取得時の資本連結から、非支配株主持分と内部利益の調整へ進みます。持分法や企業結合も比較し、投資とグループ全体の表示がどうつながるかを学びます。
仕組みを理解する
資本連結
資本連結とは、親会社の投資と子会社の資本を相殺し、連結開始時の貸借対照表を作る手続きです。

子会社への投資を消去するときは、取得時点を基準に何を買ったかを測ります。期末利益まで最初の投資額へ混ぜないことが重要です。
| 論点 | 連結上の判断 |
|---|---|
| 取得時 | 時価評価した識別可能資産・負債と持分を確定 |
| 取得後 | 利益・配当・のれん償却を持分別に反映 |
| 特定勘定 | 取得後の再編費用等を負債計上し、発生時に取り崩す |
| 孫会社 | 支配開始日を見て二段階の連結 |
| 期末取得 | B/Sには含めるがP/Lには含めない。取得前の売買は相殺せず、期末の債権債務は相殺 |
基本の仕組み

取得時純資産200万円の80%を180万円で取得する単純な条件なら、持分160万円との差20万円がのれん、非支配株主持分は40万円です。
子会社の資産・負債は支配獲得日の時価で全面的に評価し、評価差額から税効果を控除した額を子会社の資本に含めて取得原価と相殺します。段階取得では既保有持分も支配獲得日の時価で評価し直し、差額を当期の損益とします。
子会社が取得後に稼いだ利益を取得時純資産に足してのれんを再計算しないようにします。取得日と期末日を分けます。
取得日時点の配分と連結年度

例えば、簿価純資産200万円(資本金150万円・利益剰余金50万円)の子会社の80%を220万円で取得し、土地の時価が簿価より50万円高く税率30%なら、評価差額35万円と繰延税金負債15万円を計上します。持分188万円(235万円×80%)との差32万円がのれん、非支配株主持分は47万円です(仕訳は下表)。
第173回の商業簿記は、P社が100%子会社S1社と60%子会社S2社を持ち、S2社が当期末に孫会社SG社を取得する設定でした。S2社の資本連結(開始仕訳、取得後の利益・配当)と当期の内部取引を分けて処理します。当期末に子会社となった会社は、連結B/Sに含めても取得前の損益は連結P/Lに含めません。
企業結合に係る特定勘定は、取得後に発生が予測される事業再編等の費用・損失のうち、取得対価の算定に反映されたものを取得時に負債として認識する論点です。顧客関連資産など未計上の無形資産も、識別可能なら取得原価の配分対象で、のれんとは別に償却します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 土地 | 50万円 | 繰延税金負債 | 15万円 |
| 評価差額 | 35万円 |
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 資本金 | 150万円 | 子会社株式 | 220万円 |
| 利益剰余金 | 50万円 | 非支配株主持分 | 47万円 |
| 評価差額 | 35万円 | ||
| のれん | 32万円 |
試験に出る
- 資本連結では、取得時の子会社純資産と親会社の投資を相殺します。
- のれんは、子会社株式の取得原価と、時価評価後の子会社資本のうち親会社持分との差額です。
- 支配獲得時の非支配株主持分は、時価評価後の子会社資本に非支配株主の持分割合を掛けて求めます。
- 取得後に子会社が稼いだ利益は、のれんの再計算に含めません。
- 段階取得では、既保有持分を支配獲得日の時価で評価し直し、差額を段階取得に係る差益(差損)とします。
- 子会社の資産・負債は全面時価評価法で評価し、評価差額は税効果を控除して子会社の資本に含めます。
- 日本基準ののれんは親会社持分に対応する部分だけを計上し、非支配株主持分に対応するのれんは計上しません。
重要な言葉
- 資本連結
- 親会社の投資と子会社の資本を相殺して連結貸借対照表を作る手続き。
- のれん
- 子会社株式の取得原価が、時価評価後の子会社資本の親会社持分を上回る差額。
- 非支配株主持分
- 子会社の純資産のうち、親会社が持たない部分。
- 評価差額
- 子会社の資産・負債を支配獲得日の時価で評価したときの簿価との差額。税効果を控除して子会社の資本に含める。
確認問題
確かめようこの例で非支配株主持分はいくら?
200×20%=40万円です。
のれんは、取得原価と取得時の持分純資産との差額として計算する。
子会社が取得後に稼いだ利益は、のれんの再計算に含める。
連結上、子会社の資産・負債は親会社の持分に相当する部分だけを時価評価する。
取得時純資産200万円の80%を180万円で取得したとき、のれんは?
同条件での非支配株主持分は?
簿価純資産200万円の子会社の80%を220万円で取得した。土地の時価は簿価より50万円高く、税率は30%である。のれんは?
子会社への投資を消去するときは、取得時点を基準に何を買ったかを測ります。期末利益まで最初のへ混ぜないことが重要です。
取得時純資産200万円の80%を180万円で取得する単純な条件なら、持分160万円との差20万円が、非支配株主持分は40万円です。
子会社の資産・負債は支配獲得日の時価で全面的に評価し、評価差額から税効果を控除した額を子会社の資本に含めて取得原価と相殺します。では既保有持分も支配獲得日の時価で評価し直し、差額を当期の損益とします。
子会社が取得後に稼いだ利益を取得時純資産に足してのれんを再計算しないようにします。と期末日を分けます。
非支配株主持分
非支配株主持分とは、子会社の純資産のうち、親会社が支配していない外部株主に帰属する部分です。

子会社の利益すべてが親会社株主のものになるわけではありません。外部株主が持つ割合は非支配株主持分として区分します。
| 論点 | 連結上の判断 |
|---|---|
| 子会社利益 | 調整後利益を親会社・非支配株主へ配分 |
| 親会社受取配当 | 内部収益として消去 |
| 非支配株主への配当 | 非支配株主持分を減額 |
| 追加取得・一部売却(支配継続) | 差額は資本剰余金。のれんは修正しない |
| 支配の喪失 | 連結上の売却損益を計上し、残る投資を評価し直す |
基本の仕組み

親会社持分80%、子会社利益50万円、調整なしなら、非支配株主に帰属する当期純利益は10万円です。子会社が配当した場合は、非支配株主への配当額だけ非支配株主持分が減ります。
非支配株主持分は取得時の持分に、取得後利益・配当などの変動を加減します。内部利益や評価差額の調整があれば調整後の子会社損益を用います。
売上高などを持分80%だけ合算するのではありません。子会社の資産負債収益費用を全額連結し、持分を別に表示します。
利益と配当の帰属

子会社の資産・負債・収益・費用は原則として全額を連結し、非支配株主への帰属分を別に表示します。取得後の純資産変動は、子会社利益の持分配分、子会社配当、その他の包括利益、内部利益の消去などを反映して計算します。
親会社が子会社から受け取った配当は、連結企業集団内の資金移動なので受取配当金を消去します。非支配株主への配当は非支配株主持分の減少として扱います。
アップストリームの未実現利益を消す場合は、売り手子会社の調整後利益を基礎に非支配株主への帰属分を計算します。負担割合は利益を計上した売り手で決まり、在庫を持つ買い手では決まりません。
子会社のその他の包括利益(その他有価証券評価差額金、在外子会社の為替換算調整勘定など)も持分比率で按分し、非支配株主分は非支配株主持分に含めます。連結包括利益計算書では、包括利益のうち親会社株主に係る額と非支配株主に係る額を付記します。
支配獲得後の持分の変動

支配獲得後に子会社株式を追加取得した場合は、追加取得した持分に相当する非支配株主持分を減らし、追加投資額との差額を資本剰余金とします。のれんは新たに計上しません。
例えば、時価評価後の資本が1,000万円の子会社について、持分60%から20%を230万円で追加取得すると、非支配株主持分は200万円減り、差額30万円だけ資本剰余金が減ります。
支配を維持したまま一部を売却した場合は、売却した持分だけ非支配株主持分を増やし、売却価額との差額を資本剰余金とします。個別上の売却損益は連結上消去し、のれんの未償却額も減らしません。資本剰余金が負の値になる場合は利益剰余金から減額します。
支配を失った場合は、連結上の売却損益を計上し直します。残る投資は、関連会社になれば持分法による投資評価額、それ以外になれば個別上の帳簿価額で評価します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 非支配株主持分 | 200万円 | 子会社株式 | 230万円 |
| 資本剰余金 | 30万円 |
試験に出る
- 非支配株主持分は、子会社の純資産のうち外部株主に帰属する部分です。
- 非支配株主に帰属する当期純利益は、子会社の当期純利益に非支配株主の持分割合を掛けて求めます。
- 子会社の配当は、非支配株主持分を減らす方向に働きます。
- 連結では子会社の資産負債収益費用を全額合算し、持分を別に表示します。
- 内部利益の消去がある場合、調整後の子会社損益を使う点に注意します。
- 支配を維持した追加取得・一部売却の差額は資本剰余金で処理し、のれんは修正しません。
- 子会社のその他の包括利益も持分割合で親会社株主と非支配株主に按分します。
重要な言葉
- 非支配株主持分
- 子会社の純資産のうち、親会社以外の株主に帰属する部分。
- 非支配株主に帰属する当期純利益
- 子会社の当期純利益のうち、非支配株主の持分割合に対応する金額。
- 全額連結
- 子会社の資産負債収益費用を割合で按分せず、全額合算する考え方。
- 追加取得
- 支配獲得後に子会社株式を買い増すこと。非支配株主との資本取引として扱う。
確認問題
確かめよう子会社利益50万円の20%はいくら?
10万円です。
連結では、子会社の売上高を持分の割合だけ合算する。
子会社の配当は、非支配株主持分を減らす方向に働く。
支配を維持したまま子会社株式の一部を売却した場合、個別上の売却益をそのまま連結損益計算書に計上する。
親会社持分80%、子会社の当期純利益50万円のとき、非支配株主に帰属する当期純利益は?
連結における子会社の資産・負債の合算方法は?
時価評価後の資本1,000万円の子会社について、持分60%から20%を230万円で追加取得した。連結上の処理は?
子会社の利益すべてが親会社株主のものになるわけではありません。外部株主が持つ割合はとして区分します。
親会社持分80%、子会社利益50万円、調整なしなら、非支配株主に帰属する当期純利益はです。子会社が配当した場合は、非支配株主への配当額だけ非支配株主持分が減ります。
非支配株主持分は取得時の持分に、取得後利益・配当などの変動を加減します。内部利益や評価差額の調整があればの子会社損益を用います。
売上高などを持分80%だけ合算するのではありません。子会社の資産負債収益費用を全額連結し、持分を別にします。
成果連結(内部取引・未実現利益の消去)
成果連結とは、親子会社間の内部取引と、在庫などに残る未実現利益を消去する手続きです。

子会社が親会社へ利益を付けて売った場合、未実現利益の消去は子会社の利益にも関係します。売り手を確認しましょう。
| 論点 | 連結上の判断 |
|---|---|
| 取引高 | 売上と仕入・売上原価を相殺 |
| 債権債務 | 相手勘定の名称より実体で対応 |
| 商品 | 期末未販売分を消し、翌期実現 |
| 備品・土地 | 内部利益とその後の償却・売却を追う |
| 税効果 | 未実現利益の消去は繰延法(売り手の税率) |
基本の仕組み

子会社が原価60万円の商品を親会社へ75万円で売り、全量が期末に残るなら、未実現利益15万円を消去します。親会社持分80%なら、非支配株主に負担させる額は3万円です。
アップストリームでは子会社で計上した利益を消すため、非支配株主に帰属する当期純利益も調整します。親会社が売り手のダウンストリームでは、全額を親会社持分で負担します。
在庫を持つ会社と利益を計上した会社を混同しないようにします。負担割合は利益の発生元である売り手で決まります。
取引と未実現利益の消去を別々に追う

連結上は、内部売上と仕入・売上原価という期間の取引高、売掛金と買掛金・貸付金と借入金という期末残高、期末商品・固定資産に残る未実現利益を別々に消します。内部債権に対する貸倒引当金も対応して調整します。
第173回問題は、同じグループ内でも売り手にとって商品売上、買い手にとって備品取得となる取引を含みます。売上・売上原価の相殺だけで終えず、備品に残る内部利益、以後の減価償却額への影響を追います。契約資産と買掛金など科目名が一致しない相互残高も、取引の実体を確認して対応させます。
第173回では、S1社が原価50百万円の商品を売価70百万円でS2社へ販売し、S2社は備品(耐用年数4年、定額法)としました。売上高70と売上原価50を消し、差額20を備品から控除します。期首取得なので当期の減価償却費も20÷4=5だけ減らします。
内部利益率が原価に対する上乗せ率か売価に対する率かを確認します。期首商品の前期未実現利益の実現と、期末商品の当期未実現利益の消去は向きが異なります。内部土地売買の利益は、土地が企業集団外へ出るまで消します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 70百万円 | 売上原価 | 50百万円 |
| 備品 | 20百万円 | ||
| 減価償却累計額 | 5百万円 | 減価償却費 | 5百万円 |
消去仕訳と税効果

冒頭の例(アップストリーム、親会社持分80%)の消去仕訳は次のとおりです。期末商品に含まれる15万円を売上原価で消し、その20%を非支配株主に負担させます。
税効果を適用する場合は、消去した未実現利益に売り手の税率を掛けた額を繰延税金資産とし、法人税等調整額を減らします(繰延法)。税率30%なら4.5万円で、非支配株主への配分は税引後の(15−4.5)×20%=2.1万円です。
期首商品に含まれる前期の未実現利益は、開始仕訳で利益剰余金期首残高を減らしたうえで、当期に実現したものとして売上原価を減らします。未実現損失も原則として消去しますが、売り手の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分は消去しません。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売上原価 | 15万円 | 商品 | 15万円 |
| 非支配株主持分 | 3万円 | 非支配株主に帰属する当期純利益 | 3万円 |
試験に出る
- 内部取引では、未実現利益を消去して連結上の利益を調整します。
- アップストリームは子会社が売り手で、非支配株主に帰属する利益も調整します。
- ダウンストリーム(親会社が売り手)では、消去した未実現利益を全額親会社持分で負担します。
- 在庫を持つ会社と利益を計上した会社を混同しないよう、発生元を追います。
- 消去する内部利益は、期末在庫に残る分を基準に計算します。
- 未実現利益の消去に係る税効果は繰延法で、売り手の税率を用います。
- 未実現損失は、売り手の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分を消去しません。
重要な言葉
- 成果連結
- 親子会社間の内部取引と未実現利益を消去する手続き。
- アップストリーム
- 子会社から親会社への販売方向。
- ダウンストリーム
- 親会社から子会社への販売方向。
- 繰延法
- 未実現利益の消去で、売り手が売却年度に負担した税額を繰り延べる税効果の方法。後の税率変更では見直さない。
確認問題
確かめようこの例で非支配分の調整対象は?
15万円×20%=3万円です。
アップストリームでは、未実現利益の消去に伴い非支配株主に帰属する利益も調整する。
内部取引の未実現利益は、外部への販売が済んでいても消去する。
ダウンストリームで消去した未実現利益は、親会社と非支配株主の持分割合で按分して負担させる。
子会社が原価60万円の商品を親会社へ75万円で販売し、全量が親会社の期末在庫に残るとき、消去する未実現利益は?
子会社が売り手の場合の呼び方は?
アップストリームで未実現利益15万円を消去し、税率30%、非支配株主の持分割合20%のとき、非支配株主に負担させる額は?
子会社が親会社へ利益を付けて売った場合、未実現利益の消去は子会社の利益にも関係します。を確認しましょう。
子会社が原価60万円の商品を親会社へ75万円で売り、全量が期末に残るなら、未実現利益15万円を消去します。親会社持分80%なら、非支配株主に負担させる額はです。
アップストリームでは子会社で計上した利益を消すため、非支配株主に帰属する当期純利益も調整します。親会社が売り手のでは、全額を親会社持分で負担します。
在庫を持つ会社と利益を計上した会社を混同しないようにします。負担割合は利益のである売り手で決まります。
持分法
持分法とは、投資先の損益と純資産変動を、持分に応じて投資勘定へ反映する方法です。

支配まではしていなくても、重要な影響を与える投資先の成果を投資額へ反映する場合があります。それが持分法の基本です。
| 論点 | 連結上の判断 |
|---|---|
| 子会社 | 資産負債・収益費用を全額連結 |
| 関連会社 | 一行の投資勘定へ持分損益を反映 |
| 配当 | 持分法投資の帳簿価額を減額 |
| 未実現利益 | 方向を問わず持分相当額を消去(非連結子会社への販売は全額) |
| 表示 | 持分法による投資損益を営業外損益に一括表示 |
基本の仕組み

関連会社持分30%、当期純利益100万円、他の調整なしなら投資利益30万円を計上し、投資勘定を30万円増やします。投資先が20万円を配当すれば、受取配当金6万円を投資額の減少に振り替えます。
持分法は投資先の資産負債を一つずつ合算せず、持分に対応する損益と純資産変動を投資勘定へ反映します。投資差額(のれん相当額)の償却や評価差額などの調整も必要です。
利益持分を計上した後、受取配当を同じ成果として二重に利益計上しないようにします。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 投資有価証券 | 30万円 | 持分法による投資損益 | 30万円 |
| 受取配当金 | 6万円 | 投資有価証券 | 6万円 |
関連会社は一行で成果を取り込む

持分法では投資先の資産負債を一項目ずつ合算せず、取得時の投資差額、投資先利益の持分、配当、未実現利益などを投資勘定へ反映します。連結子会社の全額合算と混同しません。
重要な影響は、議決権の20%以上を所有すれば原則として認められ、15%以上20%未満でも役員の派遣や重要な融資・技術提供・取引などの事実があれば認められます。重要性が乏しい会社は持分法を適用しないことができるため、問題の範囲指定を読みます。
関連会社との売買で未実現利益が残る場合は、取引の方向を問わず投資会社の持分相当額を消去します(非連結子会社への販売は全額消去)。受取配当を持分利益と別の収益として二重に数えません。
試験に出る
- 持分法は、非連結子会社と関連会社に対する投資に適用します。
- 投資利益は、投資先の当期利益に持分比率を掛けて計上します。
- 配当の受取りは、投資利益と二重計上せず投資勘定を減らします。
- 持分法では投資先の資産負債を合算せず、投資勘定で純資産変動を反映します。
- 投資差額(のれん相当額)は償却し、持分法による投資損益に含めます。
- 関連会社の資産・負債は、投資会社の持分に相当する部分だけを時価評価します(部分時価評価法)。
- 持分法による投資損益は、営業外収益または営業外費用に一括して表示します。
重要な言葉
- 持分法
- 投資先の損益と純資産変動を持分に応じて投資勘定へ反映する方法。
- 関連会社
- 子会社以外で、出資・人事・資金・技術・取引等の関係を通じて財務及び営業又は事業の方針決定に重要な影響を与えられる会社。
- 持分法による投資利益
- 持分法で、投資先の当期純利益のうち投資会社の持分に応じて計上する利益。
- 投資差額
- 持分法適用時の投資額と、時価評価後の投資先資本の持分相当額との差額。のれん相当額として償却する。
確認問題
確かめよう30%持分で投資先利益100万円なら、基本の持分利益は?
30万円です。
持分法では、投資先の資産・負債を一つずつ連結に合算する。
持分法で配当を受け取ると、投資勘定は減る方向に動く。
議決権の所有割合が20%未満の会社は、関連会社になることはない。
関連会社持分30%、投資先利益100万円のときの投資利益は?
持分法が適用される投資先として正しいものは?
時価評価後の資本400万円の会社の株式20%を100万円で取得し、関連会社とした。投資差額(のれん相当額)は?
支配まではしていなくても、重要な影響を与える投資先の成果を投資額へ反映する場合があります。それがの基本です。
関連会社持分30%、当期純利益100万円、他の調整なしなら投資利益30万円を計上し、投資勘定を30万円増やします。投資先が20万円を配当すれば、受取配当金6万円をの減少に振り替えます。
持分法は投資先の資産負債を一つずつ合算せず、持分に対応する損益と純資産変動をへ反映します。投資差額(のれん相当額)の償却や評価差額などの調整も必要です。
利益持分を計上した後、受取配当を同じ成果としてに利益計上しないようにします。
企業結合
企業結合とは、ある企業(又は企業を構成する事業)と他の企業(又は事業)とが、1つの報告単位に統合されることです。

会社の買収価格には、識別できる資産負債だけでは説明できない価値が含まれることがあります。何を取得したかを、識別可能な資産・負債とのれんに分けて測ります。
| 論点 | 連結上の判断 |
|---|---|
| 取得日 | 識別可能純資産を評価 |
| 段階取得 | 支配獲得日と既保有持分を確認 |
| 共通支配下 | 外部取得と処理を区別 |
| 支配維持・喪失 | 支配継続は資本剰余金、支配喪失は売却損益 |
| のれん | 20年以内で償却し、販管費に表示 |
| 負ののれん | 識別・配分を見直した後、特別利益 |
| 取得関連費用 | 発生した事業年度の費用 |
基本の仕組み

取得対価300万円、識別可能純資産の時価250万円という単純な取得なら、差50万円がのれんです。
取得法では取得企業と取得日を決め、取得原価を識別可能資産負債へ配分し、差額をのれん等として整理します。共通支配下取引などは性質が異なります。
買収対価の全額をのれんとしないようにします。まず個別に認識できる資産・負債の評価を行います。
取得法と支配の変化

取得法では取得企業・取得日・対価を決め、識別可能な資産負債の時価を測り、のれんまたは負ののれん発生益を求めます。段階取得では、既保有持分を支配獲得日の時価で評価し直し、差額を段階取得に係る損益とします。共通支配下の取引は帳簿価額で引き継ぎます。
第173回問題の顧客関連資産と企業結合に係る特定勘定は、対価と取得時純資産の差額をすべてのれんに押し込めないことを示します。取得関連費用は発生時の費用、取得時に見込んだ再編費用は特定勘定の取崩し、というように発生時点と性質を分けます。
支配を維持したままの追加取得・一部売却は資本剰余金で、支配の喪失は損益で処理します。持分法から連結、連結から持分法への移行は、支配・影響力が変わった日を境に区切ります。
のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたり定額法その他合理的な方法で償却し、販売費及び一般管理費に表示します。取得原価の配分が完了しない場合は暫定的に処理し、取得日から1年以内に確定させます。
試験に出る
- 取得法では、取得企業と取得日を決めて処理します。
- のれんは取得原価と識別可能純資産の時価との差額で、20年以内に定額法その他合理的な方法で償却します。
- 買収対価の全額をのれんとせず、まず識別可能な資産負債を評価します。
- 共通支配下の取引では、移転する資産・負債を原則として帳簿価額で引き継ぎます。
- 取得原価は、識別可能な資産負債へ配分して整理します。
- 負ののれんは、識別と配分を見直してもなお生じる額を負ののれん発生益(特別利益)とします。
- 取得関連費用は取得原価に含めず、発生した事業年度の費用とします。
重要な言葉
- 企業結合
- 企業又は事業が他の企業又は事業と1つの報告単位に統合されること。取得のほか共同支配企業の形成や共通支配下の取引を含む。
- 取得法
- 取得企業・取得日を決め、取得原価を資産負債へ配分する方法。
- のれん
- 取得原価が、受け入れた資産と引き受けた負債に配分された純額を上回る超過額。
- 共通支配下取引
- 結合当事企業のすべてが、結合の前後で同一の株主に最終的に支配され、その支配が一時的でない企業結合。
- 負ののれん発生益
- 取得原価が配分された純額を下回る不足額。識別と配分を見直してもなお残る額を特別利益とする。
- 取得関連費用
- 外部のアドバイザー等に支払った報酬・手数料など、企業結合のために要した費用。発生した事業年度の費用とする。
確認問題
確かめよう取得対価300−識別可能純資産250の差は?
50万円ののれんです。
取得法では、まず識別可能な資産・負債を評価し、差額をのれん等とする。
共通支配下取引も、通常の企業結合とまったく同じ処理をする。
企業結合の取得関連費用は、取得原価に含めてのれんの一部とする。
100%取得で、取得対価300万円、識別可能純資産の時価250万円のときののれんは?
取得法で、のれんを算定する前に行うことは?
負ののれん発生益は連結損益計算書のどこに表示するか。
会社の買収価格には、識別できる資産負債だけでは説明できない価値が含まれることがあります。何を取得したかを、識別可能な資産・負債とに分けて測ります。
取得対価300万円、識別可能純資産の時価250万円という単純な取得なら、差50万円がです。
取得法では取得企業と取得日を決め、取得原価を識別可能資産負債へ配分し、差額をのれん等として整理します。などは性質が異なります。
買収対価の全額をのれんとしないようにします。まず個別に認識できるの評価を行います。
覚えるポイント
- 資本連結:子会社の資産・負債は支配獲得日の時価で全面的に評価し、税効果控除後の評価差額を含めた資本と取得原価を相殺します。差額がのれんです。
- 非支配株主持分:非支配株主持分は取得時の持分に、取得後利益・配当などの変動を加減します。内部利益や評価差額の調整があれば調整後の子会社損益を用います。
- 成果連結(内部取引・未実現利益の消去):アップストリームでは消去額を非支配株主にも負担させ、ダウンストリームでは全額を親会社持分で負担します。税効果は繰延法です。
- 持分法:持分法は投資先の資産負債を一つずつ合算せず、持分に対応する損益と純資産変動を投資勘定へ反映します。投資差額(のれん相当額)の償却や評価差額などの調整も必要です。
- 企業結合:取得法では取得企業と取得日を決め、取得原価を識別可能資産負債へ配分し、差額をのれん(20年以内で償却)または負ののれん発生益とします。共通支配下の取引は帳簿価額で引き継ぎます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 日本商工会議所:簿記検定 ↗
- 出題区分表 ↗
- 日本商工会議所:1級過去問題(第158回〜) ↗
- 企業会計基準委員会:企業会計基準・適用指針 ↗
- 日本商工会議所:第173回1級商業簿記・会計学問題 ↗
- 日本商工会議所:第173回1級出題の意図・講評 ↗
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