竣工検査とは
竣工検査は、図面や施工条件との一致と、電気的な安全性・機能を順に確かめる完成時の検査です。

工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。竣工検査では、図面や施工条件との一致と、電気的な安全性・機能を順に確かめます。
| 検査項目 | 確認内容・判定 |
|---|---|
| 外観・導通 | 施工・接続の誤りを確認 |
| 接地抵抗 | 接地種別ごとの抵抗値以下か |
| 絶縁抵抗 | 絶縁耐力試験の前後にも1000V以上の絶縁抵抗計で測定 |
| 絶縁耐力 | 最大使用電圧の1.5倍(ケーブルの直流試験はその2倍)を連続10分 |
| 保護継電器 | OCR・GRの動作値・動作時間と遮断器との連動 |
| 変圧器の温度上昇試験 | 竣工検査では一般に行わない |
| 継電器 | 主な試験項目 |
|---|---|
| 過電流継電器(OCR) | 最小動作電流、限時特性(整定値の300%・700%などの電流での動作時間)、瞬時要素、遮断器との連動 |
| 地絡継電器(GR) | 動作電流、動作時間、遮断器・開閉器との連動 |
| 地絡方向継電器(DGR) | 動作電流値、動作電圧値、位相特性、動作時間(周波数試験は行わない) |
基本の仕組み

器具の種類は図面どおりでも、接地線が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要な機能試験を分けると見落としを減らせます。
各検査は対象と前提条件が異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要な機能確認を混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。
「最後に電源を入れて動けば合格」は誤りです。絶縁不良や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。
完成時の検査と高圧試験

竣工検査では外観、接地抵抗、絶縁抵抗、絶縁耐力試験、保護継電器試験(OCR・GRの動作特性と遮断器との連動)を行います。変圧器の温度上昇試験は製造時の試験で、受電設備の竣工検査では一般に行いません。年次点検では絶縁耐力試験を通常行いません。
公称6600Vの最大使用電圧は6600×1.15/1.1=6900Vです。交流では1.5倍の10350Vを連続10分、ケーブルを直流で試験するときはその2倍の20700Vを連続10分加えます。途中で停電したら復電後に改めて連続10分です。前後に1000V以上の絶縁抵抗計で測定します。
試験に出る
- 竣工検査は、図面・施工条件との一致と安全性・機能を順に確かめる。
- 外観・接続・導通・絶縁・接地・機能試験を分けて行う。
- 停電で行う確認と、通電が必要な確認を混同しない。
- 電源を入れて動くだけでは、合格と判断できない。
- 記録には対象回路・条件・日時・判定を残す。
- 絶縁耐力試験:最大使用電圧の1.5倍を連続10分。ケーブルの直流試験はその2倍(6900×1.5×2V)。
- 変圧器の温度上昇試験は、受電設備の竣工検査では一般に行わない。
- 長いケーブルは静電容量が大きいため、補償リアクトルで試験電源の容量を軽減する。変圧器の2次側巻線は一括して接地する。
- OCRの最小動作電流・限時特性試験には電流計・サイクルカウンタ・可変抵抗器等を使い、電力計は使わない。
重要な言葉
- 竣工検査
- 工事完成時に、安全性と機能を確かめる検査。
- 外観検査
- 器具や配線の状態を目視で確認すること。
- 試験記録
- 測定値に加え、条件や判定を残した記録。
- 絶縁耐力試験
- 規定の試験電圧を一定時間加え、絶縁が耐えるかを確かめる試験。
- 最大使用電圧
- 通常の使用状態で電路に加わる最大の電圧。公称6600Vでは6900V。
- OCR
- 過電流継電器。短絡や過負荷の電流を検出して遮断器を動作させる。
- DGR
- 地絡方向継電器。零相電流と零相電圧から構内側の地絡を判別する。
確認問題
確かめよう検査記録に測定値だけあれば十分?
いいえ。対象回路、条件、日時、判定もあって初めて再確認や比較に使えます。
竣工検査では、外観の確認だけでなく導通・絶縁・接地も確認する。
最後に電源を入れて動けば、それだけで合格としてよい。
受電電圧6600Vの受電設備の竣工検査では、変圧器の温度上昇試験を一般に行う。
試験電圧を5分間加えた後に停電したので、復電後に残りの5分間を加えて合計10分間とした。
検査記録に必要な情報に含まれないものは?
最大使用電圧6900Vの交流電路に使うケーブルの絶縁耐力試験を直流で行うときの試験電圧[V]は?
OCRの最小動作電流測定と限時特性試験で、使用しないものは?
工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。では、図面や施工条件との一致と、電気的な・機能を順に確かめます。
器具の種類は図面どおりでも、が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要なを分けると見落としを減らせます。
各検査は対象とが異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要な機能確認を混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。
「最後に電源を入れて動けば合格」は誤りです。や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第一種の学科出題範囲・受電設備の範囲 ↗
- 経済産業省:電気設備技術基準の解釈(設備・施工条件) ↗
- HIOKI:接地抵抗計と測定方式の説明 ↗
- HIOKI:高圧受電設備の測定と測定器の使い分け ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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