圧縮記帳とは
圧縮記帳は、一定の保険差益等で代替資産を取得するとき、課税を将来へ繰り延べる仕組みです。永久に非課税になるわけではありません。

圧縮記帳は、一定の保険差益等で代替資産を取得する場合などに、課税を繰り延べる仕組みです。受け取った利益が永久に非課税になるという理解では、後の減価償却を説明できません。
基本の仕組み

直接減額方式の仕組みを単純化し、代替資産の取得価額1,000万円、圧縮額200万円とすると、圧縮後の帳簿価額は800万円です。当期の課税を抑える一方、将来の減価償却の基になる価額も小さくなります。
実際の圧縮限度額は、滅失資産の帳簿価額、保険金、損失に伴う経費、代替資産の取得価額等から制度所定の計算で求めます。保険金の全額がそのまま圧縮額になるわけではありません。
保険差益と代替資産を順に計算

固定資産が滅失等し保険金を受けた法人が代替資産を取得する場合、保険差益金=保険金等の額−滅失経費−被害資産の被害直前の帳簿価額(被害部分)です。圧縮限度額=保険差益金×代替資産の取得等に充てた保険金等の額(分母の額が限度)÷(保険金等の額−滅失経費)で、保険金全額を圧縮する計算ではありません。
例えば保険金2,100万円、滅失経費100万円、帳簿価額800万円、代替資産の取得価額1,500万円なら、保険差益金は2,100−100−800=1,200万円、圧縮限度額は1,200×1,500÷(2,100−100)=900万円です。代替資産は滅失資産と同一種類で、原則として保険金の支払を受けた事業年度に取得したものが対象です。
個人が受け取る資産の損害に基因する保険金は、棚卸資産等に係るものを除き原則非課税なので、保険差益の圧縮記帳は主に法人税の論点です。
直接減額方式では代替資産の帳簿価額を下げ、積立金方式では剰余金の処分で積立金を計上するなど処理が異なります。税務上の課税繰延べ額が同じでも、会計上の表示と将来の償却費・取崩し時期を確認します。保険金の確定や代替資産の取得が事業年度をまたぐ場合は、特別勘定を設けて原則2年以内に取得する方法もあります。
| 段階 | 確認する数値・条件 |
|---|---|
| 保険差益 | 保険金−滅失経費−旧資産の帳簿価額 |
| 圧縮限度額 | 保険差益金×代替資産に充てた保険金÷(保険金−滅失経費) |
| 直接減額 | 代替資産の帳簿価額を下げる |
| 積立金方式 | 積立金と後年の取崩しを管理 |
試験に出る
- 圧縮記帳は課税を将来へ繰り延べる仕組みで、永久非課税ではない。
- 圧縮後の帳簿価額が小さくなるため、将来の減価償却費も小さくなる。
- 圧縮限度額=保険差益金×代替資産の取得に充てた保険金等(分母が限度)÷(保険金等−滅失経費)。
- 保険金の全額がそのまま圧縮額になるわけではない。
- 今の圧縮損と将来の償却費を時間軸で対応させて理解する。
- 代替資産は滅失資産と同一種類で、原則として保険金等の支払を受けた事業年度(特別勘定を設ければ原則2年以内)に取得したもの。
重要な言葉
- 圧縮記帳
- 保険差益等で代替資産を取得したとき、課税を繰り延べる会計処理。
- 圧縮限度額
- 制度所定の方法で計算する、圧縮できる金額の上限。
- 直接減額方式
- 代替資産の取得価額から圧縮額を直接差し引く方式。
- 保険差益金
- 受け取った保険金等から、滅失経費と被害資産の帳簿価額(被害部分)を差し引いた利益。
確認問題
確かめよう当期に減った税負担は、将来のどの計算へつながるでしょうか。
代替資産の減価償却費です。圧縮で帳簿価額が下がった分だけ将来の償却費が小さくなり、その期間の所得が増えるため、課税が後へ繰り延べられます。
圧縮記帳を使うと、受け取った保険差益は永久に非課税になる。
圧縮後の帳簿価額は、圧縮前より小さくなる。
取得価額1,000万円の代替資産を200万円圧縮した後の帳簿価額は?
保険金2,100万円、滅失経費100万円、滅失資産の帳簿価額800万円、代替資産の取得価額1,500万円のときの圧縮限度額は?
圧縮記帳は、一定の等でを取得する場合などに、課税を繰り延べる仕組みです。受け取った利益が永久に非課税になるという理解では、後の減価償却を説明できません。
直接減額方式の仕組みを単純化し、代替資産の取得価額、圧縮額とすると、圧縮後の帳簿価額は800万円です。当期の課税を抑える一方、将来の減価償却の基になる価額も小さくなります。
実際のは、滅失資産の、保険金、損失に伴う経費、代替資産の取得価額等から制度所定の計算で求めます。保険金の全額がそのまま圧縮額になるわけではありません。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本FP協会:2級・3級FP技能検定 試験要綱 ↗
- きんざい:FP技能検定 ↗
- 国税庁:保険金を受け取ったときの税金 ↗
- 国税庁:相続税の課税対象になる死亡保険金 ↗
- 国税庁:法人の定期保険・第三分野保険料の取扱い ↗
- 国税庁:保険金等で取得した固定資産等の圧縮記帳 ↗
- 日本FP協会:1級 試験範囲の細目(2026年9月確認) ↗
- 生命保険文化センター:医療保障の支払事由 ↗
- 金融庁:保険会社向け監督指針・外貨建保険等 ↗
- 日本損害保険協会:免責事項と免責金額 ↗
- 国税庁:法人の養老保険料の取扱い ↗
- 国税庁:保険契約等に関する権利の評価(所得税基本通達36-37の改正) ↗
- 国税庁:死亡保険金を受け取ったとき ↗
- 国税庁:生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき ↗
- 国税庁:生命保険料控除 ↗
- 生命保険契約者保護機構:破綻時の補償 ↗
- 損害保険契約者保護機構:損害保険会社が破綻したら加入している保険はどうなりますか ↗
- 損害保険料率算出機構:地震保険基準料率 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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