重要事項説明とは
重要事項説明とは、宅地建物取引業者が売買などの契約の前に、宅地建物取引士を通じて権利関係や法令上の制限、取引条件などを説明する手続です。

売買契約では、物件の条件を知ってから契約することが大切です。宅地建物取引業者(宅建業者)に売却などを依頼するときの媒介契約、契約前の重要事項説明、手付による解除、マンション特有の区分所有法のルールを順に確認します。
媒介契約と報酬

媒介契約のうち、一般媒介は複数の業者に依頼できますが、専任媒介と専属専任媒介は1社だけに依頼します。専属専任媒介では、依頼者が自分で見つけた相手(自己発見取引)とも直接契約できません。宅建業者が受け取る報酬には上限があり、売買の媒介なら400万円超の取引で「取引額×3%+6万円」に消費税を加えた額です。
| 種類 | 他業者への依頼 | 自己発見取引 | 有効期間 | 業務報告 | 指定流通機構への登録(休業日を除く) |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | できる | できる | 法令上の上限なし | 義務なし | 義務なし |
| 専任媒介 | できない | できる | 3か月以内 | 2週間に1回以上 | 7日以内 |
| 専属専任媒介 | できない | できない | 3か月以内 | 1週間に1回以上 | 5日以内 |
| 取引 | 報酬の上限(消費税抜き) |
|---|---|
| 売買:200万円以下の部分 | 5% |
| 売買:200万円超400万円以下の部分 | 4%(速算式は取引額×4%+2万円) |
| 売買:400万円超 | 取引額×3%+6万円 |
| 売買:代金800万円以下の宅地・建物(2024年7月以後) | 事前の説明・合意を条件に30万円まで |
| 賃貸借の媒介 | 貸主・借主の双方から合計で賃料の1か月分 |
重要事項説明と手付

重要事項説明は、契約締結前に宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(相手方の承諾があれば電磁的方法)を交付して行います。登記された権利、法令上の制限、代金以外に授受される金銭などが対象です。契約成立後に交付する書面とは時点と役割が異なります。
手付金は、特に定めがなければ解約手付と推定されます。相手方が履行の着手をするまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して解除できます。宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合は、代金の2割を超える手付を受け取れず、受け取った手付は解約手付とみなされます。
| 事項 | ルール |
|---|---|
| 重要事項説明 | 契約締結前に宅地建物取引士が説明する |
| 解約手付 | 相手方の履行着手前まで。買主は手付放棄、売主は倍額の現実の提供 |
| 手付の額(宅建業者が売主) | 宅建業者でない買主からは代金の2割まで |
| 契約不適合責任(民法) | 買主は不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する |
| 契約不適合責任(宅建業者が売主) | 通知期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効 |
マンションのルール(区分所有法)

マンションは、各住戸の専有部分と、廊下・エレベーターなどの共用部分に分かれます。共用部分の持分は原則として専有部分の床面積の割合で、専有部分と敷地利用権は原則として分離して処分できません。管理者は少なくとも毎年1回集会を招集します。2026年4月1日施行の改正で、集会の決議は出席者を基準とする形に見直されました。
| 決議の内容 | 2026年4月1日以後の要件 |
|---|---|
| 普通決議(一般的な管理の事項) | 出席した区分所有者と議決権の各過半数 |
| 規約の設定・変更・廃止、共用部分の重大な変更 | 区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者と出席議決権の各3/4以上 |
| 建替え決議 | 区分所有者と議決権の各4/5以上(耐震性不足など一定の事由があれば各3/4以上) |
| 所在等不明区分所有者 | 裁判所の決定により、決議の母数から除外できる |
試験に出る
- 媒介契約3種類の違い:専任は有効期間3か月以内・2週間に1回以上の報告・7日以内の指定流通機構登録、専属専任は1週間に1回以上・5日以内で自己発見取引も不可。
- 売買の媒介報酬の上限は、400万円超なら「取引額×3%+6万円」+消費税。
- 宅建業者が自ら売主で買主が宅建業者でない場合、手付は代金の2割が上限で、解約手付とみなされる。
- 解約手付による解除は、相手方が履行に着手するまで。買主は手付放棄、売主は倍額を現実に提供する。
- 区分所有法(2026年4月1日施行の改正後)の決議要件:規約変更は出席者の各3/4以上、建替えは原則各4/5以上。
- 管理者は少なくとも毎年1回集会を招集する。共用部分の持分は原則として専有部分の床面積の割合。
重要な言葉
- 重要事項説明
- 契約締結前に、宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(電磁的方法を含む)を交付して行う説明。
- 媒介契約
- 売買や賃貸の相手探しを宅建業者に依頼する契約。一般・専任・専属専任の3種類がある。
- 指定流通機構
- 国土交通大臣が指定する不動産情報の交換システム(レインズ)。専任媒介・専属専任媒介では物件の登録義務がある。
- 解約手付
- 相手方が履行に着手するまでなら、買主は手付の放棄、売主は倍額の現実の提供で契約を解除できる手付。
- 契約不適合責任
- 引き渡した物件の種類・品質などが契約内容に合わないときに売主が負う責任。買主は追完・代金減額・損害賠償・解除を求められる。
- 共用部分
- マンションの廊下・階段・エレベーターなど、区分所有者全員で使う部分。持分は原則として専有部分の床面積の割合。
確認問題
確かめよう買主が手付を放棄して契約を解除したいと考えたとき、売主がすでに物件を引き渡していたら解除できますか。
引渡しで売主が履行の着手をした後なので、解約手付による解除はできません。基準は、解除を受ける相手方が履行に着手したかどうかです。
手付金を交付していれば、いつでも無条件に契約を解除できる。
重要事項説明は、宅地建物取引士が契約の締結前に行う。
専属専任媒介契約では、依頼者が自分で見つけた買主と直接契約することができる。
区分所有法の改正後も、建替え決議は原則として区分所有者と議決権の各5分の4以上の多数で行う。
宅建業者が自ら売主となり、宅建業者でない買主と代金5,000万円の売買契約を結ぶ。受け取れる手付の上限は?
解約手付による解除の説明として正しいものは?
専任媒介契約の説明として正しいものは?
売買代金1,000万円(消費税を除く)の媒介報酬の上限(消費税抜き)は?
売買契約では、物件の条件を知ってから契約することが大切です。宅地建物取引業者(宅建業者)に売却などを依頼するときの、契約前の、手付による解除、マンション特有の区分所有法のルールを順に確認します。
は、契約締結前に宅地建物取引士が宅地建物取引士証を示し、書面(相手方の承諾があれば電磁的方法)を交付して行います。登記された権利、法令上の制限、代金以外に授受される金銭などが対象です。契約成立後に交付する書面とは時点と役割が異なります。
は、特に定めがなければと推定されます。相手方がをするまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して解除できます。宅建業者が自ら売主で、買主が宅建業者でない場合は、代金の2割を超える手付を受け取れず、受け取った手付は解約手付とみなされます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本FP協会:2級・3級FP技能検定 試験要綱 ↗
- きんざい:FP技能検定 ↗
- 法務省:不動産登記のABC ↗
- 国土交通省:土地の取得に係る税制の概要 ↗
- e-Gov法令検索:宅地建物取引業法 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(2024年7月1日施行の改正を含む) ↗
- 法務省:2026年施行の区分所有法等の改正 ↗
- e-Gov法令検索:借地借家法 ↗
- 国土交通省:用途地域における建て方のルール(建ぺい率・容積率) ↗
- 国税庁:No.7191 登録免許税の税額表(令和8年4月1日現在法令等) ↗
- 国土交通省:令和8年度税制改正概要 ↗
- 国税庁:No.3302 マイホームを売ったときの特例 ↗
- 国税庁:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 ↗
- 国税庁:不動産等を売却した方へ ↗
- 日本FP協会:3級 試験範囲の細目(2026年9月確認) ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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