本文へ移動

宅地建物取引士 · 学習ガイド

土地区画整理法

土地区画整理とは

土地区画整理とは、道路や公園などの公共施設を整えながら土地の区画を組み替え、換地によって権利を新しい区画へ移す事業です。

エルくんが説明する図解。不整形な従前地→道路公園の用地を出す→整形の換地という配置図。
各所有者の土地の一部を道路等の用地に充てる減歩により、面積が減る場合があります。その一方で道路への接続など利用条件が改善されます。

道路や公園を整えるため、土地の区画を組み替える事業が土地区画整理です。元の土地の権利を換地へ移します。

施行者・減歩・換地計画

施行者・減歩・換地計画の図解。中央に宅地を上から見た図を置き、元の境界を点線で示す。下辺の一部を矢印で道路用地の帯へ移し、残る宅地が道路に接する配置にする。
覚えること:減歩で一部を道路等へ、面積減も

施行者には、個人、土地区画整理組合、区画整理会社、地方公共団体、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構などがあります。組合は宅地の所有者・借地権者が7人以上で設立し、知事の認可を受けます。組合施行では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員になります。土地区画整理審議会は地方公共団体などが施行する場合に置かれ、組合施行では置かれません。

各所有者の土地の一部を道路等の用地に充てる減歩により、面積が減る場合があります。その一方で道路への接続など利用条件が改善されます。

換地計画で従前地に対応する換地を定め、仮換地指定や換地処分などの段階を経ます。面積の単純な等価交換ではなく、位置・地積・環境等を考慮します。

仮換地と換地処分の時点

仮換地と換地処分の時点の図解。中央の仕切りの左に従前地、右に仮換地を置く。仮換地指定の効力発生日から換地処分の公告日まで、使用収益の札だけを右へ移し、所有権の札は左に残す。
覚えること:公告まで使用は原則仮換地、所有は従前地

仮換地指定と換地処分を同じ時点の権利変動と考えないようにします。使用収益と所有権の扱いを段階別に整理します。

仮換地が指定されると、その効力発生日から換地処分の公告の日まで、従前地の権利者は仮換地を使用収益でき、従前地は使用収益できなくなります。施行者が特別の事情で仮換地の使用収益の開始日を別に定めたときは、その日まで仮換地も使えず、生じた損失は施行者が補償します。

所有権は換地処分の公告まで従前地に残ります。そのため、仮換地指定後も従前地を売却したり抵当権を設定したりできます。「使える土地」と「所有権の対象」を分けて考えます。

換地処分は、原則として換地計画の区域全部の工事が完了した後、遅滞なく、関係権利者に通知して行います。公告日の翌日に換地が従前の宅地とみなされ、清算金が確定し、保留地は施行者が取得します。清算金は換地の位置や地積等の不均衡を調整する金銭で、減歩の対価ではありません。

仮換地と換地処分の時点
段階使用収益できる土地所有権の扱い
仮換地指定前原則、従前地従前地にある
仮換地指定の効力発生後原則、仮換地換地処分の公告までは従前地に残る
換地処分の公告日の翌日以後換地換地が従前の宅地とみなされる
仮換地と換地処分の時点
換地処分の効果時点
換地を定めなかった従前の宅地の権利が消滅公告日が終了した時
事業により行使の利益がなくなった地役権が消滅公告日が終了した時
換地が従前の宅地とみなされる公告日の翌日
清算金の確定公告日の翌日
保留地を施行者が取得公告日の翌日
公共施設の用地がその管理者(原則として市町村)に帰属公告日の翌日
その他の地役権公告日の翌日以後も従前の宅地の上に残る

建築制限・公告・登記

建築制限・公告・登記の図解。1本の時間軸に、左から「仮換地指定」「換地処分公告」「変動登記」を配置する。「換地処分公告」から「変動登記」までの区間だけを帯で示し、その下に「他の登記は原則不可」と記す。
覚えること:換地処分公告後、登記まで他の登記は原則不可

事業の認可等の公告があった日後、換地処分の公告の日までは、施行地区内で事業の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積に、都道府県知事等(国土交通大臣施行なら大臣)の許可が必要です。

換地処分の公告は、都道府県知事(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は、換地処分をしたら知事に届け出ます。公告後、施行者は遅滞なく変動に係る登記を申請又は嘱託し、その登記がされるまでは原則として他の登記ができません。この登記の制限は、仮換地の指定後ではなく換地処分の公告後から始まります。

試験に出る

  • 減歩で面積が減ることがある一方、道路への接続など利用条件が改善されます。
  • 仮換地指定は使用収益の場所を定める段階、換地処分は最終的な権利関係を定める段階です。仮換地指定後も所有権は従前地に残ります。
  • 換地処分の公告日の翌日に、換地が従前の宅地とみなされ、清算金の確定や保留地の施行者による取得が起こります。地役権は原則として従前の宅地の上に残ります。
  • 換地処分の公告は都道府県知事(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は知事へ届け出ます。
  • 保留地は事業費等に充てるために設定する土地で、公共施設用地とは目的が異なります。

重要な言葉

減歩
区画整理で各所有者の土地の一部を公共施設用地等に充て、面積が減ること。
仮換地指定
換地処分の前に、従前地の代わりに使用収益できる土地を定める処分。
換地処分
最終的な権利関係を定める処分。公告日の翌日に換地が従前の宅地とみなされる。
保留地
事業費等に充てるために換地として定めない土地。換地処分の公告日の翌日に施行者が取得する。
清算金
換地の位置・地積などの不均衡を金銭で調整するもの。換地処分の公告日の翌日に確定する。

確認問題

確かめよう減歩は必ず事業失敗を意味する?

いいえ。公共施設用地等を生み、利用条件を整える仕組みです。

仮換地指定と換地処分は、同じ時点で同じ権利変動を生じる。

減歩により所有者の面積は減ることがあり、事業失敗を意味するものではない。

仮換地が指定されると、従前地の所有者は換地処分の公告まで従前地を売却できない。

換地処分の公告があった日後は、換地処分に係る登記がされるまで、施行地区内の土地・建物について原則として他の登記をすることができない。

土地区画整理組合は、施行地区となるべき区域内の宅地の所有者・借地権者が5人以上共同して設立し、都道府県知事の認可を受ける。

組合施行の土地区画整理事業では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員となる。

土地区画整理審議会は、組合が施行する土地区画整理事業にも置かれる。

施行者が仮換地の使用収益の開始日を別に定めたため、その日まで仮換地を使用収益できずに損失が生じた場合、施行者がその損失を補償する。

換地処分は、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する前には、一切行うことができない。

換地処分の公告があった場合、清算金は公告があった日が終了した時に確定する。

換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、換地処分の公告があった日が終了した時に消滅する。

施行地区内で建築物の新築に都道府県知事等の許可が必要となるのは、仮換地の指定があった後からである。

市町村が施行する土地区画整理事業で換地処分をした場合、換地処分の公告は都道府県知事が行う。

最終的な権利関係を定める段階は?

換地処分の公告があった日の翌日に施行者が取得する土地は?

仮換地の指定を受けた従前地の所有者Aが、換地処分の公告前にできることとして正しいものは?

換地処分の公告があった日が終了した時に生じる効果はどれか。

土地区画整理事業の建築制限・公告・登記に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

清算金の説明として正しいものは?

道路や公園を整えるため、土地の区画を組み替える事業が土地区画整理です。元の土地の権利をへ移します。

施行者には、個人、土地区画整理組合、区画整理会社、地方公共団体、国土交通大臣、独立行政法人都市再生機構などがあります。組合は宅地の所有者・借地権者がで設立し、の認可を受けます。組合施行では、施行地区内の宅地の所有者・借地権者は全員が組合員になります。は地方公共団体などが施行する場合に置かれ、組合施行では置かれません。

各所有者の土地の一部を道路等の用地に充てるにより、面積が減る場合があります。その一方で道路への接続など利用条件が改善されます。

で従前地に対応する換地を定め、や換地処分などの段階を経ます。面積の単純な等価交換ではなく、位置・地積・環境等を考慮します。

仮換地指定と換地処分を同じ時点の権利変動と考えないようにします。と所有権の扱いを段階別に整理します。

仮換地が指定されると、その効力発生日からまで、従前地の権利者は仮換地を使用収益でき、従前地は使用収益できなくなります。施行者が特別の事情で仮換地の使用収益の開始日を別に定めたときは、その日まで仮換地も使えず、生じた損失はが補償します。

所有権はまで従前地に残ります。そのため、仮換地指定後も従前地を売却したりを設定したりできます。「使える土地」と「所有権の対象」を分けて考えます。

換地処分は、原則として換地計画の区域全部の工事が完了した後、遅滞なく、関係権利者に通知して行います。公告日のに換地が従前の宅地とみなされ、が確定し、は施行者が取得します。清算金は換地の位置や地積等の不均衡を調整する金銭で、減歩の対価ではありません。

事業の認可等の公告があった日後、換地処分の公告の日までは、施行地区内で事業の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物の新築・改築・増築、移動の容易でない物件の設置・堆積に、(国土交通大臣施行なら大臣)の許可が必要です。

換地処分の公告は、(国土交通大臣施行なら大臣)が行います。市町村・組合などの施行者は、換地処分をしたら知事に届け出ます。公告後、施行者は遅滞なく変動に係る登記を申請又は嘱託し、その登記がされるまでは原則として他の登記ができません。この登記の制限は、仮換地の指定後ではなく換地処分の公告後から始まります。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について