配置する。
覚えること:表題部は物理的状況、権利部は甲乙

登記記録は、土地・建物の物理的な状況を示す表題部と、権利関係を示す権利部に分かれます。権利部は、所有権に関する甲区と、抵当権・賃借権など所有権以外の権利に関する乙区に分かれます。登記事項証明書は、利害関係がなくても誰でも法務局で交付を請求できます。

登記をすると、その権利を第三者に主張できる対抗力が得られます。一方、不動産登記には公信力がないため、登記名義人を真の所有者と信じて買っても、権利を取得できない場合があります。現地の利用状況や売主が本当に権利者かも確認します。

登記記録の読み方
区分主な記録事項
表題部所在・地番・地目・地積(土地)、家屋番号・構造・床面積(建物)
権利部(甲区)所有権の保存・移転、差押えなど所有権に関する事項
権利部(乙区)抵当権・賃借権など所有権以外の権利

公的な土地価格

公的な土地価格の図解。左に価格名、右に公示価格を100%とする横棒を4段で並べる。上から公示価格100%、基準地標準価格は同水準、相続税路線価は約80%、固定資産税評価額は約70%とし、棒の左端と100%の位置を縦線で揃える。
覚えること:公示比:路線価約80%、固定約70%

土地には目的の異なる公的な価格があります。公示価格と基準地標準価格は一般の土地取引の指標、相続税路線価は相続税・贈与税の土地評価、固定資産税評価額は固定資産税などの課税の基準です。基準日・公表主体・評価水準の違いを表で押さえます。

公的な土地価格
価格決定・公表主体基準日公表時期など評価水準の目安
公示価格国土交通省(土地鑑定委員会)毎年1月1日3月下旬100%
基準地標準価格都道府県(知事)毎年7月1日9月下旬公示価格と同水準
相続税路線価国税庁(国税局長)毎年1月1日7月初旬公示価格の約80%
固定資産税評価額市町村(東京23区は都)基準年度の前年1月1日3年ごとに評価替え公示価格の約70%

不動産の鑑定評価

不動産の鑑定評価の図解。中央の不動産模型から右へ矢印を3本に分け、横線で区切った上段に再調達原価と減価修正、中段に類似の取引事例と補正、下段に将来の純収益を描く。各段に対応する手法名を添える。
覚えること:鑑定評価は費用・取引・収益に着目

不動産鑑定評価の基本的な手法は3つあります。費用に着目する原価法、市場の取引に着目する取引事例比較法、収益に着目する収益還元法です。収益還元法には、1年間の純収益を還元利回りで割る直接還元法と、複数期間の純収益と将来の売却価格を現在価値に割り引くDCF法があります。

不動産の鑑定評価
手法求め方求める価格
原価法再調達原価から減価修正する積算価格
取引事例比較法類似の取引事例に事情補正・時点修正などをする比準価格
収益還元法将来の純収益をもとに求める(直接還元法・DCF法)収益価格

試験に出る

  • 所有権は権利部の甲区、抵当権・賃借権など所有権以外の権利は乙区に記録される。
  • 登記には対抗力はあるが公信力はない。登記名義人を信じて買っても権利を取得できないことがある。
  • 登記事項証明書は、利害関係がなくても誰でも交付を請求できる。
  • 公示価格は1月1日・国土交通省、基準地標準価格は7月1日・都道府県が基準日と公表主体。
  • 評価水準の目安は、公示価格を100%として相続税路線価80%、固定資産税評価額70%。固定資産税評価額は3年ごとに評価替え。
  • 鑑定評価の3手法(原価法・取引事例比較法・収益還元法)と、収益還元法の直接還元法・DCF法の違い。

重要な言葉

登記事項証明書
登記記録の内容を証明する書面。法務局で誰でも交付を請求できる。
対抗力
自分の権利を当事者以外の第三者にも主張できる効力。登記をすると得られる。
公信力
登記を信じて取引した人を、登記が真実と違っても保護する効力。不動産登記には認められない。
公示価格
地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の標準地の価格として公表する指標。
固定資産税評価額
市町村が固定資産税などの課税の基準として決める価格。3年ごとに評価替えされ、公示価格の約70%が目安。
収益還元法
その不動産が将来生み出す収益から価格を求める鑑定評価の手法。直接還元法とDCF法がある。

確認問題

確かめよう登記記録の所有者欄を信じて買えば、必ず所有権を取得できるでしょうか。

いいえです。不動産登記には公信力がないため、登記名義人が真の所有者でなければ権利を取得できないことがあります。

不動産登記には公信力があり、登記の記載どおりの権利が必ず保証される。

同じ土地でも、公示価格と固定資産税評価額は一致するとは限らない。

都道府県地価調査の基準地標準価格は、毎年1月1日を基準日とする。

登記事項証明書で所有権に関する事項が記録される部分は?

相続税路線価の評価水準の目安は、公示価格の何%程度か?

不動産の将来の純収益と売却価格を現在価値に割り引いて合計する手法は?

土地や建物は、現物を見るだけではが分かりません。見た目の利用者と法律上の所有者が同じとは限らないため、登記で所有者やなどを確かめます。価格も、取引価格のほかに目的の違う公的な価格があります。

登記記録は、土地・建物の物理的な状況を示すと、権利関係を示すに分かれます。権利部は、所有権に関する甲区と、抵当権・賃借権など所有権以外の権利に関する乙区に分かれます。登記事項証明書は、利害関係がなくても誰でも法務局で交付を請求できます。

登記をすると、その権利を第三者に主張できるが得られます。一方、不動産登記にはがないため、登記名義人を真の所有者と信じて買っても、権利を取得できない場合があります。現地の利用状況や売主が本当に権利者かも確認します。

土地には目的の異なる公的な価格があります。公示価格と基準地標準価格は一般の土地取引の指標、は相続税・贈与税の土地評価、は固定資産税などの課税の基準です。基準日・公表主体・評価水準の違いを表で押さえます。

不動産鑑定評価の基本的な手法は3つあります。費用に着目する原価法、市場の取引に着目する取引事例比較法、収益に着目するです。収益還元法には、1年間の純収益を還元利回りで割る直接還元法と、複数期間の純収益と将来の売却価格を現在価値に割り引くDCF法があります。

不動産取引

重要事項説明とは、宅地建物取引業者が売買などの契約の前に、宅地建物取引士を通じて権利関係や法令上の制限、取引条件などを説明する手続です。

買いたい家や土地の希望と法令・権利・取引条件を照合して契約へ進む図
価格や広さだけでなく、権利や法令上の制限、取引条件を確認して契約します。解除や責任の問題は当事者の立場と時点も確かめます。

売買契約では、物件の条件を知ってから契約することが大切です。宅地建物取引業者(宅建業者)に売却などを依頼するときの媒介契約、契約前の重要事項説明、手付による解除、マンション特有の区分所有法のルールを順に確認します。

媒介契約と報酬

媒介契約と報酬の図解。画面を縦に二分し、左を専任媒介、右を専属専任媒介にする。どちらも依頼先の業者を1社だけ描き、中央下の自己発見取引の契約書から左へは通る矢印、右へは遮断された矢印を伸ばす。
覚えること:自己発見取引は専任可・専属専任不可

媒介契約のうち、一般媒介は複数の業者に依頼できますが、専任媒介と専属専任媒介は1社だけに依頼します。専属専任媒介では、依頼者が自分で見つけた相手(自己発見取引)とも直接契約できません。宅建業者が受け取る報酬には上限があり、売買の媒介なら400万円超の取引で「取引額×3%+6万円」に消費税を加えた額です。

媒介契約と報酬
種類他業者への依頼自己発見取引有効期間業務報告指定流通機構への登録(休業日を除く)
一般媒介できるできる法令上の上限なし義務なし義務なし
専任媒介できないできる3か月以内2週間に1回以上7日以内
専属専任媒介できないできない3か月以内1週間に1回以上5日以内
媒介契約と報酬
取引報酬の上限(消費税抜き)
売買:200万円以下の部分5%
売買:200万円超400万円以下の部分4%(速算式は取引額×4%+2万円)
売買:400万円超取引額×3%+6万円
売買:代金800万円以下の宅地・建物(2024年7月以後)事前の説明・合意を条件に30万円まで
賃貸借の媒介貸主・借主の双方から合計で賃料の1か月分

重要事項説明と手付

重要事項説明と手付の図解。左に重要事項説明、右に契約締結を置き、左から右への矢印で「契約前」の順序を示す。左側の一場面で、取引士証の提示と書面の交付を描く。
覚えること:契約前に取引士が証提示・書面交付し説明

重要事項説明は、契約締結前に宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(相手方の承諾があれば電磁的方法)を交付して行います。登記された権利、法令上の制限、代金以外に授受される金銭などが対象です。契約成立後に交付する書面とは時点と役割が異なります。

手付金は、特に定めがなければ解約手付と推定されます。相手方が履行の着手をするまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して解除できます。宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合は、代金の2割を超える手付を受け取れず、受け取った手付は解約手付とみなされます。

重要事項説明と手付
事項ルール
重要事項説明契約締結前に宅地建物取引士が説明する
解約手付相手方の履行着手前まで。買主は手付放棄、売主は倍額の現実の提供
手付の額(宅建業者が売主)宅建業者でない買主からは代金の2割まで
契約不適合責任(民法)買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する
契約不適合責任(宅建業者が売主)通知期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効

マンションのルール(区分所有法)

マンションのルール(区分所有法)の図解。1つの集会の投票を、縦の仕切りで「出席した区分所有者」と「議決権」の2つの集計欄に分ける。両欄の賛成がそれぞれ過半数になったときだけ、2本の矢印を右側の「普通決議」につなぐ。
覚えること:普通決議は出席者と議決権の各過半数

マンションは、各住戸の専有部分と、廊下・エレベーターなどの共用部分に分かれます。共用部分の持分は原則として専有部分の床面積の割合で、専有部分と敷地利用権は原則として分離して処分できません。管理者は少なくとも毎年1回集会を招集します。2026年4月1日施行の改正で、集会の決議は出席者を基準とする形に見直されました。

マンションのルール(区分所有法)
決議の内容2026年4月1日以後の要件
普通決議(一般的な管理の事項)出席した区分所有者と議決権の各過半数
規約の設定・変更・廃止、共用部分の重大な変更区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者と出席議決権の各3/4以上
建替え決議区分所有者と議決権の各4/5以上(耐震性不足など一定の事由があれば各3/4以上)
所在等不明区分所有者裁判所の決定により、決議の母数から除外できる

試験に出る

  • 媒介契約3種類の違い:専任は有効期間3か月以内・2週間に1回以上の報告・7日以内の指定流通機構登録、専属専任は1週間に1回以上・5日以内で自己発見取引も不可。
  • 売買の媒介報酬の上限は、400万円超なら「取引額×3%+6万円」+消費税。
  • 宅建業者が自ら売主で買主が宅建業者でない場合、手付は代金の2割が上限で、解約手付とみなされる。
  • 解約手付による解除は、相手方が履行に着手するまで。買主は手付放棄、売主は倍額を現実に提供する。
  • 区分所有法(2026年4月1日施行の改正後)の決議要件:規約変更は出席者の各3/4以上、建替えは原則各4/5以上。
  • 管理者は少なくとも毎年1回集会を招集する。共用部分の持分は原則として専有部分の床面積の割合。

重要な言葉

重要事項説明
契約締結前に、宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(電磁的方法を含む)を交付して行う説明。
媒介契約
売買や賃貸の相手探しを宅建業者に依頼する契約。一般・専任・専属専任の3種類がある。
指定流通機構
国土交通大臣が指定する不動産情報の交換システム(レインズ)。専任媒介・専属専任媒介では物件の登録義務がある。
解約手付
相手方が履行に着手するまでなら、買主は手付の放棄、売主は倍額の現実の提供で契約を解除できる手付。
契約不適合責任
引き渡した物件の種類・品質などが契約内容に合わないときに売主が負う責任。買主は追完・代金減額・損害賠償・解除を求められる。
共用部分
マンションの廊下・階段・エレベーターなど、区分所有者全員で使う部分。持分は原則として専有部分の床面積の割合。

確認問題

確かめよう買主が手付を放棄して契約を解除したいと考えたとき、売主がすでに物件を引き渡していたら解除できますか。

引渡しで売主が履行の着手をした後なので、解約手付による解除はできません。基準は、解除を受ける相手方が履行に着手したかどうかです。

手付金を交付していれば、いつでも無条件に契約を解除できる。

重要事項説明は、宅地建物取引士が契約の締結前に行う。

専属専任媒介契約では、依頼者が自分で見つけた買主と直接契約することができる。

区分所有法の改正後も、建替え決議は原則として区分所有者と議決権の各5分の4以上の多数で行う。

宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主と代金5,000万円の売買契約を結ぶ。受け取れる手付の上限は?

解約手付による解除の説明として正しいものは?

専任媒介契約の説明として正しいものは?

売買代金1,000万円(消費税を除く)の媒介報酬の上限(消費税抜き)は?

売買契約では、物件の条件を知ってから契約することが大切です。宅地建物取引業者(宅建業者)に売却などを依頼するときの、契約前の、手付による解除、マンション特有の区分所有法のルールを順に確認します。

は、契約締結前に宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(相手方の承諾があれば電磁的方法)を交付して行います。登記された権利、法令上の制限、代金以外に授受される金銭などが対象です。契約成立後に交付する書面とは時点と役割が異なります。

は、特に定めがなければと推定されます。相手方がをするまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して解除できます。宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合は、代金の2割を超える手付を受け取れず、受け取った手付は解約手付とみなされます。

建築基準法

建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、延べ面積の割合である容積率と並んで建物の規模を制限する指標です。

建ぺい率は建築面積、容積率は各階の床面積合計を敷地と比べる図
建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積を敷地面積と比べます。実際には道路や用途等による別の制限も確認します。

敷地いっぱいに自由に建てられないのは、採光・通風・防災や周囲の環境を守るためです。建ぺい率は建物が地面を覆う割合、容積率は各階の床面積を合計した延べ面積の割合です。どの区域でどんな建物を建てられるかは、都市計画法と建築基準法で決まります。

建築基準法
制限対象の面積敷地200㎡の計算例
建ぺい率60%建築面積(上から見た広さ)200×0.6=120㎡
容積率200%延べ面積(各階の合計)200×2=400㎡

建ぺい率・容積率の計算

建ぺい率・容積率の計算の図解。左に幅員6mの前面道路、中央に「6×4/10=240%」と指定容積率300%の比較枠を並べ、240%から右の敷地200㎡へ矢印を引く。右端に「200×2.4=480㎡」を置き、比較枠と敷地の間を縦線で仕切る。
覚えること:幅員12m未満は指定と道路計算の小さい方

敷地200㎡、建ぺい率60%なら、建築面積の上限は200×0.6=120㎡です。容積率200%なら、延べ面積の上限は200×2=400㎡です。建築面積120㎡と延べ面積400㎡は、測っているものが違います。

前面道路の幅員が12m未満なら、「幅員×法定乗数(住居系の用途地域は原則4/10、その他は原則6/10)」でも容積率を計算し、指定容積率と比べて小さい方を使います。例えば敷地200㎡、住居系、幅員6m、指定容積率300%なら、6×4/10=240%が上限で、延べ面積は200×2.4=480㎡です。

建ぺい率・容積率の計算
項目ルール
建ぺい率の緩和(角地)特定行政庁が指定する角地は10%加算
建ぺい率の緩和(防火)防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の耐火・準耐火建築物等は10%加算
建ぺい率の制限なし建ぺい率80%の地域内で、防火地域内にある耐火建築物等
用途地域にまたがる敷地用途制限は敷地の過半が属する地域、建ぺい率・容積率は面積による加重平均
防火地域と準防火地域にまたがる建物原則として厳しい防火地域の規制
用途制限の例工業専用地域には住宅を建築できない

道路と接道義務

道路と接道義務の図解。正方形の図の上側に敷地、下側に横長の道路を配置し、両者が接する境界を示す。道路を縦に横切る両矢印で「道路幅4m以上」、境界に沿う両矢印で「接道2m以上」を示す。
覚えること:原則、幅4m以上の道に2m以上接する

建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接しなければなりません(接道義務)。幅員4m未満でも特定行政庁が指定した道(2項道路)は道路とみなされ、原則として道路の中心線から2m後退した線が道路との境界線になります。後退した部分(セットバック部分)は、建ぺい率・容積率の敷地面積に算入しません。

都市計画法と農地法

都市計画法と農地法の図解。画面を縦に二分し、左に市街化区域の「原則1,000㎡以上」と「三大都市圏の一部は500㎡以上」、右に市街化調整区域の「規模にかかわらず必要」を並べる。両側から「開発許可」へ向かう矢印を描き、右側は規模の条件を付けない。
覚えること:調整区域の開発は規模問わず許可

都市計画区域は、市街化を進める市街化区域と、市街化を抑制する市街化調整区域などに分かれます。市街化区域では用途地域を定め、市街化調整区域では原則として定めません。一定規模以上の開発行為には都道府県知事等の開発許可が必要です。農地の転用には農地法の許可が必要ですが、市街化区域内なら農業委員会への事前届出で足ります。

都市計画法と農地法
区域開発許可が必要な規模(原則)
市街化区域1,000㎡以上(三大都市圏の一部は500㎡以上)
市街化調整区域規模にかかわらず必要
非線引き区域・準都市計画区域3,000㎡以上

試験に出る

  • 敷地200㎡・建ぺい率60%なら建築面積の上限は120㎡、容積率200%なら延べ面積の上限は400㎡。
  • 前面道路の幅員が12m未満なら「幅員×4/10(住居系)または6/10(その他)」と指定容積率の小さい方を使う。
  • 角地や、防火地域内の耐火建築物等による建ぺい率の緩和(各10%)。建ぺい率80%の地域の防火地域内の耐火建築物等は制限なし。
  • 敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接する。2項道路は中心線から2m後退し、セットバック部分は敷地面積に算入しない。
  • 敷地が2つの用途地域にまたがると、用途制限は過半の地域、建ぺい率・容積率は加重平均。
  • 市街化区域内の農地転用は、農業委員会への届出で足り、農地法の許可は不要。

重要な言葉

建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合。
容積率
敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合。
用途地域
住居系・商業系・工業系に分けて、建てられる建物の用途や規模を定める地域。13種類ある。
2項道路
幅員4m未満でも、建築基準法の施行時に建物が立ち並んでいて特定行政庁が指定した道。道路とみなされる。
開発許可
建物を建てるための土地の区画形質の変更に、都市計画法で求められる都道府県知事等の許可。
市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域。原則として用途地域を定めず、開発行為は規模にかかわらず許可が必要。

確認問題

確かめよう二階建ての家を上から見た影と、各階の床を一枚ずつ並べた合計は、それぞれ何に対応するでしょうか。

影が建ぺい率で使う建築面積、床の合計が容積率で使う延べ面積です。

容積率は、建物が地面を覆う面積の割合である。

指定容積率だけで建築可能な延べ面積の上限が決まるとは限らない。

2項道路に面する敷地のセットバック部分は、建ぺい率や容積率を計算するときの敷地面積に含められる。

市街化区域内の農地を宅地に転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法の許可は不要である。

敷地200㎡・建ぺい率60%のときの建築面積の上限は?

敷地200㎡、第一種住居地域、前面道路の幅員6m、指定容積率300%のときの延べ面積の上限は?(法定乗数4/10、その他の制限は考慮しない)

市街化区域で開発許可が原則として必要になる開発行為の規模は?

敷地いっぱいに自由に建てられないのは、採光・通風・防災や周囲の環境を守るためです。は建物が地面を覆う割合、は各階の床面積を合計した延べ面積の割合です。どの区域でどんな建物を建てられるかは、都市計画法と建築基準法で決まります。

敷地、建ぺい率60%なら、建築面積の上限は200×0.6=です。容積率200%なら、延べ面積の上限は200×2=400㎡です。建築面積120㎡と延べ面積400㎡は、測っているものが違います。

の幅員が12m未満なら、「幅員×法定乗数(住居系の用途地域は原則4/10、その他は原則6/10)」でも容積率を計算し、指定容積率と比べて小さい方を使います。例えば敷地200㎡、住居系、幅員6m、指定容積率300%なら、6×4/10=240%が上限で、延べ面積は200×2.4=480㎡です。

建築物の敷地は、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接しなければなりません()。幅員4m未満でも特定行政庁が指定した道(2項道路)は道路とみなされ、原則として道路の中心線から2m後退した線が道路との境界線になります。後退した部分(部分)は、建ぺい率・容積率の敷地面積に算入しません。

都市計画区域は、市街化を進めると、市街化を抑制するなどに分かれます。市街化区域では用途地域を定め、市街化調整区域では原則として定めません。一定規模以上の開発行為には都道府県知事等のが必要です。農地の転用には農地法の許可が必要ですが、市街化区域内なら農業委員会への事前届出で足ります。

不動産に関する税金

不動産の税金は、取得・保有・売却という場面ごとに課される税目が異なります。

取得・保有・売却の三段階で不動産に関わる税の役割を整理する図
取得・保有・売却では関わる税と計算の基礎が違います。売却時も代金全額ではなく取得費や譲渡費用等を踏まえて利益を求めます。

不動産の税金は、時間の流れで並べると区別しやすくなります。取得時には不動産取得税と登記の登録免許税、保有時には固定資産税と都市計画税、売却時には譲渡所得に対する所得税・住民税がかかります。

取得時の税

取得時の税の図解。中央の相続した不動産から左右に矢印を分け、左は「不動産取得税→課税なし」、右は「所有権移転登記→登録免許税0.4%」と示す。左右を仕切り、取得と登記で課税が異なることを明確にする。
覚えること:相続の取得税なし、移転登記は0.4%

不動産取得税は、売買・贈与・新築などで不動産を取得した人に都道府県が課す税で、相続による取得には課されません。登録免許税は、登記を受ける人に国が課す税です。どちらも課税標準は原則として固定資産税評価額で、住宅や土地には期限付きの軽減の特例があります。

取得時の税
税本則主な特例(2026年4月1日時点)
不動産取得税(土地・住宅)4%3%(2027年3月31日までの取得)。宅地は課税標準を1/2(同)
不動産取得税(新築住宅)―課税標準から1,200万円を控除(床面積の要件あり)
登録免許税(土地の売買による所有権移転)2%1.5%(2029年3月31日まで)
登録免許税(住宅用家屋)保存0.4%・移転2%・抵当権設定0.4%保存0.15%・移転0.3%・抵当権設定0.1%(2027年3月31日まで)
登録免許税(相続による所有権移転)0.4%―

保有時の税

保有時の税の図解。左に1月1日の所有者、右に年途中の売却を置き、横矢印で時間の流れを示す。下段では固定資産税の納税義務を左の所有者に結び、売却後も移動しないことを示す。
覚えること:年途中に売っても1月1日の所有者が納税

固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点の所有者に市町村が課す税で、標準税率は1.4%です。年の途中で売っても納税義務者は変わらず、売買では日割りで精算するのが一般的です。都市計画税は原則として市街化区域内の土地・家屋に課され、制限税率は0.3%です。どちらも住宅用地には課税標準の特例があります。

保有時の税
特例固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(1戸当たり200㎡以下の部分)課税標準を1/6課税標準を1/3
一般住宅用地(200㎡を超える部分)課税標準を1/3課税標準を2/3
新築住宅(床面積120㎡までの部分)税額を3年間1/2(中高層耐火建築物は5年間)―

譲渡所得の計算と特例

譲渡所得の計算と特例の図解。譲渡年の1月1日を示すカレンダーの下に、所有期間の目盛りを横向きに置く。5年の境界線で左右を仕切り、左を「5年以下・短期」、右を「5年超・長期」として、それぞれの税率を添える。
覚えること:譲渡年の1月1日時点で5年超は長期

譲渡所得は「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で求め、他の所得と分けて課税します(分離課税)。取得費が不明なら譲渡価額の5%を概算取得費にできます。売却代金3,000万円、取得費2,000万円、譲渡費用100万円なら、特別控除前は900万円です。譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年超なら長期、5年以下なら短期です。

譲渡所得の計算と特例
区分・特例内容
長期譲渡所得(5年超)20.315%(所得税15.315%・住民税5%、所得税には復興特別所得税を含む)
短期譲渡所得(5年以下)39.63%(所得税30.63%・住民税9%)
居住用財産の3,000万円特別控除所有期間は問わない。配偶者や直系血族などへの譲渡は対象外。前年・前々年に適用を受けていないこと
居住用財産の軽減税率の特例所有期間10年超なら、特別控除後の6,000万円以下の部分は14.21%。3,000万円控除と併用できる
相続した空き家の3,000万円特別控除2027年12月31日までの譲渡。1981年5月31日以前に建築、売却代金1億円以下。相続人が3人以上なら1人2,000万円まで
相続税の取得費加算の特例相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売れば、納めた相続税の一部を取得費に加算できる
土地・建物の譲渡損失原則として他の所得と損益通算できない(居住用財産の買換え等の特例を除く)

試験に出る

  • 不動産取得税は都道府県税で、相続による取得には課されない。課税標準は固定資産税評価額。
  • 登録免許税の軽減:土地の売買は2%→1.5%(2029年3月31日まで)、住宅用家屋は保存0.15%・移転0.3%・抵当権設定0.1%(2027年3月31日まで)。
  • 固定資産税は1月1日(賦課期日)の所有者に課され、標準税率1.4%。小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の課税標準は1/6。
  • 長期・短期は譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年超か5年以下かで判定。税率は20.315%と39.63%。
  • 居住用財産の3,000万円特別控除は所有期間を問わない。10年超なら6,000万円以下の部分に14.21%の軽減税率を併用できる。
  • 取得費が不明なら譲渡価額の5%を概算取得費にできる。

重要な言葉

不動産取得税
売買・贈与・新築などで不動産を取得した人に都道府県が課す税。相続による取得には課されない。
登録免許税
所有権の保存・移転や抵当権設定などの登記を受けるときに国が課す税。
固定資産税
毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として登録されている人に市町村が課す税。
都市計画税
原則として市街化区域内の土地・家屋の所有者に市町村が課す税。制限税率は0.3%。
概算取得費
取得費が分からない、または実際の取得費が少ないときに使える、譲渡価額の5%相当額。
居住用財産の3,000万円特別控除
自宅(居住用財産)を売ったときの譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例。所有期間を問わない。

確認問題

確かめよう2021年4月1日に取得した土地を2026年10月1日に売ると、実際の保有期間は5年半です。長期と短期のどちらでしょうか。

短期譲渡所得です。譲渡した年の1月1日(2026年1月1日)時点の所有期間は4年9か月で、5年以下だからです。

不動産の譲渡所得は、売却代金の全額に税率をかけて計算する。

長期・短期の判定は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間で行う。

相続により土地を取得した場合、不動産取得税が課される。

年の途中で土地を売却しても、その年度の固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者である。

売却代金3,000万円・取得費2,000万円・譲渡費用100万円の譲渡所得(特別控除前)は?

取得費が不明な土地を5,000万円で売った。概算取得費は?

固定資産税の小規模住宅用地(住宅1戸当たり200㎡以下の部分)の課税標準は?

不動産の税金は、時間の流れで並べると区別しやすくなります。取得時にはと登記の、保有時には固定資産税と都市計画税、売却時には譲渡所得に対する所得税・住民税がかかります。

は、毎年1月1日(賦課期日)時点の所有者に市町村が課す税で、標準税率は1.4%です。年の途中で売っても納税義務者は変わらず、売買では日割りで精算するのが一般的です。都市計画税は原則として市街化区域内の土地・家屋に課され、制限税率は0.3%です。どちらも住宅用地には課税標準の特例があります。

は「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で求め、他の所得と分けて課税します(分離課税)。取得費が不明なら譲渡価額の5%をにできます。売却代金3,000万円、取得費2,000万円、譲渡費用100万円なら、特別控除前は900万円です。譲渡した年の時点の所有期間が5年超なら長期、5年以下なら短期です。

借地借家法

借地借家法とは、建物の所有を目的とする土地の賃借権・地上権(借地権)と建物の賃貸借(借家)について、存続期間や更新・終了のルールを定め、借り手を保護する法律です。

借家契約の期間終了時に更新を考える普通借家と、所定の手続で満了する定期借家を分ける図
普通借家と定期借家は更新・終了の扱いが違います。単に更新なしと書くだけではなく、契約の種類と所定の手続を確認します。

借りて暮らしたり事業を営んだりする人は、突然契約が終わると生活の基盤を失います。借地借家法は、民法の賃貸借のルールを修正して借り手の継続性を保護しつつ、更新のない定期型の契約も用意しています。

借地と借家の区別

借地と借家の区別の図解。一つの敷地に建物と駐車スペースを描き、土地面へ「借地=土地」、建物へ「借家=建物」の矢印を向ける。土地面への矢印には「建物所有目的」の条件札を挟み、駐車場だけを目的とする土地の賃貸借は仕切り線で分けて「借地権規定の対象外」と示す。
覚えること:借地権は建物所有目的の土地賃貸借

借地は土地を借りる契約、借家は建物を借りる契約です。土地の賃貸借でも、建物所有を目的としない駐車場や資材置き場の賃貸借には、借地借家法の借地権の規定は適用されません。「土地を借りた」という事実だけで借地権と決めないようにします。

普通借地権と定期借地権

普通借地権と定期借地権の図解。1本の時間軸を上下2段に分け、上段の普通借地権は期限の先へ線をつなぎ、下段の定期借地権は期限で線を止める。上段の更新を拒むには正当事由が必要なことを、期限のそばに示す。
覚えること:普通の更新拒否には正当事由が必要

普通借地権の存続期間は30年以上で、期間を定めない場合や30年未満で定めた場合は30年になります。更新後の期間は1回目が20年以上、2回目以降が10年以上です。地主が更新を拒むには正当事由が必要です。定期借地権は更新がなく、種類ごとに期間・契約方法・用途の要件が異なります。

普通借地権と定期借地権
種類存続期間契約方法建物の用途
普通借地権30年以上(更新あり)制限なし制限なし
一般定期借地権50年以上書面(電磁的記録を含む)制限なし
事業用定期借地権等10年以上50年未満公正証書に限る事業用のみ(居住用は不可)
建物譲渡特約付借地権30年以上書面不要制限なし

普通借家と定期借家

普通借家と定期借家の図解。中央の仕切りで左右を比較。左は普通借家から「更新あり」へ矢印をつなぎ、右は「書面・電磁的記録」での契約と「事前に書面交付・説明」の2条件を合流させて「更新なし」へつなぐ。
覚えること:更新なしは書面等契約+事前書面交付・説明

普通借家で1年未満の期間を定めると、期間の定めがないものとみなされます。貸主からの更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要で、解約申入れは6か月前までに行います。定期借家は、書面(電磁的記録を含む)で契約し、事前に更新がない旨を記した書面を交付して説明しなければ、更新のない契約になりません。

普通借家と定期借家
項目普通借家定期借家
契約期間1年未満は期間の定めがないものとみなす制限なし(1年未満も可)
更新あり(貸主からの拒絶には正当事由が必要)なし
契約方法口頭でも成立書面または電磁的記録。事前の書面説明も必要
終了の通知―期間1年以上なら満了の1年前から6か月前までに通知
借主からの中途解約特約があればできる居住用で床面積200㎡未満なら、転勤・療養などやむを得ない事情でできる
造作買取請求権特約で排除できる特約で排除できる

試験に出る

  • 普通借地権の存続期間は30年以上。更新後は1回目20年以上、2回目以降10年以上。
  • 定期借地権3種類:一般50年以上(書面)、事業用10年以上50年未満(公正証書に限る・居住用は不可)、建物譲渡特約付30年以上。
  • 普通借家で1年未満の期間を定めると、期間の定めがないものとみなされる。定期借家は1年未満も可。
  • 普通借家の貸主からの更新拒絶・解約申入れには正当事由が必要。解約申入れは6か月前まで。
  • 定期借家は書面(電磁的記録を含む)で契約し、事前に更新がない旨の書面を交付して説明する。
  • 期間1年以上の定期借家では、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに終了を通知する。

重要な言葉

借地権
建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権。駐車場や資材置き場として借りる土地は含まれない。
正当事由
貸主が更新を拒んだり解約を申し入れたりするために必要な理由。自己使用の必要性や立退料の提供などを総合して判断される。
定期借家
書面での契約と事前の書面説明を条件に、更新がなく期間満了で終了する建物賃貸借。定期建物賃貸借ともいう。
事業用定期借地権
事業用の建物(居住用を除く)を所有する目的で、存続期間10年以上50年未満とする定期借地権。公正証書で契約する。
造作買取請求権
借家の終了時に、貸主の同意を得て付けた畳・建具などの造作を時価で買い取るよう求める権利。特約で排除できる。

確認問題

確かめよう普通借家と定期借家の違いを、家賃の高低ではなく何で説明しますか。

更新の有無と終了の仕組みです。定期借家は、書面での契約と事前の書面説明がそろって初めて、期間満了で終了する契約になります。

普通借家は、期間が終われば貸主が自由に終了させられる。

定期借家は、所定の手続を満たせば更新がなく期間満了で終了する。

事業用定期借地権等は、賃貸マンションを建てる目的でも設定できる。

普通借家契約で期間を6か月と定めた場合、期間の定めがない契約とみなされる。

定期借家の説明として正しいものは?

事業用定期借地権等の存続期間として正しいものは?

普通借地権の当初の存続期間として正しいものは?

借りて暮らしたり事業を営んだりする人は、突然契約が終わると生活の基盤を失います。は、民法の賃貸借のルールを修正して借り手のを保護しつつ、更新のない定期型の契約も用意しています。

借地は土地を借りる契約、借家は建物を借りる契約です。土地のでも、を目的としない駐車場や資材置き場の賃貸借には、借地借家法の借地権の規定は適用されません。「土地を借りた」という事実だけで借地権と決めないようにします。

の存続期間は30年以上で、期間を定めない場合や30年未満で定めた場合は30年になります。更新後の期間は1回目が20年以上、2回目以降が10年以上です。地主が更新を拒むにはが必要です。は更新がなく、種類ごとに期間・契約方法・用途の要件が異なります。

で1年未満の期間を定めると、期間の定めがないものとみなされます。貸主からの更新拒絶や解約申入れには正当事由が必要で、解約申入れは6か月前までに行います。は、書面(電磁的記録を含む)で契約し、事前に更新がない旨を記した書面を交付して説明しなければ、更新のない契約になりません。

賃貸経営・有効活用と不動産の証券化

表面利回りとは、年間賃料収入を投資額で割った、経費を考慮しない利回りの指標です。

エルくんが家賃100の帯から経費20を取り外して手残り80を作り、同じ購入額1000の分母台へ載せる図。
考え方の例:100÷1,000=10%、経費を引くと80÷1,000=8%です。この例では取得費用や税金など他の費用は考慮していません。設問ごとの利回りの定義を確認します。

家賃が入る不動産でも、収入全額が手元へ残るわけではありません。投資額だけでなく、空室、管理費、修繕、税金、借入返済を考えて投資や土地活用を判断します。

利回りの計算

利回りの計算の図解。中央の仕切りを挟み、左に表面利回り「100万円÷1,000万円=10%」、右にNOI利回り「(100万円−20万円)÷1,000万円=8%」を並べる。左右とも投資額を分母に置き、右だけ年間賃料から諸経費を引く流れを矢印で示す。
覚えること:実質利回り=(年間賃料−諸経費)÷投資額

表面利回り(単純利回り)は年間賃料収入÷投資額、NOI利回り(実質利回り)は(年間賃料収入−諸経費)÷投資額で求めます。投資額1,000万円、年間賃料100万円、年間の諸経費20万円なら、表面利回りは10%、NOI利回りは80万円÷1,000万円=8%です。

諸経費には管理費・修繕費・固定資産税などを含めますが、借入金の返済額は含めません。借入れで購入した場合は、NOIからさらに返済額を引いた手元の資金(キャッシュフロー)も確認します。表面利回りが高くても、空室や修繕で手取りは大きく変わります。

利回りの計算
指標計算式例(投資額1,000万円)
表面利回り年間賃料収入÷投資額100万円÷1,000万円=10%
NOI利回り(年間賃料収入−諸経費)÷投資額(100万円−20万円)÷1,000万円=8%

土地の有効活用の方式

土地の有効活用の方式の図解。1つの土地の上に、自己建設方式と定期借地権方式を左右に分岐させて並べる。左は土地所有者から建物へ建設資金の矢印、右は借地人から建物へ建設資金の矢印と、借地人から土地所有者へ地代の矢印を描く。両方式とも土地の所有権は残る。
覚えること:定期借地は建設資金負担なし・地代のみ

土地の活用方法は、誰が建設資金を出し、誰が事業を行い、土地の所有権がどうなるかで比べます。自分で建てて賃貸するほど収益は大きくなり得ますが、資金負担と事業のリスクも大きくなります。土地を貸すだけの定期借地権方式は、収益は地代に限られる一方、資金負担がありません。

土地の有効活用の方式
方式建設資金土地の所有権特徴
自己建設方式土地所有者残る企画・建設・管理を自分で行う
事業受託方式土地所有者残る企画から管理運営までデベロッパーに任せる
建設協力金方式テナントから預かる建設協力金残る建物はテナント仕様。中途退去のリスクがある
土地信託方式信託銀行が調達信託期間中は信託銀行に移る信託配当を受け取る(実績配当で保証なし)
等価交換方式デベロッパー一部をデベロッパーへ譲渡土地の一部と建物の一部を交換する
定期借地権方式借地人残る土地を貸して地代を得る。期間満了で土地が返還される

不動産の証券化とJ-REIT

不動産の証券化とJ-REITの図解。左の投資家から中央のJ-REITへ資金が向かい、右の複数の不動産へつながる。賃料収入は不動産からJ-REITへ、分配金はJ-REITから投資家へ戻る矢印で示す。
覚えること:賃料等を分配、元本保証なし

不動産の証券化は、賃料などの収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を集める仕組みです。J-REITは集めた資金で複数の不動産を保有し、賃料収入などを分配します。証券取引所で売買でき少額から投資できますが、元本保証はなく、賃料・空室率・金利・市場価格の影響を受けます。分配金は配当所得ですが、配当控除は受けられません。

試験に出る

  • 表面利回り=年間賃料収入÷投資額、NOI利回り(実質利回り)=(年間賃料収入−諸経費)÷投資額。
  • 等価交換方式は、土地所有者が資金を負担せず、土地の一部と建物の一部を交換する。
  • 事業受託方式は、デベロッパーに企画から管理運営まで任せるが、建設資金は土地所有者が負担する。
  • 建設協力金方式は、入居予定のテナントから預かる建設協力金を建設資金に充てる。
  • 土地信託方式では信託期間中に土地の所有権(名義)が信託銀行に移り、配当は実績に応じて変動する。
  • J-REITは証券取引所に上場し、元本保証はない。分配金は配当所得だが配当控除の対象外。

重要な言葉

表面利回り
年間賃料収入を投資額で割った利回り。空室や管理費などの経費を差し引かない。
NOI利回り
年間賃料収入から諸経費を引いた純収益(NOI)を投資額で割った利回り。実質利回りともいう。
等価交換方式
土地所有者が土地を出し、デベロッパーが建設資金を出して建物を建て、出資割合に応じて土地と建物を分け合う方式。
不動産証券化
不動産から生じる賃料などの収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を集める仕組み。
J-REIT
投資家から集めた資金で複数の不動産を保有し、賃料収入などを分配する上場不動産投資信託。

確認問題

確かめよう投資額1,000万円、年間賃料100万円、年間の諸経費20万円の物件で、年間賃料100万円はそのまま利益になりますか。

いいえです。諸経費を引いた純収益は80万円で、NOI利回りは8%です。借入れがあれば、さらに返済額も差し引いて手取りを考えます。

表面利回りは、経費を差し引いた後の利益率を示す。

J-REITは、複数の不動産へ間接的に投資する形を取る。

等価交換方式では、土地所有者が建設資金を借り入れて建物を建てる。

J-REITの分配金は、配当控除の対象にならない。

投資額1,000万円・年間賃料収入100万円の表面利回りは?

投資額1,000万円・年間賃料収入100万円・年間諸経費20万円のNOI利回りは?

土地所有者が資金を負担せず、土地の一部と引換えに建物の一部を取得する方式は?

J-REITの説明として正しいものは?

家賃が入る不動産でも、収入全額が手元へ残るわけではありません。だけでなく、空室、管理費、修繕、税金、を考えて投資や土地活用を判断します。

(単純利回り)は年間賃料収入÷投資額、NOI利回り(実質利回り)は(年間賃料収入−諸経費)÷投資額で求めます。投資額、年間賃料100万円、年間の諸経費20万円なら、表面利回りは10%、NOI利回りは80万円÷1,000万円=8%です。

土地の活用方法は、誰が建設資金を出し、誰が事業を行い、土地の所有権がどうなるかで比べます。自分で建てて賃貸するほど収益は大きくなり得ますが、と事業のリスクも大きくなります。土地を貸すだけの定期借地権方式は、収益は地代に限られる一方、資金負担がありません。

不動産の証券化は、賃料などの収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を集める仕組みです。は集めた資金で複数の不動産を保有し、賃料収入などを分配します。証券取引所で売買でき少額から投資できますが、はなく、賃料・空室率・金利・市場価格の影響を受けます。分配金は配当所得ですが、配当控除は受けられません。

覚えるポイント

  • 登記は表題部・甲区(所有権)・乙区(抵当権など)。対抗力はあるが公信力はない。
  • 公的価格は、公示価格100%に対し相続税路線価80%、固定資産税評価額70%が目安。
  • 専任媒介は3か月・2週間に1回・7日以内、専属専任媒介は3か月・1週間に1回・5日以内。
  • 建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積を敷地面積と比べる。前面道路12m未満なら道路幅員による容積率と比べる。
  • 譲渡所得の長期・短期は譲渡した年の1月1日時点で5年超かどうか。長期20.315%、短期39.63%。
  • 定期借家は書面契約と事前の書面説明。事業用定期借地権等は10年以上50年未満で公正証書。
  • 表面利回りは経費を引かない。NOI利回りは諸経費を引いた純収益で計算する。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

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