測定器の使い分けとは
測定器の使い分けとは、何を知りたいかを先に決め、電流・電圧・絶縁・接地など測定対象に合った測定器を選ぶことです。

測定器を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。電流、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。
| 測定器 | 測る量・用途 |
|---|---|
| 回路計(テスタ) | 電圧・抵抗・導通(導通試験) |
| クランプ形電流計 | 負荷電流(導体1本をはさむ) |
| クランプ形漏れ電流計 | 漏れ電流(往復の全導体を一括してはさむ) |
| 電力計/電力量計 | 電力W/電力量kWh |
| 検相器 | 三相の相順(相回転) |
| 絶縁抵抗計/接地抵抗計 | 電路の絶縁(MΩ)/接地極の抵抗(Ω) |
| 低圧検電器 | 電圧の有無 |
| 動作原理 | 使える回路 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 可動コイル形 | 直流 | 直流の電流計・電圧計 |
| 可動鉄片形 | 交流 | 商用周波数の電流計・電圧計 |
| 整流形 | 交流 | 回路計の交流レンジ |
| 誘導形 | 交流 | 電力量計 |
| 電流力計形 | 交直両用 | 電力計 |
| 熱電形 | 交直両用 | 高周波を含む電流の測定 |
| 置き方の記号 | 意味 |
|---|---|
| ⊥ | 鉛直に置いて使用 |
| ⊓ | 水平に置いて使用 |
| ∠60°など | 指定した角度に傾けて使用 |
基本の仕組み

外へ電気が漏れにくいかなら絶縁抵抗計、接地極と大地との抵抗なら接地抵抗計です。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。
同じΩの表示でも、接地抵抗は大地へのつながりやすさ、絶縁抵抗は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。
測定器と物理量の対応

回路計(テスタ)は電圧・抵抗・導通を測れ、導通試験に使います。抵抗を測るときは回路を停電させ、0Ω調整をしてから当てます。2026年度上期問題では「電力計と消費電力量の測定」が誤りの組合せでした。
電力計は有効電力W、電力量計は積算の電力量kWhを測ります。誘導形電力量計は計器定数(rev/kWh)と円板の回転数から電力を求められます。検相器は三相の相順、接地抵抗計は接地極と大地の抵抗、絶縁抵抗計は電路の絶縁(MΩ)を測ります。
クランプ形電流計で負荷電流を測るときは1本の導体をはさみます。漏れ電流を測るときは往復の全導体(単相3線式なら中性線を含む3本)を一括してはさみ、打ち消し合わずに残る差を読みます。計器の単位表示とレンジも照合します。
確認

一台で複数機能を持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能と測定レンジを確認します。
試験に出る
- 測定器は名前ではなく「何を知りたいか」から選ぶことを問う問題。
- 漏れにくさは絶縁抵抗計、接地極と大地の抵抗は接地抵抗計と区別します。
- 配線の電流はクランプメータ、電圧の有無は検電器というように用途で選びます。
- 同じΩ表示でも測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べない点に注意します。
- 複数機能の測定器でも、選んだ機能と測定レンジを確認します。
- 回路計(テスタ)は導通試験や電圧・抵抗の測定に使う。電力計は消費電力(W)を測り、消費電力量(kWh)は電力量計で測る。
- 計器の動作原理記号:可動コイル形は直流、可動鉄片形は交流、誘導形は交流の電力量計、電流力計形は交直両用の電力計。
- クランプ形漏れ電流計は往復の全導体(単相3線式は中性線を含む3本)を一括してはさみ、負荷電流は1本だけをはさむ。
- 検相器は三相回路の相順(相回転)を確認する。
重要な言葉
- クランプメータ
- 電線を挟んで電流を測る計器。
- 接地抵抗計
- 接地極と大地との間の抵抗を測る計器。
- 測定レンジ
- 測定器で測れる値の範囲。
- 回路計(テスタ)
- 切り替えて電圧・抵抗・導通などを測る計器。導通試験に使う。
- 検相器
- 三相回路の相順(相回転)を確認する計器。
- 計器定数
- 電力量計で1kWh当たりの円板回転数などを示す値(rev/kWh)。回転数から電力を計算できる。
確認問題
確かめよう接地極の状態確認に絶縁抵抗計を選ぶのは適切?
いいえ。必要なのは接地抵抗の測定機能です。
接地極の状態を調べるには、絶縁抵抗計を使うのが適切である。
同じΩの表示でも、接地抵抗と絶縁抵抗は評価する対象が違う。
可動鉄片形の計器は、主に交流の電流・電圧の測定に使われる。
電力計を使えば、一定期間の消費電力量(kWh)を測定できる。
配線に流れる電流を調べる測定器は?
電圧の有無を確認する測定器は?
単相3線式回路の漏れ電流をクランプ形漏れ電流計で測る方法として正しいものは?
計器定数1200rev/kWhの電力量計の円板が1分間に20回転した。負荷の電力は?
直流回路の測定に用いる計器の動作原理として適切なものは?
を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。
外へ電気が漏れにくいかなら、接地極と大地との抵抗ならです。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。
同じΩの表示でも、は大地へのつながりやすさ、は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。
一台でを持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能とを確認します。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- e-Gov法令検索:電気設備に関する技術基準を定める省令 ↗(第58条(低圧の電路の絶縁性能))
- 経済産業省:電気設備の技術基準の解釈 ↗(第14条(低圧電路の絶縁性能)、第17条(接地工事の種類))
- HIOKI:接地抵抗計と測定方式の説明 ↗
- HIOKI:高圧受電設備の測定と測定器の使い分け ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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