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FP技能検定 · 学習ガイド

不動産の税金の詳細

譲渡所得とは

譲渡所得とは、土地や建物を譲渡したときに生じる所得で、特例や買換えにより税額や将来の取得費が変わる点が問われます。

特例で現在の課税を繰り延べた場合に、将来の取得費や売却益へ影響する関係を示す図
課税繰延べの特例では、将来の取得費等へ影響がつながる場合があります。現在の納付額だけでなく、次の売却時の計算も確認します。

不動産の税務では、譲渡所得の特例、買換え、相続時の評価などが連続することがあります。税目が変われば計算の基礎も変わるため、取得から売却までの年表を使います。

不動産の税金の詳細
時点主な税・特例
取得不動産取得税・登録免許税・印紙税
保有固定資産税・都市計画税。住宅用地と新築住宅の軽減を確認
売却譲渡所得の長短、3,000万円控除、軽減税率、買換え・交換、空き家・収用・低未利用土地、譲渡損失の特例を選択

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に「取得価額5,000万円」の資産、右に同額での将来の売却を置き、右側の縦棒に低く引き継ぐ取得費の線と、売却額までの差を「譲渡益」として示す。左右の同額を水平線で結び、取得費が低い場合に譲渡益が大きくなる可能性を表す。
覚えること:取得費が低いと同額売却でも譲渡益増も

取得価額5,000万円の資産に関し、特例により引き継ぐ取得費が低くなる場合、将来同じ価格で売っても譲渡益が大きくなる可能性があります。当期の税軽減だけでなく、将来の取得費と保有期間の扱いを確かめます。

居住用財産の特例同士や住宅ローン控除との併用には制限があります。「どちらも条件を満たすから同時に使える」とは限りません。売却年と前後の年の適用歴まで読む必要があります。

取得・保有・売却の税目を並べる

取得・保有・売却の税目を並べるの図解。正方形の中央に、左から「取得時→保有中→売却時」と進む一本の矢印を置き、3区画を縦線で仕切る。取得時に不動産取得税・登録免許税・契約書の印紙税、保有中に固定資産税・都市計画税、売却時に土地建物の譲渡所得に対する所得税・住民税を配置する。
覚えること:取得・保有・土地建物の売却で税を確認

取得時は不動産取得税・登録免許税・契約書の印紙税など、保有中は固定資産税・都市計画税、売却時は土地建物の譲渡所得に対する所得税・住民税を確認します。固定資産税は原則1月1日時点の所有者が対象です。

住宅用地の課税標準は、1戸当たり200㎡までの小規模住宅用地が固定資産税6分の1・都市計画税3分の1、超える部分の一般住宅用地が固定資産税3分の1・都市計画税3分の2です。土地全体を6分の1にはしません。

新築住宅の固定資産税は、居住部分の床面積120㎡までの部分の税額が2分の1に減額されます。期間は一般住宅3年度分、3階建以上の中高層耐火建築物等5年度分、認定長期優良住宅はそれぞれ5年度分・7年度分です。2026年4月1日以後の新築では床面積要件が40㎡以上240㎡以下(それ以前は50㎡以上280㎡以下)です。

譲渡所得と特例の選択を計算する

譲渡所得と特例の選択を計算するの図解。図を上から下へ流し、上段の「譲渡価額」から、中段の「取得費+譲渡費用」、次に「特別控除」を差し引き、下段に「課税譲渡所得」を置く。特別控除の横には「適用できる場合」と添える。
覚えること:譲渡価額-取得費-譲渡費用-適用控除

土地建物の課税譲渡所得は「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」です。建物の取得費には減価償却を反映し、取得費不明などの場合は譲渡価額の5%を概算取得費として使える場合があります。長期・短期は売却年の1月1日時点の所有期間が5年超か以下かで分け、通常の所得税・住民税率は長期15%・5%、短期30%・9%です(別途、復興特別所得税等を確認)。

居住用財産の3,000万円特別控除は所有期間の長短を問いません。住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること、配偶者・直系血族など特別の関係がある者への譲渡でないこと、前年・前々年にこの特例等を使っていないことなどが要件です。

所有期間10年超の居住用財産の軽減税率(課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%、超える部分は15%・5%)とは併用できます。特定の居住用財産の買換え特例(所有期間10年超・居住期間10年以上・譲渡対価1億円以下、2027年12月31日までの譲渡)とは選択適用です。

住宅ローン控除は、入居した年とその前2年・後3年の間に3,000万円控除・軽減税率・買換え特例を適用すると受けられません。売却損失は原則として他の所得と通算できませんが、居住用財産の買換え等の譲渡損失や、住宅ローン残高が譲渡対価を上回る特定居住用財産の譲渡損失は、要件を満たせば損益通算と3年間の繰越控除ができます。

相続・事業用・収用等の特例を比べる

相続・事業用・収用等の特例を比べるの図解。中央の縦線で左右に分け、左は「控除型」から「税額が減る」へ下向き矢印を描く。右は旧資産から買換資産等へ取得費が移り、将来の売却時に譲渡益が大きくなる流れを右向き矢印で示す。
覚えること:繰延べは取得費引継ぎで将来益増

控除型の特例は税額が確定的に減りますが、繰延べ型の特例では買換資産等が譲渡資産の取得費を引き継ぐため、将来の売却時に譲渡益が大きくなります。交換の特例では取得時期も引き継ぎますが、居住用・事業用の買換え特例では実際の取得日から所有期間を数えます。

空き家特例は、被相続人が一人で住んでいた家屋(区分所有建物を除く)とその敷地を相続した人が対象です。譲渡後、翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も適用できます。

相続・事業用・収用等の特例を比べる
特例主な要件効果
相続した空き家の3,000万円控除1981年5月31日以前に建築、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(かつ2027年12月31日まで)の譲渡、譲渡対価1億円以下最高3,000万円控除(相続人が3人以上なら1人2,000万円)
低未利用土地等の100万円控除売却年の1月1日で所有期間5年超、譲渡対価500万円以下(市街化区域等は800万円以下)、市区町村長の確認、2028年12月31日までの譲渡譲渡所得から100万円控除
収用等の5,000万円控除最初に買取り等の申出を受けた者が、申出から6か月以内に譲渡5,000万円控除(代替資産の特例と選択)
特定の事業用資産の買換え所有期間10年超の国内の土地等・建物等から、国内の300㎡以上の事業用土地等などへ買換え。土地等は譲渡面積の5倍以内、前年から翌年までに取得し1年以内に事業供用譲渡益の原則80%を課税繰延べ(地域により異なる)
固定資産の交換双方が1年以上所有した同種の固定資産、交換前と同じ用途、時価の差額が高い方の20%以内譲渡がなかったものとする(交換差金は課税)
立体買換え既成市街地等内などで土地等を譲渡し、その土地に建てた中高層耐火共同住宅等を取得取得した部分に対応する譲渡益を課税繰延べ

試験に出る

  • 譲渡所得の特例・買換え・相続時の評価が連続する点。
  • 引き継ぐ取得費が低くなると将来の譲渡益が大きくなる点。
  • 居住用財産の特例同士や住宅ローン控除との併用制限。
  • 取得から売却までの年表で適用時点を整理する考え方。
  • 単年度の税額だけで有利不利を決めない点。
  • 空き家・低未利用土地・収用等・事業用資産の買換え・交換の要件と効果(控除か繰延べか)。

重要な言葉

譲渡所得
土地や建物を譲渡して生じる所得。
取得費
資産の取得に要した費用。譲渡所得の計算で差し引く。
居住用財産の特例
マイホームを売ったときの税負担軽減の特例。

確認問題

確かめよう比較する二案について、何を三列で並べますか。

今の納付税額、将来の取得費、使えなくなる特例です。単年度の税額だけで有利不利を決めないことが重要です。

特例により引き継ぐ取得費が低くなると、将来の譲渡益は大きくなる可能性がある。

居住用財産の特例と住宅ローン控除は、条件を満たせば常に併用できる。

取得価額5,000万円の資産について、特例で引き継ぐ取得費が低くなる場合、将来の譲渡益は?

不動産の税務で、今の税額と将来の取得費を比べるときに使うものは?

不動産の税務では、の特例、買換え、相続時の評価などが連続することがあります。税目が変われば計算の基礎も変わるため、取得から売却までのを使います。

取得価額の資産に関し、特例により引き継ぐが低くなる場合、将来同じ価格で売っても譲渡益が大きくなる可能性があります。当期の税軽減だけでなく、将来の取得費と保有期間の扱いを確かめます。

の特例同士やとの併用には制限があります。「どちらも条件を満たすから同時に使える」とは限りません。売却年と前後の年の適用歴まで読む必要があります。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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