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電気工事士試験 · 学習ガイド

施工・検査(第一種電気工事士)

電圧区分と場所の条件を踏まえ、配線・端末・接地の施工目的と完成後の検査をつなぎます。定期点検では測定値だけでなく、条件と変化を読みます。

仕組みを理解する

高圧・低圧配線工事

高圧配線と低圧配線は、電路の電圧区分によって必要な絶縁・離隔・保護や工事条件が変わる配線です。建物の場所ではなく、電路の電圧と設備区分で判断します。

電圧区分で条件が変わる。左に建物内の低圧設備、右に隔離された高圧受電設備。
高圧と低圧では設備の区分や施工条件が変わります。電圧だけでなく設備の用途・区分も照合して必要な条件を確認します。

高圧と低圧では、必要な絶縁、離隔、保護や工事に関わる条件が変わります。「建物の中だから低圧」と場所だけで決めず、電路の電圧と設備区分を読みます。

高圧・低圧配線工事
電線・工法高圧屋内配線での可否・条件
がいし引き工事乾燥した展開場所に限り可。接触防護措置を施し、高圧絶縁電線等(直径2.6mm軟銅線と同等以上)を使う
がいし引きの支持点間6m以下(造営材の面に沿う場合は2m以下)
がいし引きの間隔電線相互8cm以上、電線と造営材5cm以上
ケーブル工事可。金属管・金属ダクトに収めてもよい
高圧絶縁電線の金属管工事不可
他の配線・水管等との離隔15cm以上(ケーブルは耐火性の隔壁・管などで代替可)
ケーブル防護装置の金属製部分A種接地(接触防護措置を施せばD種)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の高圧電路から中央の変圧器へ、さらに右の低圧電路へ矢印をつなぐ。変圧器の位置に縦の仕切りを置き、前後で電路と工事条件を分ける。
覚えること:変圧器の前後で電圧と工事条件を分ける

高圧で受電して変圧器で低圧へ変える建物では、同じ敷地の中に異なる電圧の電路があります。変圧器の前後を図で分けると、適用する材料や工事条件も整理できます。

電圧が高いほど絶縁や接近に関わる管理が重要になります。材料の定格は、その電路の使用条件に合っている必要があり、太さだけでは適合を判断できません。

第一種・第二種の区分を単純に「高圧・低圧」と一対一で暗記するのは不十分です。免状等の範囲は設備区分や最大電力、作業内容も含めて判断します。

電圧・場所から工法を選ぶ

電圧・場所から工法を選ぶの図解。中央に金属管の断面を大きく描き、右から高圧ケーブルが管内へ入る緑の矢印を置く。同じ管の左側には高圧絶縁電線を管外に置き、管へ向かう矢印を赤い×で止める。一つの金属管を使った比較とし、場面を分割しない。
覚えること:高圧ケーブルの金属管収容は適切

低圧屋内配線は電線の種類、施設場所、工法の組合せで可否を決めます。高圧屋内配線は、がいし引き工事(乾燥した展開場所に限る)かケーブル工事で施設します。がいし引きでは接触防護措置を施し、高圧絶縁電線等を使います。高圧絶縁電線を金属管に収める施工は、公表問題で繰り返し不適切とされます。

高圧ケーブルを金属管や金属ダクトに収める施工はケーブル工事として適切で、高圧絶縁電線を管へ収める施工とは別です。選択肢を読む際は、使用電圧→電線・ケーブル→乾燥/湿潤→展開/隠ぺい→接触防護の順に条件を確認します。

試験に出る

  • 「建物の中だから低圧」ではなく、電路の電圧区分と設備区分で判断する。
  • 高圧で受電して変圧器により低圧へ変える建物は、同じ敷地に異なる電圧の電路がある。
  • 材料の定格と絶縁性能は、太さだけでなく電路の使用条件に合わせる。
  • 第一種・第二種の免状範囲を、高圧・低圧と一対一で暗記しない。
  • 場所と電圧の対応を問う正誤問題では、問題文の条件を優先する。
  • 高圧屋内配線は、がいし引き工事(乾燥した展開場所に限る)かケーブル工事で施設する。
  • 高圧ケーブルを金属管・金属ダクトに収めるのは適切、高圧絶縁電線を金属管に収めるのは不適切。
  • 高圧屋内配線と低圧配線・弱電流電線・水管等との離隔は15cm以上(ケーブルは耐火性の隔壁や管で代替可)。
  • 高圧ケーブルの防護管などの金属製部分はA種接地(接触防護措置を施せばD種)。

重要な言葉

高圧配線
高圧の電路に使う配線で、低圧より高い絶縁・離隔・保護の条件が必要。
電圧区分
電路の電圧による区分で、適用する工事条件を決める。
絶縁性能
電流を漏らさないために必要な絶縁の能力。

確認問題

確かめよう低圧用ケーブルを太くすれば高圧用の代わりになる?

いいえ。導体の太さと必要な絶縁性能は別の条件です。

高圧と低圧では、必要な絶縁や工事条件が変わる。

建物の中の配線は、場所だけで低圧と判断してよい。

高圧屋内配線に使う高圧ケーブルと、造営物に取り付けた外灯の配線を0.1m離して施設した。

高圧・低圧の判断で最初に確認するものは?

乾燥した展開場所に高圧屋内配線を施設する方法として、不適切なものは?

高圧と低圧では、必要な、離隔、保護や工事に関わる条件が変わります。「建物の中だから低圧」と場所だけで決めず、電路のと設備区分を読みます。

高圧で受電して変圧器でへ変える建物では、同じ敷地の中に異なる電圧の電路があります。の前後を図で分けると、適用する材料や工事条件も整理できます。

電圧が高いほどや接近に関わる管理が重要になります。材料のは、その電路の使用条件に合っている必要があり、太さだけでは適合を判断できません。

第一種・第二種の区分を単純に「高圧・低圧」と一対一で暗記するのは不十分です。等の範囲は設備区分や、作業内容も含めて判断します。

ケーブル工事

ケーブル工事は、ケーブルを支持・固定して重さや外力による被覆損傷を防ぎ、長く安全な状態を保つ配線工法です。

ケーブルを傷めず支持する。壁面にケーブルが整然と支えられた大きい概念図。
ケーブルは適切に支持し、被覆を傷めたり無理に曲げたりしないように扱います。支持間隔などの具体的条件は工法と材料の指定に照らして確認します。

配線は電気が流れるだけでなく、長く安全な形を保つ必要があります。ケーブルの支持・曲げ・保護は、重さや外力による被覆損傷を防ぐために行います。

ケーブル工事
低圧屋内ケーブル工事の項目条件
造営材の下面・側面に沿う支持ケーブル2m以下、キャブタイヤケーブル1m以下
接触防護措置を施した場所で垂直ケーブル6m以下
重量物の圧力・機械的衝撃のおそれ適当な防護装置を設ける
防護装置の金属製部分(300V以下)D種接地(長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは省略可)
ケーブル工事
地中電線路の項目要件
電線ケーブル(絶縁電線は不可)
直接埋設式の深さ重量物の圧力を受ける場所1.2m以上、その他0.6m以上
直接埋設式の防護堅ろうなトラフ等に収める。重量物の圧力を受けない低高圧は上部を堅ろうな板で覆う方法も可
管路式車両など重量物の圧力に耐える管を使う
暗きょ式重量物の圧力に耐える暗きょとし、ケーブルの耐燃措置か自動消火設備で防火
高圧の表示物件の名称・管理者名・電圧(需要場所では電圧)をおおむね2m間隔。需要場所で15m以下は省略可

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の垂れ下がるケーブルから右の器具へ向かう途中に支持箇所を描き、垂れ下がる側から接続部へ向かう引張りの矢印を支持箇所で区切る。支持具とケーブルの接触部分は拡大せず、被覆をつぶしていない形で描く。
覚えること:被覆を傷めず支持し、接続部への力を減らす

ケーブルが垂れ下がる区間と、器具へ入る部分に無理な引張りがかかる区間を図で探してみます。支持箇所は見た目を整えるだけでなく、接続部へ力を集中させない役割があります。

必要な支持間隔や曲げ条件はケーブルの種類・工法・施設場所で決まります。試験では指定された表や条件を読み、間隔の数字を別の材料へそのまま転用しないことが大切です。

きつく締めれば安全というわけではありません。固定によって被覆をつぶしたり、鋭い縁で傷つけたりすれば、保護の目的に反します。

支持・防護と地中電線路

支持・防護と地中電線路の図解。一続きの地面の断面を縦線で左右に分け、左を重量物の圧力を受ける場所、右をその他の場所にする。各側で地表からトラフ等で防護したケーブルまでの深さを下向きの寸法矢印で示し、左に1.2m以上、右に0.6m以上と記す。
覚えること:重量物1.2m・他0.6m以上+防護

低圧屋内のケーブルを造営材の下面・側面に沿わせる場合、支持点間は2m以下(接触防護措置を施した場所で垂直なら6m以下)、キャブタイヤケーブルは1m以下です。水平3mは公表問題で不適切とされます。重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがあれば、防護装置を設けます。

地中電線路はケーブルを使い、管路式・暗きょ式・直接埋設式で施設します。直接埋設式の埋設深さは、車両など重量物の圧力を受ける場所で1.2m以上、その他で0.6m以上とし、トラフ等で防護します。高圧は電圧等をおおむね2m間隔で表示し、需要場所で長さ15m以下なら省略できます。

試験に出る

  • 支持・固定は、重さや外力による被覆損傷を防ぐために行う。
  • 支持間隔や曲げ条件は、ケーブルの種類・工法・施設場所ごとに異なる。
  • 支持点は、接続部へ力が集中するのを防ぐ役割を持つ。
  • きつく締めすぎると被覆をつぶし、保護の目的に反する。
  • 支持間隔の数字を別の材料へそのまま転用しない。
  • 支持点間:ケーブル2m以下、接触防護措置のある場所の垂直部分6m以下、キャブタイヤケーブル1m以下。
  • 地中電線路はケーブルに限り、絶縁電線は使えない。
  • 直接埋設式の深さは、重量物の圧力を受ける場所1.2m以上、その他0.6m以上。
  • 需要場所の高圧地中電線路は、長さ15m以下なら表示を省略できる(20mなら省略できない)。

重要な言葉

支持間隔
配線を支える支持点の間隔。材料や工法ごとに規定がある。
曲げ半径
ケーブルを曲げるときに確保する最小の半径。
被覆損傷
重さや外力でケーブルの外側を傷めること。
直接埋設式
ケーブルを地中に直接埋め、トラフ等で防護する地中電線路の方式。
管路式
重量物の圧力に耐える管にケーブルを収めて地中に施設する方式。

確認問題

確かめよう支持の目的を一つ説明すると?

重さや外力からケーブルと接続部を守り、必要な形を保つことです。

支持間隔は、ケーブルの種類や施設場所によって変わる。

ケーブルは強く締めるほど安全になる。

需要場所に直接埋設式で施設した長さ20mの高圧地中電線路は、電圧の表示を省略できる。

ケーブルの支持の主な目的は?

車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で、直接埋設式の地中電線に必要な埋設深さは?

配線は電気が流れるだけでなく、長く安全な形を保つ必要があります。ケーブルの・曲げ・保護は、重さや外力によるを防ぐために行います。

ケーブルが垂れ下がる区間と、器具へ入る部分に無理ながかかる区間を図で探してみます。は見た目を整えるだけでなく、接続部へ力を集中させない役割があります。

必要なや曲げ条件はケーブルの種類・工法・施設場所で決まります。試験では指定された表や条件を読み、間隔の数字を別の材料へそのまま転用しないことが大切です。

きつく締めれば安全というわけではありません。によって被覆をつぶしたり、鋭い縁で傷つけたりすれば、保護の目的に反します。

金属管工事

金属管工事は、電線を金属管に通して機械的に保護する工法で、管の接続・接地・端部保護まで含めて施工します。

配管で電線を保護。中央にケーブルを囲む管の断面、左に金属管、右に樹脂管。
金属管も樹脂管も電線を保護しますが、材料により使える場所や施工条件が異なります。管の種類と条件を組み合わせて判断します。

金属管は電線を機械的に保護しますが、金属自体は電気を通します。そのため、管の接続や接地、端部で電線を傷つけない構造まで一緒に学びます。

金属管工事
項目施工条件
管端ブッシングで電線の被覆を保護
電線絶縁電線(OWを除く)。管内に接続点を設けない
湿気・水気防湿装置を施す
使用電圧300V以下D種接地(4m以下で乾燥した場所、または対地150V以下・8m以下で乾燥か簡易接触防護なら省略可)
使用電圧300V超C種接地(接触防護措置を施せばD種)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に金属管の端を大きく描き、右から電線が管内へ入る向きに矢印を置く。管端の鋭い縁と電線の被覆の間に保護部材を配置し、縁に被覆が直接触れない関係を示す。
覚えること:鋭い管端は被覆を傷める原因

管を切った断面が鋭ければ、内部の電線の被覆を傷める原因になります。管端を保護する部材の写真は「電線が触れる縁を守るもの」と考えると役割を説明できます。

管・ボックス間の電気的連続性は、漏電時の保護と関係します。接続部品の固定と電気的な接続を混同せず、工法ごとの要求を確認します。

金属管を取り付けただけで、必要な接地や電気的連続性が自動的に満たされるとは限りません。また管の途中で電線を自由に接続してよいわけでもありません。

管の連続性と接地

管の連続性と接地の図解。中央に金属管とボックスの接続部を大きく描き、管を左からボックスへつなぐ。接続部に「機械的」「電気的」の2本の矢印を向け、ボックス内に見える管端にはブッシングを示す。
覚えること:管とボックスは機械・電気とも確実に接続

金属管では管相互・ボックスとの接続を機械的にも電気的にも確実にし、管端にはブッシングを付けます。電線は屋外用ビニル絶縁電線を除く絶縁電線とし、管内に接続点を設けません。湿気の多い場所や水気のある場所では防湿装置を施します。

使用電圧300V以下の管はD種接地が原則で、長さ4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは省略できます。300V超はC種で、接触防護措置を施せばD種にできます。「金属管なら常に同じ接地種別」ではありません。

試験に出る

  • 金属管は電気を通すため、接続・接地・端部保護まで含めて施工する。
  • 管端保護は、管の縁に接する電線の絶縁被覆を傷めないために行う。
  • 管・ボックス間の電気的連続性は、漏電時の保護と関係する。
  • 金属管を取り付けただけで、接地や連続性が満たされるわけではない。
  • 管の途中で電線を自由に接続してよいわけではない。
  • 電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く絶縁電線とし、管内に接続点を設けない。
  • 300V以下はD種。管長4m以下を乾燥した場所に施設する場合などは省略できる。
  • 対地電圧150V以下で管長8m以下なら、乾燥した場所か簡易接触防護措置でD種を省略できる。
  • 300V超はC種。接触防護措置を施せばD種にできる。

重要な言葉

金属管工事
電線を金属管に通して機械的に保護する工法。
管端保護
管の切断面で電線の被覆を傷つけないための処置。
電気的連続性
管とボックスなどが電気的につながっている状態。
OW
屋外用ビニル絶縁電線の略称。金属管工事には使えない。

確認問題

確かめよう管端保護の主な対象は金属管の外観?

いいえ。管の縁に接する電線の絶縁被覆を傷つけないためです。

金属管は電気を通すため、接地や電気的連続性の確認が必要である。

金属管を取り付ければ、必要な接地は自動的に満たされる。

使用電圧400Vの電路に使う金属管に接触防護措置を施したので、D種接地工事とした。

管端保護が必要な理由は?

金属管工事の施工として適切なものは?

は電線を機械的に保護しますが、金属自体は電気を通します。そのため、管の接続や、端部で電線を傷つけない構造まで一緒に学びます。

管を切った断面が鋭ければ、内部の電線のを傷める原因になります。を保護する部材の写真は「電線が触れる縁を守るもの」と考えると役割を説明できます。

管・ボックス間のは、漏電時の保護と関係します。接続部品の固定と電気的な接続を混同せず、工法ごとの要求を確認します。

金属管を取り付けただけで、必要なや電気的連続性が自動的に満たされるとは限りません。また管の途中で電線を自由に接続してよいわけでもありません。

端末処理・接続

端末処理は、ケーブルの端部で導体・絶縁・遮へいの形を整え、電界集中や絶縁低下を防ぐ作業です。

接続は導通と絶縁を両立。一つの電線接続部の拡大断面。
接続部では導体が確実につながることと、外側の絶縁が保たれることを両方確認します。実際の施工方法は器具や接続方式の指定に従います。

ケーブルの端末では、電流を機器へ渡す部分と絶縁を保つ部分が接近します。特に高圧ケーブルでは、切断して接続するだけではなく、端部の電界や絶縁を管理する必要があります。

端末処理・接続
部位・部材施工・判定
導体接続抵抗と機械的強度を確保
絶縁厚み・沿面距離を確保
ストレスコーン遮へい端部の電界集中を緩和
水分端子部から雨水が入らないよう処理
遮へい層の接地(ZCT電源側で引出し)ZCTを通さずに接地
遮へい層の接地(ZCT負荷側で引出し)ZCTを通してから接地

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央にケーブル1本を横向きに置き、左の中央部では層が連続し、右の端末では導体・絶縁・遮へいの形が変わる様子を描く。境目に細い仕切り線を入れ、端末付近へ向かう矢印で電界の集中を示す。
覚えること:適合材料と所定の構造が重要

ケーブルの中央部では層が連続していても、端末では導体・絶縁・遮へいの形が変わります。電界が集中しやすい場所になるため、適合した端末材料と所定の構造が重要です。

接続部には電気的な抵抗、機械的な保持、絶縁の確保という別々の要求があります。材料とケーブルの種類・サイズの組合せに従って、それぞれの役割を満たします。

見た目がきれいで導通があることだけでは、高圧端末の絶縁性能を判断できません。低圧の接続方法を自己流で拡大する考え方は適切ではありません。

高圧ケーブルの接続

高圧ケーブルの接続の図解。中央にケーブルの遮へい層端部を拡大し、その端部にストレスコーンが重なる配置にする。端部へ向かう矢印を「集中する電界」、コーンから外へ広がる矢印を「電界を緩和」として、働きを一続きの図で示す。
覚えること:ストレスコーンは端部の電界を緩和

接続部は導体の接続抵抗を小さくし、絶縁の厚み・沿面距離・遮へいの連続性を回復します。ストレスコーンは遮へい層の端部に集中する電界を緩和する部分で、雷サージ対策の部品ではありません。ゴムとう管形終端接続部はストレスコーンを内蔵しています。

圧着は導体サイズとダイスを合わせ、接続後の機械的強度と絶縁性能を確認します。端末の水分侵入や遮へい層の処理不足は長期劣化につながるため、外観だけではなく試験・記録も施工の一部として扱います。

試験に出る

  • 高圧ケーブルの端末は、導体・絶縁・遮へいの形が変わり電界が集中しやすい。
  • 端末処理は導通だけでなく、絶縁と機械的な保持を確保する。
  • 接続部は電気抵抗・機械的保持・絶縁という別々の要求を満たす。
  • 材料とケーブルの種類・サイズの組合せに従う。
  • 見た目の良さや導通だけで高圧端末の絶縁性能は判断できない。
  • ストレスコーンは遮へい端部の電界集中を緩和する。雷サージ対策ではない。
  • ゴムとう管形屋外終端接続部はストレスコーンを内蔵し、改めて作る必要はない。
  • 塩害のおそれがある場所には、多数のひだを持つ耐塩害終端接続部を使う。
  • ZCTより電源側で遮へい層の接地線を引き出す場合は、ZCTを通さずに接地する。

重要な言葉

端末処理
ケーブル端部で導体・絶縁・遮へいを整える作業。
遮へい
高圧ケーブルで電界を管理するための導電性の層。
接続部
ケーブル同士や機器との電気的・機械的な接続部分。
ストレスコーン
高圧ケーブルの端末で、遮へい端部の電界集中を和らげる円すい状の部分。

確認問題

確かめよう端末処理で導通以外に確保するものは?

絶縁と機械的な保持など。電気を通す部分と漏らさない部分を分けて考えます。

高圧ケーブルの端末では、電界の集中を考えた処理が必要である。

導通があれば、高圧端末の絶縁性能も十分と判断できる。

ストレスコーンは、雷サージ電圧が侵入したときにケーブルのストレスを緩和するためのものである。

端末処理で導通以外に確保するものは?

ケーブルの端末では、電流を機器へ渡す部分とを保つ部分が接近します。特にでは、切断して接続するだけではなく、端部の電界や絶縁を管理する必要があります。

ケーブルの中央部では層が連続していても、端末では導体・絶縁・の形が変わります。が集中しやすい場所になるため、適合した端末材料と所定の構造が重要です。

には電気的な抵抗、機械的な保持、絶縁の確保という別々の要求があります。材料とケーブルの種類・サイズの組合せに従って、それぞれの役割を満たします。

見た目がきれいでがあることだけでは、高圧端末のを判断できません。低圧の接続方法を自己流で拡大する考え方は適切ではありません。

支持間隔・固定方法

支持間隔は、配線の重さや外力を受ける支持点の間隔で、材料や工法・取付け場所ごとの規定に従って決めます。

ケーブルを傷めず支持する。壁面にケーブルが整然と支えられた大きい概念図。
ケーブルは適切に支持し、被覆を傷めたり無理に曲げたりしないように扱います。支持間隔などの具体的条件は工法と材料の指定に照らして確認します。

支持箇所の間隔は、配線の重さや外力をどこで受けるかを決めます。ケーブル全体の工事方法とは別に、どこで固定し、接続部へ力がかからないかを確認します。

支持間隔・固定方法
高圧架空ケーブル・引込線要件
ハンガーによる支持間隔50cm以下
金属テープ等の巻付け20cm以下の間隔でらせん状
ちょう架用線引張強さ5.93kN以上または断面積22mm²以上の亜鉛めっき鉄より線。D種接地
引込線の高さ(道路横断)路面上6m以上
引込線の高さ(鉄道横断)レール面上5.5m以上
引込線の高さ(その他)地表上5m以上(横断箇所以外で、ケーブル以外は下方に危険表示をすれば3.5m以上)
支持間隔・固定方法
支線の項目要件
引張強さ・安全率10.7kN以上・2.5以上(電技解釈第62条等の支線は6.46kN以上・1.5以上)
より線素線3条以上、素線は直径2mm以上・引張強さ0.69kN/mm²以上
地際地中と地表上30cmまでは耐食性のものか亜鉛めっき鉄棒
道路横断の高さ路面上5m以上(やむを得ない場合4.5m、歩行専用部分2.5m)
がいし低高圧で電線と接触のおそれがあれば上部に玉がいしを入れる
主な材料亜鉛めっき鋼より線、玉がいし、アンカ

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の仕切りを挟み、同じ長さの水平ケーブルを左右に並べる。左は両端だけで支えてたわみを大きめに、右は途中にも支持点を設けて描き、支持の違いによってたわみや引張りの負担が変わることを示す。
覚えること:間隔は材料・工法・場所の規定に従う

長い水平区間の両端だけで支える図と、途中にも支持箇所がある図を比べます。前者はたわみや引張りが大きくなりやすく、外観だけでなく機械的な負担の違いが分かります。

適切な間隔や固定方法は、材料、工法、取付け場所などの規定に対応させます。支持点の近くに曲がりや器具の引込みがあれば、その部分の負担も確認します。

別の電線管で覚えた間隔をケーブルへそのまま使うことはできません。支持間隔の数字は、対象の材料と条件を付けて記憶します。

ケーブルと架空引込の支持

ケーブルと架空引込の支持の図解。上にちょう架用線、下に架空ケーブルを水平に描き、両者をハンガーでつなぐ。隣り合うハンガーの間に両矢印を置き、「50cm以下」と示す。
覚えること:ハンガーの間隔は50cm以下

高圧架空引込線には、高圧絶縁電線・引下げ用高圧絶縁電線(がいし引き)かケーブルを使います。高さは道路横断で路面上6m以上、鉄道横断でレール面上5.5m以上、その他は地表上5m以上が基本で、横断箇所以外では条件付きで3.5m以上にできます。

架空ケーブルはハンガーでちょう架用線に50cm以下の間隔で支持するか、金属テープ等を20cm以下の間隔でらせん状に巻き付けます。ちょう架用線とケーブル被覆の金属体にはD種接地を施すので、「高圧だからすべてA種」と短絡しません。

試験に出る

  • 支持間隔は、配線の重さや外力をどこで受けるかを決める。
  • 両端だけで支えると、たわみや引張りが大きくなりやすい。
  • 支持方法は、材料・工法・取付け場所の規定に対応させる。
  • 支持点付近の曲がりや引込み部分の負担も確認する。
  • 別の材料で覚えた支持間隔をそのまま使わない。
  • 高圧架空ケーブル:ハンガー間隔50cm以下、金属テープ巻付け20cm以下。
  • ちょう架用線とケーブル被覆の金属体はD種接地(A種ではない)。
  • 高圧架空引込線の高さ:道路横断6m、鉄道横断5.5m、その他5m。横断箇所以外は条件付き3.5m。
  • 支線:安全率2.5以上、素線3条以上、道路横断は路面上5m以上。

重要な言葉

支持箇所
配線の重さや外力を受ける固定点。
たわみ
支持間隔が長いときなどに配線が垂れ下がる量。
支持材
配線を固定して支える材料。
ちょう架用線
架空ケーブルをつり下げて支える金属線。
支線
電柱などの支持物が傾かないよう、張力に対抗して地面へ引く線。

確認問題

確かめよう同じ長さならどの材料でも同じ支持間隔でよい?

いいえ。材料の性質と工法に応じた条件を確認します。

支持間隔は、材料や工法、取付け場所によって変わる。

長い区間を両端だけで支えると、たわみは小さくなる。

高圧架空ケーブルのちょう架用線と、ケーブル被覆に使う金属体にはA種接地工事が必要である。

支持間隔を決めるときに基準とするのは?

高圧架空ケーブルをハンガーでちょう架用線に支持するときのハンガーの間隔は?

の間隔は、配線の重さや外力をどこで受けるかを決めます。ケーブル全体の工事方法とは別に、どこで固定し、へ力がかからないかを確認します。

長い水平区間の両端だけで支える図と、途中にも支持箇所がある図を比べます。前者はや引張りが大きくなりやすく、外観だけでなくの違いが分かります。

適切なや固定方法は、材料、工法、取付け場所などの規定に対応させます。支持点の近くに曲がりや器具の引込みがあれば、その部分の負担も確認します。

別の電線管で覚えた間隔をケーブルへそのまま使うことはできません。の数字は、対象の材料と条件を付けて記憶します。

施工制限・施設場所

施工制限は、施設場所の湿気・水気・腐食性物質・外力・点検性などの条件に応じて工法の可否を定めるものです。

場所から施工条件を考える。乾いた室内、水滴のある場所、点検できない壁内を三つの明確な枠に分ける。
乾燥した場所か、水気があるか、あとから点検できるかで施工条件が変わります。工法を選ぶ前に場所の条件を整理します。

同じ配線でも、乾燥した居室と水気のある場所では傷み方や危険が違います。工法の可否を選ぶ前に、問題文にある場所の条件を読み取ります。

施工制限・施設場所
対象・条件施工・判定
場所屋内/屋外、展開/隠ぺい
環境乾燥/湿潤/腐食/可燃性ガス
外力機械的損傷や浸水
点検性作業空間・保有距離
施工制限・施設場所
場所・設備主な施工条件
点検できる隠ぺい場所(湿気・水気)金属線ぴ工事は不可。金属管・合成樹脂管・ケーブル工事などは可
可燃性ガス等の存在する場所金属管工事(薄鋼電線管以上、5山以上ねじ接続)かケーブル工事。可とう部は耐圧防爆型・安全増防爆型フレキシブルフィッチング
爆燃性粉じんの存在する場所金属管工事かケーブル工事。可とう部は粉じん防爆型フレキシブルフィッチング
ショウウィンドー・ショウケース乾燥した場所、300V以下。0.75mm²以上のコードやキャブタイヤケーブルを1m以下の間隔で取り付ける
ライティングダクト支持点間2m以下、終端閉そく、開口部は下向き(条件付きで横向き)、D種接地(省略条件あり)
ネオン放電灯(管灯回路1,000V超)ネオン変圧器を使い、ネオン電線のがいし引き。支持点間1m以下、電線相互6cm以上。変圧器外箱はD種接地

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。一つの建物の断面を左右に分け、左に点検できる天井裏、右に点検できない壁内部を描く。左は開いた点検口から天井裏へ矢印を通し、右は壁面で矢印を止め、下段に両方で確認する湿気・水気、腐食性物質、外力を並べる。
覚えること:湿気・水気・腐食性物質・外力・点検性確認

「点検できる天井裏」と「壁の内部で点検できない場所」は別条件です。屋内か屋外かだけで分類せず、湿気・水気・腐食性物質・外力・点検性を順に書き出します。

施工制限は、絶縁の劣化、機械的損傷、接続部の異常などを予防するための条件です。材料の得意不得意を場所へ結び付けると、可否表が理由のある表になります。

「屋内だから乾燥している」「隠ぺいされているから点検できない」とは限りません。文章で指定された条件を省略すると、別の欄を参照してしまいます。

施設場所の判定軸

施設場所の判定軸の図解。中央に屋外キュービクルを置き、その外面から右側の破線までを保有距離として示す。距離の帯を「周囲1m+」「保安上有効な距離」の順に並べ、矢印で外向きに測る方向を示す。
覚えること:周囲1m+保安上有効な距離以上

展開・隠ぺい、点検できる・できない、乾燥・湿潤・水気、腐食・粉じん・可燃性ガス、機械的損傷のおそれを分けます。電圧と電線の種類を先に確定し、工法の適用条件を一つずつ照合します。

屋外キュービクルでは基礎の強度、浸水・風雨、周囲のさく、保有距離(周囲1m+保安上有効な距離以上)を確認します。公表問題では、窓など開口部のある建築物から2mの距離で施設した例が不適切とされます。設置できる空間だけでなく、保安上の距離が必要です。

試験に出る

  • 工法の可否は、場所の湿気・水気・腐食性物質・外力・点検性で判断する。
  • 屋内・屋外だけで分類せず、指定された条件を読み取る。
  • 「点検できる天井裏」と「点検できない壁内部」は別条件。
  • 施工制限は、絶縁劣化や機械的損傷、接続部の異常を予防する条件。
  • 条件を省略すると、別の欄を参照する誤りにつながる。
  • 点検できる隠ぺい場所で湿気・水気のある場所には、金属線ぴ工事を施設できない。
  • 可燃性ガスの場所:金属管は薄鋼電線管以上・5山以上のねじ接続、可とう部は防爆型フレキシブルフィッチング。
  • ライティングダクト:支持点間2m以下、終端は閉そく、開口部は下向き、造営材を貫通しない。
  • ショウウィンドー内:乾燥した場所・300V以下で、断面積0.75mm²以上のコード等を1m以下の間隔で取り付ける。

重要な言葉

施設場所
湿気や水気、点検性などで区分される配線の設置場所。
施工制限
場所の条件に応じて工法の可否を定める条件。
点検性
設置後に点検できるかどうかの条件。
ライティングダクト
照明器具などを任意の位置に取り付けられる、導体入りの溝形ダクト。

確認問題

確かめよう湿気の有無と点検性は同じ分類軸?

いいえ。両方の条件をそろえて工法を判断します。

同じ配線でも、施設場所の条件によって使える工法が変わる。

屋内なら必ず乾燥していると判断してよい。

接触防護措置を施したので、ライティングダクトの開口部を上向きに取り付けた。

施設場所の分類で確認する条件に含まれないものは?

点検できる隠ぺい場所で湿気の多い場所に施設する300V以下の低圧屋内配線で、施設できない工事は?

同じ配線でも、乾燥した居室と水気のある場所では傷み方や危険が違います。工法の可否を選ぶ前に、問題文にあるを読み取ります。

「点検できる天井裏」と「壁の内部で点検できない場所」は別条件です。屋内か屋外かだけで分類せず、・水気・腐食性物質・外力・を順に書き出します。

は、絶縁の劣化、機械的損傷、接続部の異常などを予防するための条件です。材料の得意不得意を場所へ結び付けると、可否表が理由のある表になります。

「屋内だから乾燥している」「隠ぺいされているから点検できない」とは限りません。文章で指定されたを省略すると、別の欄を参照してしまいます。

接地種別と目的

接地工事は、漏電時に人が触れる金属部分の危険を減らすため、大地とつなぐ保護のための接続です。

接地が漏れ電流の経路を作る。機器金属ケースから接地線が大地へつながり、漏れ電流を示す小さな矢印がその経路へ流れる。
機器の金属ケースと大地を接地線で結び、漏れ電流の経路を設けます。接地だけであらゆる感電を防げるわけではなく、保護装置も含めて考えます。

器具の金属ケースに漏電したとき、人が触れる部分の危険を減らすために接地が使われます。通常使う電流の通り道とは別の、保護のためのつながりとして考えます。

接地種別と目的
種別主な対象接地抵抗値接地線(軟銅線)
A種高圧・特別高圧機器の金属製外箱、避雷器など10Ω以下直径2.6mm以上
B種高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点または1端子150/Ig以下(遮断時間により300/Ig・600/Ig)直径2.6mm以上(高圧と低圧を結合する場合。それ以外は4mm以上)
C種300V超の低圧機器の金属製外箱など10Ω以下(0.5秒以内の自動遮断で500Ω以下)直径1.6mm以上
D種300V以下の低圧機器の金属製外箱、高圧計器用変成器の2次側電路など100Ω以下(0.5秒以内の自動遮断で500Ω以下)直径1.6mm以上

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の仕切りを挟み、左にケース、右に変圧器の低圧側を置き、それぞれの接地する部分を丸で囲む。両方から下部の同じ大地へ線を伸ばし、目的と接地種別は異なると示す。
覚えること:同じ大地でも目的・種別は違う

「ケースの接地」と「変圧器の低圧側の接地」は、同じ大地への接続でも目的や適用する接地種別が違います。何を接地するのかを図の中で丸く囲むと混同を防げます。

接地種別は設備や電圧、保護の目的などで決まります。A・B・C・Dの名称だけでなく、対象と接地抵抗等の条件を一組で覚えます。

接地をしたら絶縁や漏電保護が不要になるわけではありません。複数の対策が異なる働きで安全を支えるため、一つの対策を万能としないようにします。

A・B・C・D種の対象

A・B・C・D種の対象の図解。正方形の図を太い縦仕切りで分け、左にA・C・D種の金属外箱を縦に並べ、右にB種の変圧器低圧側を大きく描く。A種は高圧・特別高圧、C種は300V超、D種は300V以下の機器に対応させ、B種だけが外箱の接地と異なることを示す。
覚えること:B種は変圧器低圧側、外箱と別

A種は高圧・特別高圧機器の金属外箱など、B種は高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側、C種は300Vを超える低圧機器の金属外箱など、D種は300V以下の低圧機器の金属外箱などが基本です。B種は高低圧混触時の低圧側電位上昇を抑える目的で、外箱の接地とは区別します。

接地抵抗はA種・C種10Ω以下、D種100Ω以下が基本で、C・D種は地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下です。B種は150/Ig(Igは高圧側の1線地絡電流)で、混触時に1秒超2秒以内で遮断すれば300/Ig、1秒以内なら600/Igです。

試験に出る

  • 接地は、漏電時に人が触れる金属部分の危険を減らす。
  • 「ケースの接地」と「変圧器の低圧側の接地」は目的・種別が違う。
  • 接地種別は、設備・電圧・保護の目的で決まる。
  • A〜Dの名称と、対象・接地抵抗の条件を一組で覚える。
  • 接地をしても、絶縁や漏電保護が不要にはならない。
  • B種の計算例:Ig=6A、1秒以内に遮断する装置があれば600÷6=100Ω以下。
  • 接地線の太さ:A種と、高圧と低圧を結合する変圧器のB種は直径2.6mm以上、C・D種は1.6mm以上。
  • 避雷器はA種、高圧計器用変成器の2次側電路はD種。
  • C・D種は0.5秒以内の自動遮断で500Ω以下に緩和される。D種を10Ω以下に限る規定はない。

重要な言葉

接地工事
保護のために対象を大地へつなぐ工事。
接地抵抗
接地極と大地の間の、電流の流れにくさ。
接地種別
A・B・C・Dなど、対象や目的に応じた接地の区分。
1線地絡電流
B種の抵抗値計算に使う、高圧側電路で1線が地絡したときの電流(Ig)。

確認問題

確かめよう接地抵抗と絶縁抵抗はどちらも大きいほどよい?

いいえ。接地と絶縁では、電気を通したいか遮りたいかが逆です。

接地は、通常使う電流の通り道とは別の保護のための接続である。

接地をすれば、絶縁や漏電保護は不要になる。

D種接地工事は、接地抵抗値が10Ω以下でなければD種接地工事を施したものとみなされない。

接地種別を決める要素は?

高圧側の1線地絡電流が6Aで、混触時に1秒以内に高圧電路を遮断する装置がある。B種接地抵抗値の上限は?

器具の金属ケースに漏電したとき、人が触れる部分の危険を減らすためにが使われます。通常使う電流の通り道とは別の、保護のためのつながりとして考えます。

「ケースの接地」と「の低圧側の接地」は、同じ大地への接続でも目的や適用するが違います。何を接地するのかを図の中で丸く囲むと混同を防げます。

接地種別は設備や電圧、保護の目的などで決まります。の名称だけでなく、対象と等の条件を一組で覚えます。

接地をしたらや漏電保護が不要になるわけではありません。複数の対策が異なる働きで安全を支えるため、一つの対策を万能としないようにします。

接地線・接地極の施工

接地線と接地極は、保護する対象から大地までを一つの経路としてつなぎ、接地抵抗を継続して保つための設備です。

接地が漏れ電流の経路を作る。機器金属ケースから接地線が大地へつながり、漏れ電流を示す小さな矢印がその経路へ流れる。
機器の金属ケースと大地を接地線で結び、漏れ電流の経路を設けます。接地だけであらゆる感電を防げるわけではなく、保護装置も含めて考えます。

接地は線を一本取り付ければ終わるものではありません。保護する対象から接地線を通り、接地極を経て大地へつながる一つの経路として確認します。

接地線・接地極の施工
項目施工条件
接地線対象から接地極まで連続させ、損傷しないよう保護
接地極の例(公表問題で適切)銅板900×900×1.6mm、銅覆鋼棒 直径14mm・長さ1.5m、厚鋼電線管 内径36mm・長さ1.5m
A・B種の接地極(人が触れるおそれ)地下75cm以上に埋設。鉄柱に近接するときは底面から30cm以上の深さか1m以上離す
A・B種の接地線の防護地下75cmから地表上2mまで合成樹脂管等で覆う(金属管は不可)
確認導通と接地抵抗を分けて測る

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左から金属ケース→接地端子→接地線→接地極を一続きの経路として並べ、接地端子の先の接地線に切れ目を描く。経路を示す矢印は切れ目で止め、接地極まで届かないことを示す。
覚えること:接地線が切れると保護経路は途切れる

金属ケースから接地端子まではつながっていても、その先の接地線が切れていれば保護の経路は途切れます。図で経路を最後まで追い、接続箇所や損傷しやすい位置を見つけます。

接地線の種類・太さ・保護、接地極の設置条件は、必要な性能を継続して保つためのものです。接地抵抗の測定値と線の機械的な状態を両方確認します。

接地線を水道管など手近な金属へつなげば必ず同じ機能になる、とは考えられません。接地として使える条件と経路の確実性が必要です。

接地線・接地極の連続性

接地線・接地極の連続性の図解。左上の対象の金属体から右下の地中の接地極まで、接地線を途切れない一本の線で描く。地表を横線で区切り、矢印は付けず、両端の接続が分かるようにする。
覚えること:接地線は金属体から接地極まで保護・接続

接地線は対象の金属体から接地極まで、途中で外れたり損傷したりしないよう保護・接続します。公表問題では、銅板(900×900×1.6mm)、銅覆鋼棒(直径14mm・長さ1.5m)、厚鋼電線管(内径36mm・長さ1.5m)を適切な接地極とし、アルミ板を不適切としています。

A種・B種の接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合、接地極は地下75cm以上に埋設し、接地線の地下75cmから地表上2mまでを合成樹脂管(厚さ2mm未満のものとCD管を除く)等で覆います。金属管で覆う施工は不適切です。

試験に出る

  • 接地は、対象から接地線・接地極を経て大地までの一つの経路で確認する。
  • 接地線が途中で切れていると、保護の経路が途切れる。
  • 接地線の種類・太さ・保護、接地極の設置条件を守る。
  • 接地抵抗の測定値と、線の機械的状態を両方確認する。
  • 手近な金属へつなげば、必ず接地になるわけではない。
  • A種・B種で人が触れるおそれがある場合、接地極は地下75cm以上に埋設する。
  • 接地線の地下75cmから地表上2mまでは合成樹脂管(厚さ2mm未満とCD管を除く)等で覆う。金属管は不可。
  • 接地極を鉄柱に近接させる場合は、底面から30cm以上の深さか、地中で1m以上離す。
  • アルミ板は地中に埋設する接地極として不適切。

重要な言葉

接地線
保護する対象と接地極をつなぐ線。
接地極
大地と直接接して接地の経路をつくる金属体。
導通
電気的な経路がつながっていること。

確認問題

確かめよう器具から接地端子までの導通だけで大地への接続も確認済み?

いいえ。接地極までの経路と接地抵抗は別に確認します。

接地は、器具から接地極までの経路全体で確認する必要がある。

接地線がつながっていれば、接地抵抗の規定値も満たしている。

人が触れるおそれのある場所で、B種接地工事の接地線を地表上2mまで金属管で保護した。

接地で確認する経路の終点は?

接地は線を一本取り付ければ終わるものではありません。保護する対象からを通り、を経て大地へつながる一つの経路として確認します。

金属ケースから接地端子まではつながっていても、その先のが切れていれば保護の経路は途切れます。図で経路を最後まで追い、接続箇所や損傷しやすい位置を見つけます。

接地線の種類・太さ・保護、の設置条件は、必要な性能を継続して保つためのものです。の測定値と線の機械的な状態を両方確認します。

接地線を水道管など手近な金属へつなげば必ず同じ機能になる、とは考えられません。接地として使えると経路の確実性が必要です。

絶縁抵抗測定

絶縁抵抗測定は、電線間や電路と大地の間で電流の漏れにくさを調べ、絶縁の良否を判定する検査です。

絶縁抵抗を確かめる。二つの導体を絶縁材の壁が隔てる模式図と、電気が壁を越えて漏れにくい状態を示す止まった矢印。
絶縁抵抗は電気の漏れにくさを確認する指標です。図は停電状態で測る対象の概念を示しており、測定端子の接続手順ではありません。

電流を本来の通り道から外へ漏らさない働きが絶縁です。絶縁抵抗測定では、電線間や電路と大地の間がどの程度電流を通しにくいかを調べます。

絶縁抵抗測定
低圧電路の区分判定基準
使用電圧300V以下・対地電圧150V以下0.1MΩ以上
使用電圧300V以下・対地電圧150V超0.2MΩ以上
使用電圧300V超0.4MΩ以上
絶縁抵抗測定が困難な場合漏えい電流1mA以下

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。画面中央を左右に分け、左の「以前 10MΩ」から右の「今回 0.5MΩ」へ矢印を引き、上に「同じ測定条件」と記す。数値比較の下は線で仕切り、「使用電圧に応じた判定基準」は別に読むことを示す。
覚えること:同条件で低下は漏れの可能性、判定は別

同じ測定条件で10MΩだった回路が0.5MΩへ下がった例では、以前より漏れやすくなった可能性があります。数値の大小と、使用電圧などに対応する判定基準を分けて読みます。

絶縁抵抗計は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。通常の使用電圧を読む電圧計とは目的が異なり、対象機器に適した測定条件が必要です。

絶縁抵抗が高いことと、配線が正しい端子へつながっていることは同じ確認ではありません。導通や極性の誤りは別の検査で調べます。

0.1・0.2・0.4MΩの判定

0.1・0.2・0.4MΩの判定の図解。左から右へ進む分岐図。使用電圧300V超は0.4MΩ以上、300V以下は対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上・150V超なら0.2MΩ以上へ、矢印を分けて結ぶ。
覚えること:300V超は0.4、以下は対地で分岐

低圧電路の絶縁抵抗は、使用電圧300V以下かつ対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、300V以下で対地電圧150V超なら0.2MΩ以上、300V超なら0.4MΩ以上です。対地200Vの電動機回路で0.18MΩは0.2MΩ未満なので、公表問題で不適合とされます。

測定は停電・検電・機器切離しの後に行い、測定後は残留電荷を放電します。絶縁抵抗測定が困難な場合は、使用電圧を加えた状態の漏えい電流1mA以下で代替できます。高圧ケーブルでG(ガード)端子を使うのは、表面漏れ電流による誤差を防ぐためです。

試験に出る

  • 絶縁抵抗測定は、電線間や電路と大地の間の漏れにくさを調べる。
  • 測定値の大小と、使用電圧に対応する判定基準を分けて読む。
  • 絶縁抵抗計は測定用電圧を加える器械で、電圧計とは目的が違う。
  • 絶縁抵抗が高いことと、正しい端子への接続は別の確認。
  • 抵抗が下がると、同じ電圧に対して流れる電流は増える。
  • 使用電圧300V以下・対地150V以下は0.1MΩ、対地150V超は0.2MΩ、300V超は0.4MΩ以上。
  • 対地200Vの電動機回路で0.18MΩは不適合(0.2MΩ未満)。
  • 絶縁抵抗測定が困難なときは、漏えい電流1mA以下で代替できる。
  • G(ガード)端子は、絶縁物表面の漏れ電流による誤差を防ぐために使う。

重要な言葉

絶縁抵抗
電流の漏れにくさを表す抵抗。
絶縁抵抗計
測定用電圧を加えて絶縁抵抗を測る器械。
メガオーム
絶縁抵抗で使われる大きな抵抗の単位。

確認問題

確かめよう絶縁抵抗の低下は電気が漏れにくくなった意味?

逆です。抵抗が下がると同じ電圧に対して電流は増えます。

絶縁抵抗測定は、電線間や電路と大地の間の漏れにくさを調べる。

絶縁抵抗が下がると、同じ電圧で流れる漏れ電流は減る。

高圧ケーブルの絶縁抵抗測定でG端子を使うのは、表面漏れ電流による誤差を防ぐためである。

絶縁抵抗計の特徴は?

電流を本来の通り道から外へ漏らさない働きがです。では、電線間や電路と大地の間がどの程度電流を通しにくいかを調べます。

同じ測定条件でだった回路がへ下がった例では、以前より漏れやすくなった可能性があります。数値の大小と、使用電圧などに対応する判定基準を分けて読みます。

は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。通常の使用電圧を読むとは目的が異なり、対象機器に適した測定条件が必要です。

が高いことと、配線が正しい端子へつながっていることは同じ確認ではありません。導通やの誤りは別の検査で調べます。

接地抵抗測定

接地抵抗測定は、接地極から大地へ電流が流れるときの流れにくさを調べる測定です。

接地抵抗を測る意味。金属機器→接地線→地中の接地極の概念図。
接地抵抗は接地極から大地へ電流が流れるときの抵抗です。絶縁抵抗とは測定対象も目的も異なります。

接地線が存在していても、大地との接続が十分とは限りません。接地抵抗測定は、接地極を通って大地へ電流が流れるときの流れにくさを調べます。

接地抵抗測定
端子・電極役割
E測定する接地極
P電位を測る補助電極
C電流を流す補助電極
評価接地種別と施工条件に照合

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に土壌の断面を描き、左の接地極と右の補助接地極を地中に配置する。両極から地上の器械へ線をつなぎ、極の間に両矢印を置いて電極間の配置が測定結果に影響することを示す。
覚えること:接続だけでなく測定条件も重要

原理を表す計算例で、試験電流0.01Aに対して電位差が0.3Vなら抵抗は0.3÷0.01=30Ωです。電流と電位差から抵抗を求める考え方はオームの法則とつながります。

代表的な方法では、測定対象の接地極と補助接地極を使って測定します。土壌の状態や電極間の配置は結果に影響するため、器械の接続だけでなく測定条件も重要です。

接地線の途中の導通があることだけで、接地抵抗が規定値を満たすとはいえません。金属線のつながりと、接地極から大地への抵抗は異なる対象です。

接地抵抗の測定

接地抵抗の測定の図解。中央の地面に左から測定接地極E、補助電極P、補助電極Cを離して配置し、各極を上部の測定器につなぐ。測定器には「電流・電位差」から「接地抵抗」への矢印を描き、下部は線で仕切って「覚えること」を置く。
覚えること:3極を離し電流・電位差で接地抵抗を測る

3極法では測定接地極E、補助電極P・Cを離して配置し、電流と電位差から抵抗を求めます。補助電極が近すぎる、土壌が乾燥している、他の接地経路が並列に残るなどの条件で結果が変わります。

接地抵抗を測る目的は接地極から大地への抵抗の確認です。接地線が切れていないかは導通も確認し、絶縁抵抗計の値と取り違えません。測定値の良否はA・B・C・D種の対象と条件に当てはめます。

試験に出る

  • 接地抵抗測定は、接地極から大地へ流れる電流の流れにくさを調べる。
  • 電流と電位差から抵抗を求める考え方は、オームの法則と同じ。
  • 測定対象の接地極と補助接地極を使って測る方法が代表的。
  • 土壌の状態や電極間の配置も結果に影響する。
  • 接地線の導通だけでは、接地抵抗の規定値は判断できない。
  • 3極法では、測定する接地極Eと補助電極P・Cをほぼ一直線に離して配置する。
  • 補助電極の距離が近すぎたり、並列の接地経路が残ったりすると値が変わる。

重要な言葉

接地抵抗計
接地抵抗を測るための器械。
補助接地極
接地抵抗測定で測定対象と組み合わせて使う電極。
規定値
安全上満たすべき接地抵抗の基準値。

確認問題

確かめよう雨の後と乾燥時で測定値が違ったら、まず何を見る?

土壌など測定条件の違い。記録と条件をそろえて比較します。

接地抵抗測定は、電流と電位差の関係から抵抗を求める。

接地線の導通があれば、接地抵抗の規定値も満たしている。

接地抵抗測定で土壌状態が影響する理由は?

接地線が存在していても、大地との接続が十分とは限りません。は、接地極を通って大地へ電流が流れるときの流れにくさを調べます。

原理を表す計算例で、試験電流に対して電位差がなら抵抗は0.3÷0.01=30Ωです。電流と電位差から抵抗を求める考え方はオームの法則とつながります。

代表的な方法では、測定対象のとを使って測定します。土壌の状態や電極間の配置は結果に影響するため、器械の接続だけでなく測定条件も重要です。

接地線の途中のがあることだけで、接地抵抗がを満たすとはいえません。金属線のつながりと、接地極から大地への抵抗は異なる対象です。

導通試験・極性確認

導通試験と極性確認は、配線の経路の有無と、決められた側や端子との対応を照合する検査です。

線の両端へプローブを当てる導通確認と、A同士・B同士の接続先を照合する極性確認を並べた図。
導通は電気的につながっているか、極性は正しい相手へ接続されているかの確認です。一方を確かめただけで他方も正しいとは限りません。

配線を完成させたら、つながるべき点がつながり、つながってはいけない点が分かれているかを確かめます。導通確認と極性確認は、機器が動くかどうかだけでは見つけにくい誤りを探します。

導通試験・極性確認
検査確認内容
導通指定した回路の連続性
極性接地側・非接地側の誤接続
検相三相の相順
単相3線中性線と電圧不平衡

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に1組の配線図を置き、左に電線表示、右に端子表示を上下同順に並べる。2本の線は交点で接続せずに交差させて逆側の端子につなぎ、下に「導通あり」→「極性違い」と示す。
覚えること:図面と端子・電線表示で経路と役割確認

図面で端子AとBが同じ線で結ばれる指定なら、その二点のつながりを確認します。一方、電圧線と接地側電線を取り違えた場合は、導通があっても指定どおりの極性とはいえません。

導通は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応です。図面・端子表示・電線表示を照合して、経路と役割の両方を確かめます。

導通があることだけで絶縁状態や接続部の強度まで判断してはいけません。検査項目ごとに分かることと分からないことを区別します。

導通・極性・相順

導通・極性・相順の図解。正方形の画面を縦に仕切り、左に所定の電線・接続箇所の連続を調べる導通試験、右に接地側・非接地側の接続を照らし合わせる極性確認を置く。両者を順序の矢印では結ばず、仕切りに「導通だけでは逆接続を見落とす場合あり」と添える。
覚えること:導通と指定どおりの極性を確認

導通試験は所定の電線・接続箇所が連続しているか確認し、極性確認は接地側と非接地側を指定どおり接続したかを確認します。導通だけでは逆接続を発見できない場合があります。

三相回路では検相器で相順を確認し、電動機の回転方向と対応させます。単相3線では中性線断線や電圧不平衡も点検します。無通電でできる試験と、通電して確認する試験を作業計画で分けます。

試験に出る

  • 導通確認は経路の有無、極性確認は決められた側や端子との対応を見る。
  • つながるべき点と、つながってはいけない点を分けて確認する。
  • 電圧線と接地側電線の取り違えは、導通があっても誤り。
  • 図面・端子表示・電線表示を照合する。
  • 導通だけで、絶縁状態や接続部の強度は判断できない。
  • 三相回路は検相器で相順を確認し、電動機の回転方向と対応させる。

重要な言葉

導通試験
電気的な経路がつながっているかを調べる検査。
極性確認
電圧線と接地側などの決められた対応を確かめること。
誤結線
指定と異なる端子や極性につないでしまう誤り。

確認問題

確かめよう導通試験に合格すれば誤結線はすべてない?

いいえ。つなぐ先の指定や極性との一致も別に確認します。

導通試験と極性確認は、目的の異なる検査である。

導通があれば、誤結線はないと判断できる。

電圧線と接地側電線を取り違えたときに問われるのは?

配線を完成させたら、つながるべき点がつながり、つながってはいけない点が分かれているかを確かめます。とは、機器が動くかどうかだけでは見つけにくい誤りを探します。

図面で端子AとBが同じ線で結ばれる指定なら、その二点のつながりを確認します。一方、とを取り違えた場合は、導通があっても指定どおりの極性とはいえません。

は電気的な経路の有無、は決められた側や端子との対応です。図面・端子表示・電線表示を照合して、経路と役割の両方を確かめます。

導通があることだけで状態や接続部の強度まで判断してはいけません。検査項目ごとに分かることと分からないことを区別します。

竣工検査

竣工検査は、図面や施工条件との一致と、電気的な安全性・機能を順に確かめる完成時の検査です。

検査で設計と実物を照合。設計図と完成した分電盤の二つを、確認カードに向かう矢印で結ぶ。
完成した設備を設計や施工条件と照合し、外観・測定・動作を分けて確認します。外観だけでは分からない状態を測定で補います。

工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。竣工検査では、図面や施工条件との一致と、電気的な安全性・機能を順に確かめます。

竣工検査
検査項目確認内容・判定
外観・導通施工・接続の誤りを確認
接地抵抗接地種別ごとの抵抗値以下か
絶縁抵抗絶縁耐力試験の前後にも1000V以上の絶縁抵抗計で測定
絶縁耐力最大使用電圧の1.5倍(ケーブルの直流試験はその2倍)を連続10分
保護継電器OCR・GRの動作値・動作時間と遮断器との連動
変圧器の温度上昇試験竣工検査では一般に行わない
竣工検査
継電器主な試験項目
過電流継電器(OCR)最小動作電流、限時特性(整定値の300%・700%などの電流での動作時間)、瞬時要素、遮断器との連動
地絡継電器(GR)動作電流、動作時間、遮断器・開閉器との連動
地絡方向継電器(DGR)動作電流値、動作電圧値、位相特性、動作時間(周波数試験は行わない)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に器具を1台描き、左側に図面どおりの外観、右側に接続されていない接地線を拡大して並べる。間に仕切りを置き、「外観が合っていても接続は別に確認する」関係を示す。
覚えること:外観と接続は分けて確認

器具の種類は図面どおりでも、接地線が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要な機能試験を分けると見落としを減らせます。

各検査は対象と前提条件が異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要な機能確認を混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。

「最後に電源を入れて動けば合格」は誤りです。絶縁不良や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。

完成時の検査と高圧試験

完成時の検査と高圧試験の図解。上段に「公称6600V→最大使用6900V」、中央に試験器を置く。試験器の切替つまみから左へ「交流10350V」、右へ「ケーブル直流20700V」の二択矢印を伸ばし、下段の「連続10分」に合流させる。
覚えること:交流・ケーブル直流は各連続10分

竣工検査では外観、接地抵抗、絶縁抵抗、絶縁耐力試験、保護継電器試験(OCR・GRの動作特性と遮断器との連動)を行います。変圧器の温度上昇試験は製造時の試験で、受電設備の竣工検査では一般に行いません。年次点検では絶縁耐力試験を通常行いません。

公称6600Vの最大使用電圧は6600×1.15/1.1=6900Vです。交流では1.5倍の10350Vを連続10分、ケーブルを直流で試験するときはその2倍の20700Vを連続10分加えます。途中で停電したら復電後に改めて連続10分です。前後に1000V以上の絶縁抵抗計で測定します。

試験に出る

  • 竣工検査は、図面・施工条件との一致と安全性・機能を順に確かめる。
  • 外観・接続・導通・絶縁・接地・機能試験を分けて行う。
  • 停電で行う確認と、通電が必要な確認を混同しない。
  • 電源を入れて動くだけでは、合格と判断できない。
  • 記録には対象回路・条件・日時・判定を残す。
  • 絶縁耐力試験:最大使用電圧の1.5倍を連続10分。ケーブルの直流試験はその2倍(6900×1.5×2V)。
  • 変圧器の温度上昇試験は、受電設備の竣工検査では一般に行わない。
  • 長いケーブルは静電容量が大きいため、補償リアクトルで試験電源の容量を軽減する。変圧器の2次側巻線は一括して接地する。
  • OCRの最小動作電流・限時特性試験には電流計・サイクルカウンタ・可変抵抗器等を使い、電力計は使わない。

重要な言葉

竣工検査
工事完成時に、安全性と機能を確かめる検査。
外観検査
器具や配線の状態を目視で確認すること。
試験記録
測定値に加え、条件や判定を残した記録。
絶縁耐力試験
規定の試験電圧を一定時間加え、絶縁が耐えるかを確かめる試験。
最大使用電圧
通常の使用状態で電路に加わる最大の電圧。公称6600Vでは6900V。
OCR
過電流継電器。短絡や過負荷の電流を検出して遮断器を動作させる。
DGR
地絡方向継電器。零相電流と零相電圧から構内側の地絡を判別する。

確認問題

確かめよう検査記録に測定値だけあれば十分?

いいえ。対象回路、条件、日時、判定もあって初めて再確認や比較に使えます。

竣工検査では、外観の確認だけでなく導通・絶縁・接地も確認する。

最後に電源を入れて動けば、それだけで合格としてよい。

受電電圧6600Vの受電設備の竣工検査では、変圧器の温度上昇試験を一般に行う。

試験電圧を5分間加えた後に停電したので、復電後に残りの5分間を加えて合計10分間とした。

検査記録に必要な情報に含まれないものは?

最大使用電圧6900Vの交流電路に使うケーブルの絶縁耐力試験を直流で行うときの試験電圧[V]は?

OCRの最小動作電流測定と限時特性試験で、使用しないものは?

工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。では、図面や施工条件との一致と、電気的な・機能を順に確かめます。

器具の種類は図面どおりでも、が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要なを分けると見落としを減らせます。

各検査は対象とが異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要な機能確認を混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。

「最後に電源を入れて動けば合格」は誤りです。や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。

定期点検と劣化確認

定期点検は、熱・湿気・振動・時間の経過による状態の変化を、測定値や外観から読み取る点検です。

過去の記録、被覆の外観、測定値の変化のパズルを組み合わせ、劣化の見つけ方を示す図。
被覆などの外観の変化と測定値の変化を、過去の記録と比較して劣化を見つけます。一回の数値だけでなく時間の変化を見ることが点検の手がかりです。

電気設備は完成時に良好でも、熱・湿気・振動・時間の経過で状態が変わります。定期点検では、現在の状態を調べるだけでなく以前との変化を読み取ります。

定期点検と劣化確認
点検項目見るポイント
外観汚損・腐食・緩み・漏油
電気測定絶縁・接地・保護動作
温度負荷条件をそろえて比較
記録前回値と異常の推移

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に接続部を描き、左の「以前の温度」と右の「今の温度」を矢印で結ぶ。両方の上に「同じ負荷条件」を示し、今の温度が高い比較だけを見せる。
覚えること:同じ負荷で温度上昇なら緩み等を検討

同じ負荷条件で接続部の温度が以前より高くなったら、接続の緩みや接触抵抗の増加などを検討するきっかけになります。負荷が大きく増えた場合とは条件を分けて比較します。

外観、異音、温度、絶縁や接地の測定値、保護装置の状態は、それぞれ異なる劣化の手掛かりです。測定の日時・条件を残すことで変化を追いやすくなります。

一回の値が基準内なら今後も安全と決めつけることはできません。急な変化や進行する傾向も、原因確認が必要な情報です。

定期点検と異常の兆候

定期点検と異常の兆候の図解。中央に接続部、左右に仕切った記録欄を置き、左の過去記録から右の今回の記録へ比較の矢印を引く。両欄の上に「同じ運転条件」を示し、今回の欄には接続部の局所的な温度上昇を記す。
覚えること:同じ運転条件の過去記録と比べる

定期点検では汚損、異音、異臭、変色、緩み、腐食、漏油、温度の上昇を同じ運転条件の過去記録と比べます。絶縁抵抗・接地抵抗や保護装置の動作特性も必要な周期と手順で確認します。

接続部の局所的な温度上昇は接触抵抗の増大、変圧器の温度上昇は負荷や冷却の異常など、候補を分けて調べます。測定値が一度基準内だったことだけで劣化がないとは言えず、推移と設置環境を残します。

試験に出る

  • 定期点検は、現在の状態と以前との変化を読み取る。
  • 負荷条件をそろえて、温度などの変化を比較する。
  • 外観・異音・温度・測定値・保護装置の状態が劣化の手掛かり。
  • 測定の日時と条件を残すと、変化を追いやすい。
  • 基準内でも、急な変化や進行する傾向は原因確認が必要。
  • 停電を伴う年次点検では、絶縁抵抗・接地抵抗の測定と保護継電器試験を行い、絶縁耐力試験は通常行わない。

重要な言葉

定期点検
電気設備の状態を定期的に確認すること。
絶縁劣化
熱や湿気などで絶縁の性能が低下すること。
接触抵抗
接続部などで電流が流れにくくなる抵抗。

確認問題

確かめよう昨年より測定値が変わったら直ちに劣化と断定できる?

いいえ。温度や湿度、負荷などの条件差も確認します。

定期点検では、測定値そのものより以前との変化が重要になることがある。

測定値が一度基準内なら、その後は確認しなくてよい。

受電設備の停電を伴う年次点検では、絶縁耐力試験を通常行う。

接続部の温度が以前より高いとき、検討する原因は?

電気設備は完成時に良好でも、・湿気・振動・時間の経過で状態が変わります。では、現在の状態を調べるだけでなく以前との変化を読み取ります。

同じで接続部の温度が以前より高くなったら、接続の緩みやの増加などを検討するきっかけになります。負荷が大きく増えた場合とは条件を分けて比較します。

外観、、温度、絶縁や接地の測定値、保護装置の状態は、それぞれ異なるの手掛かりです。測定の日時・条件を残すことで変化を追いやすくなります。

一回の値が内なら今後も安全と決めつけることはできません。急な変化や進行するも、原因確認が必要な情報です。

感電・火災防止

感電・火災防止は、人体へ電流が流れる経路と、配線や接続部が異常に発熱する経路への対策です。

漏電経路と過電流の保護を別々の模型で示し、原因に合う対策をエルくんが組み合わせる図。
漏電による感電と、過電流による発熱は原因を分けて考えます。原因に合う絶縁・接地・保護の対策を選びます。

感電と電気火災はどちらも電気の事故ですが、同じ一つの現象ではありません。人体へ電流が流れる経路と、配線や接続部が異常に発熱する経路を分けて考えます。

感電・火災防止
事故の型主な対策
直接接触絶縁・遮へい・停電確認
間接接触外箱接地と漏電・地絡保護
過電流火災電線容量と保護装置
局所発熱接続部の締付けと点検

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。1本の回路を左から右へ描き、左に落ちていない遮断器、中央に緩んだ接続部、右にその部分だけの発熱を置く。接続部から「抵抗増」→「局所発熱」と矢印でつなぎ、回路全体の過電流と局所的な発熱を混同させない。
覚えること:遮断器が落ちずとも緩い接続は発熱

金属ケースへの漏電は接触による感電の危険につながります。一方、接続が緩んで抵抗が増えた部分は、回路全体の電流が過大でなくても局所的に発熱することがあります。

絶縁・接地・保護装置・適切な接続・点検は、それぞれ異なる原因へ対応します。I²Rの関係を思い出すと、電流と抵抗の両方が発熱に影響すると説明できます。

遮断器が落ちていないから異常発熱はない、という判断は誤りです。保護装置が検知する条件と、すべての事故原因が一致するわけではありません。

事故を防ぐ設備と作業手順

事故を防ぐ設備と作業手順の図解。正方形の上段に「緩み→接触抵抗→局所発熱」を左から右への矢印で示し、下段は仕切りで分けて接続箇所を大きく描く。エルくんがその接続箇所を締め付ける一場面に絞る。
覚えること:接続箇所は適正に締付け・検査

感電対策は充電部の遮へい・絶縁、機器外箱の接地、漏電・地絡保護、停電・検電・短絡接地、適切な保護具を組み合わせます。接地だけで充電部への直接接触が安全になるわけではありません。

火災対策では過電流による導体の発熱、緩みや接触抵抗による局所発熱、絶縁劣化による漏電・短絡を分けます。電線の許容電流と遮断器定格を合わせ、接続箇所の適正な締付けと検査を行います。

試験に出る

  • 感電は人体へ電流が流れる経路、電気火災は異常発熱の経路として分けて考える。
  • 金属ケースへの漏電は、接触による感電の危険につながる。
  • 接続が緩むと、電流が過大でなくても発熱することがある。
  • 絶縁・接地・保護装置・接続・点検は、異なる原因へ対応する。
  • 遮断器が落ちていないから、異常発熱がないとはいえない。

重要な言葉

感電防止
人体へ電流が流れるのを防ぐ対策。
過電流
回路に流れる電流が必要以上に大きくなった状態。
接触抵抗
緩んだ接続部などで増加し、発熱の原因になる抵抗。

確認問題

確かめよう接続部が熱くなる原因は過大な電流だけ?

いいえ。接触抵抗の増加でも同じ電流で発熱が大きくなります。

接続が緩んで抵抗が増えると、同じ電流でも発熱が大きくなることがある。

遮断器が落ちていなければ、異常発熱は起きていない。

接続部が局所的に発熱する原因になり得るのは?

とはどちらも電気の事故ですが、同じ一つの現象ではありません。人体へ電流が流れる経路と、配線や接続部が異常に発熱する経路を分けて考えます。

金属ケースへのは接触による感電の危険につながります。一方、接続が緩んで抵抗が増えた部分は、回路全体の電流が過大でなくても局所的にすることがあります。

・接地・保護装置・適切な接続・点検は、それぞれ異なる原因へ対応します。の関係を思い出すと、電流と抵抗の両方が発熱に影響すると説明できます。

が落ちていないから異常発熱はない、という判断は誤りです。保護装置が検知する条件と、すべての事故原因が一致するわけではありません。

覚えるポイント

  • 電圧が高いほど絶縁や接近に関わる管理が重要になります。
  • 必要な支持間隔や曲げ条件はケーブルの種類・工法・施設場所で決まります。
  • 管・ボックス間の電気的連続性は、漏電時の保護と関係します。
  • 接続部には電気的な抵抗、機械的な保持、絶縁の確保という別々の要求があります。
  • 適切な間隔や固定方法は、材料、工法、取付け場所などの規定に対応させます。
  • 施工制限は、絶縁の劣化、機械的損傷、接続部の異常などを予防するための条件です。
  • 接地種別は設備や電圧、保護の目的などで決まります。
  • 接地線の種類・太さ・保護、接地極の設置条件は、必要な性能を継続して保つためのものです。
  • 絶縁抵抗計は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。
  • 代表的な方法では、測定対象の接地極と補助接地極を使って測定します。
  • 導通は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応です。
  • 各検査は対象と前提条件が異なります。
  • 外観、異音、温度、絶縁や接地の測定値、保護装置の状態は、それぞれ異なる劣化の手掛かりです。
  • 絶縁・接地・保護装置・適切な接続・点検は、それぞれ異なる原因へ対応します。
  • 高圧屋内配線は、がいし引き工事(乾燥した展開場所に限る)かケーブル工事で施設します。
  • 直接埋設式の地中電線は、重量物の圧力を受ける場所で1.2m以上、その他で0.6m以上の深さに埋設します。
  • 接地抵抗はA種・C種10Ω以下、D種100Ω以下、B種は150/Igが基本です。
  • 高圧の絶縁耐力試験は最大使用電圧の1.5倍を連続10分、ケーブルの直流試験はその2倍です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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