保証制度とは
保証制度は、宅建業者が債務を履行できなくなったときに取引の相手方を保護する制度で、営業保証金の供託か、宅地建物取引業保証協会への加入のいずれかが義務づけられます。

営業保証金は、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき1か所500万円を、支店の分もまとめて主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。
営業保証金と保証協会

保証協会に加入する場合は営業保証金の供託は不要ですが、弁済業務保証金分担金として、本店60万円・支店1か所30万円を加入しようとする日までに協会へ納めます。協会は納付を受けた日から1週間以内に、同額の弁済業務保証金を供託します。分担金は金銭で納付します。営業保証金と違い、有価証券で充てることを認める規定はありません。
営業保証金は主たる事務所の最寄りの供託所に供託し、供託した旨を免許権者に届け出てからでなければ事業を開始できません。国債・地方債などの有価証券でも供託できますが、評価額は種類により額面の100%・90%・80%です。免許から3か月以内に届出がなければ免許権者が催告し、催告から1か月以内に届出がなければ免許を取り消すことができます。
| 比較 | 営業保証金 | 保証協会 |
|---|---|---|
| 納付先 | 主たる事務所の最寄りの供託所 | 協会へ分担金を納付 |
| 本店・支店の額 | 1,000万円・500万円 | 60万円・30万円 |
| 営業開始 | 供託と免許権者への届出後 | 加入と分担金納付後 |
| 相手方の還付 | 供託所へ請求 | 協会の認証後に供託所へ請求 |
還付・補充の流れ

還付を受けられるのは、宅建業者と宅建業に関する取引をして債権を持つ者です。ただし、取引の相手方が宅建業者である場合、その業者は還付を受けられません。広告の印刷代など宅建業の取引以外で生じた債権も対象外です。還付の限度は、支店で取引した場合でも、その業者が供託している営業保証金の全額です。
還付で営業保証金が不足したときは、免許権者から通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託し、その後2週間以内に免許権者へ届け出ます。
保証協会の社員と取引した相手方は、協会の認証を受けたうえで供託所に還付を請求します。弁済の限度は分担金の額ではなく、社員でなければ供託すべき営業保証金の額に相当する範囲です。還付があると社員は協会から還付充当金の納付を通知され、2週間以内に納付しなければ社員の地位を失います。社員の地位を失った業者は、1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。
営業保証金を取り戻すときは、原則として6か月以上の期間を定めて還付請求権者に申し出るよう公告します。保証協会に加入した場合、取戻し事由の発生から10年を経過した場合、主たる事務所の移転で新たに供託した場合の移転前の供託所の分は、公告なしで取り戻せます。
| 場面 | 期限・要件 | 義務を負う者 |
|---|---|---|
| 還付による不足 | 通知を受けてから2週間以内に供託 | 宅建業者 |
| 協会の還付充当金 | 通知を受けてから2週間以内に納付 | 社員 |
| 社員が事務所を新設 | 設置の日から2週間以内に分担金を納付 | 社員 |
| 協会の社員でなくなった | 1週間以内に営業保証金を供託 | 宅建業者 |
| 分担金を受け取った協会 | 1週間以内に弁済業務保証金を供託 | 保証協会 |
| 営業保証金の取戻し | 原則6か月以上の公告が必要 | 宅建業者であった者等 |
試験に出る
- 営業保証金の額(本店1,000万円・支店1か所500万円)と、保証協会の分担金(本店60万円・支店1か所30万円)。
- 営業保証金の供託先は、支店を増設した場合も「主たる事務所」の最寄りの供託所。
- 還付・補充・取戻しの期間(2週間以内の補充、6か月以上の公告など)。
- 営業保証金か保証協会への加入か、どちらか一方でよいという関係。
- 取引の相手方が弁済を受ける手続き(法務局からの還付か、協会からの弁済か)。
- 分担金の額と、実際に弁済される上限は別であること。
重要な言葉
- 営業保証金
- 業者が主たる事務所の最寄りの供託所に供託する保証金。本店1,000万円、支店1か所500万円。
- 弁済業務保証金分担金
- 保証協会の加入時に納める分担金。本店60万円、支店1か所30万円。
- 宅地建物取引業保証協会
- 営業保証金に代わる保証制度を運営する団体。
確認問題
保証協会に加入すれば、営業保証金を供託する必要はない。
営業保証金は本店1,000万円、支店1か所ごとに1,000万円。
弁済業務保証金分担金は、国債証券などの有価証券で納付することもできる。
営業保証金に地方債証券を充てる場合、その評価額は額面金額の90%である。
宅建業者は、営業保証金を供託すれば、免許権者に届け出る前でも事業を開始できる。
宅建業者と宅建業に関する取引をして債権を持つ者でも、その者が宅建業者であれば営業保証金から還付を受けられない。
支店で行った取引から生じた債権の還付は、その支店分として供託された500万円が限度となる。
保証協会の社員と取引した相手方は、協会の認証を受けたうえで供託所に還付を請求する。
還付充当金の納付の通知を受けた社員が期限内に納付しないと、社員の地位を失う。
営業保証金の取戻し事由が生じてから10年を経過したときは、公告をせずに取り戻すことができる。
保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、2週間以内に営業保証金を供託しなければならない。
還付で営業保証金に不足が生じた業者は、通知を受けてから2週間以内に供託し、その後30日以内に免許権者へ届け出る。
保証協会の弁済業務保証金分担金(本店)は?
本店のほかに支店を3か所設ける宅建業者が供託すべき営業保証金の額はどれか。
本店のほかに支店を2か所設ける宅建業者が保証協会に加入する場合、納付すべき弁済業務保証金分担金の額はどれか。
保証制度の期限について、誤っているものはどれか。
営業保証金を取り戻すときに、原則どおり6か月以上の公告が必要となるのはどれか。
免許を受けた業者が営業保証金を供託した旨の届出をしない場合の扱いとして、正しいものはどれか。
営業保証金は、主たる事務所につき、その他の事務所につき1か所を、支店の分もまとめて主たる事務所の最寄りの供託所に供託します。
保証協会に加入する場合は営業保証金の供託は不要ですが、弁済業務保証金分担金として、本店・支店1か所を加入しようとする日までに協会へ納めます。協会は納付を受けた日からに、同額の弁済業務保証金を供託します。分担金は金銭で納付します。営業保証金と違い、有価証券で充てることを認める規定はありません。
営業保証金は主たる事務所の最寄りの供託所に供託し、供託した旨を免許権者に届け出てからでなければ事業を開始できません。国債・地方債などの有価証券でも供託できますが、評価額は種類により額面の100%・90%・80%です。免許からに届出がなければ免許権者が催告し、催告からに届出がなければ免許を取り消すことができます。
還付を受けられるのは、宅建業者と宅建業に関する取引をして債権を持つ者です。ただし、取引の相手方がである場合、その業者は還付を受けられません。広告の印刷代など宅建業の取引以外で生じた債権も対象外です。還付の限度は、支店で取引した場合でも、その業者が供託しているです。
還付で営業保証金が不足したときは、免許権者から通知を受けた日からに不足額を供託し、その後に免許権者へ届け出ます。
保証協会の社員と取引した相手方は、協会のを受けたうえで供託所に還付を請求します。弁済の限度は分担金の額ではなく、社員でなければ供託すべき営業保証金の額に相当する範囲です。還付があると社員は協会から還付充当金の納付を通知され、に納付しなければ社員の地位を失います。社員の地位を失った業者は、に営業保証金を供託しなければなりません。
営業保証金を取り戻すときは、原則としての期間を定めて還付請求権者に申し出るよう公告します。保証協会に加入した場合、取戻し事由の発生からを経過した場合、主たる事務所の移転で新たに供託した場合の移転前の供託所の分は、公告なしで取り戻せます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 不動産適正取引推進機構:宅建試験の概要 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業法関係 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業法 法令改正・解釈について(令和8年4月1日以降) ↗
- 法務省:令和7年版犯罪白書(拘禁刑の創設等) ↗
- e-Gov法令検索:宅地建物取引業法 ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業の免許申請等のオンライン化について(大臣免許の都道府県経由事務廃止) ↗
- 内閣府:宅地建物取引業法施行規則等の一部改正について(令和6年6月28日通知・従業者名簿・標識・レインズ登録事項) ↗
- 鹿児島県:宅地建物取引業者票と従業者名簿が変わりました(令和7年4月1日) ↗
- 国土交通省:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(報酬告示) ↗
- 国土交通省:空き家等に係る媒介報酬規制の見直し(令和6年7月1日施行) ↗
- 国土交通省:住宅瑕疵担保履行法の事業者向け案内 ↗
- 国土交通省:不動産業における犯罪収益移転防止法 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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