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電気工事士試験 · 学習ガイド

電気理論

電圧・電流・抵抗の関係から、交流と三相、電線での電圧降下までを小さな計算例でつなぎます。式の暗記に加え、答えが増えるか減るかも説明できるようにします。

仕組みを理解する

直流回路の基礎

直流回路とは、電圧と電流の向きが一定で、オームの法則 V=IR がそのまま成り立つ回路です。直列と並列で合成抵抗の求め方が変わります。

同じ電圧で、流れ道の狭さを変える水路模型を操作し、抵抗の大小と電流の大小を比べる図。
電圧が同じなら、抵抗が小さいほど電流は大きくなります。矢印の太さは電流の大小を表しています。

同じ電源につないでも器具によって電流が違うのは、電流の流れにくさが異なるためです。電圧V、電流I、抵抗Rの関係をV=IRで表します。まず回路を一つの抵抗に置き換えると、複雑な図も整理できます。

直流回路の基礎
区分式・判断
直列電流が共通、抵抗は和
並列電圧が共通、2枝は積÷和
導線の長さ2倍なら抵抗も2倍
導線の直径2倍なら断面積4倍、抵抗1/4
短絡された抵抗電流が流れないので除いて考える
温度金属導体は温度上昇で抵抗が増える

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に12V電源と3Ωの抵抗2本を並列につないだ一つの回路を描く。電源からの線が上下の枝に分かれ、各抵抗を通って再び合流する向きに矢印を置き、合流後に全体の電流8Aを示す。
覚えること:12Vに3Ω2本を並列→全体8A

12Vの電源に3Ωと3Ωを直列接続した計算例では、合成抵抗は6Ω、電流は12÷6=2Aです。並列なら合成抵抗は1.5Ωとなり、電源から流れる電流は8Aになります。

直列は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。並列は両端の電圧が同じで、枝の電流を足すと全体の電流になります。この「何が同じか」を先に図へ書き込みます。

回路の読み方と電線の抵抗

回路の読み方と電線の抵抗の図解。上に元の丸線、下に同材質で長さ・直径が各2倍の丸線を並べ、長さは横向きの矢印、直径は端面の縦向きの矢印で比較する。端面には断面積が4倍になることを示し、下部の結論へつなぐ。
覚えること:同材質で長さ・直径2倍なら抵抗は半分

直列は抵抗を加算し、並列2枝は積を和で割ります。同じ両端につながる部分だけを並列とし、両端が導線で結ばれた抵抗は短絡として除きます。複合回路は小さいまとまりから置換します。試験センターの例題1-①は、3Ω2個の並列(1.5Ω)と3Ω2個の直列(6Ω)をさらに並列にした1.2Ωを問います。

導体の抵抗はR=ρL/Aです。同材質なら長さLに比例し、断面積Aに反比例します。丸線の面積はA=πd²/4なので、直径を2倍にすると面積は4倍、同じ長さの抵抗は1/4です。抵抗率ρは材質で決まり、金属導体の抵抗は温度が上がると大きくなります。

例えば同材質で長さを2倍・直径を2倍にした導線の抵抗は元の1/2です。長さだけで比較したり、直径を面積として扱ったりしません。

確認

確認の図解。中央に左右の接点を結ぶ上下2本の抵抗枝を描き、エルくんが下の枝の抵抗を両手でつないで、電流の通り道が増える様子を示す。右側に「合成抵抗 < 最小の枝の抵抗」を置き、下部の「覚えること」と細線で仕切る。
覚えること:並列の合成抵抗は最小の枝の抵抗より小

並列抵抗をそのまま足すのは誤りです。電流の通り道が増えるため、並列の合成抵抗は最も小さい枝の抵抗よりも小さくなります。計算結果の大小も確認しましょう。

試験に出る

  • オームの法則 V=IR を使い、電圧・電流・抵抗のどれを求めるかを整理する計算問題。
  • 直列は電流が共通、並列は電圧が共通という「何が同じか」を問う正誤問題。
  • 直列の合成抵抗は足し算、並列は逆数の足し算で求める計算問題。
  • 並列の合成抵抗が最も小さい枝の抵抗より小さくなる、という大小関係の確認。
  • A・Ω・V の単位と桁をそろえて計算する小問。
  • 両端が導線で結ばれた(短絡された)抵抗を除いてから合成する問題(2026年上期問1)。
  • R=ρL/(πd²/4)を使い、長さと直径が違う導線の抵抗を比べる問題。抵抗は直径の2乗に反比例する。
  • 金属導体の抵抗は温度が上がると大きくなり、銅はアルミより抵抗率が小さいことを問う正誤問題。

重要な言葉

オームの法則
電圧V・電流I・抵抗Rの間に V=IR が成り立つ関係。
合成抵抗
複数の抵抗を一つの抵抗に置き換えたときの抵抗値。
直列回路
電流の通り道が分かれず、各抵抗に同じ電流が流れる回路。
並列回路
各枝の両端電圧が同じで、枝の電流を足すと全体になる回路。

確認問題

確かめよう6Ωを二つ並列にすると合成抵抗は?

3Ω。同じ抵抗二つなら半分になり、12Vなら全電流は4Aです。

並列回路の合成抵抗は、枝のうち最も小さい抵抗より小さくなる。

直列回路では、各抵抗の両端電圧が常に等しい。

12Vの電源に3Ωと3Ωを並列接続したとき、電源から流れる全電流は?

6Ωを二つ並列にしたときの合成抵抗は?

直径2.6mm・長さ20mの銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は?

同じ電源につないでも器具によって電流が違うのは、電流の流れにくさが異なるためです。電圧V、電流I、Rの関係をで表します。まず回路を一つの抵抗に置き換えると、複雑な図も整理できます。

12Vの電源に3Ωと3Ωを直列接続した計算例では、合成抵抗は、電流は12÷6=2Aです。並列なら合成抵抗はとなり、電源から流れる電流は8Aになります。

は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。は両端の電圧が同じで、枝の電流を足すと全体の電流になります。この「何が同じか」を先に図へ書き込みます。

並列抵抗をそのまま足すのは誤りです。電流の通り道が増えるため、並列のは最も小さい枝の抵抗よりも小さくなります。計算結果の大小も確認しましょう。

電力と電力量

電力量とは、消費電力と使用時間を掛けて表す、実際に使った電気エネルギーの量です。電力が使う速さなら、電力量は使った量です。

同じ電力のブロックを時間方向に並べ、短時間と長時間の電力量をエルくんが比較する図。
電力はエネルギーを使う速さ、電力量は使った量です。同じ電力なら、使う時間が長いほど電力量が増えます。

電気料金に関わるのは、器具が何Wかだけでなく何時間使ったかです。電力はエネルギーを使う速さ、電力量は一定時間に使った量として区別します。

電力と電力量
区分式・判断
抵抗の消費電力P=VI=I²R=V²/R
電力量E=Pt、1kWh=3.6×10⁶J
皮相電力S=VI[VA]
有効電力P=VIcosφ[W]
発熱量H=I²Rt[J]、1kWh=3600kJ
水の加熱必要熱量[kJ]=4.2×質量[kg]×温度上昇[K]÷熱効率

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に800Wのヒーター、中央に使用時間2h、右に電力量1.6kWhを横並びに置き、右向きの矢印でつなぐ。矢印の下に「0.8kW×2h=1.6kWh」を大きく示す。
覚えること:800Wのヒーター2時間で1.6kWh

消費電力800Wのヒーターを2時間使う例では、0.8kW×2h=1.6kWhです。800Wをそのまま2倍した1600という数字には、Whという単位が必要です。

直流または純抵抗負荷ではP=VI=I²Rです。発熱量H=Pt[J]では時間tを秒で表し、電力量[Wh]では時間で表します。1Whは3600Jです。

電力・電力量・熱量の単位

電力・電力量・熱量の単位の図解。左に100V・10Aの抵抗負荷と30分のタイマー、中央に電力1kW、右に電力量0.5kWhを置き、矢印で計算の順につなぐ。さらに右へ換算の矢印を伸ばし、1.8×10⁶Jを示す。
覚えること:kWhはkW×時間、JはW×秒

抵抗負荷ならP=VI=I²R=V²/Rです。回路全体と特定の抵抗のどちらの電力かを分けます。直列では同じIを使うのでI²R、並列では同じVを使うのでV²/Rが便利です。電線損失もI²Rで求め、抵抗が一定なら電流が2倍で損失は4倍になります。

電力量E=Pt。1kWh=1000Wh=3.6×10⁶Jです。熱量のJには秒、料金などに用いるkWhには時間を使います。例えば100V・10Aの抵抗負荷を30分使うとP=1kW、E=0.5kWh=1.8×10⁶Jです。

交流では皮相電力S=VI[VA]、有効電力P=VIcosφ[W]、無効電力Q=VIsinφ[var]を区別します。純抵抗なら力率1でP=VIですが、コイルやコンデンサがある負荷ではそうとは限りません。

確認

確認の図解。左に交流負荷と「電圧×電流」、右に「有効電力」を置き、間の矢印を「力率の条件」ゲートで区切る。電圧×電流から有効電力へ直結する矢印は描かない。
覚えること:交流負荷は力率の条件を確認

kWとkWhは置き換えられません。また交流負荷では電圧×電流がそのまま有効電力になるとは限らず、力率の条件を確認します。

試験に出る

  • 電力(W・kW)と電力量(Wh・kWh)の違いを問う正誤問題。
  • P=VI=I²R を使い、消費電力を求める計算問題。
  • 秒で表した熱量(J)と時で表した電力量(Wh)の換算。1Wh=3600J。
  • 交流負荷では力率を考え、電圧×電流をそのまま有効電力としないこと。
  • 800W→0.8kW、30分→0.5時間などの単位換算を含む計算。
  • 水の温度上昇に必要な電力量を、4.2kJ/(kg·K)と1kWh=3600kJで求める計算問題(60kgを20K上げると1.4kWh)。
  • 接続点の接触抵抗で生じる発熱量をI²Rtで求める問題(0.2Ω・10A・1時間で72kJ)。
  • R=V/I=V²/P=P/I²のうち、抵抗を表さない式(PI/Vなど)を選ぶ問題。

重要な言葉

消費電力
器具が単位時間に使う電気エネルギーの割合。単位はW。
電力量
消費電力と使用時間の積。単位はWhやkWh。
ジュール熱
抵抗に電流が流れて発生する熱。発熱量はH=I²Rt[J](tは秒)で、1kWhは3600kJ。
力率
交流で見かけの電力に対する有効電力の割合。

確認問題

確かめよう500Wを30分使った電力量は?

0.25kWh。30分を0.5時間、500Wを0.5kWへ直して掛けます。

800Wの器具を2時間使った電力量は1.6kWhである。

kWとkWhは同じ意味で置き換えられる。

800Wの器具を2時間使った電力量は?

1Whは何J?

消費電力300Wの電熱器を2時間使用したときの発熱量[kJ]は?

電気料金に関わるのは、器具が何Wかだけでなく何時間使ったかです。はエネルギーを使う速さ、は一定時間に使った量として区別します。

消費電力800Wのヒーターを2時間使う例では、0.8kW×2h=です。800Wをそのまま2倍した1600という数字には、という単位が必要です。

直流または純抵抗負荷ではです。発熱量H=Pt[J]では時間tを秒で表し、電力量[Wh]では時間で表します。1Whはです。

とkWhは置き換えられません。また交流負荷では電圧×電流がそのまま有効電力になるとは限らず、の条件を確認します。

交流回路の基礎

実効値とは、交流と同じ発熱効果をもつ直流の値で、家庭の100Vなどはこの値で表します。最大値は実効値の√2倍です。

正弦波交流と一定の直流による発熱を天秤で比較し、実効値の意味を示す図。
実効値は、同じ抵抗に同じ時間だけ流した直流と発熱の効果を比べる値です。交流の最大値とは区別します。

家庭の交流は電圧の向きと大きさが時間とともに変化します。それでも「100V」と一つの値で表せるのは、発熱効果を同じにする直流の値、実効値を使うためです。

交流回路の基礎
区分式・判断
純抵抗電圧と電流が同相、力率1
コイルXL=2πfL、電流が遅れる
コンデンサXC=1/(2πfC)、電流が進む
RLC直列Z=√{R²+(XL−XC)²}
RとXの並列I=√(IR²+IX²)、力率=IR/I
消費電力有効電力はRだけで消費、P=I²R
進相コンデンサ負荷に並列に接続して遅れ電流を打ち消し、電源側の電流を減らす

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に抵抗Rとコイルを横一列に置き、間をつないだ直列回路を描く。コイルには誘導性リアクタンスXを添え、回路全体から下向きの矢印でインピーダンスの大きさ√(R²+X²)へつなぐ。
覚えること:Rと誘導性Xの直列は√(R²+X²)

正弦波交流の実効値が100Vなら最大値は100√2V、約141Vです。50Hzは1秒間に50回繰り返す意味で、一周期は1÷50=0.02秒になります。

交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。それを合わせたものがインピーダンスです。直列のRと誘導性リアクタンスXだけなら、大きさは√(R²+X²)で求めます。

正弦波とR・L・Cの違い

正弦波とR・L・Cの違いの図解。左に周波数を上げる操作、右に横線で仕切ったR・L・Cの3段を配置する。左から各段へ矢印を伸ばし、Rの抵抗値は変わらず、XLは増え、XCは減ることを示す。
覚えること:周波数↑でR一定・XL↑・XC↓

正弦波では実効値=最大値/√2です。周期T=1/fで、50Hzは0.02秒、60Hzは約0.0167秒です。この最大値と実効値の関係は正弦波を前提とします。周波数が上がっても抵抗Rだけの回路の抵抗値は変わりません。

コイルの誘導性リアクタンスXL=2πfLは周波数とともに大きくなり、電流は電圧より遅れます。コンデンサの容量性リアクタンスXC=1/(2πfC)は周波数とともに小さくなり、電流は電圧より進みます。R、L、Cの直列では合成リアクタンスX=XL−XC、Z=√(R²+X²)です。

例えばR=3Ω、XL=6Ω、XC=2ΩならX=4Ω、Z=5Ω。電源実効値100Vなら電流20A、力率R/Z=0.6です。XLとXCを足してからRと単純加算することはできません。

確認

確認の図解。左のRとXから、中央の電圧・電流の波形テープを経て、右の「合成」へ矢印をつなぐ。テープは時間方向にずらして配置し、ずれの向きや量は示さない。
覚えること:RとXは電圧・電流のずれを含め合成

実効値を波形の最大値と混同したり、RとXを単純に足したりしないようにします。両者は電圧と電流の時間的なずれを含めて合成するからです。

試験に出る

  • 実効値と最大値の関係(最大値=実効値×√2)を問う計算問題。
  • 周波数と周期の関係(周期=1/周波数)を問う問題。
  • インピーダンスを√(R²+X²)で求める計算問題。
  • RとXを単純に足せない理由(時間的なずれ)を問う正誤問題。
  • 実効値100Vの最大値が約141Vになることの確認。
  • コイルだけの回路では電流が電圧より90°遅れ、コンデンサだけでは90°進むことを波形で問う問題。
  • RX直列回路で抵抗の電圧VRと電源電圧Vから力率VR/Vを求める問題(90V÷102V≒88%)。
  • 負荷に並列の進相コンデンサで力率を100%にすると、電源側の電流が減る(零にはならない)ことを問う問題。

重要な言葉

実効値
交流と同じ発熱効果をもつ直流の値。
周波数
1秒間に繰り返す波の回数。単位はHz。
インピーダンス
交流回路で電流の流れにくさを表す量。
リアクタンス
コイルやコンデンサによる電流の流れにくさ。

確認問題

確かめようR=3Ω、X=4Ωならインピーダンスの大きさは?

5Ω。3+4=7Ωではなく、直角三角形の関係で考えます。

実効値100Vの正弦波交流の最大値は約141Vである。

インピーダンスはRとXをそのまま足した値である。

実効値100Vの正弦波交流の最大値は?

R=3Ω、X=4Ωの直列回路のインピーダンスの大きさは?

家庭の交流は電圧の向きと大きさが時間とともに変化します。それでも「」と一つの値で表せるのは、発熱効果を同じにする直流の値、を使うためです。

正弦波交流の実効値が100Vなら最大値は100√2V、約です。は1秒間に50回繰り返す意味で、一周期は1÷50=0.02秒になります。

交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。それを合わせたものがです。直列のRと誘導性リアクタンスXだけなら、大きさはで求めます。

実効値を波形のと混同したり、RとXを単純に足したりしないようにします。両者は電圧と電流の時間的なずれを含めてするからです。

三相交流

三相交流とは、大きさと周波数が同じ三つの交流の位相を120度ずつずらして組み合わせた電源で、大きな電力を送るのに向いています。

エルくんが説明する三相交流。等しい長さの3本の矢印が同じ中心から120度ずつ離れ、位相差とモーターの回転を対応させた図。
考え方の例:三相交流は同じ周波数の三つの交流が120度ずつ位相をずらして組み合わされます。ここでは三つの位相の関係を、同じ中心から伸びる等しい長さの矢印で表しています。

モーターへ大きな電力を送る場面では三相交流が使われます。大きさと周波数が同じ三つの交流を、位相を120度ずつずらして組み合わせたものです。

三相交流
区分式・判断
Y結線線間電圧=√3×相電圧/線電流=相電流
Δ結線線間電圧=相電圧/線電流=√3×相電流
平衡三相電力P=√3×線間電圧×線電流×力率
抵抗負荷の電力P=3×相電流²×R(各相の電力の3倍)
同じ抵抗のY→Δ消費電力は3倍
Y結線の1相断線残る2相が線間電圧に直列、各相は線間電圧の1/2
Δ結線の1線断線1相は線間電圧のまま、2相は直列、全電力は1/2

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の線間電圧200V・線電流10Aと上の力率0.8から、中央の式「P=√3VIcosφ」へ矢印を向ける。式の右に「√3×200×10×0.8≒2771W」から「約2.77kW」への矢印を置き、下部の「覚えること」は仕切り線で分ける。
覚えること:平衡三相P=√3×線間V×線I×力率

平衡三相負荷で線間電圧200V、線電流10A、力率0.8なら、有効電力は√3×200×10×0.8≒2771W、約2.77kWです。図の電圧と電流が「線」の値かを先に読みます。

平衡三相全体の有効電力はP=√3VIcosφです。三つの相の電力を合計した式なので、これにさらに3を掛ける必要はありません。

Y結線とΔ結線

Y結線とΔ結線の図解。1枚の図面を縦線で左右に分け、左に平衡Y結線、右に平衡Δ結線の配線図を置く。各図で「相」は負荷の一枝、「線」は外部の3本を示し、Yは相電圧→線間電圧、Δは相電流→線電流の矢印に√3を添える。
覚えること:平衡時、Yは電圧・Δは電流に√3

平衡Y結線は線間電圧=√3×相電圧、線電流=相電流です。平衡Δ結線は線間電圧=相電圧、線電流=√3×相電流です。「線」は外部3本の線、「相」は各負荷の一枝を指します。試験センターの例題1-③も、Y結線の線間電圧を相電圧に直してから相インピーダンスで割っています。

例えばY結線で線間電圧200V、各相10Ωなら相電圧約115.5V、線電流約11.55Aです。同じ条件のΔ結線なら各相200V、相電流20A、線電流約34.6Aです。結線を見ずに200÷10とするとY結線で誤ります。

平衡三相の有効電力P=√3×線間電圧×線電流×力率はY・Δの両方に使えます。各相の電力を3倍する方法でも一致します。不平衡では相ごとに計算します。

確認

確認の図解。左に不平衡負荷、右に平衡三相の式を置く。左から右への矢印を中央の「条件確認」ゲートで止め、確認せずに式を当てはめられない関係を示す。
覚えること:不平衡に平衡三相式は条件確認が必要

単相のVIcosφと混同しないことが重要です。また不平衡な負荷に、条件を確認せず平衡三相の式を当てはめることはできません。

試験に出る

  • 平衡三相の有効電力 P=√3VIcosφ を使う計算問題。
  • 線間電圧と線電流が「線」の値かを読み取る問題。
  • 三つの相の合計にさらに3を掛けないことの確認。
  • 単相のVIcosφとの混同を狙った正誤問題。
  • 平衡条件が崩れた負荷に同じ式を当てはめられないこと。
  • Y結線の1相の抵抗が断線すると、残る2相が線間電圧に直列となり各相電圧は線間電圧の1/2になる問題(200Vなら約116V→100V)。
  • Δ結線で電源線1本が断線すると、全消費電力が断線前の1/2になる問題(各相30Ω・200Vで4kW→2kW)。
  • 同じ抵抗をΔ結線にするとY結線の3倍の電力を消費することの確認。

重要な言葉

三相交流
位相を120度ずつずらした三つの交流を組み合わせた電源。
線間電圧
電源線同士の間に現れる電圧。
線電流
電源線に流れる電流。
三相電力
平衡三相全体の有効電力で、P=√3VIcosφ。

確認問題

確かめよう他条件が同じで線電流が半分なら電力は?

半分。P=√3VIcosφは線電流Iに比例するからです。

平衡三相の有効電力は三つの相の合計なので、P=√3VIcosφにさらに3を掛ける。

三相交流の三つの位相は120度ずつずれている。

平衡三相の有効電力の式で、線間電圧V・線電流Iとすると?

線間電圧200V、線電流10A、力率0.8の平衡三相の有効電力(約)は?

モーターへ大きな電力を送る場面ではが使われます。大きさと周波数が同じ三つの交流を、位相をずつずらして組み合わせたものです。

平衡三相負荷で200V、線電流10A、力率0.8なら、有効電力は√3×200×10×0.8≒、約2.77kWです。図の電圧と電流が「線」の値かを先に読みます。

平衡三相全体の有効電力はです。三つの相の電力を合計した式なので、これにさらに3を掛ける必要はありません。

のVIcosφと混同しないことが重要です。またな負荷に、条件を確認せず平衡三相の式を当てはめることはできません。

電圧降下

電圧降下とは、電線の抵抗によって電源電圧の一部が失われ、負荷に届く電圧が下がる現象です。抵抗分だけの回路ではIRで表します。

電線で電圧が下がる。電源→長い電線→負荷の横一列。
電線にも抵抗があるため、電流が流れると電源側と負荷側の間に電圧の差が生じます。負荷で必要な電圧を確保できるかという視点で考えます。

長い配線の先で電源と同じ電圧が得られるとは限りません。電線にも抵抗があるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。

電圧降下
区分式・判断(rは電線1本の抵抗、抵抗負荷)
単相2線式電圧降下2Ir、電線損失2I²r
単相3線式(平衡)電圧降下Ir(中性線に電流なし)、電線損失2I²r
三相3線式(平衡)電圧降下√3Ir、電線損失3I²r
負荷電圧送電側電圧−電圧降下
電線抵抗同材質なら長さに比例、断面積に反比例

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に電源100V、右に負荷側96Vを置き、上下2本の電線でつなぐ。各電線に片道0.2Ωを示し、電流10Aの矢印とともに、往復0.4Ωによる電圧降下4Vを中央に示す。
覚えること:往復0.4Ω・10Aで4V降下

単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下は4Vです。電源が100Vなら負荷側は96Vになります。

抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はIRです。電線が長いほど抵抗は増え、断面積が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。

電線抵抗・損失・負荷電圧

電線抵抗・損失・負荷電圧の図解。左に送電側100V、右に負荷側96Vを置き、上下2本の電線でつなぐ。上の往路は右向き、下の復路は左向きに10Aの矢印を描き、各線に0.2Ω、2本をまたぐ括弧に「電圧降下4V」「損失40W」を示す。
覚えること:単相2線の電圧降下は2Ir

電圧降下は電源から負荷までの導体の抵抗による電圧差です。単相2線式では往路と復路の2本を通るため、同じ片道抵抗rならΔV=2Irです。負荷電圧=送電側電圧−ΔVです。電線での電力損失は2I²rになります。

同じ材質・長さで断面積を2倍にすれば電線抵抗と抵抗分の電圧降下は半分です。電流を2倍にすれば電圧降下は2倍、損失は4倍です。実際の交流配線ではリアクタンスや力率も影響し、単相3線式や三相3線式を2線式の往復式に無条件で置き換えません。

例:片道0.2Ω、10Aの単相2線式なら電圧降下4V、電線損失40Wです。100Vの送電側に対し負荷側は96V。電圧降下と損失は単位も計算式も違います。

確認

確認の図解。中央に「回路全体」の枠を置き、枠内の一本の電線だけを強調して「電流×抵抗」を添える。その値から枠全体の「電圧降下」へ向かう矢印を×印で遮り、同一視しないことを示す。
覚えること:電線一本の値を全体の降下にしない

電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、回路全体の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やリアクタンスも条件に入ります。

試験に出る

  • 電圧降下をIRで求める計算問題(往復の抵抗を忘れない)。
  • 片道の抵抗か往復の抵抗かを読み分ける問題。
  • 電線が長い・断面積が大きいと抵抗がどう変わるかの正誤問題。
  • 電流が増えると電圧降下が比例して増えることの確認。
  • 三相や交流ではリアクタンスも条件になること。
  • こう長と1000m当たりの抵抗から往復の電線抵抗を求める問題(こう長10m・5.0Ω/km・15Aなら0.1Ωで1.5V)。
  • 電圧降下を所定値以内にする電線の最小太さを、Ω/kmの表から選ぶ問題。
  • 三相3線式の電圧降下√3Ir・損失3I²rを、単相2線式の2Ir・2I²rと取り違えない問題。

重要な言葉

電圧降下
電線抵抗により負荷側の電圧が下がる現象。
電線抵抗
電線がもつ抵抗。長いほど大きく、断面積が大きいほど小さい。
単相2線式
2本の電線で電力を送る方式。電圧降下は往復で考えます。

確認問題

確かめよう同じ電線で電流が20Aになったら、この例の降下は?

8V。抵抗が同じなら電流に比例します。

単相2線式の電圧降下では、電線が往復することから抵抗を2倍で考える。

電線の断面積が大きくなると、電線抵抗は大きくなる。

片道の電線抵抗0.2Ω、負荷電流10Aの単相2線式の電圧降下は?

電源100Vで電圧降下4Vのとき、負荷側の電圧は?

三相3線式で電線1本の抵抗0.1Ω、線電流20Aの抵抗負荷のとき、線間の電圧降下(約)は?

長い配線の先で電源と同じが得られるとは限りません。電線にもがあるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。

単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下はです。電源が100Vなら負荷側はになります。

抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はです。電線が長いほど抵抗は増え、が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。

電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やも条件に入ります。

覚えるポイント

  • 直列は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。
  • 直流または純抵抗負荷ではP=VI=I²Rです。
  • 交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。
  • 平衡三相全体の有効電力はP=√3VIcosφです。
  • 抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はIRです。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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