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宅地建物取引士 · 学習ガイド

広告と業務上の規制

広告などの表示とは

広告などの表示には、誇大広告の禁止や取引態様の明示など、宅建業法上の規制があります。

エルくんが説明する図解。未確認→広告不可、確認取得→条件を正しく表示した広告へ。
実際には販売していない好条件の物件で集客する広告は、適正な取引を妨げます。自ら売主か、媒介かなどの取引態様も明らかにします。

誇大広告等の禁止により、存在しない物件や実際より著しく有利な条件で集客するおとり広告は認められません。

広告と契約を始められる時期

広告と契約を始められる時期の図解。「工事完了前で、必要な許可・確認等を受ける前」を共通の条件として上部に置き、下に3本の経路を並べる。広告(売買・交換・貸借)と売買・交換の契約は×で止め、貸借の契約・媒介だけを○へ通す。
覚えること:未完成・許可等前、貸借契約可/広告不可

広告では、業者が「売主」「代理」「媒介」のどれであるかを、取引態様として明示しなければなりません。

取引態様は、広告のたびに明示するほか、注文を受けたときにも遅滞なく明らかにします。

広告の開始時期と契約締結時期は別に判定します。工事完了前の物件では、必要な開発許可・建築確認等を受ける前に広告できません。これは売買・交換・貸借のすべてに適用され、「建築確認申請中」と表示しても広告はできません。

契約締結時期の制限は、売買・交換の契約(自ら当事者、代理、媒介)が対象です。貸借には適用されないため、建築確認前でも貸借の契約や媒介はできますが、広告はできません。

表示・従業者・取引時確認

表示・従業者・取引時確認の図解。中央にエルくんを1体置き、左上の「取引の関係者」からの請求を矢印で受け、右手で証明書を提示する流れを描く。下部には仕切り線を引き、「取引士証」から従業者証明書への代用矢印に×を付ける。
覚えること:業務従事者は証明書を携帯し請求時提示

事務所等には、公衆の見やすい場所に標識(宅地建物取引業者票)を掲げ、事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者には従業者証明書を携帯させなければなりません。

令和7年4月1日施行の改正で、従業者名簿の記載事項から性別・生年月日が削除されました。標識には「この事務所の代表者氏名」が加わり、専任の宅地建物取引士は氏名ではなく人数を、あわせて宅建業に従事する者の数を表示します。標識の大きさも、令和7年12月1日以降は縦25cm以上・横35cm以上(A3判程度)に見直されています。

従業者証明書は、代表者や一時的に業務を手伝うアルバイトも含め、業務に従事するすべての者に携帯させ、取引の関係者から請求があれば提示します。取引士証を持っていても従業者証明書の代わりにはなりません。従業者名簿は事務所ごとに備えて最終の記載をした日から10年間保存し、取引の関係者から請求があれば閲覧させます。

宅建業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者でもあります。不動産売買などの特定取引では取引時確認、確認記録・取引記録の作成保存、疑わしい取引の届出が問題になり、宅建業法の37条書面や従業者名簿とは目的が異なります。

犯収法上の確認記録は取引時確認後7年間、取引記録は取引の日から7年間保存します。宅建業法の業務帳簿の保存期間(各事業年度末から原則5年間、新築住宅に関する取引は10年間)とは起算点も目的も異なります。

受領できる報酬

受領できる報酬の図解。中央を仕切り、左は「依頼者の依頼」から広告料金の「別請求可」へ矢印でつなぐ。右は「依頼なし」の通常の広告費から「別請求不可」へ矢印でつなぎ、対比する。
覚えること:広告費は依頼者の依頼があれば別請求可

報酬では媒介と代理、売買と貸借、依頼者の一方・双方から受ける額を分けます。売買媒介の一方からの上限(税別)は、価格200万円以下が5%、200万円超400万円以下が4%+2万円、400万円超が3%+6万円です。実際の受領額には消費税相当額を加えます。

居住用建物の貸借媒介では、原則として依頼者の一方から賃料の0.5か月分以内、双方の合計で1か月分以内(いずれも税別)です。媒介の依頼を受ける際に依頼者の承諾を得ていれば、その依頼者から1か月分まで受け取れます。長期の空家等の貸主側の特例は別に判定します。

居住用建物以外(店舗・事務所や宅地)の貸借で権利金(返還されないもの)を授受するときは、権利金の額を売買代金とみなして売買の計算式で上限を求めることもできます。居住用建物ではこの方法は使えません。

報酬とは別に受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金と、依頼者の特別の依頼で行う遠隔地での現地調査等の費用(事前に依頼者の承諾があるもの)に限られます。依頼のない通常の広告費を別に請求することはできません。

受領できる報酬
取引通常の媒介報酬上限(税別)確認する点
売買・交換:200万円以下価格×5%一方の依頼者から
売買・交換:200万円超400万円以下価格×4%+2万円一方の依頼者から
売買・交換:400万円超価格×3%+6万円一方の依頼者から
居住用建物の貸借原則一方0.5か月、双方計1か月承諾や特例を別に確認
800万円以下の低廉な空家等の売買等要件を満たせば税込33万円まで事前の説明・合意

勧誘時の禁止行為

勧誘時の禁止行為の図解。中央の縦線で左右を分け、左は手付を分割払いにして契約締結を誘引する流れを赤い禁止印で止める。右は手付の額だけを小さくする図を置き、減額自体は信用の供与に当たらないと対比する。
覚えること:契約誘引の手付分割払いは禁止、減額は可

勧誘に先立ち、業者名・担当者名・勧誘目的を告げます。相手方が契約しない意思を示した後の再勧誘、長時間の電話など私生活や業務の平穏を害して困惑させる勧誘は禁止されます。将来の利益など不確実な事項を確実であるかのように告げることもできません。

申込みの撤回や契約解除を妨げたり、受領済みの預り金の返還を不当に拒んだりしてはいけません。撤回を申し出た者に事務所への来訪を強要したり、威迫したりすることも禁止です。

手付について貸付けその他の信用の供与をして契約の締結を誘引することも禁止です。手付の分割払い・後払いを認めることも信用の供与に当たり、実際に契約が成立しなかったとしても違反になります。一方、手付の額を減額すること自体は信用の供与に当たりません。

勧誘時の禁止行為
場面禁止・必要な対応
勧誘開始前業者名・担当者名・勧誘目的を告げる
断られた後再勧誘しない。長時間電話等で困惑させない
見込みの説明不確実な利益を断定しない。虚偽を告げない
申込み撤回・預り金撤回を妨げず、返還を不当に拒まない
手付貸付け・分割払い・後払いで契約締結を誘引しない

関連する告知義務:物件内での人の死

関連する告知義務:物件内での人の死の図解。左に買主・借主からの「事案の有無」の質問、中央に確認、右に「告知が必要」を配置し、左から右へ矢印でつなぐ。下に「死因・経過年数を問わず」を添える。
覚えること:質問時は死因・経過年数問わず告知

国交省の「人の死の告知に関するガイドライン」は、自然死や日常生活上の不慮の死(特殊清掃等がない場合)について原則告知不要と整理します。一方、賃貸借の対象不動産や日常使用する共用部分で生じたこれ以外の死は、事案から概ね3年を経過すると原則告知不要とされます。売買にこの3年の扱いをそのまま当てはめません。

買主・借主から事案の有無を尋ねられたときや、社会的影響が大きいなど取引判断に重要な事情があるときは、死因や経過年数にかかわらず告げる必要があります。売主・貸主への告知書等による確認が通常の調査方法です。

関連する告知義務:物件内での人の死
事案・取引原則的な告知の判断注意
自然死・日常生活の不慮の死原則告知不要特殊清掃等を要した場合は別
賃貸でのそれ以外の死概ね3年経過後は原則告知不要売買に3年の基準を流用しない
買主・借主から質問された告知が必要死因・経過年数だけで省略しない

試験に出る

  • 取引態様の明示は、契約時ではなく「広告のとき」から必要であること。
  • 誇大広告やおとり広告の禁止。
  • 建築確認などを受ける前は、広告を開始できない場合があること。
  • 小さな注意書きを付けても、表示全体の印象で判断されること。
  • 契約締結時期の制限など、広告以外の業務上の規制。
  • 標識の掲示、従業者名簿・帳簿の備付け、従業者証明書の携帯は宅建業者の義務。令和7年4月から従業者名簿の性別・生年月日が不要となり、標識には事務所の代表者氏名・専任の宅建士の人数・従事者数を表示する。

重要な言葉

取引態様の明示
広告時に、売主・代理・媒介のどれであるかを示す義務。
誇大広告
実際より著しく有利・優良であると誤解させる広告。
標識(宅地建物取引業者票)
事務所等に掲げる表示。令和7年4月から事務所の代表者氏名や専任の宅地建物取引士の人数を表示する。
従業者名簿
事務所ごとに備え付ける従業者の名簿。令和7年4月から性別・生年月日の記載が不要となった。

確認問題

取引態様の明示は、契約を結ぶときから必要になる。

小さな注意書きを付ければ、誇大な表現は問題にならない。

未完成の建物について「建築確認申請中」と明示すれば、建築確認を受ける前でも広告できる。

建築確認を受ける前の未完成建物であっても、貸借の媒介契約を締結することはできる。

従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。

取引士証を携帯している宅建士には、従業者証明書を携帯させなくてよい。

居住用建物の貸借の媒介では、依頼者の承諾がない限り、依頼者の一方から受け取れる報酬は賃料の0.5か月分(税別)以内である。

居住用建物の貸借でも、返還されない権利金の額を売買代金とみなして報酬の上限を計算できる。

依頼者の依頼によって行った広告の料金は、報酬とは別に受け取ることができる。

手付の分割払いを認めて契約締結を誘引しても、実際に契約が成立しなければ違反にならない。

手付の額を減額して契約締結を勧めることは、手付の信用の供与に当たらない。

賃貸物件で自然死以外の死が生じた場合、概ね3年を経過すれば原則告知不要とされ、この扱いは売買にもそのまま当てはまる。

犯罪収益移転防止法上の確認記録は、取引時確認をした日から7年間保存する。

未完成物件で広告を開始できるのは?

売買代金1,000万円(税別)の宅地の売買を媒介した宅建業者が、売主から受け取れる報酬の上限(消費税込み)はどれか。

月額賃料10万円(税別)の居住用建物の貸借を媒介した宅建業者が、貸主・借主の双方から受け取れる報酬の合計の上限(消費税込み)はどれか。

宅建業者が報酬とは別に受け取ることができるものはどれか。

保存期間の組合せとして、正しいものはどれか(業務帳簿は新築住宅以外の取引)。

宅建業者の勧誘・契約締結に関する行為のうち、宅建業法に違反しないものはどれか。

広告では、業者が「売主」「代理」「媒介」のどれであるかを、として明示しなければなりません。

取引態様は、広告のたびに明示するほか、注文を受けたときにも明らかにします。

広告の開始時期と契約締結時期は別に判定します。工事完了前の物件では、必要な開発許可・建築確認等を受ける前に広告できません。これは売買・交換・貸借のすべてに適用され、「」と表示しても広告はできません。

契約締結時期の制限は、売買・交換の契約(自ら当事者、代理、媒介)が対象です。には適用されないため、建築確認前でも貸借の契約や媒介はできますが、広告はできません。

事務所等には、公衆の見やすい場所に(宅地建物取引業者票)を掲げ、事務所ごとにを備え、従業者にはを携帯させなければなりません。

令和7年4月1日施行の改正で、従業者名簿の記載事項から性別・生年月日が削除されました。標識には「この事務所の代表者氏名」が加わり、専任の宅地建物取引士は氏名ではなくを、あわせて宅建業に従事する者の数を表示します。標識の大きさも、令和7年12月1日以降は縦25cm以上・横35cm以上(A3判程度)に見直されています。

従業者証明書は、代表者や一時的に業務を手伝うアルバイトも含め、業務に従事するすべての者に携帯させ、取引の関係者から請求があれば提示します。取引士証を持っていても従業者証明書の代わりにはなりません。従業者名簿は事務所ごとに備えて最終の記載をした日から保存し、取引の関係者から請求があれば閲覧させます。

犯収法上の確認記録は取引時確認後、取引記録は取引の日から7年間保存します。宅建業法の業務帳簿の保存期間(各事業年度末から原則、新築住宅に関する取引は10年間)とは起算点も目的も異なります。

報酬では媒介と代理、売買と貸借、依頼者の一方・双方から受ける額を分けます。売買媒介の一方からの上限(税別)は、価格200万円以下が5%、200万円超400万円以下が、400万円超がです。実際の受領額には消費税相当額を加えます。

居住用建物の貸借媒介では、原則として依頼者の一方から賃料の、双方の合計で1か月分以内(いずれも税別)です。媒介の依頼を受ける際に依頼者の承諾を得ていれば、その依頼者から1か月分まで受け取れます。長期の空家等の貸主側の特例は別に判定します。

居住用建物以外(店舗・事務所や宅地)の貸借で権利金(返還されないもの)を授受するときは、権利金の額を売買代金とみなして売買の計算式で上限を求めることもできます。ではこの方法は使えません。

報酬とは別に受け取れるのは、によって行った広告の料金と、依頼者の特別の依頼で行う遠隔地での現地調査等の費用(事前に依頼者の承諾があるもの)に限られます。依頼のない通常の広告費を別に請求することはできません。

手付について貸付けその他の信用の供与をして契約の締結を誘引することも禁止です。手付のを認めることも信用の供与に当たり、実際に契約が成立しなかったとしても違反になります。一方、手付の額をすること自体は信用の供与に当たりません。

国交省の「人の死の告知に関するガイドライン」は、自然死や日常生活上の不慮の死(特殊清掃等がない場合)について原則告知不要と整理します。一方、賃貸借の対象不動産や日常使用する共用部分で生じたこれ以外の死は、事案から概ねを経過すると原則告知不要とされます。売買にこの3年の扱いをそのまま当てはめません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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