国土利用計画法とは
国土利用計画法とは、一定規模以上の土地取引に届出や許可を求め、投機的な取引や不適正な土地利用を防ぐ法律です。一般の区域では、契約後に利用目的などを届け出る事後届出が基本です。

大きな土地取引では、契約後に利用目的等を届け出る制度があります。一件ずつの面積だけを見ると対象を見落とします。
事後届出の対象と面積

事後届出の面積基準は、市街化区域が2,000㎡以上、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域・非線引き区域)が5,000㎡以上、都市計画区域外が10,000㎡以上です。
面積は権利取得者ごとに判定します。買主が複数の契約で取得する土地を一体として利用する一団の土地なら、合計面積で判断します。逆に、1つの土地を複数の買主が分割して買う場合は、各買主が取得する面積で判断します。
届出が必要な土地売買等の契約は、土地の所有権・地上権・賃借権を、対価を得て、契約により移転・設定するものです。売買・交換・予約や、権利金等の対価がある地上権・賃借権の設定は対象です。相続・遺産分割・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権の設定は対象外です。当事者の一方又は双方が国・地方公共団体等である場合や、民事調停による場合も届出は不要です。
| 項目 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 2,000㎡以上 | 一団の土地は合算 |
| 市街化区域以外の都市計画区域 | 5,000㎡以上 | 市街化調整区域・非線引き区域 |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡以上 | 準都市計画区域を含む |
| 届出義務者・期限 | 権利取得者・契約締結日から2週間以内 | 売主は届け出ない。登記日・引渡日からではない |
| 届出先 | 市町村長を経由して都道府県知事 | 指定都市では市長 |
勧告と届出違反の効果

届出事項には対価の額も含まれますが、知事の勧告の対象は土地の利用目的だけです。勧告は土地利用審査会の意見を聴いて、原則として届出から3週間以内に行います(3週間の範囲で延長可)。
勧告に従わないときは、その旨と勧告の内容を公表されることがありますが、契約自体は有効です。届出をしなかった場合も契約は無効になりませんが、6か月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になります。
注視・監視・規制区域

土地取引規制は、一般の区域の事後届出、注視区域・監視区域の事前届出、規制区域の許可制に分かれます。事前届出は、契約前に売主・買主の双方が市町村長を経由して知事に行い、届出から6週間は原則として契約を締結できません。注視区域は一般の事後届出と同じ面積基準、監視区域は都道府県の規則で定める(より小さい)面積基準を使います。これらの区域内の取引には、事後届出は不要です。
規制区域では、面積を問わず契約前に知事の許可が必要で、無許可の契約は効力を生じません。事後届出や事前届出の違反では契約が無効にならない点と区別します。
| 区域 | 原則の手続 | 主な判断点 |
|---|---|---|
| 一般の区域 | 契約後2週間以内の事後届出 | 一定面積以上の権利取得者が届出 |
| 注視区域 | 契約前の事前届出 | 売主・買主双方。面積は事後届出と同じ基準 |
| 監視区域 | 契約前の事前届出 | 売主・買主双方。都道府県の規則で定める面積 |
| 規制区域 | 契約前の許可 | 面積を問わず、無許可の契約は効力を生じない |
別法の届出:重要土地等調査法

重要土地等調査法は、重要施設の周辺や国境離島等の土地・建物の利用状況を調査する制度です。注視区域と特別注視区域を区別し、特別注視区域にある面積200㎡以上の土地又は建物(床面積)について所有権等の移転・設定契約を結ぶ場合は、売主・買主の双方があらかじめ内閣総理大臣に届け出ます。注視区域という名称だけで届出対象と判断しません。
国土利用計画法の事後届出とは、目的、対象区域、面積、届出者、時期が異なります。同じ土地取引で両法が関係する場合も、それぞれ判定します。
| 法律 | 届出の対象 | 時期・届出者・届出先 |
|---|---|---|
| 国土利用計画法 | 一定面積以上の土地売買等の契約 | 一般の区域では契約後2週間以内に権利取得者が知事へ |
| 重要土地等調査法 | 特別注視区域の200㎡以上の土地・建物の所有権等の移転・設定契約 | 原則として契約前に当事者双方が内閣総理大臣へ |
試験に出る
- 事後届出の面積基準は、市街化区域2,000㎡以上、それ以外の都市計画区域5,000㎡以上、都市計画区域外10,000㎡以上です。
- 面積は権利取得者ごとに判断し、買主が一体として利用する一団の土地なら合計面積で判断します。
- 事後届出は権利取得者(買主等)が契約締結の日から2週間以内に行います。売主には届出義務がなく、登記日・引渡日から数えません。
- 対象は対価のある契約による権利の移転・設定です。相続・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権設定は対象外で、交換は対象になります。当事者の一方が国・地方公共団体等なら不要です。
- 勧告の対象は土地の利用目的で、勧告に従わなくても契約は有効です。無届出は罰則の対象ですが、契約は無効になりません。
重要な言葉
- 事後届出
- 一定規模以上の土地売買等の契約について、契約後に権利取得者が市町村長を経由して知事に行う届出。
- 一団の土地
- 複数の土地でも一体として利用される場合は、合計面積で規制を判断する考え方。
- 権利取得者
- 土地売買等の契約で権利の移転・設定を受ける者。事後届出の届出義務を負う。
- 土地売買等の契約
- 対価を得て土地の所有権・地上権・賃借権を移転・設定する契約。予約や交換も含む。
確認問題
確かめよう届出期限を数える基準は引渡し日?
原則として契約締結日です。
事後届出の期限は、原則として引渡しの日から2週間以内である。
複数の土地でも一体利用される場合は、一団の土地として合計面積で判断することがある。
市街化区域内の3,000㎡の土地を相続で取得した者は、事後届出をしなければならない。
市街化調整区域内の6,000㎡の土地を売買により取得した者は、事後届出をしなければならない。
都市計画区域外の8,000㎡の土地を売買により取得した者は、事後届出をしなければならない。
事後届出は、土地売買等の契約の当事者である売主と買主が共同して行わなければならない。
市街化区域内の3,000㎡の一筆の土地を、AとBが1,500㎡ずつに分割して購入した場合、A・Bのいずれも事後届出をする必要はない。
都道府県知事は、事後届出に係る土地の対価の額が著しく適正を欠くときは、対価の額について勧告することができる。
事後届出が必要な土地売買等の契約について届出をしなかった場合、その契約は無効となる。
監視区域内で土地売買等の契約を締結しようとする場合は、契約の締結前に売主・買主の双方が事前届出をする。
注視区域内で事前届出をして土地売買等の契約を締結した場合でも、契約締結後に改めて事後届出をしなければならない。
重要土地等調査法の特別注視区域内にある面積200㎡以上の土地の売買契約では、原則として契約前に売主・買主の双方が内閣総理大臣に届け出る。
面積要件を満たす土地の交換契約は、事後届出の対象となる。
事後届出の起算日は原則として?
市街化区域における事後届出の面積要件の基本は?
市街化区域内で、Aが隣接するB所有の1,500㎡とC所有の800㎡を、一体として利用するため別々の売買契約で取得した。事後届出に関する記述のうち正しいものはどれか。
事後届出に対する勧告に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
次の取引のうち、国土利用計画法の事後届出が必要なものはどれか(いずれも注視区域・監視区域・規制区域外とする)。
区域と土地取引の手続の組合せとして、正しいものはどれか。
大きな土地取引では、契約後に等を届け出る制度があります。一件ずつの面積だけを見ると対象を見落とします。
事後届出の面積基準は、市街化区域が以上、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域・非線引き区域)が以上、都市計画区域外が以上です。
面積はごとに判定します。買主が複数の契約で取得する土地を一体として利用するなら、合計面積で判断します。逆に、1つの土地を複数の買主が分割して買う場合は、各買主が取得する面積で判断します。
届出が必要なは、土地の所有権・地上権・賃借権を、を得て、契約により移転・設定するものです。売買・交換・予約や、権利金等の対価がある地上権・賃借権の設定は対象です。相続・遺産分割・贈与・時効取得・競売・対価のない賃借権の設定は対象外です。当事者の一方又は双方が国・地方公共団体等である場合や、民事調停による場合も届出は不要です。
届出事項には対価の額も含まれますが、知事の勧告の対象は土地のだけです。勧告はの意見を聴いて、原則として届出から以内に行います(3週間の範囲で延長可)。
勧告に従わないときは、その旨と勧告の内容を公表されることがありますが、契約自体はです。届出をしなかった場合も契約は無効になりませんが、以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になります。
土地取引規制は、一般の区域の事後届出、注視区域・監視区域の事前届出、規制区域の許可制に分かれます。事前届出は、契約前に売主・買主のが市町村長を経由して知事に行い、届出からは原則として契約を締結できません。注視区域は一般の事後届出と同じ面積基準、監視区域は都道府県の規則で定める(より小さい)面積基準を使います。これらの区域内の取引には、事後届出は不要です。
では、面積を問わず契約前に知事の許可が必要で、無許可の契約は効力を生じません。事後届出や事前届出の違反では契約が無効にならない点と区別します。
重要土地等調査法は、重要施設の周辺や国境離島等の土地・建物の利用状況を調査する制度です。注視区域と特別注視区域を区別し、特別注視区域にある面積以上の土地又は建物(床面積)について所有権等の移転・設定契約を結ぶ場合は、売主・買主の双方があらかじめに届け出ます。注視区域という名称だけで届出対象と判断しません。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 不動産適正取引推進機構:宅建試験の概要 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業法関係 ↗
- 国土交通省:土地取引規制制度・事後届出 ↗
- 国土交通省:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し(令和7年4月1日施行) ↗
- 国土交通省:改正建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料(令和7年4月施行) ↗
- e-Gov法令検索:都市計画法 ↗
- e-Gov法令検索:建築基準法 ↗
- e-Gov法令検索:国土利用計画法 ↗
- e-Gov法令検索:農地法 ↗
- e-Gov法令検索:宅地造成及び特定盛土等規制法 ↗
- e-Gov法令検索:土地区画整理法 ↗
- e-Gov法令検索:重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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