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宅地建物取引士 · 学習ガイド

宅地造成等規制(盛土規制法)

盛土規制法とは

盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)とは、盛土などによる土砂災害を防ぐため、区域を指定して、一定規模の盛土・切土・土石の堆積に許可や届出を求める法律です。

エルくんが説明する図解。宅地/農地/森林の下に共通の規制区域枠、盛土崩壊が周辺へ及ぶ図。
宅地に限らず、森林や農地でも規制区域内で一定規模の盛土等をする場合、許可や届出の対象となり得ます。

土を盛った土地が崩れると、敷地の外にも被害が及びます。盛土規制は土地の用途だけでなく災害のおそれに着目します。

区域と対象となる工事

区域と対象となる工事の図解。一続きの地面を縦の境界線で左右に分け、左を宅地造成等工事規制区域、右を特定盛土等規制区域とする。盛土で生じる崖に高さの目盛りを添え、左は「1m超で許可」、右は「1m超は届出」から「2m超で許可」へ進む上向き矢印で示す。
覚えること:盛土の崖:左1m超、右2m超で許可

区域は宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の2種類で、いずれも都道府県知事(指定都市・中核市では市長)が指定します。宅地造成等工事規制区域は市街地や集落などとその周辺の区域です。特定盛土等規制区域はそれ以外の区域のうち、盛土等が崩れると人家等に危害を及ぼすおそれが特に大きい区域です。

宅地だけでなく農地・森林等での盛土・切土や、一時的な土石の堆積も、区域と規模に応じて許可又は届出の対象になります。規模は崖の高さ、盛土の高さ、面積で判定し、下の表のとおり区域ごとに異なります。

区域と対象となる工事
工事の規模宅地造成等工事規制区域特定盛土等規制区域
盛土で生じる崖の高さ1m超で許可2m超で許可(1m超は届出)
切土で生じる崖の高さ2m超で許可5m超で許可(2m超は届出)
盛土と切土を同時に行い生じる崖の高さ2m超で許可5m超で許可(2m超は届出)
崖を生じない盛土の高さ2m超で許可5m超で許可(2m超は届出)
盛土・切土の面積500㎡超で許可3,000㎡超で許可(500㎡超は届出)
土石の堆積高さ2m超又は面積500㎡超で許可高さ5m超かつ面積1,500㎡超、又は面積3,000㎡超で許可(高さ2m超又は面積500㎡超は届出)
手続の時期工事着手前に許可許可は着手前、届出は着手日の30日前まで

許可・届出・検査

許可・届出・検査の図解。説明会を開くエルくんと周辺住民を中央に描き、右上の「許可申請」と書いた書類へ「申請前」の矢印を伸ばす。別場面に分けず、住民への周知が許可申請より先であることを示す。
覚えること:許可申請前に周辺住民へ工事を周知

工事主は、許可を申請する前に、説明会の開催などで周辺住民に工事内容を周知します。許可を受けた工事主は、工事現場の見やすい場所に標識を掲げます。一定規模以上の工事では中間検査や定期報告があり、工事が完了したら知事の検査等を受けます。

都市計画法の開発許可を受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。宅地でないから規制対象外と判断せず、他法令の許可との関係も確認します。

宅地造成等工事規制区域では、許可が不要な場面でも届出が必要なことがあります。区域指定の際に既に行われている工事は指定日から21日以内、擁壁・排水施設などの除却工事は着手日の14日前まで、公共施設用地を宅地や農地等に転用したときは転用日から14日以内に、知事へ届け出ます。

許可・届出・検査
届出が必要な場面期限
宅地造成等工事規制区域の指定の際に既に行われている工事指定日から21日以内
宅地造成等工事規制区域内での擁壁・排水施設などの除却工事着手日の14日前まで
宅地造成等工事規制区域内で公共施設用地を宅地・農地等に転用転用日から14日以内
特定盛土等規制区域内で許可規模に満たない一定規模の工事着手日の30日前まで

所有者の安全維持責任

所有者の安全維持責任の図解。中央に工事規制区域内の土地を置き、左の「所有者・管理者・占有者」から土地へ「常時安全に維持するよう努める」矢印を引く。右の「工事主・工事施行者」は仕切りで分け、土地には「指定前の造成も」を添える。
覚えること:区域内の所有者等は常時安全維持に努める

宅地造成等工事規制区域内の土地の所有者・管理者・占有者は、区域指定前の造成も含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。この努力義務を負うのは工事主・工事施行者ではない点が問われます。

知事は、災害防止に必要と認めるときは、土地の所有者・管理者・占有者に加えて工事主・工事施行者にも、擁壁等の設置などを勧告できます。災害の危険が大きい場合は、所有者等に改善命令を出せます。

宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域は、造成宅地防災区域に指定できます。宅地造成等工事規制区域内には指定しません。

試験に出る

  • 宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の2つを区別し、区域ごとの許可・届出の規模を押さえます。
  • 宅地に限らず、農地・森林での盛土・切土・土石の堆積も対象になり得ます。
  • 工事主は、許可を申請する前(あらかじめ)に、説明会などで周辺住民に工事内容を周知します。「着手後」ではありません。
  • 土地を常時安全な状態に維持する努力義務を負うのは土地の所有者・管理者・占有者で、工事主・工事施行者ではありません。勧告の相手方には工事主等も含まれます。
  • 開発許可を受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。

重要な言葉

盛土
土地を高くするために土を盛ること。崩れると敷地外にも被害が及ぶことがある。
規制区域
ここでは宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域を指す。国土利用計画法の規制区域とは別の制度。
工事主
盛土等の工事の請負契約の注文者、又は請負契約によらず自ら工事をする者。許可の申請や届出を行う。
技術基準
擁壁や排水施設の設置など、盛土等の工事が満たすべき安全上の基準。
造成宅地防災区域
宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域として知事が指定する区域。

確認問題

確かめよう森林内の盛土なら必ず規制外?

いいえ。区域や規模などで判断します。

盛土規制法の対象は宅地に限られ、森林や農地の盛土は一切対象にならない。

盛土規制では、工事の種類・規模や技術基準、検査などが確認される。

宅地造成等工事規制区域内の土地の工事主は、その土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければならない。

宅地造成等工事規制区域内で、盛土をして高さ1.5mの崖を生じる工事は、許可も届出も不要である。

宅地造成等工事規制区域内で、切土をして高さ1.5mの崖を生じ、その面積が300㎡の工事は、許可が不要である。

特定盛土等規制区域内で、盛土をして高さ1.5mの崖を生じる工事は、工事着手前に知事の許可を受けなければならない。

特定盛土等規制区域内で、許可を要しない一定規模の工事を行う工事主は、着手日の30日前までに知事に届け出なければならない。

宅地造成等工事規制区域の指定の際に既に行われている工事の工事主は、指定日から14日以内に知事に届け出ればよい。

都市計画法の開発許可を受けて行う宅地造成は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされる。

造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域内に指定される。

知事は、宅地造成等工事規制区域内の土地について、所有者・管理者・占有者だけでなく、工事主・工事施行者に対しても擁壁等の設置などを勧告できる。

盛土規制が着目するのは?

宅地造成等工事規制区域で、盛土によって生じる崖の高さが何mを超えると許可が必要?

特定盛土等規制区域で、盛土・切土について知事の許可が必要となる面積は?

盛土規制法の届出期限に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

宅地造成等工事規制区域内で、崖を生じない高さ1.5mの盛土を面積600㎡の土地で行う場合の手続として正しいものは?

盛土規制法の区域と義務に関する記述のうち、正しいものはどれか。

土を盛った土地が崩れると、敷地の外にも被害が及びます。盛土規制は土地の用途だけでなくに着目します。

区域はとの2種類で、いずれも都道府県知事(では市長)が指定します。宅地造成等工事規制区域は市街地や集落などとその周辺の区域です。特定盛土等規制区域はそれ以外の区域のうち、盛土等が崩れると人家等に危害を及ぼすおそれが特に大きい区域です。

宅地だけでなく農地・森林等での盛土・切土や、一時的なも、区域と規模に応じて許可又は届出の対象になります。規模は、盛土の高さ、面積で判定し、下の表のとおり区域ごとに異なります。

工事主は、許可を申請する前に、の開催などで周辺住民に工事内容を周知します。許可を受けた工事主は、工事現場の見やすい場所にを掲げます。一定規模以上の工事ではや定期報告があり、工事が完了したら知事の検査等を受けます。

都市計画法のを受けた宅地造成・特定盛土等は、盛土規制法の許可を受けたものとみなされます。宅地でないから規制対象外と判断せず、他法令の許可との関係も確認します。

宅地造成等工事規制区域では、許可が不要な場面でも届出が必要なことがあります。区域指定の際に既に行われている工事は指定日から以内、擁壁・排水施設などの除却工事は着手日のまで、公共施設用地を宅地や農地等に転用したときは転用日から以内に、知事へ届け出ます。

宅地造成等工事規制区域内の土地のは、区域指定前の造成も含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持するよう努めなければなりません。この努力義務を負うのはではない点が問われます。

知事は、災害防止に必要と認めるときは、土地の所有者・管理者・占有者に加えて工事主・工事施行者にも、擁壁等の設置などをできます。災害の危険が大きい場合は、所有者等にを出せます。

宅地造成等工事規制区域の外で、既存の造成宅地に災害の危険が大きい一団の区域は、に指定できます。宅地造成等工事規制区域内には指定しません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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