本文へ移動

FP技能検定 · 学習ガイド

所得控除と税額控除の違い

所得控除とは

所得控除とは税率をかける前の所得から差し引く控除で、計算した税額から直接差し引く税額控除と対比されます。

所得控除を税率の前、税額控除を税率の後に差し引く二つの位置を示す図
所得控除は税率をかける前、税額控除は税額を計算した後に差し引きます。控除額と税負担の軽減額を同じものとして扱わないようにします。

控除という同じ名前でも、引く場所が違えば効果も変わります。所得控除は税率をかける前の所得から、税額控除は計算した税額から直接差し引きます。

所得控除と税額控除の違い
控除の種類差し引く場所10万円の控除・税率10%の単純例
所得控除税率をかける前の所得税額への影響は約1万円
税額控除計算した税額適用可能なら税額から10万円

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央の仕切りを挟み、左は「所得→所得控除10万円→税率10%→所得税への影響は約1万円」、右は「税額→適用可能な税額控除10万円→税額から10万円を引く」と、別々の仮定を左右の矢印で比較する。下部に適用条件と上限の確認を置く。
覚えること:引く場所が違う。条件・上限も確認

例えば税率10%の範囲で所得控除が10万円増えると、所得税への影響の概算は1万円です。同じ10万円が適用可能な税額控除なら、税額から10万円を引く計算になります。ただし実際には上限や適用条件があります。

基礎控除、社会保険料控除、扶養控除、医療費控除などは所得控除です。令和7年分から基礎控除の特例や特定親族特別控除が加わり、令和8年度改正(令和8年12月1日施行)で令和8年分以後の基礎控除などがさらに引き上げられました。何年分の所得税かを確かめてから金額を当てはめます。

所得控除の全体像

所得控除の全体像の図解。左から右へ「所得→算出税額」の流れを描く。所得側には物的控除・人的控除をまとめて引く下向き矢印、算出税額側には税額控除を直接引く下向き矢印を置き、2つの段階を仕切り線で分ける。
覚えること:所得から所得控除、算出税額から税額控除

所得控除には物的控除(医療費、社会保険料、生命保険料、地震保険料、寄附金等)と人的控除(基礎、配偶者、扶養、障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生等)があります。税額控除は算出税額から直接引きます。両者の名称だけでなく、引く段階と適用要件を比較します。

所得控除の全体像
種類代表例
物的な所得控除医療費・社会保険料・保険料・寄附金
人的な所得控除基礎・配偶者・扶養・障害者等
税額控除住宅借入金等特別控除等
所得控除の全体像
本人の合計所得金額基礎控除(令和7年分)基礎控除(令和8年分・令和9年分)
132万円以下95万円104万円
132万円超336万円以下88万円104万円
336万円超489万円以下68万円104万円
489万円超655万円以下63万円67万円
655万円超2,350万円以下58万円62万円
2,350万円超2,400万円以下48万円48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円16万円
2,500万円超0円0円
所得控除の全体像
所得控除控除額主な要件・注意点
配偶者控除38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者は48万円)本人の合計所得1,000万円以下(900万円超は段階的に縮小)。配偶者の合計所得58万円以下(令和8年分は62万円以下)
配偶者特別控除最高38万円配偶者控除を受けられず、配偶者の合計所得が58万円超133万円以下(令和8年分は62万円超)
扶養控除一般38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)63万円、老人扶養親族(70歳以上)48万円(同居老親等58万円)16歳未満は対象外。扶養親族の合計所得58万円以下(令和8年分は62万円以下)
特定親族特別控除最高63万円19歳以上23歳未満の親族で、合計所得が扶養控除の要件を超え123万円以下(令和7年分から)
医療費控除(支払った医療費−保険金などで補塡される額)−10万円(総所得金額等が200万円未満ならその5%)。上限200万円生計を一にする配偶者・親族の医療費も対象(その人の所得は問わない)。確定申告が必要
セルフメディケーション税制対象医薬品の購入費のうち1万2,000円を超える部分(上限8万8,000円)通常の医療費控除との選択適用
社会保険料控除支払った全額国民年金・国民年金基金・健康保険など。生計を一にする親族の分を負担した場合も対象
小規模企業共済等掛金控除支払った全額iDeCo・小規模企業共済の掛金
生命保険料控除2012年以後の契約は一般・介護医療・個人年金の各最高4万円、合計最高12万円契約時期で限度額が異なる
地震保険料控除支払った保険料の全額(最高5万円)火災保険料は対象外

試験に出る

  • 所得控除は税率をかける前、税額控除は税額から直接差し引く。
  • 所得控除10万円・税率10%なら税額への影響は約1万円。
  • 令和7年分の基礎控除は合計所得655万円超2,350万円以下で58万円(低所得者は最高95万円)、2,500万円超は0円。令和8年分は62万円(最高104万円)。
  • 扶養控除は一般38万円・特定63万円・老人48万円(同居老親等58万円)。16歳未満は対象外。
  • 医療費控除は10万円(総所得金額等200万円未満は5%)を超える部分、上限200万円。
  • iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除、国民年金基金の掛金は社会保険料控除。

重要な言葉

所得控除
税率をかける前の所得から差し引く控除。基礎控除や医療費控除など。
税額控除
計算した税額から直接差し引く控除。住宅借入金等特別控除や配当控除など。
基礎控除
本人の合計所得金額に応じて差し引く所得控除。2,500万円を超えると0円になる。
特定親族特別控除
19歳以上23歳未満の親族の所得が扶養控除の要件を超えても、123万円以下なら受けられる控除。

確認問題

確かめよう「控除額=還付額」とは限らない理由を説明できますか。

税率をかける前か後かを、所得税の計算の順番に戻して考えます。

税額控除は、税率をかける前の所得から差し引く。

医療費控除は所得控除の一つである。

基礎控除の額は、納税者の合計所得金額の多寡にかかわらず58万円である。

納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除は受けられない。

税率10%の範囲で所得控除が10万円増えたとき、税額への影響の概算は?

所得控除に分類されるものは?

特定扶養親族(19歳以上23歳未満)1人当たりの扶養控除額は?

支払った医療費30万円、保険金で補塡5万円、総所得金額等500万円のときの医療費控除額は?

控除という同じ名前でも、引く場所が違えば効果も変わります。は税率をかける前の所得から、は計算した税額から直接差し引きます。

例えば税率の範囲で所得控除が増えると、所得税への影響の概算は1万円です。同じ10万円が適用可能な税額控除なら、税額から10万円を引く計算になります。ただし実際には上限や適用条件があります。

、社会保険料控除、扶養控除、などは所得控除です。令和7年分から基礎控除の特例や特定親族特別控除が加わり、令和8年度改正(令和8年12月1日施行)で令和8年分以後の基礎控除などがさらに引き上げられました。何年分の所得税かを確かめてから金額を当てはめます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について