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FP技能検定 · 学習ガイド

公的年金(老齢・障害・遺族)

公的年金とは

公的年金とは、老齢・障害・遺族の三つの場面で、国民が加入して将来の生活を支える公的な年金制度です。

基礎年金と厚生年金の二階建てを、老齢・障害・遺族の三つの役割とともに表す図
公的年金の加入構造と、老齢・障害・遺族という給付の役割は別の軸です。受給資格の条件と受け取る年金額も分けて確認します。

年金は老後のためだけの制度ではありません。長く生きることへの老齢年金、病気やけがで障害が残った場合の障害年金、家計を支える人が亡くなった場合の遺族年金という三つの役割があります。

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。上部に共通条件の「原則65歳」を置き、中央を縦線で仕切る。左は「資格期間10年以上など」から「受給資格」へ、右は20歳から60歳までの「480月すべて納付」から「満額」へ矢印で結び、別の条件だと示す。
覚えること:満額は20〜60歳の480月全納

会社員の公的年金は、基礎年金に厚生年金が上乗せされる構造で考えます。自営業者と会社員では加入する仕組みが異なるため、同じ年齢でも保障や保険料の読み方が変わります。

老齢基礎年金は、原則65歳から、受給資格期間10年以上などの要件で受け取ります。ただし「10年で受け取れる」と「満額を受け取れる」は別です。満額は20歳から60歳までの480月をすべて納付した場合の額です。

国民年金の保険料は毎年度見直され、令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)の第1号被保険者の定額保険料は月額17,920円です。付加保険料は月額400円で、納めると付加年金(200円×納付月数)が上乗せされます。

被保険者区分と給付三類型

被保険者区分と給付三類型の図解。老齢・障害・遺族を縦線で仕切った3列に並べ、各列の下段に基礎年金、上段に厚生年金の破線枠を置く。下段から上段への点線矢印で、厚生年金加入者には各給付で上乗せがあり得ることを示す。
覚えること:厚生年金加入者は各給付に上乗せされ得る

国民年金の第1号は自営業者等、第2号は厚生年金に加入する会社員・公務員等、第3号は要件を満たす第2号の被扶養配偶者です。基礎年金には老齢・障害・遺族があり、厚生年金の加入者は各給付に厚生年金が上乗せされ得ます。受給資格期間、保険料納付要件、年金額の算定は給付ごとに異なります。

被保険者区分と給付三類型
区分典型例
第1号自営業者等
第2号厚生年金加入の会社員等
第3号第2号の被扶養配偶者

保険料の免除・猶予と年金額への反映

保険料の免除・猶予と年金額への反映の図解。中央上の「学生納付特例」「納付猶予」から下へ矢印を二股に分け、左は「受給資格期間」に入る、右は追納前には「年金額」に反映されないと示す。右側には「10年以内追納」から年金額へ向かう矢印を加える。
覚えること:特例・猶予は10年内追納で年金額反映

第1号被保険者が保険料を払えないときは免除や猶予を申請できます。申請免除は本人・世帯主・配偶者の所得で判定しますが、学生納付特例は学生本人の所得だけで判定します。免除・猶予された保険料は10年以内なら追納できます。

免除期間は受給資格期間に算入され、全額免除期間は年金額に2分の1(平成21年4月以降の期間)反映されます。学生納付特例と納付猶予の期間は受給資格期間には入りますが、追納しなければ年金額には反映されません。

保険料の免除・猶予と年金額への反映
制度所得の判定対象年金額への反映
申請免除(全額・一部)本人・世帯主・配偶者あり(全額免除は2分の1)
学生納付特例学生本人のみなし(追納すれば反映)
納付猶予(50歳未満)本人・配偶者なし(追納すれば反映)
産前産後の免除所得要件なし納付済期間として扱う

老齢年金の額と受取時期

老齢年金の額と受取時期の図解。中央に65歳を置いた横一本の年齢軸を描き、左の「60歳から」へ向かう矢印に「繰上げ=減額」、右の「66~75歳」へ向かう矢印に「繰下げ=増額」を添える。左右を別場面に分けず、受取時期による違いを一目で比べられる配置にする。
覚えること:繰上げは減額、繰下げは増額

令和8年度の老齢基礎年金の満額は年847,300円(月70,608円、昭和31年4月2日以後生まれ)です。実際の額は「満額×保険料納付済月数等÷480」で計算します。

繰上げ受給は60歳から可能で、1か月につき0.4%減額されます(昭和37年4月2日以後生まれ)。繰下げ受給は66歳以降75歳まで可能で、1か月につき0.7%増額されます。繰上げは老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行い、繰下げは別々に選べます。

働きながら老齢厚生年金を受け取る在職老齢年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額を超えると、超えた額の2分の1が支給停止されます。基準額は令和7年度の51万円から、令和8年4月に65万円(令和8年度額)へ引き上げられました。

老齢年金の額と受取時期
項目内容(令和8年度)
老齢基礎年金の満額年847,300円(月70,608円)
繰上げ1か月0.4%減、60歳開始で24%減
繰下げ1か月0.7%増、75歳開始で84%増
付加年金200円×付加保険料納付月数
老齢厚生年金受給資格期間10年を満たし、厚生年金の加入が1か月以上あれば65歳から
加給年金厚生年金加入20年以上で、生計を維持する65歳未満の配偶者や18歳到達年度末までの子がいる場合
在職老齢年金基本月額+総報酬月額相当額が65万円を超えると、超過額の2分の1を停止

障害年金と遺族年金の要件

障害年金と遺族年金の要件の図解。上の「死亡した人」から「生計維持」の線を下へ引き、仕切りの左に受給できる「子のある配偶者」と「子」、右に受給できない「子のない配偶者」を置く。子の年齢条件を左側に添え、エルくんは1体だけ描く。
覚えること:生計維持された子あり配偶者か子

障害年金は、初診日に被保険者であること、障害認定日(初診日から1年6か月後など)に一定の障害等級に該当すること、保険料納付要件を満たすことが必要です。納付要件は原則、初診日の前日に前々月までの被保険者期間の3分の2以上が納付・免除済みであることです。

遺族基礎年金を受け取れるのは、死亡した人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。子は18歳到達年度の末日まで(障害等級1・2級は20歳未満)を指し、子のない配偶者は受け取れません。

遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。在職中の死亡などで加入期間が300月未満なら300月とみなします。夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻などには中高齢寡婦加算があります。

障害年金と遺族年金の要件
給付対象・額
障害基礎年金1級は満額の1.25倍、2級は満額。子の加算あり。3級はない
障害厚生年金1〜3級と障害手当金。1・2級は配偶者の加給年金あり
遺族基礎年金子のある配偶者または子。子の加算あり
遺族厚生年金報酬比例部分の4分の3。遺族は配偶者・子、父母、孫、祖父母の順
中高齢寡婦加算夫の死亡時40歳以上65歳未満で、子のない妻等

試験に出る

  • 老齢基礎年金は受給資格期間10年以上、原則65歳から。満額は480月納付が前提。
  • 繰上げは1か月0.4%減(最大24%減)、繰下げは1か月0.7%増(75歳で最大84%増)。
  • 付加年金=200円×付加保険料納付月数。付加保険料は月400円。
  • 学生納付特例は本人の所得だけで判定し、追納は10年以内。
  • 遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」。遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3。
  • 在職老齢年金の基準額は令和8年4月から65万円(令和8年度額)。
  • 令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円、老齢基礎年金の満額は年847,300円。

重要な言葉

老齢基礎年金
原則65歳から、受給資格期間を満たす人に支給される国民共通の年金。
障害年金
病気やけがで障害等級に該当したとき、初診日・納付要件を満たす人に支給される年金。
遺族年金
生計を維持していた人が亡くなったとき、要件を満たす遺族に支給される年金。遺族基礎年金と遺族厚生年金がある。
国民年金保険料
第1号被保険者が納める定額の保険料。令和8年度は月額17,920円。
繰下げ受給
老齢年金の受取開始を66歳以降に遅らせ、1か月0.7%ずつ増額した年金を受け取ること。
在職老齢年金
厚生年金に加入して働く人の老齢厚生年金を、賃金と年金の合計に応じて一部または全部停止する仕組み。

確認問題

確かめよう受給資格と年金額はそれぞれ何を表しますか。

受給資格は入口の条件、年金額は受け取る大きさです。二つを分けると、「加入10年なら全員満額」という選択肢を自分の言葉で否定できます。

老齢基礎年金は、受給資格期間を満たせば必ず満額受け取れる。

公的年金には、老齢・障害・遺族の三つの役割がある。

国民年金の学生納付特例は、学生本人と世帯主の所得で利用できるかを判定する。

遺族厚生年金の額は、原則として死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3である。

老齢基礎年金の受給資格期間の基本は?

会社員の公的年金の構造は?

老齢基礎年金を70歳0か月から繰り下げて受け取る場合の増額率は?

遺族基礎年金を受け取ることができる遺族は?

年金は老後のためだけの制度ではありません。長く生きることへの、病気やけがで障害が残った場合の障害年金、家計を支える人が亡くなった場合のという三つの役割があります。

会社員の公的年金は、にが上乗せされる構造で考えます。自営業者と会社員では加入する仕組みが異なるため、同じ年齢でも保障や保険料の読み方が変わります。

老齢基礎年金は、原則から、受給資格期間10年以上などの要件で受け取ります。ただし「10年で受け取れる」と「を受け取れる」は別です。満額は20歳から60歳までの480月をすべて納付した場合の額です。

国民年金の保険料は毎年度見直され、(2026年4月から2027年3月まで)の第1号被保険者の定額保険料は月額です。付加保険料は月額400円で、納めると(200円×納付月数)が上乗せされます。

第1号被保険者が保険料を払えないときは免除や猶予を申請できます。申請免除は本人・世帯主・配偶者の所得で判定しますが、は学生本人の所得だけで判定します。免除・猶予された保険料は10年以内ならできます。

は60歳から可能で、1か月につき0.4%減額されます(昭和37年4月2日以後生まれ)。は66歳以降75歳まで可能で、1か月につき0.7%増額されます。繰上げは老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行い、繰下げは別々に選べます。

働きながら老齢厚生年金を受け取るは、基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額を超えると、超えた額の2分の1が支給停止されます。基準額は令和7年度の51万円から、令和8年4月に65万円(令和8年度額)へ引き上げられました。

を受け取れるのは、死亡した人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。子は18歳到達年度の末日まで(障害等級1・2級は20歳未満)を指し、子のない配偶者は受け取れません。

の額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。在職中の死亡などで加入期間が300月未満なら300月とみなします。夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻などには中高齢寡婦加算があります。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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