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電気工事士試験 · 学習ガイド

高圧受電設備(第一種電気工事士)

受電から負荷までの流れに沿って、高圧機器の開閉・保護・変圧・計測の分担を整理します。CTとVT、断路器と遮断器など、似た機器の違いを具体例で学びます。

仕組みを理解する

キュービクル

キュービクルは、受電・開閉・保護・変圧などの高圧受電設備の機器を一つの金属製箱に収めた設備です。

受電設備を箱に収める。大きなキュービクルを概念断面として描き、左に受電、内部に保護装置と変圧器、右に低圧負荷。
キュービクルは受電・保護・変圧などに必要な機器を収めた設備です。高圧を受ける側と低圧負荷へ送る側を区別して読みます。

建物の外にある金属製の受電設備は、単なる変圧器の箱ではありません。キュービクルは、受電・開閉・保護・変圧などの機器を収めた設備として全体を読みます。

キュービクル
機器・条件役割・判断
受電部電力会社側から受ける
VCT取引用に電圧・電流を変成
開閉・保護電路の切離しと事故除去
変圧器高圧から利用電圧へ変換

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に単線結線図を大きく描き、左の電力会社側の高圧から、保護装置、変圧器、右の低圧側の負荷へ矢印でつなぐ。変圧器の後で線を枝分かれさせ、保護装置は事故に対応し、変圧器は電圧を変える機器として区別する。
覚えること:保護装置は事故対応、変圧器は電圧変換

電力会社側から入った高圧が、保護装置を経て変圧器へ進み、低圧側の負荷へ分かれる流れを考えます。どの機器が電圧を変え、どの機器が事故に対応するかを区別します。

内部の機器は一つのシステムとして組み合わせられます。単線結線図に記された機器の順序と役割を追うと、外観写真だけでは分からない働きが説明できます。

外箱に収まっていることは、内部へ自由に立ち入れることを意味しません。高圧部と低圧部、操作や点検の区分を明確にして扱う設備です。

受電設備を構成する機器

受電設備を構成する機器の図解。左にVCTの模式図を置き、枠内にVTとCTを並べる。VCTから右の電力量計へ向けて「電圧」「電流」の2本の矢印を引く。
覚えること:VCTはVT・CTで電圧・電流を計器へ

典型的な高圧受電設備は、引込・責任分界点、取引用の電力需給用計器用変成器(VCT)、開閉・保護、変圧器、低圧分電盤へとたどります。VCTはVTとCTを組み合わせ、電力量計へ電圧と電流を伝える装置です。公式例題では外観写真からVCTを識別します。

キュービクル式は機器を箱内にまとめた方式で、開放形の受電設備もあります。箱そのものが事故電流を切るわけではないため、単線結線図で各装置の位置と保護範囲を確認します。

試験に出る

  • キュービクルは受電・開閉・保護・変圧などの機器を収めた設備全体である。
  • 変圧器はキュービクルを構成する機器の一つにすぎない。
  • 電圧を変える機器と事故に対応する機器を区別する。
  • 高圧部と低圧部、操作・点検の区分を明確にする。
  • 単線結線図で機器の順序と役割を追う。
  • キュービクル式高圧受電設備の規格(JIS C 4620)はCB形4000kVA以下、PF・S形300kVA以下を対象とする。

重要な言葉

キュービクル
高圧受電設備の機器を収めた金属製の箱型設備。
受電設備
電力会社から電気を受け、構内へ供給する設備。
高圧受電設備
高圧で電気を受けるための開閉・保護・変圧などの設備。

確認問題

確かめようキュービクルと変圧器は同じもの?

いいえ。変圧器は受電設備を構成する機器の一つです。

キュービクルは変圧器そのものを指す名称である。

キュービクルは受電・開閉・保護・変圧などをまとめた設備である。

キュービクルの説明として適切なものは?

建物の外にある金属製の受電設備は、単なるの箱ではありません。は、受電・開閉・保護・変圧などの機器を収めた設備として全体を読みます。

電力会社側から入った高圧が、を経て変圧器へ進み、低圧側の負荷へ分かれる流れを考えます。どの機器が電圧を変え、どの機器が事故に対応するかを区別します。

内部の機器は一つのとして組み合わせられます。に記された機器の順序と役割を追うと、外観写真だけでは分からない働きが説明できます。

外箱に収まっていることは、内部へ自由に立ち入れることを意味しません。と、操作や点検の区分を明確にして扱う設備です。

受電方式

受電方式は、高圧の受電設備で回路の開閉や事故電流の遮断をどの機器の組合せで行うかによる方式です。

受電方式を設備で読む。外の電力系統→建物の受電設備→負荷の大きな三ブロック。
受電設備は系統から電気を受け、開閉・保護・変圧を経て負荷へ届けます。個々の受電方式の前に、設備全体の役割をつかみます。

受電方式の違いを学ぶときは、何で回路を開閉し、何で事故電流を遮断するかを比べます。記号の並びを暗記するより、保護の担当を図で追うほうが理解しやすくなります。

受電方式
方式主遮断装置短絡の検出・遮断受電設備容量
PF・S形限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器限流ヒューズが溶断して遮断(OCR不要)300kVA以下
CB形遮断器(VCBなど)CTとOCRが検出し、遮断器が遮断キュービクル式(JIS C 4620)は4000kVA以下

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の縦仕切りで左をPF形、右をCB形に分ける。左は電力ヒューズと負荷開閉器、右は遮断器と保護継電器をそれぞれ一組として並べ、事故対応の構成を比較する。
覚えること:PFとCBは事故対応の組合せが違う

PF形(PF・S形)では電力ヒューズ(限流ヒューズ)と負荷開閉器の組合せ、CB形では遮断器と保護継電器の組合せに着目します。同じ高圧を受ける設備でも、事故への対応の構成が違います。

選ぶ方式は設備容量や保護、運用などの条件と関係します。開閉する機器、異常を検知する機器、電流を遮断する機器を分けて読むことが基本です。

負荷開閉器だけですべての短絡事故を遮断できると考えないようにします。組み合わされるヒューズなどの役割を省くと、方式の違いが見えなくなります。

PF形・CB形の分担

PF形・CB形の分担の図解。1枚の単線図を中央の仕切りで左右に比較する。左はLBSとPFを組み合わせ、負荷電流の矢印をLBSへ、短絡時の矢印をPFへ向ける。右はOCRから遮断器へ「検出→遮断」の順に矢印をつなぐ。
覚えること:PFは短絡時溶断、CB形は検出後遮断

PF・S形では高圧交流負荷開閉器(LBS)と限流ヒューズ(PF:電力ヒューズ)を組み合わせ、LBSが負荷電流を開閉し、短絡時はヒューズが溶断して遮断します。溶断時はストライカがLBSを3相同時に引き外し、欠相を防ぎます。CB形は過電流継電器(OCR)などが異常を検出し、遮断器が主回路を遮断します。

受電方式を判断するときは、単線図上で主遮断装置を探し、短絡・地絡のそれぞれを何が検出し何が切るかを書き分けます。PF・S形は受電設備容量300kVA以下に限られ、これを超える設備はCB形とします。

試験に出る

  • PF・S形は限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器(LBS)の組合せ。
  • PF・S形の受電設備容量は300kVA以下。超える場合はCB形とする。
  • PF・S形では限流ヒューズが短絡電流を遮断するため、過電流継電器(OCR)は不要。
  • CB形は遮断器と保護継電器の組合せ。継電器が検出し、遮断器が遮断する。
  • 負荷開閉器だけで短絡事故は遮断できない。
  • 短絡保護と地絡保護は別の装置で検出・遮断することを確認する。

重要な言葉

受電方式
高圧受電設備で主遮断装置として開閉・保護・遮断を担う機器の組合せ。
PF形
PF・S形とも呼ぶ。限流ヒューズ(PF)付き高圧交流負荷開閉器(LBS)を主遮断装置とする方式で、受電設備容量300kVA以下に用いる。
CB形
遮断器(CB)と過電流継電器などの保護継電器を主遮断装置とする方式。
ストライカ
限流ヒューズの溶断時に突き出てLBSを3相同時に引き外すピン。欠相運転を防ぐ。

確認問題

確かめようCB形で異常を見つける継電器と電流を切る遮断器は同じ仕事?

いいえ。検知・指令と遮断を分担します。

PF形は電力ヒューズと負荷開閉器を組み合わせた方式である。

CB形では、保護継電器が主回路電流を直接遮断する。

PF・S形の受電設備は、受電設備容量500kVAまで使用できる。

PF・S形の主遮断装置には、短絡保護用の過電流継電器(OCR)を組み合わせる必要がある。

PF形の構成として適切なものは?

限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器(PF・S形)を主遮断装置とする高圧受電設備の受電設備容量の上限は?

受電方式の違いを学ぶときは、何で回路をし、何でを遮断するかを比べます。記号の並びを暗記するより、保護の担当を図で追うほうが理解しやすくなります。

(PF・S形)では(限流ヒューズ)と負荷開閉器の組合せ、CB形では遮断器と保護継電器の組合せに着目します。同じ高圧を受ける設備でも、事故への対応の構成が違います。

選ぶ方式はや保護、運用などの条件と関係します。開閉する機器、異常をする機器、電流を遮断する機器を分けて読むことが基本です。

だけですべての短絡事故を遮断できると考えないようにします。組み合わされるなどの役割を省くと、方式の違いが見えなくなります。

単線結線図

単線結線図は、複数の電線を一本の線で代表させ、機器の接続関係を示した図です。

単線図は接続関係を読む。電源・分電盤・照明の三つのまとまりを一本の線で結ぶ概念図。
単線図は設備どうしの接続関係を一本の線にまとめて表します。一本の線がそのまま電線一本を意味するとは限りません。

単線図は複数の電線を一本の線で代表させ、機器どうしの関係を見やすくした図です。一本描かれているから導体も一本、という意味ではありません。

単線結線図
機器・条件役割・判断
主回路電源→開閉・保護→変圧器→負荷
計測回路CT・VT等→計器・継電器
保護範囲装置がどの区間の事故を検出・遮断するか
分岐回路VT(一次側に限流ヒューズ)・LA・進相コンデンサを接続
区分開閉器責任分界点付近のPAS・UGS。DSとは別の機器

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に電源→遮断器→変圧器→負荷を左から右へ一本の線と矢印で配置する。機器間の各区間には「何相・何線」を確認する空欄を置き、具体的な数値は入れない。
覚えること:電源から追い各区間の何相・何線を記す

電源から遮断器、変圧器、負荷へ順に指で追い、各区間に何相・何線の回路があるかを書き込みます。分岐した先の負荷も、どの保護装置の下にあるかを確認します。

全体の電力の流れと機器の役割を先に読むと、定格値や接地、計器の取付け位置が整理できます。細かい結線を読む前の案内図として使います。

単線図の線の本数を、そのまま材料の心数として数えるのは誤りです。施工に必要な一本ずつの電線は、回路方式と接続条件から展開します。

電力の経路と計測の経路

電力の経路と計測の経路の図解。上段に電源側から負荷側へ向かう主回路を左から右の矢印で描き、CTから下段の計器・継電器へ向かう二次回路を枝分かれさせる。上下を点線で仕切り、二次回路が負荷へ続く電力経路に見えないようにする。
覚えること:主回路と二次回路は分けて読む

単線結線図は主回路を電源側から負荷側へ追います。CB形の典型例は、引込→区分開閉器(PAS・UGS)→VCT→DS→CB→母線→変圧器の開閉器(LBS・PC)→変圧器です。VT・LA・進相コンデンサは分岐で接続されます。配列は設備で異なるため図を優先します。

CT・VT・ZCT・ZPD(零相基準入力装置)からの二次回路は計器や継電器につながり、主回路の電力経路とは分けて読みます。Aは電流計、Vは電圧計、OCRは過電流継電器、GRは地絡継電器、DGRは地絡方向継電器など、記号を機能と結び付けます。

試験に出る

  • 単線図は複数の電線を一本で代表して描く。
  • 一本線は導体が一本という意味ではない。
  • 電源から機器を順に追い、各区間の相数・線数を読む。
  • 分岐先がどの保護装置の下にあるか確認する。
  • 材料の心数は回路方式と接続条件から求める。
  • 区分開閉器(PAS・UGS)は責任分界点付近に設ける。キュービクル内の断路器(DS)は保守用で区分開閉器ではない。
  • VT・避雷器・進相コンデンサは主回路から分岐して接続される。

重要な言葉

単線結線図
複数の電線を一本で代表させた接続関係の図。
単線図
単線結線図の略称。三相3線の回路も一本の線で表す。
責任分界点
電力会社と需要家の保安上の責任を分ける点。区分開閉器(PAS・UGS)を付近に設ける。

確認問題

確かめよう三相回路が一本線で描かれていたら単相回路?

いいえ。単線図は回路の接続関係を代表して表しています。

単線結線図で一本の線は、導体が一本であることを必ず意味する。

単線図では、分岐先がどの保護装置の下にあるかを確認する。

単線結線図の説明として適切なものは?

は複数の電線を一本の線で代表させ、機器どうしの関係を見やすくした図です。一本描かれているから導体も一本、という意味ではありません。

電源から、変圧器、負荷へ順に指で追い、各区間に何相・何線の回路があるかを書き込みます。分岐した先の負荷も、どのの下にあるかを確認します。

全体の電力の流れと機器の役割を先に読むと、や、計器の取付け位置が整理できます。細かい結線を読む前の案内図として使います。

単線図の線の本数を、そのまま材料のとして数えるのは誤りです。施工に必要な一本ずつの電線は、回路方式とから展開します。

断路器(DS)

断路器は、無負荷の電路を切り離すための開閉器で、負荷電流や事故電流の遮断は担当しません。

断路器と遮断器は役割が違う。左右に開いた接点。
断路器は回路を切り離すための機器です。遮断器と同じように負荷電流を遮断できると考えず、役割を区別します。

断路器は、回路を電気的に切り離すための機器です。名称が似る遮断器と区別するには、負荷電流や事故電流を切る能力を担当しているかを考えます。

断路器(DS)
機器・条件役割・判断
DS無負荷で電路を切離し
CB負荷・事故電流を定格内で遮断
開放順序CB等で遮断→DSで切離し
投入順序DSを閉じる→CBを投入

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左から電源、適切な機器、断路器(DS)、点検設備を一本の結線上に配置する。適切な機器で電流を遮断した状態と、DSの開いた接点を別々に描き、上側の矢印で「遮断してから切離し」の順を示す。
覚えること:適切な機器で電流遮断後、断路器で切離し

点検する設備を電源から切り離す場面では、まず適切な機器で電流を遮断した状態を管理します。断路器は、その切離しの役割として単線結線図上で確認します。

一般に断路器は負荷電流の開閉を目的とする機器ではありません。回路の分離と電流の遮断を別の機能として読むと、正しい機器選択につながります。

接点が開く外観をしているから、どの開閉機器でも同じ事故を切れるという理解は誤りです。機器の名称と定格、使用目的を照合します。

無負荷で切り離す手順

無負荷で切り離す手順の図解。中央に直列の電路を描き、左の遮断器はすでに電流を切った状態、右のDSはエルくんが開く状態にする。上には左から右へ「操作順」の矢印を置き、電流の向きと混同させない。
覚えること:遮断器で電流を切ってからDSを開く

DSは点検時などに電路を確実に切り離す機器で、通常の負荷電流や短絡電流を遮断する目的には使いません。遮断器などで電流を切ってからDSを開く順序が基本です。投入時は所定の安全確認後、DSを閉じてから遮断器を投入します。

DSとCBが直列でも両方とも同じ「スイッチ」ではありません。単線図で電流を切る装置、切り離しを明確にする装置、事故を検出する装置を別々に選びます。現場の操作は設備の手順書と保安規程に従います。

試験に出る

  • 断路器は電路の切離しを担い、負荷電流・事故電流の遮断はしない。
  • 点検時は先に適切な機器で電流を遮断する。
  • 断路器と遮断器を名称で混同しない。
  • 機器の名称・定格・使用目的を照合する。
  • 短絡電流の遮断は適切な保護機器が担う。
  • 停電操作は遮断器(CB)を開いてから断路器(DS)を開き、送電はDSを閉じてからCBを投入する。
  • 避雷器(LA)の回路にもDSを直列に入れ、点検・交換時に切り離す。

重要な言葉

断路器
無負荷の電路を切り離すための開閉器。
負荷電流
負荷が正常に動作しているときに流れる電流。
無負荷
負荷に電流が流れていない状態。

確認問題

確かめよう断路器を遮断器の代わりにして短絡電流を切れる?

いいえ。機能が違い、事故電流の遮断は適切な保護機器が担います。

断路器は負荷電流や事故電流を遮断する能力を持つ。

点検時は、適切な機器で電流を遮断してから断路器で切り離す。

停電操作では、断路器(DS)を先に開いてから遮断器(CB)を開く。

断路器の主な役割は?

は、回路を電気的に切り離すための機器です。名称が似ると区別するには、負荷電流や事故電流を切る能力を担当しているかを考えます。

点検する設備を電源から切り離す場面では、まず適切な機器でを遮断した状態を管理します。断路器は、そのの役割として単線結線図上で確認します。

一般に断路器はの開閉を目的とする機器ではありません。回路の分離と電流のを別の機能として読むと、正しい機器選択につながります。

接点が開く外観をしているから、どの開閉機器でも同じ事故を切れるという理解は誤りです。機器のと、使用目的を照合します。

高圧負荷開閉器(LBS・PAS等)

高圧負荷開閉器は、高圧回路で通常の負荷電流を開閉する機器で、短絡保護は組み合わせるヒューズなどが担います。

開閉と保護の組合せ。大きな開閉スイッチと別の保護装置を二つの枠で並べる。
負荷の開閉と、事故電流に対する保護は役割を分けて考えます。開閉器があらゆる事故電流を単独で遮断できるとは限りません。

負荷開閉器は、通常の負荷電流を開閉する役割を持ちます。高圧設備では、機器単体の機能と、他の保護機器を組み合わせたシステムの機能を分けて読みます。

高圧負荷開閉器(LBS・PAS等)
機器・条件役割・判断
LBS高圧負荷電流の開閉
PF(限流ヒューズ)短絡電流を限流して溶断・遮断
PAS架空引込の柱上に設ける区分開閉器
UGS地中引込に設ける区分開閉器
SOG制御装置地絡は開放、短絡は開放ロック→無電圧で開放

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に仕切りを置き、左に負荷開閉器、右の近くに電力ヒューズを配置する。両者を「電力ヒューズ付き」として囲み、それぞれの下向き矢印の先に担当する役割を示す。
覚えること:電力ヒューズ付きは開閉と短絡保護を分担

電力ヒューズ付き負荷開閉器なら、負荷の開閉と短絡保護を別の要素が担います。図では開閉器の記号だけでなく、近くのヒューズや制御とのつながりも確認します。

LBSやPASなどは、設置場所や構造、制御・保護の組合せが異なります。略号が「開閉器」を含むからと一つの機器としてまとめず、何を区分する装置かを読みます。

負荷開閉能力と短絡電流の遮断能力を混同しないことが重要です。保護装置との連携や定格を確認せず、開閉器に万能な遮断能力を持たせてはいけません。

LBS・PAS・UGS・PF

LBS・PAS・UGS・PFの図解。中央の一本の線上にLBSとPFを直列に置く。LBS側には負荷電流を開閉する矢印、PF側には短絡電流が最大値に達する前に溶断する矢印を、それぞれ分けて描く。
覚えること:LBSは短絡を遮断できずPFを併用

LBS(高圧交流負荷開閉器)は負荷電流を開閉できますが、短絡電流は遮断できないため限流ヒューズ(PF)と組み合わせます。限流ヒューズは短絡電流が最大値に達する前に溶断して電流を抑えて遮断し、溶断後は原因除去と交換が必要です。

PAS(高圧交流気中負荷開閉器)は柱上、UGS(地中線用負荷開閉器)は地中引込に用いる区分開閉器です。SOG制御装置付きなら、構内の地絡では開閉器を開き、短絡では遮断能力がないため開放をロックし、配電線側が停電して無電圧になってから開きます。

試験に出る

  • 負荷開閉器は通常の負荷電流を開閉し、短絡電流は遮断できない。
  • 短絡保護は限流ヒューズ(PF)などの組合せで担う。
  • PASは架空引込の柱上、UGSは地中引込に用いる区分開閉器。
  • SOG制御装置付きの区分開閉器は、構内の地絡で自動開放し、短絡では開放をロックして配電線側の停電(無電圧)後に開く。
  • PAS・UGSが地絡で開くことで、構内事故が配電線へ波及するのを防ぐ。
  • 変圧器一次側の開閉器は、300kVA以下なら高圧カットアウト(PC)も使え、超えると限流ヒューズ付きLBSとする。

重要な言葉

負荷開閉器
通常の負荷電流を開閉する機器。
高圧負荷開閉器
高圧回路で負荷電流を開閉する機器。LBS(高圧交流負荷開閉器)、PAS(高圧交流気中負荷開閉器)など。
区分開閉器
電力会社の配電線と需要家の構内電路を区分するため、責任分界点付近に設ける開閉器。PASやUGS。
SOG制御装置
区分開閉器に付ける過電流ロック形の地絡継電装置。地絡では開閉器を開き、短絡では開放をロックする。

確認問題

確かめようヒューズ付きという情報は飾り?

いいえ。事故時の保護をどの要素が担当するかを示す重要な条件です。

高圧負荷開閉器は、短絡電流の遮断も単独で担当する。

LBSとPASは、設置場所や構造、保護の組合せが異なる。

地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)は、構内の短絡電流を遮断する能力をもつ。

高圧負荷開閉器の主な役割は?

SOG制御装置付きPASの構内で短絡事故が起きたときの動作として適切なものは?

は、通常の負荷電流を開閉する役割を持ちます。高圧設備では、機器単体の機能と、他の保護機器を組み合わせたの機能を分けて読みます。

付き負荷開閉器なら、負荷の開閉と短絡保護を別の要素が担います。図では開閉器の記号だけでなく、近くのヒューズやとのつながりも確認します。

やなどは、設置場所や構造、制御・保護の組合せが異なります。略号が「開閉器」を含むからと一つの機器としてまとめず、何を区分する装置かを読みます。

と短絡電流の遮断能力を混同しないことが重要です。保護装置とのや定格を確認せず、開閉器に万能な遮断能力を持たせてはいけません。

遮断器(CB)

遮断器(CB)とは、事故電流を回路から安全に遮断する機器で、高圧受電設備では保護継電器からの信号を受けて動作します。

遮断器が回路を守る。正常時の閉じたスイッチと異常電流時の開いたスイッチの二場面。
過電流遮断器は過大な電流を検知して回路を遮断します。通常時と異常時で接点の状態が変わることが保護の基本です。

電線は大きすぎる電流が流れると発熱します。過電流遮断器は、過負荷や短絡による異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。

遮断器(CB)
機器・条件役割・判断
CB主回路を開閉・遮断
VCB真空中で消弧する遮断器
定格電流連続使用の電流条件
遮断電流短絡時に切れる電流条件

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に配線用遮断器を大きく置き、その機能表示から右側の二つの枠「過電流保護」「漏電保護」へ点線を伸ばす。枠の間に仕切りを入れ、別々の機能として表示を確認する図にする。
覚えること:漏電保護の有無は表示で確認

器具の使い過ぎで電流が増える過負荷と、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながる短絡では、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。

定格電流は通常使う電流の基準、遮断容量は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。

配線用遮断器が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護と漏電保護は別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。

定格電流と遮断性能

定格電流と遮断性能の図解。中央にCBの選定表を置き、横線で上下2段に分ける。上段は「連続使用→定格電流」、下段は「最大短絡電流→定格遮断電流」と右向きの矢印で照合先を示す。
覚えること:最大短絡電流と定格遮断電流を照合

CBは負荷電流を開閉し、短絡事故時には継電器等からの指令で事故電流を遮断します。真空遮断器(VCB)やガス遮断器(GCB)などは消弧方式が異なります。図記号CBと機器形式の略号を区別します。

選定では使用電圧、連続使用の定格電流、設置点の最大短絡電流に対する定格遮断電流を照合します。定格電流が大きいだけで短絡遮断能力が十分とはいえません。下位・上位装置の動作時間の協調も必要です。

確認

確認の図解。左の電路に変流器(CT)、中央上に保護継電器、右に高圧遮断器を配置する。異常検出から継電器、遮断器へ向かう信号を矢印で示し、遮断器の位置で短絡電流の経路を途切れさせる。
覚えること:CT・継電器の異常信号で遮断器が遮断

高圧受電設備では、変流器(CT)や保護継電器が異常を検出し、その信号で高圧遮断器(VCBなど)が短絡電流などを遮断します。遮断器単体ではなく、継電器との組合せで保護協調を考えます。

試験に出る

  • 過電流遮断器は過負荷と短絡から回路を保護する。
  • 定格電流は通常時の基準、遮断容量は事故電流を切る能力。
  • 負荷電流でなく想定短絡電流に見合う遮断容量が必要。
  • 過電流保護と漏電保護は別の機能である。
  • 通常の開閉と事故時の遮断を区別する。
  • 高圧では保護継電器の信号で遮断器が動作する。継電器との組合せと遮断容量を問う。
  • VCB(真空遮断器)は真空中でアークを消す高圧遮断器で、CB形受電設備の主遮断装置に多い。

重要な言葉

高圧遮断器
高圧回路の事故電流を遮断する機器。VCBなどが使われます。
保護継電器
事故を検出して遮断器へ指令を出す装置。
遮断容量
所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力。

確認問題

確かめよう定格電流が同じなら遮断容量も必ず同じ?

いいえ。平常時の電流と事故を切れる能力は別の仕様です。

定格電流が同じ遮断器なら、遮断容量も必ず同じである。

配線用遮断器は、必ず漏電を検知して遮断する。

遮断容量の説明として適切なものは?

電線は大きすぎる電流が流れるとします。は、過負荷や短絡による異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。

器具の使い過ぎで電流が増えると、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながるでは、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。

は通常使う電流の基準、は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。

が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護とは別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。

変圧器(T)

変圧器は、交流による磁束の変化を利用して電圧を変える機器です。巻数比で電圧比が決まり、電流比は逆になります。

変圧器は交流の電圧を変える。閉じた鉄心の左に巻数の多いコイル、右に巻数の少ないコイル。
変圧器は交流で変化する磁束を介して、巻数の比に応じた電圧を取り出します。電圧を変える機器であり、取り出すエネルギーを増やす機器ではありません。

変圧器は交流による磁束の変化を利用して電圧を変えます。一次と二次の巻数の関係を考えると、電圧が変わる理由と電流の変化を一緒に理解できます。

変圧器(T)
機器・条件役割・判断
電圧比一次:二次=巻数比
鉄損無負荷でもほぼ発生
銅損負荷電流の二乗に比例
効率最大条件が同じなら鉄損=銅損が目安
変圧器(T)
項目要点
B種接地の施設箇所低圧側の中性点(300V以下で困難なら一端子)
B種接地抵抗値150/Ig〔Ω〕以下(遮断時間により300/Ig・600/Ig)
B種接地線(軟銅線)直径2.6mm以上
V結線の出力単相変圧器1台の容量の√3倍

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の鉄心に左の一次巻線と右の二次巻線を描き、巻数を2:1にする。左から右へ「200V→100V」の矢印、その下に「一次電流→二次電流2倍」の矢印を置き、両方に「損失無視」の条件を添える。
覚えること:損失無視・2:1で100V、電流2倍

理想変圧器で一次200V、巻数比が一次:二次=2:1なら二次電圧は100Vです。損失を無視すると電力は等しいため、二次の電流は一次の2倍になります。

電圧比は巻数比に対応し、電流比は逆になります。実際には鉄心や巻線に損失があり、出力電力は入力電力より小さくなります。

電圧を上げれば出力エネルギーも増えるという理解は誤りです。また定常直流をそのまま加えて、交流用変圧器が同じ仕組みで働くわけではありません。

変成比・損失・結線

変成比・損失・結線の図解。中央に変圧器の巻線を置き、左の負荷電流「1倍→2倍」から右の銅損「1倍→約4倍」へ矢印でつなぐ。左右の変化を同じ高さに並べ、銅損の増え方が大きいことを示す。
覚えること:負荷電流2倍で銅損は約4倍

理想変圧器ではV1/V2=N1/N2、I1/I2=N2/N1です。実機では無負荷でも鉄損が生じ、巻線の銅損は負荷電流の二乗にほぼ比例します。電流を2倍にすれば銅損は約4倍で、公式例題はこの関係を問います。

鉄損はヒステリシス損・渦電流損から成り、負荷にかかわらずほぼ一定です。効率が最大となる目安は銅損と鉄損が等しいときです。高低圧の混触に備え、低圧側の中性点(300V以下で困難なら一端子)にB種接地工事を施します。

試験に出る

  • 変圧器は交流の磁束変化を利用し、定常直流では働かない。
  • 電圧比は巻数比に対応する。
  • 電流比は電圧比と逆になる。
  • 理想変圧器では電力が等しい。
  • 実際は鉄心・巻線の損失で出力が入力より小さくなる。
  • B種接地工事は変圧器の低圧側の中性点(使用電圧300V以下で中性点に施し難いときは一端子)に施す。
  • B種接地抵抗値は150/Ig〔Ω〕以下(Igは高圧側電路の1線地絡電流。混触時の遮断時間により300/Ig・600/Ig)。
  • 単相変圧器2台のV結線の出力は1台の容量の√3倍(Δ結線3台の約57.7%)。

重要な言葉

変圧器
交流の磁束変化を利用して電圧を変える機器。
巻数比
一次巻線と二次巻線の巻数の比。電圧比に対応する。
変圧比
一次電圧と二次電圧の比。

確認問題

確かめよう理想変圧器で二次電圧を一次の半分にしたら同じ電力の二次電流は?

2倍。電圧と電流を逆向きに考えます。

変圧器の二次電流は、二次電圧を下げると同じ電力では増える。

定常直流を加えても、交流用変圧器は同じように電圧を変えられる。

B種接地工事の接地抵抗値を求めるには、変圧器の高圧側電路の1線地絡電流が必要である。

理想変圧器で一次200V、巻数比2:1のときの二次電圧は?

は交流によるの変化を利用して電圧を変えます。一次と二次の巻数の関係を考えると、電圧が変わる理由と電流の変化を一緒に理解できます。

理想変圧器で一次200V、巻数比が一次:二次=2:1なら二次電圧はです。損失を無視すると電力は等しいため、二次の電流は一次のになります。

電圧比はに対応し、電流比は逆になります。実際には鉄心や巻線に損失があり、は入力電力より小さくなります。

電圧を上げれば出力エネルギーも増えるという理解は誤りです。またをそのまま加えて、交流用変圧器が同じ仕組みで働くわけではありません。

計器用変圧器(VT)

計器用変圧器は、主回路の高い電圧を計器や保護継電器が扱える電圧へ変換する機器です。6.6kV回路では一次6600V・二次110Vが標準です。

VTは電圧を測りやすくする。高い電圧の線を上に、そこからVTを介して下の電圧計へ情報が伝わる模式図。
計器用変圧器(VT)は高い電圧を計測に適した電圧に変えます。主負荷への電力供給を示す図ではありません。

高い電圧をそのまま計器へ入力する代わりに、計器が扱える電圧へ変換するのが計器用変圧器VTです。負荷へ大きな電力を送る変圧器とは、使う目的が違います。

計器用変圧器(VT)
機器・条件役割・判断
VT6600Vを110Vに変成し電圧計・継電器へ
CT一次電流を5Aに変成し電流計・継電器へ
VCTVT+CTを一体化し取引用電力量計へ

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央のVTを境に、左を主回路側の一次6600V、右を計測側の二次110Vとする。下部に右から左へ戻る矢印を描き、「変成比60を掛ける」と示す。
覚えること:二次110Vなら×60で一次6600V

6.6kV回路のVTは一次6600V・二次110Vが標準で、変成比は60です。二次電圧が110Vなら一次は6600Vです。計器の値だけでなく変成比も読んで、元の電圧へ戻します。

VTは主回路の電圧を計測・保護に利用できるように伝えます。主回路側と計測側の量を対応させ、どちらの値を問われているかを確認します。

VTとCTを単に似た小型変圧器として覚えると、電圧と電流の変換を取り違えます。VTはVoltage、電圧側の情報を扱うものと結び付けます。

VT・VCTの役割

VT・VCTの役割の図解。左にVCT、右に取引用電力量計を置き、VCT内部を仕切ってVTとCTを示す。VCTから計器へ向かう2本の矢印に、それぞれ「電圧」「電流」と付ける。
覚えること:VCTは取引用電力量計へ電圧・電流供給

VTは高圧の電圧を計器・継電器が扱える110Vへ変えます。一次電圧は二次の指示値に変成比を掛けて求めます。VTの一次側には限流ヒューズを付け、VT内部の事故が主回路へ波及するのを防ぎます。二次側電路にはD種接地工事を施します。

VCTはVTとCTを一体化した電力需給用計器用変成器で、取引用電力量計へ電圧・電流を供給します。公式例題は写真を示してVCTと高圧交流負荷開閉器・三相変圧器・直列リアクトルを区別させます。VTだけでは主回路電流を測れません。

試験に出る

  • VTは主回路の高電圧を計器が扱える電圧に変換する。
  • 変成比を使って二次の値を一次の値へ戻す。
  • VTは電圧、CTは電流を扱う。
  • 負荷へ電力を送る変圧器とは目的が異なる。
  • 計器の値と主回路の値を区別する。
  • VTの定格は一次6600V・二次110V(変成比60)。
  • VTの一次側には限流ヒューズを付け、VT・CTの二次側電路にはD種接地工事を施す。
  • VTの二次側は短絡させない。

重要な言葉

計器用変圧器
主回路の高電圧を計器用の電圧に変換する機器。VT。
変成比
VTで一次電圧と二次電圧の比。
電圧測定
電圧の大きさを計器で測ること。

確認問題

確かめよう二次側110Vの表示だけで一次側も110Vと判断できる?

いいえ。VTの変成比を使って元の値を求めます。

計器用変圧器(VT)は、主回路の電圧を計器が扱える値に変換する。

VTとCTはどちらも同じ量を変換する機器である。

定格6600V/110V(変成比60)のVTで二次電圧が110Vのとき、一次電圧は?

高い電圧をそのまま計器へ入力する代わりに、計器が扱える電圧へ変換するのがVTです。負荷へ大きな電力を送る変圧器とは、使うが違います。

6.6kV回路のVTは一次6600V・二次110Vが標準で、変成比は60です。二次電圧が110Vなら一次はです。計器の値だけでなくも読んで、元の電圧へ戻します。

VTは主回路の電圧を・保護に利用できるように伝えます。主回路側と計測側の量を対応させ、どちらの値を問われているかを確認します。

VTとを単に似た小型変圧器として覚えると、電圧と電流の変換を取り違えます。VTは、電圧側の情報を扱うものと結び付けます。

変流器(CT)

変流器は、主回路の大きな電流を計器や保護継電器が扱える電流へ変換する機器です。二次定格電流は5Aが標準です。

CTは電流を測りやすくする。一本の太い導体がリング状のCTを貫き、CTの計測側が小さい電流計につながる概念図。
変流器(CT)は主回路の電流を計測に適した電流に変えます。リングを貫く導体と、計測側の役割を区別します。

大きな主回路電流を計測や保護で扱える電流へ変えるのが変流器CTです。主回路の値と計器へ渡す値を区別すると、倍率の問題を解きやすくなります。

変流器(CT)
機器・条件役割・判断
CT変流比一次定格電流/二次定格電流(5A)
一次電流二次指示値×変流比
CT二次開放通電中は危険な高電圧のおそれ
VT二次短絡過大電流のおそれ

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央にCT、左に一次側の120A、右に電流計につながる二次側の3Aを配置する。二次側から一次側へ向かう換算矢印に「3×(200÷5)」を添え、二次回路は途切れない閉じた線で描く。
覚えること:200/5Aで二次3A→一次120A

変流比200/5AのCTで二次電流が3Aなら、一次電流は3×(200÷5)=120Aです。分数の上下を逆にしないよう、二次から一次へ戻すと値が大きくなることも確認します。

CTは主回路の電流に対応する信号を電流計や保護継電器へ渡します。一次側に電流が流れる状態での二次側開放は危険な電圧を生じるおそれがあり、特に重要な取扱条件です。

電流計を外すことを、普通の器具をコンセントから抜く感覚で考えてはいけません。CT二次回路には専用の管理手順が必要です。

CTの変流比と二次開放

CTの変流比と二次開放の図解。左から右へ一次電流が流れる主回路をCTに通し、CTの二次配線を下の専用端子へつなぐ。専用端子では二次の2端子を短絡し、その右に交換中の計器を配置する。
覚えること:一次通電中の計器交換は専用端子で二次短絡

CTは主回路を流れる一次電流を、二次定格5Aを基準とする電流へ変換して計器・保護継電器へ渡します。200/5AのCTなら変流比40で、二次3Aは一次120Aに相当します。定格電流比と測定値を混ぜないようにします。

一次通電中にCT二次を開放すると、二次側に危険な高電圧が生じ得ます。計器交換時などは専用端子で二次を短絡する手順が必要です。VT側の二次短絡とCT側の二次開放は異なる危険として整理します。

試験に出る

  • CTは主回路の大電流を扱いやすい電流に変換する。
  • 変流比を使い、二次の値に倍率を掛けて一次の値を求める。
  • 二次側開放は危険で、専用の管理手順が必要。
  • CTは電流、VTは電圧を扱う。
  • 主回路の値と計器へ渡す値を区別する。
  • CTの二次定格電流は5Aが標準。
  • 通電中に計器を外すときはCT二次側を短絡してから外す。

重要な言葉

変流器
主回路の電流を計器用の電流に変換する機器。CT。
変流比
CTで一次電流と二次電流の比。
二次側開放
CTの二次回路を開放した状態。危険な高電圧を生じるおそれがある。

確認問題

確かめよう変流比100/5Aで二次2Aなら一次は?

40A。倍率20を掛けます。

CTの二次回路を一次側に電流が流れている状態で開放すると、危険な電圧を生じるおそれがある。

変流比100/5AのCTで二次電流2Aのとき、一次電流は10Aである。

変流比200/5AのCTで二次電流が3Aのとき、一次電流は?

大きな主回路電流を計測や保護で扱える電流へ変えるのがCTです。主回路の値と計器へ渡す値を区別すると、の問題を解きやすくなります。

変流比200/5AのCTで二次電流が3Aなら、一次電流は3×(200÷5)=です。分数の上下を逆にしないよう、二次から一次へ戻すと値がなることも確認します。

CTは主回路の電流に対応する信号をや保護継電器へ渡します。一次側に電流が流れる状態でのは危険な電圧を生じるおそれがあり、特に重要な取扱条件です。

電流計を外すことを、普通の器具をコンセントから抜く感覚で考えてはいけません。CTには専用のが必要です。

保護継電器

保護継電器は、異常を検知して遮断器などへ動作を指令する機器で、電流の遮断は担いません。

検知と遮断は別の役割。左に異常を見つける保護継電器、中央に指令矢印、右に開く遮断器。
保護継電器は異常を検知して指令を出し、遮断器が回路を遮断します。検知する機器と大きな電流を切る機器を分けて覚えます。

保護継電器は異常を検知し、遮断器などへ動作を指令する機器です。異常を見つけることと、大きな電流を実際に切ることを分業していると考えます。

保護継電器
機器・条件役割・判断
検出CT・VT・ZCT等
判定継電器の整定値・時間
遮断CB・保護付き開閉器等
OCR/GR/DGR過電流/地絡/方向性地絡

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。下段に主回路の電力線を左から右へ引き、線を囲むCTを左、遮断器を右に置く。仕切りの上に過電流継電器を置き、CTからは電流情報、継電器から遮断器へは指令の矢印を引いて、主回路が継電器を通らないことを示す。
覚えること:CT情報を整定値等で判断し遮断器へ指令

CTから電流の情報を受けた過電流継電器が、設定された整定値に達したと判断して遮断器へ指令する流れを描きます。情報の流れと主回路の電力の流れは別です。

継電器は測定量・整定値・時間特性などに基づいて動作します。保護したい設備と他の保護装置との協調を考えて、適切な検知条件を設けます。

継電器そのものにすべての主回路電流が流れ、それを直接切ると解釈しないようにします。検知回路と遮断機構の役割を区別します。

検出・判定・遮断の三段階

検出・判定・遮断の三段階の図解。正方形の図を左から右へ三段に区切り、CT・VT・ZCTからの計測量→継電器での整定値・時間条件の判定→遮断器への動作指令を矢印でつなぐ。条件を満たしたときだけ、右向きの指令矢印が進む形にする。
覚えること:整定値と時間条件が合えば遮断指令

継電器はCT・VT・ZCT等からの量を測り、整定値と時間条件に合えば遮断器や開閉器へ動作指令を出します。OCRは過電流、GRは地絡電流、DGRは地絡の方向も判別する装置です。計測した量と遮断する装置の組を読みます。

事故電流が大きければ必ず上位の継電器だけを最速動作させるわけではありません。下位で故障箇所を先に切り、失敗したら上位で切るように電流・時間の整定を調整します。

試験に出る

  • 保護継電器は異常の検知と遮断指令を担う。
  • 実際の電流遮断は遮断器が行う。
  • 測定量・整定値・時間特性で動作が決まる。
  • 保護装置どうしの協調を考える。
  • 検知回路と遮断機構を区別する。

重要な言葉

保護継電器
異常を検知して遮断器へ動作を指令する機器。
過電流継電器
電流の大きさに基づいて動作する保護継電器。
遮断指令
遮断器へ動作を指示する信号。

確認問題

確かめよう継電器が異常を検知しても遮断器が動かなければ保護は完了?

いいえ。検知から実際の遮断までの連携が必要です。

保護継電器は、異常を検知して遮断器へ遮断を指令する。

保護継電器は、主回路の大電流を直接遮断する装置である。

保護継電器の役割として適切なものは?

は異常をし、遮断器などへ動作を指令する機器です。異常を見つけることと、大きな電流を実際に切ることを分業していると考えます。

から電流の情報を受けた過電流継電器が、設定されたに達したと判断して遮断器へ指令する流れを描きます。情報の流れと主回路の電力の流れは別です。

継電器は・整定値・などに基づいて動作します。保護したい設備と他の保護装置との協調を考えて、適切な検知条件を設けます。

継電器そのものにすべての主回路電流が流れ、それを直接切ると解釈しないようにします。との役割を区別します。

地絡保護

地絡保護は、電路が大地につながる地絡事故を検知して除去する保護です。

地絡を検知する。回路の途中から電流の一部が大地へ逃げる矢印。
地絡では回路から大地へ電流が流れます。その異常を検知して保護に結び付ける仕組みを、通常の電流経路と区別します。

地絡は、電路が大地につながる事故です。線同士の短絡と混同せず、どこへ電流が流れ出たかを考えると、地絡保護の検知対象が見えます。

地絡保護
機器・条件役割・判断
ZCT(零相変流器)零相電流を検出
ZPD(零相基準入力装置)零相電圧を検出
GR(地絡継電器)零相電流の大きさで地絡を検出
DGR(地絡方向継電器)零相電圧と零相電流の位相で構内・構外を判別
遮へい層の接地線ZCTの電源側で接地→ZCTに通さない/負荷側で接地→ZCTに通して接地

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の零相変流器の輪に、上段の往き線と下段の戻り線を通す。輪の右側で往き線から大地へ流れる枝を描き、往きと戻りの対応が崩れる様子を示す。零相変流器から保護装置へは情報を伝える矢印を引く。
覚えること:一部が大地へ流れると往復の対応が崩れる

正常時には往きと戻りの電流が対応していても、一部が大地へ流れるとその関係が崩れます。零相変流器は、このような地絡に関わる電流の情報を保護装置へ伝えます。

地絡保護には零相電流や零相電圧などを利用する方式があり、方向を判別するものもあります。設備の接地方式や保護範囲に合う方式を読むことが重要です。

地絡電流が必ず大きく、過電流保護だけで十分に検出できるとは限りません。短絡保護と地絡保護を別項目で確認する理由がここにあります。

零相電流と地絡方向

零相電流と地絡方向の図解。中央の縦線で左右を比較し、左はZCTの零相電流だけがGRへ入る矢印、右はZCTの零相電流とZPDの零相電圧がDGRへ入る2本の矢印を描く。右では2入力の位相から事故方向を判別する様子を示す。
覚えること:高圧ケーブル長く対地容量大→DGR

ZCTは複数線をまとめて通し、健全時には打ち消し合う電流の差を零相電流として検出します。高圧地絡では電流が小さい場合があり、通常の過電流継電器だけでは見逃すことがあります。

GRは零相電流の大きさで動作し、DGRはZPD(零相基準入力装置)の零相電圧と零相電流の位相で事故方向を判別します。構内の高圧ケーブルが長く対地静電容量が大きいと、構外の地絡でGRが不要動作するおそれがあるため、DGRを使います。

試験に出る

  • 地絡は電路が大地につながる事故である。
  • 零相変流器などで地絡に関わる電流を検出する。
  • 零相電流・零相電圧を利用する方式がある。
  • 地絡電流は過電流保護だけで検出できるとは限らない。
  • 短絡保護と地絡保護は別に考える。
  • DGRはZCTの零相電流とZPDの零相電圧を入力とし、構外の地絡による不必要動作(もらい事故)を防ぐ。
  • ケーブル遮へい層の接地線は、ZCTより電源側で接地するならZCTに通さず、負荷側で接地するならZCTに通してから接地する。

重要な言葉

地絡
電路が大地につながる事故。
地絡継電器
地絡を検知して動作する保護継電器。
零相変流器
地絡に関わる電流を検出する変流器。
零相基準入力装置
ZPD。地絡時の零相電圧を検出し、地絡方向継電器(DGR)へ入力する装置。
地絡方向継電器
DGR。零相電圧と零相電流の位相から、地絡が構内か構外かを判別する継電器。

確認問題

確かめよう地絡と線間短絡を区別する着眼点は?

事故の経路。大地につながるか、電線同士につながるかを見ます。

地絡は、電路が大地につながる事故である。

地絡電流は必ず大きく、過電流保護だけで十分に検出できる。

地絡方向継電器(DGR)は、零相電流だけで地絡の方向を判別する。

地絡検出に用いられる機器は?

ZCTより電源側で高圧ケーブルの遮へい層を接地する場合の接地線の施工として適切なものは?

は、電路がにつながる事故です。線同士の短絡と混同せず、どこへ電流が流れ出たかを考えると、地絡保護の検知対象が見えます。

正常時には往きと戻りの電流が対応していても、一部が大地へ流れるとその関係が崩れます。は、このような地絡に関わる電流の情報を保護装置へ伝えます。

地絡保護にはやなどを利用する方式があり、方向を判別するものもあります。設備の接地方式や保護範囲に合う方式を読むことが重要です。

が必ず大きく、過電流保護だけで十分に検出できるとは限りません。短絡保護と地絡保護をで確認する理由がここにあります。

過電流保護

過電流保護は、負荷変動と過負荷・短絡を区別し、電流と時間の関係で保護装置を動作させる考え方です。

遮断器が回路を守る。正常時の閉じたスイッチと異常電流時の開いたスイッチの二場面。
過電流遮断器は過大な電流を検知して回路を遮断します。通常時と異常時で接点の状態が変わることが保護の基本です。

過電流保護では、通常の負荷変動と、設備を損傷する過負荷・短絡を区別して動作させます。遮断器の機械的な能力に加えて、どの電流でいつ動作するかを考えます。

過電流保護
機器・条件役割・判断
過負荷許容超過の電流が継続
短絡低いインピーダンスで導体間事故
瞬時要素大きい事故電流へ短時間で動作
限時要素電流と時間の整定で協調

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に横軸「時間」、縦軸「電流」の図を置き、短時間の始動時の電流と長く続く過負荷を、つながらない別々の線で示す。動作特性は半透明の重ね図として示し、具体的な遮断位置や数値は描かない。
覚えること:始動は止めず事故は必要な速さで確実遮断

モーターは始動時に通常運転より大きな電流が流れることがあります。その短時間の電流と、長く続く過負荷を同じ条件で扱うと、正常な始動まで止めてしまう可能性があります。

保護継電器や遮断器の動作特性は電流と時間の関係です。保護対象が許容できる時間と、上位・下位の保護装置との協調を照合します。

感度を高く、時間を短くすれば必ずよいわけではありません。正常運転を妨げず、事故時には必要な速さで確実に遮断する条件が必要です。

過負荷と短絡を分ける

過負荷と短絡を分けるの図解。1枚の回路図を中央の仕切りで左右に分け、左は通常の負荷経路に許容超の電流が続く状態、右は異なる電位の導体を低インピーダンスの接続が結ぶ状態として描く。電流の向きは矢印で示し、左右を別の原因として見比べられるようにする。
覚えること:負荷経路で許容超、異電位低インピで短絡

過負荷は通常の負荷経路で許容を超えて電流が続く状態、短絡は異なる電位の導体が低いインピーダンスでつながる事故です。モーターの始動電流は短時間なら正常で、瞬時要素と限時要素の整定に影響します。

OCRには過電流の大きさと継続時間に応じて動作する要素があります。下位装置の特性曲線と上位装置の特性曲線を重ね、下位が先に故障を切れる時間差を確保します。遮断器の遮断容量も短絡電流以上である必要があります。

試験に出る

  • 過電流保護は負荷変動と過負荷・短絡を区別する。
  • モーターの始動電流と継続過負荷を同じ条件で扱わない。
  • 動作特性は電流と時間の関係である。
  • 上位・下位の保護装置との協調を照合する。
  • 感度や時間を短くすればよいわけではない。

重要な言葉

過電流保護
過負荷や短絡から設備を保護する考え方。
動作特性
電流の大きさと動作時間の関係。
保護協調
上位・下位の保護装置を協調させること。

確認問題

確かめよう一時的な始動電流と継続する過負荷を区別する情報は?

電流の大きさに加えて継続時間。動作特性を読む理由です。

モーターの一時的な始動電流と、長く続く過負荷は区別して扱う。

過電流保護は、感度を高くして時間を短くするほど常によい。

始動電流と過負荷を区別するために読む情報は?

では、通常のと、設備を損傷する過負荷・短絡を区別して動作させます。遮断器の機械的な能力に加えて、どの電流でいつ動作するかを考えます。

モーターはに通常運転より大きな電流が流れることがあります。その短時間の電流と、長く続く過負荷を同じ条件で扱うと、正常な始動まで止めてしまう可能性があります。

保護継電器や遮断器のは電流との関係です。保護対象が許容できる時間と、上位・下位の保護装置との協調を照合します。

を高く、時間を短くすれば必ずよいわけではありません。正常運転を妨げず、事故時には必要な速さで確実に遮断する条件が必要です。

避雷器・進相コンデンサ・接地

避雷器と進相コンデンサは、それぞれ過電圧保護と力率改善を担う、目的の異なる受電設備の機器です。

設備ごとに守る対象が違う。左右対比。
避雷器は過電圧対策、進相コンデンサは力率改善を担います。異なる目的の設備なので、同じ保護装置として扱わず役割を分けます。

避雷器と進相コンデンサは同じ受電設備にあっても、対処する問題が違います。雷などの過電圧への対策と、交流負荷の力率改善を別の目的として整理します。

避雷器・進相コンデンサ・接地
機器・条件役割・判断
LA異常電圧を制限しサージを大地へ流す。A種接地
SC遅れ無効電力を補償し力率を改善
SRSC容量の6%。高調波拡大・突入電流を抑制
放電コイル・放電抵抗SC開放後の残留電荷を放電
接地感電・電位上昇・混触対策
避雷器・進相コンデンサ・接地
高圧ケーブルの項目要点
CVT単心CVケーブル3本をより合わせたトリプレックス形
遮へい層銅テープで電界を整え、片端で接地する
ストレスコーン遮へい層端部の電位傾度を緩和する
水トリー架橋ポリエチレン絶縁体に生じる樹枝状の劣化

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に電源から誘導性負荷へ向かう回路を描き、その下に進相コンデンサを配置する。コンデンサから無効電力へ補う向きの矢印を描き、電源から流れる電流には下向きの小さな矢印を添えて、電流が減る関係を示す。
覚えること:必要量と設備条件を確認して補償

落雷等による一時的な高電圧から機器を守る場面は避雷器、誘導性負荷の無効電力を補って電源から流れる電流を減らす場面は進相コンデンサに対応します。

避雷器はサージに対する保護を担い、接地との関係も重要です。コンデンサによる力率改善は電圧・電流の位相関係に関わり、同じ保護原理ではありません。

コンデンサを多く付けるほど常によいわけではありません。過補償や高調波などの条件もあるため、必要量と設備条件を確認します。

雷・力率・接地の別目的

雷・力率・接地の別目的の図解。中央上の「雷などの異常電圧」から避雷器(LA)へ矢印を向け、LAの横に電圧を制限する作用を示す。LAから下の「A種接地・大地」へサージ電流の矢印を伸ばし、電圧の制限と電流の行き先を区別する。
覚えること:LAは異常電圧を制限しサージを大地へ

避雷器(LA)は雷などの異常電圧を制限し、サージ電流を大地へ流します。接地はA種接地工事です。進相コンデンサ(SC)は誘導性負荷の遅れ無効電力を補い、線路電流を減らします。直列リアクトル(SR)はコンデンサ容量の6%が標準で、高調波の拡大と投入時の突入電流を抑えます。

SCには開放後の残留電荷を放電する放電コイルや放電抵抗を設けます。接地は、機器外箱の接地と高低圧混触に備える変圧器のB種接地とで目的が異なります。LA・SC・SR・接地は同じ「保護機器」として一括りにせず、作用する異常の種類で区別します。

試験に出る

  • 避雷器(LA)は雷などの過電圧・サージから機器を保護し、A種接地工事を施す。
  • 高圧架空電線路から受電する受電電力500kW以上の需要場所の引込口には避雷器を施設する。
  • 進相コンデンサ(SC)は誘導性負荷の力率改善に使う。
  • 直列リアクトル(SR)の容量はコンデンサ容量の6%が標準(第5高調波対策)。
  • 残留電荷の放電は放電コイル・放電抵抗の役割で、SRの役割ではない。
  • 高圧CVTは単心CVケーブル3本をより合わせたもの。水トリーは架橋ポリエチレン絶縁体に生じる。
  • 過電圧保護と力率改善は目的が異なる。

重要な言葉

避雷器
雷などの過電圧から機器を保護する機器。
進相コンデンサ
無効電力を補い力率を改善する機器。
力率改善
遅れ力率を改善し、電源から流れる電流を減らすこと。
過電圧
雷などで平常より高くなる電圧。
直列リアクトル
SR。進相コンデンサに直列に入れ、高調波の拡大と投入時の突入電流を抑える。容量はコンデンサの6%が標準。
放電コイル
進相コンデンサを回路から開放した後の残留電荷を放電する装置。放電抵抗を内蔵する方式もある。
水トリー
CVケーブルの架橋ポリエチレン絶縁体に、水分と電界によって生じる樹枝状の劣化。

確認問題

確かめよう力率が悪い設備に避雷器を追加すると改善する?

いいえ。過電圧保護と力率改善は役割が異なります。

進相コンデンサは、力率改善のために用いられる。

避雷器を追加すれば、力率の悪い設備の力率が改善する。

直列リアクトルの主な役割は、コンデンサ開放後の残留電荷を放電することである。

進相コンデンサの主な目的は?

高圧進相コンデンサに設ける直列リアクトルの容量として標準的なものは?

とは同じ受電設備にあっても、対処する問題が違います。雷などの過電圧への対策と、交流負荷の力率改善を別の目的として整理します。

落雷等による一時的なから機器を守る場面は避雷器、誘導性負荷のを補って電源から流れる電流を減らす場面は進相コンデンサに対応します。

避雷器はに対する保護を担い、との関係も重要です。コンデンサによる力率改善は電圧・電流の位相関係に関わり、同じ保護原理ではありません。

コンデンサを多く付けるほど常によいわけではありません。やなどの条件もあるため、必要量と設備条件を確認します。

覚えるポイント

  • 内部の機器は一つのシステムとして組み合わせられます。
  • 選ぶ方式は設備容量や保護、運用などの条件と関係します。
  • 全体の電力の流れと機器の役割を先に読むと、定格値や接地、計器の取付け位置が整理できます。
  • 一般に断路器は負荷電流の開閉を目的とする機器ではありません。
  • LBSやPASなどは、設置場所や構造、制御・保護の組合せが異なります。
  • 定格電流は通常使う電流の基準、遮断容量は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。
  • 電圧比は巻数比に対応し、電流比は逆になります。
  • VTは主回路の電圧を計測・保護に利用できるように伝えます。
  • CTは主回路の電流に対応する信号を電流計や保護継電器へ渡します。
  • 継電器は測定量・整定値・時間特性などに基づいて動作します。
  • 地絡保護には零相電流や零相電圧などを利用する方式があり、方向を判別するものもあります。
  • 保護継電器や遮断器の動作特性は電流と時間の関係です。
  • 避雷器はサージに対する保護を担い、接地との関係も重要です。
  • PF・S形の受電設備容量は300kVA以下です。
  • VTの二次定格電圧は110V、CTの二次定格電流は5Aです。
  • 断路器は負荷電流を開閉できないため、停電はCB→DS、送電はDS→CBの順に操作します。
  • 直列リアクトルの容量は進相コンデンサ容量の6%が標準です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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