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電気工事士試験 · 学習ガイド

測定器の識別と使い分け

測定器の使い分けとは

測定器の使い分けとは、何を知りたいかを先に決め、電流・電圧・絶縁・接地など測定対象に合った測定器を選ぶことです。

エルくんが測定対象と計器を対応させ、電圧・絶縁抵抗・接地抵抗の測定目的を比較する図。
何を確かめたいかから測定器を選びます。電圧、絶縁抵抗、接地抵抗は、それぞれ測る量も確認する目的も異なります。

測定器を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。電流、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。

測定器の識別と使い分け
測定器測る量・用途
回路計(テスタ)電圧・抵抗・導通(導通試験)
クランプ形電流計負荷電流(導体1本をはさむ)
クランプ形漏れ電流計漏れ電流(往復の全導体を一括してはさむ)
電力計/電力量計電力W/電力量kWh
検相器三相の相順(相回転)
絶縁抵抗計/接地抵抗計電路の絶縁(MΩ)/接地極の抵抗(Ω)
低圧検電器電圧の有無
測定器の識別と使い分け
動作原理使える回路主な用途
可動コイル形直流直流の電流計・電圧計
可動鉄片形交流商用周波数の電流計・電圧計
整流形交流回路計の交流レンジ
誘導形交流電力量計
電流力計形交直両用電力計
熱電形交直両用高周波を含む電流の測定
測定器の識別と使い分け
置き方の記号意味
⊥鉛直に置いて使用
⊓水平に置いて使用
∠60°など指定した角度に傾けて使用

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央のエルくんを挟んで左右に仕切り、左は「絶縁抵抗計」から「電気の漏れにくさ」へ、右は「接地抵抗計」から「接地極と大地の抵抗」へ矢印で結ぶ。両計器には同じ「Ω」を表示し、対象の違いを際立たせる。
覚えること:同じΩでも測定方式と対象で選ぶ

外へ電気が漏れにくいかなら絶縁抵抗計、接地極と大地との抵抗なら接地抵抗計です。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。

同じΩの表示でも、接地抵抗は大地へのつながりやすさ、絶縁抵抗は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。

測定器と物理量の対応

測定器と物理量の対応の図解。中央に単相3線式の導体3本を平行に描き、中央の1本を中性線とする。3本全体を囲む実線枠を「漏れ電流」、上の1本だけを囲む点線枠を「負荷電流」とし、エルくんが実線枠の位置で3本を一括してはさむ。
覚えること:漏れ電流は往復全導体を一括

回路計(テスタ)は電圧・抵抗・導通を測れ、導通試験に使います。抵抗を測るときは回路を停電させ、0Ω調整をしてから当てます。2026年度上期問題では「電力計と消費電力量の測定」が誤りの組合せでした。

電力計は有効電力W、電力量計は積算の電力量kWhを測ります。誘導形電力量計は計器定数(rev/kWh)と円板の回転数から電力を求められます。検相器は三相の相順、接地抵抗計は接地極と大地の抵抗、絶縁抵抗計は電路の絶縁(MΩ)を測ります。

クランプ形電流計で負荷電流を測るときは1本の導体をはさみます。漏れ電流を測るときは往復の全導体(単相3線式なら中性線を含む3本)を一括してはさみ、打ち消し合わずに残る差を読みます。計器の単位表示とレンジも照合します。

確認

確認の図解。中央に測定器を1台大きく描き、型名から選んだ機能・測定レンジへ確認の矢印を伸ばす。機能とレンジを同じ枠で強調し、外観だけで判断する流れには×印を付ける。
覚えること:型名に加え機能とレンジも確認

一台で複数機能を持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能と測定レンジを確認します。

試験に出る

  • 測定器は名前ではなく「何を知りたいか」から選ぶことを問う問題。
  • 漏れにくさは絶縁抵抗計、接地極と大地の抵抗は接地抵抗計と区別します。
  • 配線の電流はクランプメータ、電圧の有無は検電器というように用途で選びます。
  • 同じΩ表示でも測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べない点に注意します。
  • 複数機能の測定器でも、選んだ機能と測定レンジを確認します。
  • 回路計(テスタ)は導通試験や電圧・抵抗の測定に使う。電力計は消費電力(W)を測り、消費電力量(kWh)は電力量計で測る。
  • 計器の動作原理記号:可動コイル形は直流、可動鉄片形は交流、誘導形は交流の電力量計、電流力計形は交直両用の電力計。
  • クランプ形漏れ電流計は往復の全導体(単相3線式は中性線を含む3本)を一括してはさみ、負荷電流は1本だけをはさむ。
  • 検相器は三相回路の相順(相回転)を確認する。

重要な言葉

クランプメータ
電線を挟んで電流を測る計器。
接地抵抗計
接地極と大地との間の抵抗を測る計器。
測定レンジ
測定器で測れる値の範囲。
回路計(テスタ)
切り替えて電圧・抵抗・導通などを測る計器。導通試験に使う。
検相器
三相回路の相順(相回転)を確認する計器。
計器定数
電力量計で1kWh当たりの円板回転数などを示す値(rev/kWh)。回転数から電力を計算できる。

確認問題

確かめよう接地極の状態確認に絶縁抵抗計を選ぶのは適切?

いいえ。必要なのは接地抵抗の測定機能です。

接地極の状態を調べるには、絶縁抵抗計を使うのが適切である。

同じΩの表示でも、接地抵抗と絶縁抵抗は評価する対象が違う。

可動鉄片形の計器は、主に交流の電流・電圧の測定に使われる。

電力計を使えば、一定期間の消費電力量(kWh)を測定できる。

配線に流れる電流を調べる測定器は?

電圧の有無を確認する測定器は?

単相3線式回路の漏れ電流をクランプ形漏れ電流計で測る方法として正しいものは?

計器定数1200rev/kWhの電力量計の円板が1分間に20回転した。負荷の電力は?

直流回路の測定に用いる計器の動作原理として適切なものは?

を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。

外へ電気が漏れにくいかなら、接地極と大地との抵抗ならです。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。

同じΩの表示でも、は大地へのつながりやすさ、は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。

一台でを持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能とを確認します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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