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電気工事士試験 · 学習ガイド

短絡電流と保護機器選定の基礎

短絡電流とは

短絡電流は、短絡によって本来より小さなインピーダンスの経路に流れる、非常に大きな電流です。

上段は負荷を通る通常回路、下段は低抵抗の短絡回路として、流れる電流の違いを比較する図。
短絡では抵抗の小さい経路に大きな短絡電流が流れます。通常の負荷を通る回路と比べて考えましょう。この図は短絡の原理を示し、保護機器の結線や動作を示すものではありません。

短絡では負荷を通る本来の経路より小さなインピーダンスの経路ができ、大きな電流が流れます。負荷を普段どれだけ使うかとは別に、事故時の大きさを見積もります。

短絡電流と保護機器選定の基礎
量・方式式・判断
%Zの換算%Znew=%Zold×Snew/Sold
直列の合成同じ基準に直してから加算
短絡容量Ss=Sbase×100/%Z
短絡電流Is=In×100/%Z(In=Sbase/(√3V))
遮断器定格電流と定格遮断容量を別に照合

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に、100Vの電源→事故経路の合成インピーダンス0.1Ω→短絡電流1000Aを左から右へ並べ、「簡単な計算モデル」と明示する。短絡点から下向き矢印を伸ばし、細い仕切りの下に、その地点の事故電流を安全に遮断できる保護機器が必要だと示す。
覚えること:その地点の事故電流を安全に遮断できる機器

簡単な計算モデルで電圧100V、事故経路の合成インピーダンス0.1Ωなら、短絡電流は1000Aです。通常の器具の使用電流とは桁が違うことが分かります。

実際の短絡電流は電源や変圧器、配線のインピーダンスで制限されます。保護機器はその地点の事故電流を安全に遮断できる能力を持つ必要があります。

%インピーダンスと遮断容量

%インピーダンスと遮断容量の図解。正方形の中央を縦線で「換算」と「加算」に分け、左の変圧器18%(30MV・A基準)から右向き矢印で6%(10MV・A基準)へ換算する。右側では電源2%・変圧器6%・線路3%を一列に並べ、矢印の先に合成11%を置く。
覚えること:基準容量をそろえてから加算

短絡電流は電源・変圧器・線路の合成インピーダンスで制限されます。百分率インピーダンスを直列に加算する前に基準容量をそろえます。同じ基準電圧で新基準容量Snewへ換算すると%Znew=%Zold×Snew/Soldです。

2026年上期の出題例では、変圧器18%(30MV・A基準)を10MV・A基準へ直すと6%です。電源側2%、線路3%を足すと受電点の合成は11%。比率が同じという問題条件により、抵抗分・リアクタンス分を同じ割合で換算して加算できます。基準が異なる18+2+3=23%は誤りです。

三相短絡容量はSs=Sbase×100/%Z、短絡電流はIs=In×100/%Z=Ss/(√3V)です。保護装置の定格遮断容量が想定短絡電流に足りるかを確認し、通常の負荷電流に対する定格電流とは分けて判断します。

確認

確認の図解。中央に遮断器を置き、左側の「定格電流」は仕切りで分離する。右側では「定格遮断容量」と「想定する事故電流」を横に並べ、両者の間に照合を示す両向き矢印を描く。
覚えること:定格遮断容量と想定事故電流を別に照合

遮断器の定格電流だけを見て短絡時も切れると決めないことが重要です。定格遮断容量と、想定する事故電流を別に照合します。

試験に出る

  • 短絡電流はI=V/Zで概算でき、インピーダンスに反比例する。
  • 短絡電流は通常の負荷電流より桁違いに大きい。
  • 保護機器は定格電流だけでなく定格遮断容量を照合する。
  • 実際の短絡電流は電源・変圧器・配線のインピーダンスで制限される。
  • 事故電流に見合う遮断能力が必要である。
  • %Zは基準容量に比例して換算する(%Znew=%Zold×Snew/Sold)。基準をそろえてから加算する(2026年上期出題例 問8)。
  • 三相短絡電流Is=In×100/%Z(In:基準容量に対する定格電流)、短絡容量Ss=Sbase×100/%Z。

重要な言葉

短絡電流
短絡時に小さなインピーダンスの経路へ流れる大きな電流。
遮断容量
保護機器が所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力。
回路インピーダンス
短絡電流の大きさを決める回路の合成インピーダンス。
百分率インピーダンス
定格電流が流れたときのインピーダンスによる電圧降下を、基準電圧に対する百分率で表した値。%Zと書く。

確認問題

確かめよう電源電圧が同じで事故経路のインピーダンスが半分なら?

短絡電流が2倍。I=V/Zで向きを確かめます。

事故経路のインピーダンスが半分になると、短絡電流は2倍になる。

遮断器の定格電流が同じなら、遮断容量も同じである。

電圧100V、事故経路のインピーダンス0.1Ωのときの短絡電流は?

受電点から電源側の合成%Zが基準容量10MV・Aで11%のとき、三相短絡容量はおよそ?

短絡では負荷を通る本来の経路より小さなの経路ができ、が流れます。負荷を普段どれだけ使うかとは別に、事故時の大きさを見積もります。

簡単な計算モデルで電圧100V、事故経路の合成インピーダンス0.1Ωなら、はです。通常の器具の使用電流とは桁が違うことが分かります。

実際の短絡電流は電源や、配線のインピーダンスで制限されます。保護機器はその地点の事故電流を安全にできる能力を持つ必要があります。

遮断器のだけを見て短絡時も切れると決めないことが重要です。と、想定する事故電流を別に照合します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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