本文へ移動

宅地建物取引士 · 学習ガイド

宅建士(宅地建物取引士)の試験概要

アプリでの毎日の復習から、試験に向けた学習計画と仕上げまで。自分の学習段階に合うところから読み進めてください。

学習の始め方

おぼエルでの学習ステップ

Step 1: 宅建業法から1周する

配点が最も大きく、暗記中心で得点しやすい宅建業法から始めましょう。最初は間違えて当然です。解説を読んで「なぜそうなるか」を理解しながら進めます。

Step 2: 4分野を並行して周回する

権利関係・法令上の制限・税その他へと範囲を広げ、全分野を繰り返し周回します。

  • 1周目は理解重視。細かい数字の暗記は2周目以降で十分です
  • おぼエルは間違えた問題を自動で繰り返し出題するので、周回するほど弱点が潰れていきます
  • 間違えた問題は必ず解き直し、正解した問題も解説を読む(たまたま正解を放置しない)

Step 3: 直前期は苦手分野+暗記項目の総仕上げ

習熟度の低い分野を集中的に復習しつつ、報酬計算・35条/37条書面・建蔽率/容積率などの数字ものを最終確認します。

試験の仕組み

試験の基本情報

項目内容
正式名称宅地建物取引士資格試験
実施団体一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)
試験日毎年1回、10月の第3日曜日(2026年度は10月18日(日)予定)
試験時間13:00〜15:00の2時間(登録講習修了者は13:10〜15:00の1時間50分)
試験形式四肢択一式・50問のマークシート(筆記試験)
受験資格なし。日本国内に居住していれば年齢・学歴を問わず誰でも受験可能
受験手数料8,200円(非課税・返還不可。2026年度時点)

出題形式と出題範囲

50問すべて四肢択一のマークシート方式です。記述式・計算の途中式の採点はありません。

分野出題数主な内容
宅建業法20問宅建業法、住宅瑕疵担保履行法
権利関係14問民法(約10問)、借地借家法(2問)、区分所有法(1問)、不動産登記法(1問)
法令上の制限8問都市計画法・建築基準法(各2問)、国土利用計画法・農地法・盛土規制法・土地区画整理法(各1問程度)
税・価格・その他8問税金(2問)、地価公示または鑑定評価(1問)、免除科目5問(統計・住宅金融支援機構・景品表示法・土地・建物)

※ 分野内の内訳は年度により多少変動します。

合格基準(相対評価)

宅建試験は固定の合格点がない相対評価の試験です。合格基準点は試験実施後に公表され、年度によって異なります。

登録講習(5問免除)制度

宅建業に従事している人(従業者証明書を持っている人)は、国土交通大臣登録の登録講習を修了すると、試験の問46〜問50(例年、統計・住宅金融支援機構・景品表示法・土地・建物の5問)が免除されます。

  • 免除者は45問を1時間50分で解答し、合格点も5点引きで判定される
  • 講習は通信学習+スクーリング+修了試験で、費用の目安は15,000〜20,000円程度(実施機関により異なる)
  • 修了者証明書の有効期間は3年(修了後3年以内の試験で免除が受けられる)

法令基準日について

宅建試験は、試験を実施する年度の4月1日現在で施行されている法令に基づいて出題されます。

当日の持ち物

持ち物備考
受験票忘れずに
筆記用具BまたはHBの黒鉛筆(シャープペンシル可)、プラスチック消しゴム
腕時計時計がない会場もあるため推奨(スマートウォッチ不可)

※ 電卓は使用できません。ただし出題される計算(報酬額・建蔽率など)は手計算で十分対応できるレベルです。

効果的な勉強法

宅建攻略の基本戦略

宅建は相対評価の試験です。難問・奇問で差はつきません。合否を分けるのは「みんなが解ける頻出問題を確実に取れるか」です。

分野別の目標点(合計38点以上を狙う)

分野出題数目標点方針
宅建業法20問18〜20点満点狙い。最優先で仕上げる
権利関係14問7〜10点頻出論点に絞る。深追いしない
法令上の制限8問6点前後数字の暗記を確実に
税・価格・その他8問5〜6点頻出パターンだけ押さえる

おぼエルを最大限活用する

おぼエルの学習アルゴリズムを理解しよう

おぼエルは間隔反復(Spaced Repetition)の原理に基づいています。

  • 間違えた問題は短い間隔で繰り返し出題される
  • 正解した問題は徐々に間隔が広がる
  • 忘れそうなタイミングで自動的に復習できる

宅建は「覚えているかどうか」で決まる問題が大半なので、この仕組みとの相性が非常に良い試験です。

効果的な使い方

1. 毎日続ける(最重要)
  • 1日10問でもいいので毎日やる
  • ストリーク(連続学習日数)を途切れさせないことを目標に
  • 通知機能で学習リマインダーを設定
2. 複数周回を前提にする
  • 1周目は理解重視。間違えても気にせず、解説を読んで「理屈」をつかむ
  • 細かい数字(2週間・3ヶ月・8,000万円など)の暗記は2周目以降で固める
  • 周回するほどおぼエルが弱点を集中的に出題してくれる
3. 間違えた問題は解き直し、正解した問題も解説を読む
  • 間違えた問題の解き直しは必須。「なぜ間違えたか」を言語化する
  • 正解した問題も解説を読む。四肢択一は「たまたま正解」が起こりやすく、他の選択肢がなぜ誤りかまで説明できて初めて本物の知識です
4. 習熟度を定期的にチェック
  • 習熟度表示で分野ごとの進捗を確認
  • 宅建業法の習熟度を最優先で上げ、その次に法令上の制限・権利関係の頻出論点へ
5. スキマ時間を活用する

1問30秒〜1分で解けるので、通勤電車・昼休み・寝る前の10分が積み重なると大きな差になります。宅建の300時間は「まとまった時間」だけで作る必要はありません。

インプットとアウトプットのバランス

おすすめの学習サイクル

① インプット(20〜40分)
   テキスト or 講義動画で1テーマを学ぶ

② アウトプット(20〜40分)
   おぼエルでそのテーマの問題を解く

③ 復習(10分)
   間違えた問題の解説を読み直し、テキストの該当箇所に戻る

④ 翌日以降
   おぼエルが自動で復習スケジュールを管理

学習フェーズ別のバランス

フェーズインプットおぼエル目安
初期(1周目・理解重視)60%40%全体の前半
中期(2〜3周目・暗記定着)20%80%全体の中盤
直前期(仕上げ)10%90%試験前1〜1.5ヶ月

分野別の攻略法

各分野の詳細は分野別ガイドを参照してください。ここでは戦略の要点だけまとめます。

宅建業法(20問)— 満点を狙う

  • 出題範囲が狭く、同じ論点が毎年繰り返し出る
  • 35条書面(重要事項説明)・37条書面・8種制限・報酬計算が最頻出
  • 「業者」と「取引士」、「35条」と「37条」など、似たもの同士の比較整理が得点の鍵
  • → 宅建業法の詳細

権利関係(14問)— 深追いしない

  • 民法は範囲が広大で、毎年見たことのない難問も出る。難問は捨てて構いません
  • 確実に取るべきは借地借家法(2問)・区分所有法(1問)・不動産登記法(1問)+民法の頻出論点(意思表示・代理・物権変動・抵当権・相続など)
  • 条文の丸暗記より「事例で誰が保護されるか」を図を描いて考える習慣を
  • → 権利関係の詳細

法令上の制限(8問)— 数字を確実に暗記

  • 用途地域・開発許可の面積・建蔽率/容積率など、数字の暗記がそのまま点になる
  • 1周目は制度の全体像だけつかみ、数字の詰め込みは2周目以降+直前期に
  • → 法令上の制限の詳細

税・価格・その他(8問)— 頻出パターンに絞る

  • 税は毎年2問。出るテーマ(不動産取得税・固定資産税など)のローテーションがある程度決まっている
  • 免除5問のうち統計は直前期に最新データを確認(古い数字を覚えても無駄になる)
  • → 税・価格・その他の詳細

よくある失敗パターンと対策

❌ テキストを完璧に読んでから問題を解こうとする

→ 宅建はテキストを読むだけでは解けるようになりません。早めにおぼエルで演習を始め、「問題で問われる形」から逆算して覚えましょう。

❌ 権利関係(民法)に時間をかけすぎる

→ 民法は学問的に面白い分、深追いの沼にはまりがちです。頻出論点以外は割り切り、浮いた時間を宅建業法の完成度に回す方が合格に近づきます。

❌ 1周目から細かい数字まで完璧に覚えようとする

→ 1周目は「制度の目的と全体像」の理解で十分。数字は周回の中で自然に定着します。

❌ 直前に一気に詰め込む

→ 宅建の暗記量は一夜漬けでは対応できません。間隔反復の効果を得るには毎日少しずつが続けやすい方法です。

❌ 正解した問題を復習しない

→ 相対評価の試験では「あやふやな知識」が命取りです。正解でも解説を読み、全選択肢の正誤理由を説明できるかを確認しましょう。

本番で使えるテクニック

解く順番

  • 権利関係(問1〜14)から順に解くと、序盤の難問で時間と精神力を消耗しがちです
  • 宅建業法(問26〜45)→ 法令上の制限・税その他 → 権利関係の順に解く受験者が多く、得点源から確実に固められます
  • どの順で解くかは模試の段階で決めて練習しておきましょう

時間配分

  • 2時間で50問 = 1問あたり約2.4分。ただし知識問題は数十秒で解けるので、実際は見直し時間を確保できます
  • 分からない問題は印をつけて飛ばし、最後に戻る
  • マークシートのマークずれには細心の注意を。飛ばした問題の後は特に確認

選択肢の検討

  • 「正しいものはどれか」「誤っているものはどれか」の問われ方を最初に確認(取り違えが最多のケアレスミス)
  • 個数問題(「正しいものはいくつあるか」)は全選択肢の検討が必要なので時間がかかる。後回しでOK
  • 迷ったら消去法。明らかに誤りの選択肢から消す

→ 次は学習計画の立て方へ

学習計画

学習期間・一日の問題数は計画例です。経験や確保できる時間に合わせて調整し、解説を理解する時間と復習日も確保してください。

試験日は毎年10月の第3日曜日。逆算して、状況別に3つのモデルプランを用意しました。

プラン A: じっくり6ヶ月コース

対象: 法律を初めて学ぶ初学者。1日1〜2時間を確保できる人(合計約300〜400時間)

4月に始めれば10月の試験にちょうど間に合うスケジュールです。

月学習内容ポイント
1ヶ月目宅建業法をインプット+おぼエルで1周目理解重視。間違えてOK
2ヶ月目権利関係をインプット+おぼエル1周目難論点は飛ばす勇気を
3ヶ月目法令上の制限・税その他をインプット+おぼエル1周目全体像優先。数字は後回し
4ヶ月目全分野をおぼエルで2周目暗記の定着はここから。数字を固める
5ヶ月目3周目+苦手分野の集中復習習熟度の低い分野を優先
6ヶ月目市販の予想模試+弱点補強+統計対策38点以上を安定させる

1日の学習時間: 平日1〜1.5時間+休日2〜3時間

プラン B: 標準3ヶ月コース

対象: 1日2〜3時間を確保できる人、または法律・不動産の学習経験がある人(合計約200〜250時間)

7月開始で10月の試験を狙うプランです。初学者がこのプランで走る場合は、休日にまとまった時間(4時間以上)を取れることが前提です。

週学習内容
1〜2週目宅建業法: インプット+おぼエル1周目
3〜4週目権利関係: インプット+おぼエル1周目(頻出論点に絞る)
5〜6週目法令上の制限・税その他: インプット+おぼエル1周目
7〜9週目全分野2周目。数字・暗記項目を固める
10〜11週目3周目+苦手分野集中。予想模試1回目
12〜13週目模試の復習+弱点補強+統計対策

1日の学習時間: 平日2時間+休日3〜4時間

プラン C: 直前期(試験前1ヶ月)の過ごし方

対象: プランA/Bを走ってきた人の最終仕上げ(この時期からのゼロスタートはおすすめしません)

週やること
4週間前市販の予想模試を本番と同じ2時間で解く。解く順番・時間配分を確定させる
3週間前模試で判明した弱点をおぼエルで集中演習。宅建業法の完成度を最終確認
2週間前法令上の制限・税の数字ものを総点検。統計問題の最新データを予備校の無料まとめ等で確認
1週間前試験直前の1週間へ

学習計画を成功させるコツ

1. 毎日の学習を習慣化する

  • 「毎朝の通勤電車で20問」のように時間と場所を決める
  • おぼエルの通知機能を活用
  • 0問の日を作らないことが何より大切

2. 「1周目は理解、2周目以降で暗記」を守る

  • 1周目から完璧を目指すと挫折します
  • 宅建の膨大な数字・期間は、周回の中で自然に定着させるのが正解です

3. 進捗を可視化する

  • おぼエルの習熟度とストリークを毎日チェック
  • 宅建業法の習熟度が最も高い状態を維持できているか確認

4. 模試は必ず本番形式で受ける

  • 2時間通しで解く体験は模試でしか積めません
  • 相対評価の試験なので、目標は38点以上。届かない分野から補強します

5. 遅れても計画を「圧縮」せず「優先順位」で調整

  • 遅れたら全部を薄くやるのではなく、宅建業法 → 法令上の制限 → 権利関係の頻出論点、の優先順で確保しましょう

試験直前の1週間

日やること
7日前予想模試の最終回。時間配分・解く順番の最終確認
6〜4日前模試で間違えた論点+おぼエルの習熟度が低い問題を復習
3日前宅建業法の暗記項目(35条/37条・報酬・8種制限)を総ざらい
2日前法令上の制限・税の数字、統計の最新データを最終確認
前日軽く全体を見直す程度。受験票・鉛筆・消しゴム・腕時計を準備し早めに寝る
当日会場には余裕を持って到着。直前は覚えたての統計・数字を見返すと得点に直結

→ 使う教材に迷ったら参考書・リンク集へ

教材の使い分け

教材を選ぶ基準

受験年度に対応したテキストを1冊決め、宅建業法・権利関係・法令上の制限・税その他を一巡します。古い過去問を解くときは試験当時の制度と現行法を区別し、年度の法令基準日と統計資料を照合しましょう。

理解・反復・実戦を組み合わせる

  • 初めての範囲は教本や解説で全体像をつかみます。
  • おぼエルでは少量ずつ解き、誤答の理由と正しい考え方を確認します。
  • 一巡後は時間を計った演習で、知識を自力で使えるかを確かめます。
  • 教材を増やしすぎず、同じ教材の解き直しと弱点の補強に時間を使います。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について