土地の開発と建築に重なる法令上の制限を整理します。都市計画、建築基準、土地取引、農地の権利移動・転用、盛土、区画整理を、区域・規模・行為の種類から判断します。
仕組みを理解する
都市計画法
都市計画法とは、都市の秩序ある整備のため、市街化区域と市街化調整区域の区分(区域区分)や用途地域などの地域地区を定め、土地の開発行為を許可制にする法律です。

土地を持っているからといって、どこでも自由に宅地へ変えられるわけではありません。街全体の都市計画と開発の規制を確認します。
区域・地域地区・地区計画

都市計画区域は、市街化区域と市街化調整区域に線引き(区域区分)される場合と、線引きされない非線引き都市計画区域の場合があります。市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めません。
都市計画区域外でも、放置すれば将来の都市の整備に支障が生じるおそれがある区域は、準都市計画区域に指定できます。準都市計画区域には区域区分も市街地開発事業も定められません。一方、道路などの都市施設は、特に必要があれば都市計画区域外にも定められます。
用途地域は13種類で、住居系8・商業系2・工業系3に分かれます。区域区分は都市の市街化の方針、用途地域は建てられる建物の用途、地区計画は地区ごとの細かなルールを定めるもので、階層を取り違えないようにします。
地域地区は名称が似たものの取り違えが頻出です。下の2つ目の表で「どこに定めるか」と「何を定めるか」を区別します。地区計画は、用途地域がある区域のほか、一定の条件を満たせば用途地域がない区域にも定められます。
| 用途地域の系統 | 種類 | 判断の起点 |
|---|---|---|
| 住居系(8) | 第一種・第二種低層住居専用、第一種・第二種中高層住居専用、第一種・第二種住居、準住居、田園住居 | 住宅を中心に許容用途が異なる |
| 商業系(2) | 近隣商業、商業 | 店舗等を許容する範囲が異なる |
| 工業系(3) | 準工業、工業、工業専用 | 工業専用地域には住宅を建てられない |
| 地域地区等 | 定める場所 | 定める内容・目的 |
|---|---|---|
| 高度地区 | 用途地域内 | 建築物の高さの最高限度又は最低限度 |
| 高度利用地区 | 用途地域内 | 容積率の最高・最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限(高さの限度ではない) |
| 特定街区 | 街区の整備・造成が行われる地区 | 容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限 |
| 特別用途地区 | 用途地域内 | 用途地域の指定を補完し、特別の目的のため用途制限を強化・緩和 |
| 特定用途制限地域 | 用途地域が定められていない区域(市街化調整区域を除く) | 制限すべき特定の建築物等の用途の概要 |
| 田園住居地域 | 用途地域の一つ | 農業の利便の増進を図りつつ、調和した低層住宅の良好な住環境を保護(生産緑地地区の定義ではない) |
| 地区計画 | 用途地域内のほか、一定の条件を満たす用途地域外の区域 | 地区ごとのルール。地区整備計画を定められない特別の事情があれば方針のみ定められる |
開発行為と許可の基準

開発行為は、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更です。土地の区画形質を変えずに建物を建てるだけなら開発行為ではなく、開発許可は不要です。
開発許可が必要となる規模は、市街化区域が1,000㎡以上(三大都市圏の既成市街地等は500㎡以上)、非線引き都市計画区域と準都市計画区域が3,000㎡以上、都市計画区域・準都市計画区域外が1ha以上です。市街化区域・非線引き区域・準都市計画区域では、条例で300㎡まで引き下げられることがあります。市街化調整区域には面積による例外がなく、小規模でも原則として許可が必要です。
面積にかかわらず許可が不要となる主な例外は、下の2つ目の表のとおりです。農林漁業用の建築物とその業務を営む者の住宅は、市街化区域では例外にならず、面積基準だけで判断します。学校・病院・社会福祉施設は公益上必要な建築物の例外に含まれず、原則どおり許可が必要です。
| 区域 | 開発許可が必要となる規模(原則) | 注意 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 1,000㎡以上 | 三大都市圏の一定区域は500㎡以上。条例で300㎡まで引下げ可 |
| 市街化調整区域 | 規模にかかわらず許可が必要 | 許可できる開発の種類も限定 |
| 非線引き都市計画区域 | 3,000㎡以上 | 条例で300㎡まで引下げ可 |
| 準都市計画区域 | 3,000㎡以上 | 区域区分は設けない |
| 都市計画区域・準都市計画区域外 | 1ha以上 | 区域外でも許可の対象となり得る |
| 規模にかかわらず許可不要となる例 | 市街化区域 | 市街化区域以外 |
|---|---|---|
| 農林漁業用の建築物、農林漁業者の住宅のための開発行為 | 例外にならない(面積基準で判断) | 許可不要 |
| 駅舎・図書館・公民館・変電所など公益上必要な建築物のための開発行為 | 許可不要 | 許可不要 |
| 都市計画事業・土地区画整理事業などの施行として行う開発行為 | 許可不要 | 許可不要 |
| 非常災害の応急措置、通常の管理行為・軽易な行為 | 許可不要 | 許可不要 |
開発許可の手続

開発許可を申請する者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得ます。自己の居住用住宅を建てるための開発行為以外では、原則として災害危険区域などの土地を開発区域に含められません。
許可後に申請書の記載事項を変更するときは改めて知事の許可が必要で、軽微な変更なら遅滞なく知事に届け出ます。工事が完了したら許可を受けた者が知事に届け出て検査を受けます。検査済証の交付後に工事完了を公告するのは知事で、開発登録簿を調製・保管するのも知事です。
工事前後の建築制限

開発許可を受けた開発区域内では、工事完了公告の前は原則として建築物を建てられません。例外は、工事用の仮設建築物、知事が支障がないと認めたとき、開発行為に同意していない土地所有者等が自分の権利として建てるときです。
完了公告の後は、許可を受けた予定建築物以外の建築物を新築できません。ただし、知事の許可を受けたときや、その区域に用途地域等が定められているときは例外です。
市街化調整区域のうち開発許可を受けた区域以外では、開発行為を伴わない建築でも原則として知事の許可が必要です。農林漁業用建築物や農林漁業者の住宅などは例外ですが、自己の居住用住宅というだけでは許可は不要になりません。
開発許可を受けても、建物を建てる建築確認は別に必要です。都市計画施設の区域や市街地開発事業の施行区域内で建築するときの許可も、開発許可とは別の手続です。「どの区域で、何の行為をするか」を先に特定します。
| 時期・場所 | 原則 | 主な例外 |
|---|---|---|
| 開発区域内・完了公告前 | 建築物の建築はできない | 工事用の仮設建築物、知事が支障がないと認めたとき、開発行為に同意していない権利者の建築 |
| 開発区域内・完了公告後 | 予定建築物以外は新築できない | 知事の許可、用途地域等が定められているとき |
| 市街化調整区域の開発区域外 | 建築に知事の許可が必要 | 農林漁業用建築物・農林漁業者の住宅、都市計画事業など |
試験に出る
- 市街化区域と市街化調整区域で開発の扱いが異なり、まず区域を判断するのが基本です。
- 開発行為は「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」です。ゴルフコースの造成も含み、区画形質の変更を伴わない建築だけなら開発行為ではありません。
- 開発許可の要否は、区域ごとの面積基準と、農林漁業用建築物・公益上必要な建築物・都市計画事業などの例外を組み合わせて判断します。
- 高度地区と高度利用地区、特定用途制限地域と特別用途地区など、名称の似た地域地区の「定める場所」と「定める内容」が問われます。
- 工事完了の公告と開発登録簿の調製は都道府県知事が行います。許可を受けた者の義務と取り違える選択肢に注意します。
- 建築確認(建物)と開発許可(土地)は別の手続で、混同させる選択肢に注意します。
重要な言葉
- 市街化区域
- すでに市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を図る区域。少なくとも用途地域を定める。
- 市街化調整区域
- 市街化を抑制すべき区域。原則として用途地域を定めず、小規模な開発でも原則として許可が必要。
- 準都市計画区域
- 都市計画区域外で、放置すると将来の一体的な都市の整備に支障が生じるおそれがある区域。区域区分や市街地開発事業は定めない。
- 開発行為
- 主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更。
- 特定工作物
- コンクリートプラント等の第一種特定工作物と、ゴルフコースや1ha以上の野球場・遊園地・墓園等の第二種特定工作物。
確認問題
確かめよう市街化調整区域は市街化を積極的に進める区域?
逆で、抑制する区域です。
市街化調整区域は、市街化を積極的に進める区域である。
開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう。
市街化区域内で、開発行為を伴わずに床面積1,000㎡以上の建築物を建築する場合は、開発許可が必要である。
市街化区域内で農業用倉庫を建てるために行う1,500㎡の開発行為は、農林漁業用の例外に当たるので開発許可が不要である。
準都市計画区域については、都市計画に市街地開発事業を定めることができる。
高度利用地区は、用途地域内において建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
市街化調整区域内で、農業を営む者の居住用建築物を建てるために行う開発行為は、面積にかかわらず開発許可が不要である。
準都市計画区域内で、条例による規模の引下げがない場合、2,000㎡の開発行為には開発許可は不要である。
市街化調整区域内で病院を建築するために行う開発行為は、公益上必要な建築物のための開発行為として開発許可が不要である。
開発許可を受けた開発区域内では、工事完了の公告前であっても、工事用の仮設建築物は建築することができる。
開発許可に係る工事の完了の検査後、工事完了の公告を行うのは都道府県知事である。
市街化を抑制する区域はどちら?
区域区分が定められていない都市計画区域で、開発許可が必要となる開発行為の規模(原則)は?
都市計画法の地域地区等に関する記述のうち、正しいものはどれか。
市街化区域内(三大都市圏の既成市街地等ではなく、条例による規模の引下げもない)で行う次の開発行為のうち、開発許可が必要なものはどれか。
開発許可の手続と建築制限に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
都市計画区域及び準都市計画区域の外で、開発許可が必要となる開発行為の規模(原則)は?
土地を持っているからといって、どこでも自由に宅地へ変えられるわけではありません。街全体のと開発の規制を確認します。
都市計画区域は、とに線引き(区域区分)される場合と、線引きされない非線引き都市計画区域の場合があります。市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めません。
都市計画区域外でも、放置すれば将来の都市の整備に支障が生じるおそれがある区域は、に指定できます。準都市計画区域には区域区分も市街地開発事業も定められません。一方、道路などの都市施設は、特に必要があれば都市計画区域外にも定められます。
用途地域はで、住居系8・商業系2・工業系3に分かれます。区域区分は都市の市街化の方針、用途地域は建てられる建物の用途、地区計画は地区ごとの細かなルールを定めるもので、階層を取り違えないようにします。
は、主として建築物の建築又はの建設の用に供する目的で行う土地のの変更です。土地の区画形質を変えずに建物を建てるだけなら開発行為ではなく、開発許可は不要です。
開発許可が必要となる規模は、市街化区域が以上(三大都市圏の既成市街地等は以上)、非線引き都市計画区域と準都市計画区域が以上、都市計画区域・準都市計画区域外が1ha以上です。市街化区域・非線引き区域・準都市計画区域では、条例で300㎡まで引き下げられることがあります。市街化調整区域には面積による例外がなく、小規模でも原則として許可が必要です。
面積にかかわらず許可が不要となる主な例外は、下の2つ目の表のとおりです。農林漁業用の建築物とその業務を営む者の住宅は、市街化区域では例外にならず、だけで判断します。学校・病院・社会福祉施設は公益上必要な建築物の例外に含まれず、原則どおり許可が必要です。
開発許可を申請する者は、あらかじめ、開発行為に関係があると協議し、そのを得ます。自己の居住用住宅を建てるための開発行為以外では、原則として災害危険区域などの土地を開発区域に含められません。
許可後に申請書の記載事項を変更するときは改めて知事の許可が必要で、軽微な変更なら遅滞なく知事に届け出ます。工事が完了したら許可を受けた者が知事に届け出て検査を受けます。の交付後に工事完了を公告するのは知事で、を調製・保管するのも知事です。
完了公告の後は、許可を受けたの建築物を新築できません。ただし、知事の許可を受けたときや、その区域に用途地域等が定められているときは例外です。
開発許可を受けても、建物を建てるは別に必要です。都市計画施設の区域や市街地開発事業の施行区域内で建築するときの許可も、開発許可とは別の手続です。「どの区域で、何の行為をするか」を先に特定します。
建築基準法
建蔽率は建築面積÷敷地面積、容積率は延べ面積÷敷地面積で表す、建物の大きさの制限です。

敷地の広さだけでは建てられる建物の大きさは決まりません。建築面積と延べ面積を別の比率で制限します。
建蔽率・容積率・接道

敷地100㎡、建蔽率60%、容積率200%なら、単純計算で建築面積60㎡、延べ面積200㎡が上限です。実際には道路幅員や緩和などの条件を加えて判定します。
容積率は、指定容積率と前面道路幅員による容積率の小さい方で判定します。前面道路の幅員が12m未満なら、道路幅員に用途地域ごとの係数(原則として住居系は4/10、その他は6/10)を掛けます。
建蔽率は、特定行政庁が指定する角地で1/10、防火地域内の耐火建築物等や準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等で1/10が加算され、両方に当たれば2/10が加算されます。建蔽率の限度が80%の地域内で、防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限自体が適用されません。
敷地は原則として建築基準法上の道路(原則として幅員4m以上)に2m以上接する必要があります(接道義務)。幅員4m未満でも特定行政庁が指定した既存の道(2項道路)は道路とみなされ、原則として道の中心線から2m後退した線が道路の境界線になります。
地方公共団体は、特殊建築物や延べ面積1,000㎡超の建築物、袋路状道路にのみ接する延べ面積150㎡超の建築物(一戸建ての住宅を除く)などについて、条例で接道の制限を付加できます。
敷地が複数の地域にまたがるとき、建蔽率・容積率は各部分の面積で按分(加重平均)します。一方、用途制限は敷地の過半が属する地域の制限を敷地全体に適用し、防火地域と準防火地域にまたがる建築物は原則として全部に厳しい防火地域の規定を適用します。
| 規制 | 計算・条件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建蔽率 | 建築面積÷敷地面積 | 角地・防火による加算、適用除外を確認 |
| 容積率 | 延べ面積÷敷地面積 | 指定容積率と道路幅員による値の小さい方 |
| 前面道路が12m未満 | 道路幅員×用途地域に応じた係数 | 原則、住居系4/10・その他6/10 |
| 接道 | 原則として幅員4m以上の道路に2m以上 | 2項道路は中心線から原則2m後退 |
| 複数の地域にまたがる敷地 | 建蔽率・容積率は面積按分 | 用途制限は過半の地域、防火は原則として厳しい方 |
| 建蔽率の緩和の条件 | 建蔽率の扱い |
|---|---|
| 特定行政庁が指定する角地 | 1/10を加算 |
| 防火地域(建蔽率80%の地域を除く)内の耐火建築物等 | 1/10を加算 |
| 準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等 | 1/10を加算 |
| 角地と防火の要件の両方に該当 | 2/10を加算 |
| 建蔽率80%の地域かつ防火地域内の耐火建築物等 | 建蔽率の制限を適用しない |
用途・高さ・防火の規制

用途制限は、用途地域ごとに建てられる建物を定めます。神社・寺院・教会、保育所、診療所、公衆浴場、巡査派出所などはすべての用途地域で建てられます。住宅や学校・病院のように、建てられない地域がある建物を代表例で押さえます。
高さの制限は、用途地域ごとに適用の有無が異なります。天空率が斜線制限に適合する建築物の天空率以上であれば、斜線制限は適用されません。日影規制の対象区域外にある建築物でも、高さ10m超で対象区域内に日影を生じさせるものは規制を受けます。
防火・避難・構造の規制は、建蔽率・容積率とは別に適用されます。「大きさが基準内なら建築可能」と結論せず、設問で示された用途、道路、防火地域等を順に当てはめます。
| 建築物 | 建てられない用途地域 |
|---|---|
| 住宅・共同住宅・寄宿舎 | 工業専用地域 |
| 小学校・中学校・高等学校 | 工業地域、工業専用地域 |
| 大学・病院 | 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業地域、工業専用地域 |
| 神社・寺院・教会、保育所、診療所、公衆浴場、巡査派出所 | なし(すべての用途地域で建築可) |
| 高さの制限 | 適用される地域 |
|---|---|
| 絶対高さ(10m又は12m) | 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域 |
| 道路斜線制限 | すべての用途地域と用途地域の指定のない区域 |
| 隣地斜線制限 | 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域以外 |
| 北側斜線制限 | 低層住居専用地域・田園住居地域、中高層住居専用地域(日影規制の対象区域を除く) |
| 日影規制 | 条例で指定した区域(商業地域・工業地域・工業専用地域は指定できない) |
建築確認と2025年改正

2025年(令和7年)4月1日から、建築確認の対象となる建築物の区分が見直されました。木造・非木造を問わず、階数2以上又は延べ面積200㎡超の建築物は、都市計画区域の内外を問わず、建築(新築・増築・改築・移転)に加えて大規模の修繕・模様替でも建築確認が必要です。この規模の建築物は、構造関係規定等の審査も省略されません。
平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物は、都市計画区域・準都市計画区域等の内で建築するときに建築確認が必要で、大規模の修繕・模様替では不要です。建築士が設計すれば構造関係規定等の審査を省略できる4号特例(審査省略制度)の対象は、この平屋かつ200㎡以下の建築物に縮小されました。改正は施行日以後に工事に着手するものに適用されます。
このほか、飲食店・共同住宅などの特殊建築物で、その用途の床面積が200㎡超のものは、全国で建築・大規模の修繕・模様替に確認が必要です。既存の建築物を床面積200㎡超の特殊建築物に用途変更するときも確認が必要ですが、劇場から映画館への変更など類似の用途間の変更は不要です。
防火地域・準防火地域の外で行う床面積10㎡以内の増築・改築・移転は確認不要ですが、防火地域・準防火地域内では10㎡以内でも必要です。
| 建築物 | 確認が必要な区域 | 確認が必要な工事 |
|---|---|---|
| 特殊建築物(その用途の床面積200㎡超) | 全国 | 建築、大規模の修繕・模様替、200㎡超の特殊建築物への用途変更(類似の用途間を除く) |
| 階数2以上又は延べ面積200㎡超(木造・非木造を問わない) | 全国 | 建築、大規模の修繕・模様替 |
| 上記以外(平屋かつ延べ面積200㎡以下) | 都市計画区域・準都市計画区域等 | 建築のみ(構造等の審査省略の対象) |
| 床面積10㎡以内の増築・改築・移転 | 防火地域・準防火地域内 | 防火地域・準防火地域外なら確認不要 |
試験に出る
- 建蔽率=建築面積÷敷地面積、容積率=延べ面積÷敷地面積という計算式が基本です。2階以上の床は延べ面積に含み、建築面積には含みません。
- 指定容積率だけでなく、前面道路幅員による制限を確認します。
- 建蔽率は角地・防火地域等の加算と、建蔽率80%の地域の防火地域内にある耐火建築物等の適用除外が頻出です。
- 用途制限・高さ制限(斜線・日影)は、用途地域ごとに適用の有無が異なります。
- 2025年(令和7年)4月から、階数2以上又は延べ面積200㎡超の建築物は木造でも全国で建築確認が必要になり、大規模の修繕・模様替も確認の対象です。構造等の審査を省略する4号特例は、平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物に縮小されました。
重要な言葉
- 建蔽率
- 敷地面積に対する建築面積の割合。60%なら建築面積は敷地の6割まで。
- 容積率
- 敷地面積に対する延べ面積の割合。2階部分も延べ面積に含まれる。
- 前面道路幅員
- 敷地が面する道路の幅。12m未満なら容積率の上限を制限する。
- 接道義務
- 建築物の敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない。
- 2項道路
- 幅員4m未満でも特定行政庁が指定して道路とみなす既存の道。原則として中心線から2m後退した線を道路の境界線とみなす。
- 4号特例
- 建築士が設計した小規模建築物について、建築確認で構造関係規定等の審査を省略する制度(審査省略制度)。2025年4月から対象は平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物に縮小された。
確認問題
確かめよう2階の床も含むのは建築面積と延べ面積のどちら?
延べ面積です。
敷地100㎡・建蔽率60%・容積率200%なら、延べ面積の上限は単純計算で200㎡である。
指定容積率だけで建てられる延べ面積の上限が確定する。
防火地域内で床面積10㎡以内の増築をする場合は、建築確認は不要である。
建蔽率の限度が80%の地域内で、防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限が適用されない。
前面道路の幅員が12m未満の場合、住居系の用途地域では、原則として道路幅員に6/10を掛けた数値と指定容積率の小さい方が容積率の上限となる。
特定行政庁が指定する角地にあり、かつ準防火地域内にある準耐火建築物等は、建蔽率が2/10加算される。
敷地が建蔽率の異なる2つの用途地域にまたがる場合、敷地の過半が属する地域の建蔽率が敷地全体に適用される。
特定行政庁が指定した幅員4m未満の2項道路では、原則として道の中心線から2m後退した線が道路の境界線とみなされる。
診療所は、工業専用地域内には建築することができない。
隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域内の建築物にも適用される。
2025年4月1日以後に工事に着手する場合、都市計画区域内で木造平屋・延べ面積150㎡の住宅を新築するときは、建築確認が必要である。
2025年4月1日以後、木造2階建て・延べ面積150㎡の住宅について大規模の修繕を行う場合は、建築確認が不要である。
事務所として使っていた建築物を、床面積300㎡の飲食店に用途変更する場合は、建築確認が必要である。
2階の床も含めて計算するのは?
2025年4月以降、都市計画区域外で木造2階建て住宅を新築する場合の建築確認は?
第一種住居地域内の敷地200㎡、前面道路の幅員5m、指定容積率300%の場合、建築できる延べ面積の上限は?(特定行政庁の指定による係数の変更や他の緩和はないものとする)
建蔽率の限度が60%の地域で、特定行政庁が指定する角地にあり、かつ防火地域内にある耐火建築物等の建蔽率の上限は?
用途制限と高さの制限に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
2025年4月1日以後に工事に着手する次の行為のうち、建築確認が不要なものはどれか。
敷地の広さだけでは建てられる建物の大きさは決まりません。とを別の比率で制限します。
敷地100㎡、60%、200%なら、単純計算で建築面積60㎡、延べ面積200㎡が上限です。実際には道路幅員や緩和などの条件を加えて判定します。
容積率は、指定容積率と前面道路幅員による容積率の小さい方で判定します。前面道路の幅員が未満なら、道路幅員に用途地域ごとの係数(原則として住居系は、その他は)を掛けます。
建蔽率は、特定行政庁が指定する角地で、防火地域内の耐火建築物等や準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等で1/10が加算され、両方に当たれば2/10が加算されます。建蔽率の限度がの地域内で、防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限自体が適用されません。
敷地は原則として建築基準法上の道路(原則として幅員以上)に以上接する必要があります()。幅員4m未満でも特定行政庁が指定した既存の道(2項道路)は道路とみなされ、原則として道の中心線から2m後退した線が道路の境界線になります。
敷地が複数の地域にまたがるとき、建蔽率・容積率は各部分の面積で按分(加重平均)します。一方、用途制限は敷地のが属する地域の制限を敷地全体に適用し、防火地域と準防火地域にまたがる建築物は原則として全部に厳しい防火地域の規定を適用します。
高さの制限は、用途地域ごとに適用の有無が異なります。天空率が斜線制限に適合する建築物の天空率以上であれば、斜線制限は適用されません。日影規制の対象区域外にある建築物でも、高さ超で対象区域内に日影を生じさせるものは規制を受けます。
2025年(令和7年)4月1日から、の対象となる建築物の区分が見直されました。木造・非木造を問わず、の建築物は、都市計画区域の内外を問わず、建築(新築・増築・改築・移転)に加えて大規模の修繕・模様替でも建築確認が必要です。この規模の建築物は、構造関係規定等の審査も省略されません。
平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物は、都市計画区域・準都市計画区域等の内で建築するときに建築確認が必要で、大規模の修繕・模様替では不要です。建築士が設計すれば構造関係規定等の審査を省略できる(審査省略制度)の対象は、この平屋かつ200㎡以下の建築物に縮小されました。改正は施行日以後に工事に着手するものに適用されます。
このほか、飲食店・共同住宅などの特殊建築物で、その用途の床面積が超のものは、全国で建築・大規模の修繕・模様替に確認が必要です。既存の建築物を床面積200㎡超の特殊建築物に用途変更するときも確認が必要ですが、劇場から映画館への変更など類似の用途間の変更は不要です。
防火地域・準防火地域の外で行う床面積以内の増築・改築・移転は確認不要ですが、防火地域・準防火地域内では10㎡以内でも必要です。
国土利用計画法
国土利用計画法とは、一定規模以上の土地取引に届出や許可を求め、投機的な取引や不適正な土地利用を防ぐ法律です。一般の区域では、契約後に利用目的などを届け出る事後届出が基本です。

大きな土地取引では、契約後に利用目的等を届け出る制度があります。一件ずつの面積だけを見ると対象を見落とします。
事後届出の対象と面積

事後届出の面積基準は、市街化区域が2,000㎡以上、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域・非線引き区域)が5,000㎡以上、都市計画区域外が10,000㎡以上です。
面積は権利取得者ごとに判定します。買主が複数の契約で取得する土地を一体として利用する一団の土地なら、合計面積で判断します。逆に、1つの土地を複数の買主が分割して買う場合は、各買主が取得する面積で判断します。
届出が必要な土地売買等の契約は、土地の所有権・地上権・賃借権を、対価を得て、契約により移転・設定するものです。売買・交換・予約や、権利金等の対価がある地上権・賃借権の設定は対象です。相続・遺産分割・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権の設定は対象外です。当事者の一方又は双方が国・地方公共団体等である場合や、民事調停による場合も届出は不要です。
| 項目 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 | 一団の土地は合算 |
| 市街化区域以外の都市計画区域 | 5,000㎡以上 | 市街化調整区域・非線引き区域 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 | 準都市計画区域を含む |
| 届出義務者・期限 | 権利取得者・契約締結日から2週間以内 | 売主は届け出ない。登記日・引渡日からではない |
| 届出先 | 市町村長を経由して都道府県知事 | 指定都市では市長 |
勧告と届出違反の効果

届出事項には対価の額も含まれますが、知事の勧告の対象は土地の利用目的だけです。勧告は土地利用審査会の意見を聴いて、原則として届出から3週間以内に行います(3週間の範囲で延長可)。
勧告に従わないときは、その旨と勧告の内容を公表されることがありますが、契約自体は有効です。届出をしなかった場合も契約は無効になりませんが、6か月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になります。
注視・監視・規制区域

土地取引規制は、一般の区域の事後届出、注視区域・監視区域の事前届出、規制区域の許可制に分かれます。事前届出は、契約前に売主・買主の双方が市町村長を経由して知事に行い、届出から6週間は原則として契約を締結できません。注視区域は一般の事後届出と同じ面積基準、監視区域は都道府県の規則で定める(より小さい)面積基準を使います。これらの区域内の取引には、事後届出は不要です。
規制区域では、面積を問わず契約前に知事の許可が必要で、無許可の契約は効力を生じません。事後届出や事前届出の違反では契約が無効にならない点と区別します。
| 区域 | 原則の手続 | 主な判断点 |
|---|---|---|
| 一般の区域 | 契約後2週間以内の事後届出 | 一定面積以上の権利取得者が届出 |
| 注視区域 | 契約前の事前届出 | 売主・買主双方。面積は事後届出と同じ基準 |
| 監視区域 | 契約前の事前届出 | 売主・買主双方。都道府県の規則で定める面積 |
| 規制区域 | 契約前の許可 | 面積を問わず、無許可の契約は効力を生じない |
別法の届出:重要土地等調査法

重要土地等調査法は、重要施設の周辺や国境離島等の土地・建物の利用状況を調査する制度です。注視区域と特別注視区域を区別し、特別注視区域にある面積200㎡以上の土地又は建物(床面積)について所有権等の移転・設定契約を結ぶ場合は、売主・買主の双方があらかじめ内閣総理大臣に届け出ます。注視区域という名称だけで届出対象と判断しません。
国土利用計画法の事後届出とは、目的、対象区域、面積、届出者、時期が異なります。同じ土地取引で両法が関係する場合も、それぞれ判定します。
| 法律 | 届出の対象 | 時期・届出者・届出先 |
|---|---|---|
| 国土利用計画法 | 一定面積以上の土地売買等の契約 | 一般の区域では契約後2週間以内に権利取得者が知事へ |
| 重要土地等調査法 | 特別注視区域の200㎡以上の土地・建物の所有権等の移転・設定契約 | 原則として契約前に当事者双方が内閣総理大臣へ |
試験に出る
- 事後届出の面積基準は、市街化区域2,000㎡以上、それ以外の都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上です。
- 面積は権利取得者ごとに判断し、買主が一体として利用する一団の土地なら合計面積で判断します。
- 事後届出は権利取得者(買主等)が契約締結の日から2週間以内に行います。売主には届出義務がなく、登記日・引渡日から数えません。
- 対象は対価のある契約による権利の移転・設定です。相続・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権設定は対象外で、交換は対象になります。当事者の一方が国・地方公共団体等なら不要です。
- 勧告の対象は土地の利用目的で、勧告に従わなくても契約は有効です。無届出は罰則の対象ですが、契約は無効になりません。
重要な言葉
- 事後届出
- 一定規模以上の土地売買等の契約について、契約後に権利取得者が市町村長を経由して知事に行う届出。
- 一団の土地
- 複数の土地でも一体として利用される場合は、合計面積で規制を判断する考え方。
- 権利取得者
- 土地売買等の契約で権利の移転・設定を受ける者。事後届出の届出義務を負う。
- 土地売買等の契約
- 対価を得て土地の所有権・地上権・賃借権を移転・設定する契約。予約や交換も含む。
確認問題
確かめよう届出期限を数える基準は引渡し日?
原則として契約締結日です。
事後届出の期限は、原則として引渡しの日から2週間以内である。
複数の土地でも一体利用される場合は、一団の土地として合計面積で判断することがある。
市街化区域内の3,000㎡の土地を相続で取得した者は、事後届出をしなければならない。
市街化調整区域内の6,000㎡の土地を売買により取得した者は、事後届出をしなければならない。
都市計画区域外の8,000㎡の土地を売買により取得した者は、事後届出をしなければならない。
事後届出は、土地売買等の契約の当事者である売主と買主が共同して行わなければならない。
市街化区域内の3,000㎡の一筆の土地を、AとBが1,500㎡ずつに分割して購入した場合、A・Bのいずれも事後届出をする必要はない。
都道府県知事は、事後届出に係る土地の対価の額が著しく適正を欠くときは、対価の額について勧告することができる。
事後届出が必要な土地売買等の契約について届出をしなかった場合、その契約は無効となる。
監視区域内で土地売買等の契約を締結しようとする場合は、契約の締結前に売主・買主の双方が事前届出をする。
注視区域内で事前届出をして土地売買等の契約を締結した場合でも、契約締結後に改めて事後届出をしなければならない。
重要土地等調査法の特別注視区域内にある面積200㎡以上の土地の売買契約では、原則として契約前に売主・買主の双方が内閣総理大臣に届け出る。
面積要件を満たす土地の交換契約は、事後届出の対象となる。
事後届出の起算日は原則として?
市街化区域における事後届出の面積要件の基本は?
市街化区域内で、Aが隣接するB所有の1,500㎡とC所有の800㎡を、一体として利用するため別々の売買契約で取得した。事後届出に関する記述のうち正しいものはどれか。
事後届出に対する勧告に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
次の取引のうち、国土利用計画法の事後届出が必要なものはどれか(いずれも注視区域・監視区域・規制区域外とする)。
区域と土地取引の手続の組合せとして、正しいものはどれか。
大きな土地取引では、契約後に等を届け出る制度があります。一件ずつの面積だけを見ると対象を見落とします。
事後届出の面積基準は、市街化区域が以上、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域・非線引き区域)が以上、都市計画区域外が以上です。
面積はごとに判定します。買主が複数の契約で取得する土地を一体として利用するなら、合計面積で判断します。逆に、1つの土地を複数の買主が分割して買う場合は、各買主が取得する面積で判断します。
届出が必要なは、土地の所有権・地上権・賃借権を、を得て、契約により移転・設定するものです。売買・交換・予約や、権利金等の対価がある地上権・賃借権の設定は対象です。相続・遺産分割・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権の設定は対象外です。当事者の一方又は双方が国・地方公共団体等である場合や、民事調停による場合も届出は不要です。
届出事項には対価の額も含まれますが、知事の勧告の対象は土地のだけです。勧告はの意見を聴いて、原則として届出から以内に行います(3週間の範囲で延長可)。
勧告に従わないときは、その旨と勧告の内容を公表されることがありますが、契約自体はです。届出をしなかった場合も契約は無効になりませんが、以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になります。
土地取引規制は、一般の区域の事後届出、注視区域・監視区域の事前届出、規制区域の許可制に分かれます。事前届出は、契約前に売主・買主のが市町村長を経由して知事に行い、届出からは原則として契約を締結できません。注視区域は一般の事後届出と同じ面積基準、監視区域は都道府県の規則で定める(より小さい)面積基準を使います。これらの区域内の取引には、事後届出は不要です。
では、面積を問わず契約前に知事の許可が必要で、無許可の契約は効力を生じません。事後届出や事前届出の違反では契約が無効にならない点と区別します。
重要土地等調査法は、重要施設の周辺や国境離島等の土地・建物の利用状況を調査する制度です。注視区域と特別注視区域を区別し、特別注視区域にある面積以上の土地又は建物(床面積)について所有権等の移転・設定契約を結ぶ場合は、売主・買主の双方があらかじめに届け出ます。注視区域という名称だけで届出対象と判断しません。
農地法
農地法とは、農地を農地のまま権利移動する場合や、農地を宅地などへ転用する場合に、許可や届出を求めて農地を保全する法律です。

農地を売ることと農地以外へ変えることでは、確認する許可の条文が違います。権利移動と転用の二軸で分けます。
3条・4条・5条の選択

農地のまま売買するなら3条、自分の農地を駐車場へ転用するなら4条、売買と転用を同時に行うなら5条が基本です。
3条許可は農業委員会、4条・5条許可は都道府県知事等(農林水産大臣が指定する市町村では市町村長)が行います。3条と5条は採草放牧地の権利移動も対象ですが、4条は農地の転用だけが対象です。
市街化区域内の転用は、あらかじめ農業委員会に届け出れば4条・5条の許可が不要です。3条の権利移動(農地のままの売買など)には、この市街化区域の特例は使えません。抵当権の設定は3条の権利移動に当たらず、許可は不要です。
| 行為 | 必要な手続(許可権者) | 例・注意 |
|---|---|---|
| 農地・採草放牧地のまま権利を移す | 3条許可(農業委員会) | 農地の売買・賃借。抵当権の設定は対象外 |
| 自分の農地を転用(権利移動なし) | 4条許可(都道府県知事等) | 所有者が駐車場へ変更 |
| 権利移動と転用を同時に行う | 5条許可(都道府県知事等) | 農地を買って宅地へ変更 |
| 市街化区域内の転用 | 4条・5条は、あらかじめ農業委員会へ届出 | 3条の権利移動には特例なし |
| 相続・遺産分割などによる取得 | 3条許可は不要、遅滞なく農業委員会へ届出 | 相続人以外への特定遺贈は許可が必要 |
相続・小規模転用などの例外

相続(遺産分割、包括遺贈、相続人への特定遺贈を含む)による取得は3条許可が不要ですが、遅滞なく農業委員会へ届け出ます。相続人以外の者への特定遺贈は3条許可が必要です。
自分の農地を2アール(200㎡)未満の農業用施設(畜舎・農機具収納施設など)に転用する場合は、4条許可が不要です。2アール以上なら許可が必要です。
仮設工作物の設置など一時的に使うために市街化区域外の農地を取得する場合、所有権の取得は5条許可の対象にならず、賃借権などの設定に限られます。競売による農地の取得にも許可が必要です。一方、「許可があれば所有権が移る」とする停止条件付売買の仮登記の申請には、許可は不要です。
無許可行為の効力と農地の賃貸借

「田」と登記されていないから農地法は無関係、とは判断できません。現況と例外要件を確かめます。
3条・5条の許可が必要な権利移動を許可なく行っても、その効力は生じず、所有権は移転しません。無許可の転用には、知事等が工事の停止や原状回復を命じることができます。違反者には3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金が科され、法人の業務として無許可転用をした場合、法人には1億円以下の罰金が科されます。
農地の賃貸借は、登記がなくても農地の引渡しがあれば、その後に所有権を取得した第三者に対抗できます。賃貸借の解除・解約の申入れ・合意解約・更新拒絶には、農事調停による場合などを除き、知事の許可が必要です。
試験に出る
- 農地を農地のまま権利移動する場合は3条、自己の農地を転用する場合は4条、権利移動と転用を伴う場合は5条が基本です。
- 許可権者は、3条が農業委員会、4条・5条が都道府県知事等(指定市町村では市町村長)です。
- 登記地目ではなく、実際の利用状態(現況)で農地に当たるかを判断します。
- 市街化区域内の転用(4条・5条)は、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可不要です。3条の権利移動にはこの特例がありません。
- 3条・5条の許可を受けない権利移動は効力を生じません。相続による取得は許可不要ですが、農業委員会への届出が必要です。
重要な言葉
- 権利移動
- 農地の所有権を移転したり、賃借権などの使用収益権を設定・移転したりすること。農地のままなら3条、転用を伴うなら5条が基本。
- 農地転用
- 農地を宅地や駐車場など農地以外の用途に変えること。4条・5条が関係する。
- 登記地目
- 登記簿上の地目。農地法では登記地目ではなく現況で農地かどうかを判断する。
- 農業委員会
- 市町村に置かれる行政委員会。3条許可を行い、相続の届出や市街化区域内の転用の届出を受ける。
確認問題
確かめよう農地を買って宅地へ変える基本の条文は?
5条です。
農地を買って宅地へ転用する場合は、4条が基本となる。
登記地目が「田」でなければ、農地法は一切関係しない。
相続人以外の者が特定遺贈により農地を取得する場合は、3条の許可が必要である。
市街化区域内の農地を農地のまま売買する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば3条の許可は不要である。
農地に抵当権を設定する場合は、3条の許可は不要である。
自己所有の採草放牧地を宅地に転用する場合は、4条の許可が必要である。
耕作者が自己所有の農地のうち150㎡を農機具収納施設の敷地に転用する場合は、4条の許可は不要である。
競売により農地を取得する場合は、3条の許可は不要である。
農地の賃貸借は、その登記がなくても農地の引渡しがあれば、その後に農地の所有権を取得した第三者に対抗することができる。
3条の許可を受けずに農地を売買した場合でも所有権は移転し、罰則が科されるにとどまる。
相続により農地を取得した者は、3条の許可は不要だが、遅滞なく農業委員会に届け出なければならない。
農地の賃貸借を合意により解約する場合は、例外なく都道府県知事の許可が必要である。
自己所有の農地を駐車場に転用する場合の基本の条文は?
農地を農地のまま売買する場合の基本の条文は?
市街化区域内の農地を買って宅地にする場合に必要な手続は?
市街化調整区域内の農地を購入し、住宅の敷地にする場合の許可権者は?(農林水産大臣が指定する市町村の区域ではないものとする)
農地法の許可に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
耕作者が自己所有の農地を畜舎の敷地に転用する場合、4条の許可が不要となる面積は?
法人の業務として農地を無許可で転用した場合、その法人に科される罰金の上限は?
農地を売ることと農地以外へ変えることでは、確認する許可の条文が違います。との二軸で分けます。
農地のまま売買するなら、自分の農地を駐車場へ転用するなら、売買と転用を同時に行うならが基本です。
3条許可は、4条・5条許可は(農林水産大臣が指定する市町村では市町村長)が行います。3条と5条はの権利移動も対象ですが、4条は農地の転用だけが対象です。
市街化区域内の転用は、あらかじめに届け出れば4条・5条の許可が不要です。3条の権利移動(農地のままの売買など)には、この市街化区域の特例は使えません。の設定は3条の権利移動に当たらず、許可は不要です。
相続(遺産分割、包括遺贈、相続人への特定遺贈を含む)による取得は3条許可が不要ですが、農業委員会へ届け出ます。の者への特定遺贈は3条許可が必要です。
自分の農地を(200㎡)未満の農業用施設(畜舎・農機具収納施設など)に転用する場合は、4条許可が不要です。2アール以上なら許可が必要です。
仮設工作物の設置など一時的に使うために市街化区域外の農地を取得する場合、所有権の取得は5条許可の対象にならず、賃借権などの設定に限られます。による農地の取得にも許可が必要です。一方、「許可があれば所有権が移る」とする停止条件付売買の仮登記の申請には、許可は不要です。
「田」と登記されていないから農地法は無関係、とは判断できません。と例外要件を確かめます。
3条・5条の許可が必要な権利移動を許可なく行っても、その効力は生じず、所有権は移転しません。無許可の転用には、知事等が工事の停止や原状回復を命じることができます。違反者には以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金が科され、法人の業務として無許可転用をした場合、法人には以下の罰金が科されます。
農地の賃貸借は、登記がなくても農地のがあれば、その後に所有権を取得した第三者に対抗できます。賃貸借の解除・解約の申入れ・合意解約・更新拒絶には、農事調停による場合などを除き、の許可が必要です。
宅地造成等規制(盛土規制法)
盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)とは、盛土などによる土砂災害を防ぐため、区域を指定して、一定規模の盛土・切土・土石の堆積に許可や届出を求める法律です。

土を盛った土地が崩れると、敷地の外にも被害が及びます。盛土規制は土地の用途だけでなく災害のおそれに着目します。
区域と対象となる工事

区域は宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の2種類で、いずれも都道府県知事(指定都市・中核市では市長)が指定します。宅地造成等工事規制区域は市街地や集落などとその周辺の区域です。特定盛土等規制区域はそれ以外の区域のうち、盛土等が崩れると人家等に危害を及ぼすおそれが特に大きい区域です。
宅地だけでなく農地・森林等での盛土・切土や、一時的な土石の堆積も、区域と規模に応じて許可又は届出の対象になります。規模は崖の高さ、盛土の高さ、面積で判定し、下の表のとおり区域ごとに異なります。
| 工事の規模 | 宅地造成等工事規制区域 | 特定盛土等規制区域 |
|---|---|---|
| 盛土で生じる崖の高さ | 1m超で許可 | 2m超で許可(1m超は届出) |
| 切土で生じる崖の高さ | 2m超で許可 | 5m超で許可(2m超は届出) |
| 盛土と切土を同時に行い生じる崖の高さ | 2m超で許可 | 5m超で許可(2m超は届出) |
| 崖を生じない盛土の高さ | 2m超で許可 | 5m超で許可(2m超は届出) |
| 盛土・切土の面積 | 500㎡超で許可 | 3,000㎡超で許可(500㎡超は届出) |
| 土石の堆積 | 高さ2m超又は面積500㎡超で許可 | 高さ5m超かつ面積1,500㎡超、又は面積3,000㎡超で許可(高さ2m超又は面積500㎡超は届出) |
| 手続の時期 | 工事着手前に許可 | 許可は着手前、届出は着手日の30日前まで |
許可・届出・検査

工事主は、許可を申請する前に、説明会の開催などで周辺住民に工事内容を周知します。許可を受けた工事主は、工事現場の見やすい場所に標識を掲げます。一定規模以上の工事では中間検査や定期報告があり、工事が完了したら知事の検査等を受けます。
都市計画法の開発許可を受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。宅地でないから規制対象外と判断せず、他法令の許可との関係も確認します。
宅地造成等工事規制区域では、許可が不要な場面でも届出が必要なことがあります。区域指定の際に既に行われている工事は指定日から21日以内、擁壁・排水施設などの除却工事は着手日の14日前まで、公共施設用地を宅地や農地等に転用したときは転用日から14日以内に、知事へ届け出ます。
| 届出が必要な場面 | 期限 |
|---|---|
| 宅地造成等工事規制区域の指定の際に既に行われている工事 | 指定日から21日以内 |
| 宅地造成等工事規制区域内での擁壁・排水施設などの除却工事 | 着手日の14日前まで |
| 宅地造成等工事規制区域内で公共施設用地を宅地・農地等に転用 | 転用日から14日以内 |
| 特定盛土等規制区域内で許可規模に満たない一定規模の工事 | 着手日の30日前まで |
所有者の安全維持責任

宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者・管理者・占有者は、区域指定前の造成も含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。この努力義務を負うのは工事主・工事施行者ではない点が問われます。
知事は、災害防止に必要と認めるときは、土地の所有者・管理者・占有者に加えて工事主・工事施行者にも、擁壁等の設置などを勧告できます。災害の危険が大きい場合は、所有者等に改善命令を出せます。
宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域は、造成宅地防災区域に指定できます。宅地造成等工事規制区域内には指定しません。
試験に出る
- 宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の2つを区別し、区域ごとの許可・届出の規模を押さえます。
- 宅地に限らず、農地・森林での盛土・切土・土石の堆積も対象になり得ます。
- 工事主は、許可を申請する前(あらかじめ)に、説明会などで周辺住民に工事内容を周知します。「着手後」ではありません。
- 土地を常時安全な状態に維持する努力義務を負うのは土地の所有者・管理者・占有者で、工事主・工事施行者ではありません。勧告の相手方には工事主等も含まれます。
- 開発許可を受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。
重要な言葉
- 盛土
- 土地を高くするために土を盛ること。崩れると敷地外にも被害が及ぶことがある。
- 規制区域
- ここでは宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域を指す。国土利用計画法の規制区域とは別の制度。
- 工事主
- 盛土等の工事の請負契約の注文者、又は請負契約によらず自ら工事をする者。許可の申請や届出を行う。
- 技術基準
- 擁壁や排水施設の設置など、盛土等の工事が満たすべき安全上の基準。
- 造成宅地防災区域
- 宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域として知事が指定する区域。
確認問題
確かめよう森林内の盛土なら必ず規制外?
いいえ。区域や規模などで判断します。
盛土規制法の対象は宅地に限られ、森林や農地の盛土は一切対象にならない。
盛土規制では、工事の種類・規模や技術基準、検査などが確認される。
宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主は、その土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。
宅地造成等工事規制区域内で、盛土をして高さ1.5mの崖を生じる工事は、許可も届出も不要である。
宅地造成等工事規制区域内で、切土をして高さ1.5mの崖を生じ、その面積が300㎡の工事は、許可が不要である。
特定盛土等規制区域内で、盛土をして高さ1.5mの崖を生じる工事は、工事着手前に知事の許可を受けなければならない。
特定盛土等規制区域内で、許可を要しない一定規模の工事を行う工事主は、着手日の30日前までに知事に届け出なければならない。
宅地造成等工事規制区域の指定の際に既に行われている工事の工事主は、指定日から14日以内に知事に届け出ればよい。
都市計画法の開発許可を受けて行う宅地造成は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされる。
造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域内に指定される。
知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、所有者・管理者・占有者だけでなく、工事主・工事施行者に対しても擁壁等の設置などを勧告できる。
盛土規制が着目するのは?
宅地造成等工事規制区域で、盛土によって生じる崖の高さが何mを超えると許可が必要?
特定盛土等規制区域で、盛土・切土について知事の許可が必要となる面積は?
盛土規制法の届出期限に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
宅地造成等工事規制区域内で、崖を生じない高さ1.5mの盛土を面積600㎡の土地で行う場合の手続として正しいものは?
盛土規制法の区域と義務に関する記述のうち、正しいものはどれか。
土を盛った土地が崩れると、敷地の外にも被害が及びます。盛土規制は土地の用途だけでなくに着目します。
区域はとの2種類で、いずれも都道府県知事(では市長)が指定します。宅地造成等工事規制区域は市街地や集落などとその周辺の区域です。特定盛土等規制区域はそれ以外の区域のうち、盛土等が崩れると人家等に危害を及ぼすおそれが特に大きい区域です。
宅地だけでなく農地・森林等での盛土・切土や、一時的なも、区域と規模に応じて許可又は届出の対象になります。規模は、盛土の高さ、面積で判定し、下の表のとおり区域ごとに異なります。
工事主は、許可を申請する前に、の開催などで周辺住民に工事内容を周知します。許可を受けた工事主は、工事現場の見やすい場所にを掲げます。一定規模以上の工事ではや定期報告があり、工事が完了したら知事の検査等を受けます。
都市計画法のを受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。宅地でないから規制対象外と判断せず、他法令の許可との関係も確認します。
宅地造成等工事規制区域では、許可が不要な場面でも届出が必要なことがあります。区域指定の際に既に行われている工事は指定日から以内、擁壁・排水施設などの除却工事は着手日のまで、公共施設用地を宅地や農地等に転用したときは転用日から以内に、知事へ届け出ます。
宅地造成等工事規制区域内の土地のは、区域指定前の造成も含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。この努力義務を負うのはではない点が問われます。
知事は、災害防止に必要と認めるときは、土地の所有者・管理者・占有者に加えて工事主・工事施行者にも、擁壁等の設置などをできます。災害の危険が大きい場合は、所有者等にを出せます。
宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域は、に指定できます。宅地造成等工事規制区域内には指定しません。
土地区画整理法
土地区画整理とは、道路や公園などの公共施設を整えながら土地の区画を組み替え、換地によって権利を新しい区画へ移す事業です。

道路や公園を整えるため、土地の区画を組み替える事業が土地区画整理です。元の土地の権利を換地へ移します。
施行者・減歩・換地計画

施行者には、個人、土地区画整理組合、区画整理会社、地方公共団体、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構などがあります。組合は宅地の所有者・借地権者が7人以上で設立し、知事の認可を受けます。組合施行では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員になります。土地区画整理審議会は地方公共団体などが施行する場合に置かれ、組合施行では置かれません。
各所有者の土地の一部を道路等の用地に充てる減歩により、面積が減る場合があります。その一方で道路への接続など利用条件が改善されます。
換地計画で従前地に対応する換地を定め、仮換地指定や換地処分などの段階を経ます。面積の単純な等価交換ではなく、位置・地積・環境等を考慮します。
仮換地と換地処分の時点

仮換地指定と換地処分を同じ時点の権利変動と考えないようにします。使用収益と所有権の扱いを段階別に整理します。
仮換地が指定されると、その効力発生日から換地処分の公告の日まで、従前地の権利者は仮換地を使用収益でき、従前地は使用収益できなくなります。施行者が特別の事情で仮換地の使用収益の開始日を別に定めたときは、その日まで仮換地も使えず、生じた損失は施行者が補償します。
所有権は換地処分の公告まで従前地に残ります。そのため、仮換地指定後も従前地を売却したり抵当権を設定したりできます。「使える土地」と「所有権の対象」を分けて考えます。
換地処分は、原則として換地計画の区域全部の工事が完了した後、遅滞なく、関係権利者に通知して行います。公告日の翌日に換地が従前の宅地とみなされ、清算金が確定し、保留地は施行者が取得します。清算金は換地の位置や地積等の不均衡を調整する金銭で、減歩の対価ではありません。
| 段階 | 使用収益できる土地 | 所有権の扱い |
|---|---|---|
| 仮換地指定前 | 原則、従前地 | 従前地にある |
| 仮換地指定の効力発生後 | 原則、仮換地 | 換地処分の公告までは従前地に残る |
| 換地処分の公告日の翌日以後 | 換地 | 換地が従前の宅地とみなされる |
| 換地処分の効果 | 時点 |
|---|---|
| 換地を定めなかった従前の宅地の権利が消滅 | 公告日が終了した時 |
| 事業により行使の利益がなくなった地役権が消滅 | 公告日が終了した時 |
| 換地が従前の宅地とみなされる | 公告日の翌日 |
| 清算金の確定 | 公告日の翌日 |
| 保留地を施行者が取得 | 公告日の翌日 |
| 公共施設の用地がその管理者(原則として市町村)に帰属 | 公告日の翌日 |
| その他の地役権 | 公告日の翌日以後も従前の宅地の上に残る |
建築制限・公告・登記

事業の認可等の公告があった日後、換地処分の公告の日までは、施行地区内で事業の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積に、都道府県知事等(国土交通大臣施行なら大臣)の許可が必要です。
換地処分の公告は、都道府県知事(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は、換地処分をしたら知事に届け出ます。公告後、施行者は遅滞なく変動に係る登記を申請又は嘱託し、その登記がされるまでは原則として他の登記ができません。この登記の制限は、仮換地の指定後ではなく換地処分の公告後から始まります。
試験に出る
- 減歩で面積が減ることがある一方、道路への接続など利用条件が改善されます。
- 仮換地指定は使用収益の場所を定める段階、換地処分は最終的な権利関係を定める段階です。仮換地指定後も所有権は従前地に残ります。
- 換地処分の公告日の翌日に、換地が従前の宅地とみなされ、清算金の確定や保留地の施行者による取得が起こります。地役権は原則として従前の宅地の上に残ります。
- 換地処分の公告は都道府県知事(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は知事へ届け出ます。
- 保留地は事業費等に充てるために設定する土地で、公共施設用地とは目的が異なります。
重要な言葉
- 減歩
- 区画整理で各所有者の土地の一部を公共施設用地等に充て、面積が減ること。
- 仮換地指定
- 換地処分の前に、従前地の代わりに使用収益できる土地を定める処分。
- 換地処分
- 最終的な権利関係を定める処分。公告日の翌日に換地が従前の宅地とみなされる。
- 保留地
- 事業費等に充てるために換地として定めない土地。換地処分の公告日の翌日に施行者が取得する。
- 清算金
- 換地の位置・地積などの不均衡を金銭で調整するもの。換地処分の公告日の翌日に確定する。
確認問題
確かめよう減歩は必ず事業失敗を意味する?
いいえ。公共施設用地等を生み、利用条件を整える仕組みです。
仮換地指定と換地処分は、同じ時点で同じ権利変動を生じる。
減歩により所有者の面積は減ることがあり、事業失敗を意味するものではない。
仮換地が指定されると、従前地の所有者は換地処分の公告まで従前地を売却できない。
換地処分の公告があった日後は、換地処分に係る登記がされるまで、施行地区内の土地・建物について原則として他の登記をすることができない。
土地区画整理組合は、施行地区となるべき区域内の宅地の所有者・借地権者が5人以上共同して設立し、都道府県知事の認可を受ける。
組合施行の土地区画整理事業では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員となる。
土地区画整理審議会は、組合が施行する土地区画整理事業にも置かれる。
施行者が仮換地の使用収益の開始日を別に定めたため、その日まで仮換地を使用収益できずに損失が生じた場合、施行者がその損失を補償する。
換地処分は、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する前には、一切行うことができない。
換地処分の公告があった場合、清算金は公告があった日が終了した時に確定する。
換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、換地処分の公告があった日が終了した時に消滅する。
施行地区内で建築物の新築に都道府県知事等の許可が必要となるのは、仮換地の指定があった後からである。
市町村が施行する土地区画整理事業で換地処分をした場合、換地処分の公告は都道府県知事が行う。
最終的な権利関係を定める段階は?
換地処分の公告があった日の翌日に施行者が取得する土地は?
仮換地の指定を受けた従前地の所有者Aが、換地処分の公告前にできることとして正しいものは?
換地処分の公告があった日が終了した時に生じる効果はどれか。
土地区画整理事業の建築制限・公告・登記に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
清算金の説明として正しいものは?
道路や公園を整えるため、土地の区画を組み替える事業が土地区画整理です。元の土地の権利をへ移します。
施行者には、個人、土地区画整理組合、区画整理会社、地方公共団体、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構などがあります。組合は宅地の所有者・借地権者がで設立し、の認可を受けます。組合施行では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員になります。は地方公共団体などが施行する場合に置かれ、組合施行では置かれません。
各所有者の土地の一部を道路等の用地に充てるにより、面積が減る場合があります。その一方で道路への接続など利用条件が改善されます。
で従前地に対応する換地を定め、や換地処分などの段階を経ます。面積の単純な等価交換ではなく、位置・地積・環境等を考慮します。
仮換地指定と換地処分を同じ時点の権利変動と考えないようにします。と所有権の扱いを段階別に整理します。
仮換地が指定されると、その効力発生日からまで、従前地の権利者は仮換地を使用収益でき、従前地は使用収益できなくなります。施行者が特別の事情で仮換地の使用収益の開始日を別に定めたときは、その日まで仮換地も使えず、生じた損失はが補償します。
所有権はまで従前地に残ります。そのため、仮換地指定後も従前地を売却したりを設定したりできます。「使える土地」と「所有権の対象」を分けて考えます。
換地処分は、原則として換地計画の区域全部の工事が完了した後、遅滞なく、関係権利者に通知して行います。公告日のに換地が従前の宅地とみなされ、が確定し、は施行者が取得します。清算金は換地の位置や地積等の不均衡を調整する金銭で、減歩の対価ではありません。
事業の認可等の公告があった日後、換地処分の公告の日までは、施行地区内で事業の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積に、(国土交通大臣施行なら大臣)の許可が必要です。
換地処分の公告は、(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は、換地処分をしたら知事に届け出ます。公告後、施行者は遅滞なく変動に係る登記を申請又は嘱託し、その登記がされるまでは原則として他の登記ができません。この登記の制限は、仮換地の指定後ではなく換地処分の公告後から始まります。
覚えるポイント
- 都市計画法:開発行為は、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更です。許可の要否は、区域ごとの面積基準(市街化区域1,000㎡、非線引き・準都市計画区域3,000㎡、区域外1ha)と例外で判断します。
- 建築基準法:建蔽率は建築面積÷敷地面積、容積率は延べ面積÷敷地面積です。道路幅員、角地・防火の緩和、接道、用途・高さ制限も重ねて建築可能範囲を決めます。2025年4月から、階数2以上又は延べ面積200㎡超の建築物は全国で建築確認が必要です。
- 国土利用計画法:事後届出は権利取得者が契約締結の日から起算して2週間以内に行います。区域、取引の種類(対価のある契約か)、面積、一団性、例外を順に確認します。
- 農地法:権利移動は3条(農業委員会)、転用は4条、権利移動と転用は5条(都道府県知事等)です。登記地目ではなく現況で判断し、市街化区域の転用は農業委員会への事前届出で足ります。
- 宅地造成等規制(盛土規制法):宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域で、許可・届出の規模が異なります。土地を安全な状態に維持する努力義務は、土地の所有者・管理者・占有者が負います。
- 土地区画整理法:仮換地指定で使用収益の場所が移っても、所有権は換地処分の公告まで従前地に残ります。公告日の翌日に換地が従前の宅地とみなされ、清算金の確定や保留地の取得が起こります。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 不動産適正取引推進機構:宅建試験の概要 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業法関係 ↗
- 国土交通省:土地取引規制制度・事後届出 ↗
- 国土交通省:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し(令和7年4月1日施行) ↗
- 国土交通省:改正建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料(令和7年4月施行) ↗
- e-Gov法令検索:都市計画法 ↗
- e-Gov法令検索:建築基準法 ↗
- e-Gov法令検索:国土利用計画法 ↗
- e-Gov法令検索:農地法 ↗
- e-Gov法令検索:宅地造成及び特定盛土等規制法 ↗
- e-Gov法令検索:土地区画整理法 ↗
- e-Gov法令検索:重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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