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電気工事士試験 · 学習ガイド

電線抵抗と電力損失

電力損失とは

電力損失は、電線抵抗などで消費され、負荷へ届かない電力で、I²Rで表します。

電線の抵抗で熱が生じる。同じ抵抗の電線に小さい電流と大きい電流を流す比較。
電線の抵抗が同じでも、電流が大きくなると発熱による電力損失が増えます。電流を二乗して考える関係が計算の土台になります。

電線で発生する熱は、負荷へ届けたかったエネルギーの一部です。長い配線や大きな電流を考えるとき、電圧降下に加えて電力損失を評価します。

電線抵抗と電力損失
量・方式式・判断
単相2線片道抵抗rなら損失2I²r
三相3線1線抵抗rなら損失3I²r
三相PからII=P/(√3Vcosφ)
三相損失P²r/(V²cos²φ)
電線抵抗と電力損失
変圧器の損失・効率式・判断
鉄損Pi負荷によらずほぼ一定
銅損負荷率αのときα²Pc(Pc:定格時の銅損)
効率出力÷(出力+Pi+α²Pc)
最大効率の条件Pi=α²Pc(鉄損=銅損)
全日効率1日の出力電力量÷(出力電力量+Pi×24h+銅損電力量)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に「合計抵抗0.4Ω」の電線を使った一つの回路図を置き、その下に同じ抵抗での比較を左右に並べる。左の「10A・40W」から右の「20A・160W」へ矢印を引き、電流は2倍、損失は4倍と示す。
覚えること:同じ抵抗なら電流2倍で損失4倍

電流10A、回路の合計抵抗0.4Ωなら、損失は10²×0.4=40Wです。同じ抵抗で20Aになると160Wとなり、電流が2倍でも損失は4倍になります。

抵抗で消費される電力はI²Rです。R=ρL/Aから、同じ材質なら長さを短く、断面積を大きくするほど抵抗は小さくなります。相ごとの損失を足すと全体になります。

損失を電力と線路条件から求める

損失を電力と線路条件から求めるの図解。1枚の三相線路図の左に電圧調整ダイヤル、右に抵抗損の表示を置き、左から右へ太い矢印を引く。ダイヤルの「V→2V」に対応して損失表示を「1/4」へ変え、下にP・r・力率が同じという条件をまとめる。
覚えること:同じP・r・力率ならV2倍で損失1/4

電線の抵抗はR=ρL/Aで、同材質なら長さに比例し断面積に反比例します。抵抗分の線路損失は単相2線なら往復2I²r、三相3線なら3I²rです。rが「1線当たり」か「往復合計」かを図で確かめます。

平衡三相で有効電力P、線間電圧V、力率cosφならI=P/(√3Vcosφ)です。したがって1線抵抗rの三相線路損失は3I²r=P²r/(V²cos²φ)になります。2026年上期出題例(問7)はこの式を問うため、PとVのどちらが二乗されるかを導出で確かめます。

同じ有効電力を送るなら電圧を2倍にすると抵抗損は1/4、力率が低下すれば電流と損失は増えます。変圧器でも巻線の銅損はI²Rで負荷率の二乗に比例し、鉄損は負荷によらずほぼ一定です(効率は下の表)。

確認

確認の図解。画面を上下2段に分け、上段は「電圧降下 IR」から「単位 V」へ、下段は「電力損失 I²R」から「単位 W」へ、それぞれ右向き矢印で結ぶ。段の間には仕切り線を引き、式と単位の対応を比較できるようにする。
覚えること:電圧降下IRはV、電力損失I²RはW

電圧降下IRと電力損失I²Rを混同しないことが重要です。前者の単位はV、後者はWなので、答えの単位でも式を確認できます。

試験に出る

  • 抵抗で消費される電力はI²R。
  • 損失は電流の二乗に比例する(電流2倍で4倍)。
  • 電線抵抗は長さに比例し、断面積に反比例する。
  • 電圧降下IRと電力損失I²Rは単位が異なる。
  • 相ごとの損失を合計して全体を求める。
  • 三相3線の線路損失は3I²r=P²r/(V²cos²φ)(2026年上期出題例 問7)。電圧・力率の二乗に反比例する。
  • 変圧器の効率が最大になるのは鉄損=銅損のとき。負荷率αでの銅損は定格時の銅損のα²倍。
  • 全日効率は1日の出力電力量÷(出力電力量+鉄損×24h+1日の銅損電力量)で求める。

重要な言葉

電力損失
電線抵抗などで消費され、負荷に届かない電力。I²Rで求める。
抵抗損
抵抗で電気エネルギーが熱として失われる損失。
導体抵抗
導体の長さに比例し断面積に反比例する抵抗。
全日効率
変圧器の1日を通じた効率。1日の出力電力量を、それに1日の鉄損・銅損の電力量を加えた入力電力量で割る。

確認問題

確かめよう電流が半分になり抵抗が同じなら電力損失は?

4分の1。電流の二乗に比例する点が設計上の重要な理由です。

電線の電力損失は、電流が2倍になると4倍になる。

電圧降下と電力損失は同じ単位で表される。

変圧器の全日効率を求めるとき、鉄損は負荷がかかっている時間だけ計上すればよい。

電流10A、抵抗0.4Ωのときの電力損失は?

定格負荷時の銅損が400W、鉄損が100Wの変圧器で、効率が最大となる負荷率は?

電線で発生する熱は、負荷へ届けたかったエネルギーの一部です。長い配線や大きなを考えるとき、電圧降下に加えてを評価します。

電流10A、回路の合計抵抗0.4Ωなら、損失は10²×0.4=です。同じ抵抗で20Aになるととなり、電流が2倍でも損失は4倍になります。

抵抗で消費される電力はです。R=ρL/Aから、同じ材質なら長さを短く、を大きくするほど抵抗は小さくなります。相ごとの損失を足すと全体になります。

IRと電力損失I²Rを混同しないことが重要です。前者の単位は、後者はWなので、答えの単位でも式を確認できます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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