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日商簿記検定 · 学習ガイド

ROIと残余利益で投資案を比べる

投下資本利益率(ROI)とは

投下資本利益率(ROI)とは、事業部の利益を投下資本で割って測る、資本効率の指標です。

要求10%と現在15%の間へエルくんが投資案12%のブロックを置き、ROIと残余利益の評価の違いを示す図。
追加案の利益率12%が要求利益率10%を上回れば残余利益は増えます。一方、現在のROI15%より低いため全体のROIは下がります。数値は本文の例です。

事業部の利益率を高める判断が、会社全体の利益を高めるとは限りません。率を守る評価と、資本コストを超えた利益を増やす評価を、同じ投資案で比較します。

ROIと残余利益で投資案を比べる
論点使い分け
ROI利益÷投下資本。率で比較
残余利益利益−投下資本×要求利益率。金額で比較
投資案の判定要求利益率との比較と全社利益への影響

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。画面中央で、元の事業部に追加案を組み込む一つの図にする。右側を上下2段に分け、上段はROIが15%→14.5%へ下がる矢印、下段は残余利益が50万円→54万円へ上がる矢印で対比する。
覚えること:要求10%<案12%でROI↓・残余↑

事業部制会計では、投資額も管理する事業部の評価に投下資本利益率(ROI)や残余利益を使います。投資額1,000万円、利益150万円ならROIは15%。要求利益率10%なら残余利益は150−1,000×10%=50万円です。率と金額という尺度の違いを押さえます。

ここへ投資額200万円・利益24万円の案件を加えると、案件の利益率は12%で要求利益率10%を上回ります。しかし事業部全体のROIは174÷1,200=14.5%へ下がります。残余利益は174−1,200×10%=54万円へ増えるため、ROIの低下だけを理由に有利な案件を拒む問題を比較できます。

評価するのが事業部そのものか事業部長かで、利益・投資の範囲をそろえます。事業部長の評価では本人が管理できる項目を重視します。また残余利益は金額なので、規模の異なる事業部を単純に順位付けせず、資産の年齢や測定方法も確認します。

ROIと残余利益の判断差

ROIと残余利益の判断差の図解。中央の投資案について、上部に「要求利益率<投資案利益率<事業部ROI」を横並びで示す。下部を左右に仕切り、左はROIだけで評価される事業部長に「拒む誘因」が生じる矢印、右は投資案によって「残余利益増加」となる矢印を描く。
覚えること:要求率超・現ROI未満はROI拒否誘因

ROIは利益÷投下資本、残余利益は利益−投下資本×要求利益率です。投資案の利益率が要求利益率を上回っても、現在の事業部ROIより低い場合、ROIだけで評価される事業部長は有利な案件を拒む誘因を持ちます。

投下資本の範囲、税引前後の利益、期首残高か平均残高かなど、分子・分母を一致させます。残余利益は金額なので、規模の違う部門をそのまま順位付けしません。

試験に出る

  • ROIは利益÷投下資本、残余利益は利益−投下資本×要求利益率で求めます。
  • 要求利益率を上回る案件でも、事業部全体のROIを下げることがあります。
  • 残余利益は金額なので、ROIの低下だけで投資案を拒む誤りに注意します。
  • 事業部そのものと事業部長の評価では、対象とする利益・投資の範囲が異なります。
  • 残余利益で規模の異なる事業部を比べるときは、資産の年齢や測定方法に注意します。

重要な言葉

投下資本利益率(ROI)
事業部の利益を投下資本で割った資本効率の指標。
残余利益
利益から、投下資本に要求利益率を掛けた額を引いた金額。
要求利益率
投資に最低限求める利益率。通常は資本コスト率を用いる。

確認問題

確かめよう例の案件はROIを下げるから必ず会社に不利?

いいえ。要求利益率を上回り、残余利益を4万円増やします。

要求利益率を上回る投資案でも、事業部全体のROIを下げることがある。

残余利益は率で表されるため、規模の異なる事業部をそのまま比較できる。

投下資本1,000万円・利益150万円・要求利益率10%のときの残余利益は?

ROI 15%の事業部に利益率12%の案件を加えたとき、事業部全体のROIは?

事業部の利益率を高める判断が、会社全体の利益を高めるとは限りません。率を守る評価と、資本コストを超えた利益を増やす評価を、同じで比較します。

事業部制会計では、投資額も管理する事業部の評価に投下資本利益率(ROI)や残余利益を使います。投資額1,000万円、利益150万円ならROIは。要求利益率10%なら残余利益は150−1,000×10%=です。率と金額という尺度の違いを押さえます。

ここへ投資額200万円・利益24万円の案件を加えると、案件の利益率は12%で要求利益率10%を上回ります。しかし事業部全体のROIは174÷1,200=へ下がります。残余利益は174−1,200×10%=54万円へ増えるため、ROIの低下だけを理由に有利な案件を拒む問題を比較できます。

評価するのが事業部そのものか事業部長かで、利益・投資の範囲をそろえます。事業部長の評価では本人が管理できる項目を重視します。また残余利益は金額なので、規模の異なる事業部を単純に順位付けせず、や測定方法も確認します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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