電圧・電流・抵抗の関係から、交流と三相、電線での電圧降下までを小さな計算例でつなぎます。式の暗記に加え、答えが増えるか減るかも説明できるようにします。
仕組みを理解する
直流回路の基礎
直流回路とは、電圧と電流の向きが一定で、オームの法則 V=IR がそのまま成り立つ回路です。直列と並列で合成抵抗の求め方が変わります。

同じ電源につないでも器具によって電流が違うのは、電流の流れにくさが異なるためです。電圧V、電流I、抵抗Rの関係をV=IRで表します。まず回路を一つの抵抗に置き換えると、複雑な図も整理できます。
| 区分 | 式・判断 |
|---|---|
| 直列 | 電流が共通、抵抗は和 |
| 並列 | 電圧が共通、2枝は積÷和 |
| 導線の長さ | 2倍なら抵抗も2倍 |
| 導線の直径 | 2倍なら断面積4倍、抵抗1/4 |
| 短絡された抵抗 | 電流が流れないので除いて考える |
| 温度 | 金属導体は温度上昇で抵抗が増える |
基本の仕組み

12Vの電源に3Ωと3Ωを直列接続した計算例では、合成抵抗は6Ω、電流は12÷6=2Aです。並列なら合成抵抗は1.5Ωとなり、電源から流れる電流は8Aになります。
直列は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。並列は両端の電圧が同じで、枝の電流を足すと全体の電流になります。この「何が同じか」を先に図へ書き込みます。
回路の読み方と電線の抵抗

直列は抵抗を加算し、並列2枝は積を和で割ります。同じ両端につながる部分だけを並列とし、両端が導線で結ばれた抵抗は短絡として除きます。複合回路は小さいまとまりから置換します。試験センターの例題1-①は、3Ω2個の並列(1.5Ω)と3Ω2個の直列(6Ω)をさらに並列にした1.2Ωを問います。
導体の抵抗はR=ρL/Aです。同材質なら長さLに比例し、断面積Aに反比例します。丸線の面積はA=πd²/4なので、直径を2倍にすると面積は4倍、同じ長さの抵抗は1/4です。抵抗率ρは材質で決まり、金属導体の抵抗は温度が上がると大きくなります。
例えば同材質で長さを2倍・直径を2倍にした導線の抵抗は元の1/2です。長さだけで比較したり、直径を面積として扱ったりしません。
確認

並列抵抗をそのまま足すのは誤りです。電流の通り道が増えるため、並列の合成抵抗は最も小さい枝の抵抗よりも小さくなります。計算結果の大小も確認しましょう。
試験に出る
- オームの法則 V=IR を使い、電圧・電流・抵抗のどれを求めるかを整理する計算問題。
- 直列は電流が共通、並列は電圧が共通という「何が同じか」を問う正誤問題。
- 直列の合成抵抗は足し算、並列は逆数の足し算で求める計算問題。
- 並列の合成抵抗が最も小さい枝の抵抗より小さくなる、という大小関係の確認。
- A・Ω・V の単位と桁をそろえて計算する小問。
- 両端が導線で結ばれた(短絡された)抵抗を除いてから合成する問題(2026年上期問1)。
- R=ρL/(πd²/4)を使い、長さと直径が違う導線の抵抗を比べる問題。抵抗は直径の2乗に反比例する。
- 金属導体の抵抗は温度が上がると大きくなり、銅はアルミより抵抗率が小さいことを問う正誤問題。
重要な言葉
- オームの法則
- 電圧V・電流I・抵抗Rの間に V=IR が成り立つ関係。
- 合成抵抗
- 複数の抵抗を一つの抵抗に置き換えたときの抵抗値。
- 直列回路
- 電流の通り道が分かれず、各抵抗に同じ電流が流れる回路。
- 並列回路
- 各枝の両端電圧が同じで、枝の電流を足すと全体になる回路。
確認問題
確かめよう6Ωを二つ並列にすると合成抵抗は?
3Ω。同じ抵抗二つなら半分になり、12Vなら全電流は4Aです。
並列回路の合成抵抗は、枝のうち最も小さい抵抗より小さくなる。
直列回路では、各抵抗の両端電圧が常に等しい。
12Vの電源に3Ωと3Ωを並列接続したとき、電源から流れる全電流は?
6Ωを二つ並列にしたときの合成抵抗は?
直径2.6mm・長さ20mの銅導線と抵抗値が最も近い同材質の銅導線は?
同じ電源につないでも器具によって電流が違うのは、電流の流れにくさが異なるためです。電圧V、電流I、Rの関係をで表します。まず回路を一つの抵抗に置き換えると、複雑な図も整理できます。
12Vの電源に3Ωと3Ωを直列接続した計算例では、合成抵抗は、電流は12÷6=2Aです。並列なら合成抵抗はとなり、電源から流れる電流は8Aになります。
は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。は両端の電圧が同じで、枝の電流を足すと全体の電流になります。この「何が同じか」を先に図へ書き込みます。
並列抵抗をそのまま足すのは誤りです。電流の通り道が増えるため、並列のは最も小さい枝の抵抗よりも小さくなります。計算結果の大小も確認しましょう。
電力と電力量
電力量とは、消費電力と使用時間を掛けて表す、実際に使った電気エネルギーの量です。電力が使う速さなら、電力量は使った量です。

電気料金に関わるのは、器具が何Wかだけでなく何時間使ったかです。電力はエネルギーを使う速さ、電力量は一定時間に使った量として区別します。
| 区分 | 式・判断 |
|---|---|
| 抵抗の消費電力 | P=VI=I²R=V²/R |
| 電力量 | E=Pt、1kWh=3.6×10⁶J |
| 皮相電力 | S=VI[VA] |
| 有効電力 | P=VIcosφ[W] |
| 発熱量 | H=I²Rt[J]、1kWh=3600kJ |
| 水の加熱 | 必要熱量[kJ]=4.2×質量[kg]×温度上昇[K]÷熱効率 |
基本の仕組み

消費電力800Wのヒーターを2時間使う例では、0.8kW×2h=1.6kWhです。800Wをそのまま2倍した1600という数字には、Whという単位が必要です。
直流または純抵抗負荷ではP=VI=I²Rです。発熱量H=Pt[J]では時間tを秒で表し、電力量[Wh]では時間で表します。1Whは3600Jです。
電力・電力量・熱量の単位

抵抗負荷ならP=VI=I²R=V²/Rです。回路全体と特定の抵抗のどちらの電力かを分けます。直列では同じIを使うのでI²R、並列では同じVを使うのでV²/Rが便利です。電線損失もI²Rで求め、抵抗が一定なら電流が2倍で損失は4倍になります。
電力量E=Pt。1kWh=1000Wh=3.6×10⁶Jです。熱量のJには秒、料金などに用いるkWhには時間を使います。例えば100V・10Aの抵抗負荷を30分使うとP=1kW、E=0.5kWh=1.8×10⁶Jです。
交流では皮相電力S=VI[VA]、有効電力P=VIcosφ[W]、無効電力Q=VIsinφ[var]を区別します。純抵抗なら力率1でP=VIですが、コイルやコンデンサがある負荷ではそうとは限りません。
確認

kWとkWhは置き換えられません。また交流負荷では電圧×電流がそのまま有効電力になるとは限らず、力率の条件を確認します。
試験に出る
- 電力(W・kW)と電力量(Wh・kWh)の違いを問う正誤問題。
- P=VI=I²R を使い、消費電力を求める計算問題。
- 秒で表した熱量(J)と時で表した電力量(Wh)の換算。1Wh=3600J。
- 交流負荷では力率を考え、電圧×電流をそのまま有効電力としないこと。
- 800W→0.8kW、30分→0.5時間などの単位換算を含む計算。
- 水の温度上昇に必要な電力量を、4.2kJ/(kg·K)と1kWh=3600kJで求める計算問題(60kgを20K上げると1.4kWh)。
- 接続点の接触抵抗で生じる発熱量をI²Rtで求める問題(0.2Ω・10A・1時間で72kJ)。
- R=V/I=V²/P=P/I²のうち、抵抗を表さない式(PI/Vなど)を選ぶ問題。
重要な言葉
- 消費電力
- 器具が単位時間に使う電気エネルギーの割合。単位はW。
- 電力量
- 消費電力と使用時間の積。単位はWhやkWh。
- ジュール熱
- 抵抗に電流が流れて発生する熱。発熱量はH=I²Rt[J](tは秒)で、1kWhは3600kJ。
- 力率
- 交流で見かけの電力に対する有効電力の割合。
確認問題
確かめよう500Wを30分使った電力量は?
0.25kWh。30分を0.5時間、500Wを0.5kWへ直して掛けます。
800Wの器具を2時間使った電力量は1.6kWhである。
kWとkWhは同じ意味で置き換えられる。
800Wの器具を2時間使った電力量は?
1Whは何J?
消費電力300Wの電熱器を2時間使用したときの発熱量[kJ]は?
電気料金に関わるのは、器具が何Wかだけでなく何時間使ったかです。はエネルギーを使う速さ、は一定時間に使った量として区別します。
消費電力800Wのヒーターを2時間使う例では、0.8kW×2h=です。800Wをそのまま2倍した1600という数字には、という単位が必要です。
直流または純抵抗負荷ではです。発熱量H=Pt[J]では時間tを秒で表し、電力量[Wh]では時間で表します。1Whはです。
とkWhは置き換えられません。また交流負荷では電圧×電流がそのまま有効電力になるとは限らず、の条件を確認します。
交流回路の基礎
実効値とは、交流と同じ発熱効果をもつ直流の値で、家庭の100Vなどはこの値で表します。最大値は実効値の√2倍です。

家庭の交流は電圧の向きと大きさが時間とともに変化します。それでも「100V」と一つの値で表せるのは、発熱効果を同じにする直流の値、実効値を使うためです。
| 区分 | 式・判断 |
|---|---|
| 純抵抗 | 電圧と電流が同相、力率1 |
| コイル | XL=2πfL、電流が遅れる |
| コンデンサ | XC=1/(2πfC)、電流が進む |
| RLC直列 | Z=√{R²+(XL−XC)²} |
| RとXの並列 | I=√(IR²+IX²)、力率=IR/I |
| 消費電力 | 有効電力はRだけで消費、P=I²R |
| 進相コンデンサ | 負荷に並列に接続して遅れ電流を打ち消し、電源側の電流を減らす |
基本の仕組み

正弦波交流の実効値が100Vなら最大値は100√2V、約141Vです。50Hzは1秒間に50回繰り返す意味で、一周期は1÷50=0.02秒になります。
交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。それを合わせたものがインピーダンスです。直列のRと誘導性リアクタンスXだけなら、大きさは√(R²+X²)で求めます。
正弦波とR・L・Cの違い

正弦波では実効値=最大値/√2です。周期T=1/fで、50Hzは0.02秒、60Hzは約0.0167秒です。この最大値と実効値の関係は正弦波を前提とします。周波数が上がっても抵抗Rだけの回路の抵抗値は変わりません。
コイルの誘導性リアクタンスXL=2πfLは周波数とともに大きくなり、電流は電圧より遅れます。コンデンサの容量性リアクタンスXC=1/(2πfC)は周波数とともに小さくなり、電流は電圧より進みます。R、L、Cの直列では合成リアクタンスX=XL−XC、Z=√(R²+X²)です。
例えばR=3Ω、XL=6Ω、XC=2ΩならX=4Ω、Z=5Ω。電源実効値100Vなら電流20A、力率R/Z=0.6です。XLとXCを足してからRと単純加算することはできません。
確認

実効値を波形の最大値と混同したり、RとXを単純に足したりしないようにします。両者は電圧と電流の時間的なずれを含めて合成するからです。
試験に出る
- 実効値と最大値の関係(最大値=実効値×√2)を問う計算問題。
- 周波数と周期の関係(周期=1/周波数)を問う問題。
- インピーダンスを√(R²+X²)で求める計算問題。
- RとXを単純に足せない理由(時間的なずれ)を問う正誤問題。
- 実効値100Vの最大値が約141Vになることの確認。
- コイルだけの回路では電流が電圧より90°遅れ、コンデンサだけでは90°進むことを波形で問う問題。
- RX直列回路で抵抗の電圧VRと電源電圧Vから力率VR/Vを求める問題(90V÷102V≒88%)。
- 負荷に並列の進相コンデンサで力率を100%にすると、電源側の電流が減る(零にはならない)ことを問う問題。
重要な言葉
- 実効値
- 交流と同じ発熱効果をもつ直流の値。
- 周波数
- 1秒間に繰り返す波の回数。単位はHz。
- インピーダンス
- 交流回路で電流の流れにくさを表す量。
- リアクタンス
- コイルやコンデンサによる電流の流れにくさ。
確認問題
確かめようR=3Ω、X=4Ωならインピーダンスの大きさは?
5Ω。3+4=7Ωではなく、直角三角形の関係で考えます。
実効値100Vの正弦波交流の最大値は約141Vである。
インピーダンスはRとXをそのまま足した値である。
実効値100Vの正弦波交流の最大値は?
R=3Ω、X=4Ωの直列回路のインピーダンスの大きさは?
家庭の交流は電圧の向きと大きさが時間とともに変化します。それでも「」と一つの値で表せるのは、発熱効果を同じにする直流の値、を使うためです。
正弦波交流の実効値が100Vなら最大値は100√2V、約です。は1秒間に50回繰り返す意味で、一周期は1÷50=0.02秒になります。
交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。それを合わせたものがです。直列のRと誘導性リアクタンスXだけなら、大きさはで求めます。
実効値を波形のと混同したり、RとXを単純に足したりしないようにします。両者は電圧と電流の時間的なずれを含めてするからです。
三相交流
三相交流とは、大きさと周波数が同じ三つの交流の位相を120度ずつずらして組み合わせた電源で、大きな電力を送るのに向いています。

モーターへ大きな電力を送る場面では三相交流が使われます。大きさと周波数が同じ三つの交流を、位相を120度ずつずらして組み合わせたものです。
| 区分 | 式・判断 |
|---|---|
| Y結線 | 線間電圧=√3×相電圧/線電流=相電流 |
| Δ結線 | 線間電圧=相電圧/線電流=√3×相電流 |
| 平衡三相電力 | P=√3×線間電圧×線電流×力率 |
| 抵抗負荷の電力 | P=3×相電流²×R(各相の電力の3倍) |
| 同じ抵抗のY→Δ | 消費電力は3倍 |
| Y結線の1相断線 | 残る2相が線間電圧に直列、各相は線間電圧の1/2 |
| Δ結線の1線断線 | 1相は線間電圧のまま、2相は直列、全電力は1/2 |
基本の仕組み

平衡三相負荷で線間電圧200V、線電流10A、力率0.8なら、有効電力は√3×200×10×0.8≒2771W、約2.77kWです。図の電圧と電流が「線」の値かを先に読みます。
平衡三相全体の有効電力はP=√3VIcosφです。三つの相の電力を合計した式なので、これにさらに3を掛ける必要はありません。
Y結線とΔ結線

平衡Y結線は線間電圧=√3×相電圧、線電流=相電流です。平衡Δ結線は線間電圧=相電圧、線電流=√3×相電流です。「線」は外部3本の線、「相」は各負荷の一枝を指します。試験センターの例題1-③も、Y結線の線間電圧を相電圧に直してから相インピーダンスで割っています。
例えばY結線で線間電圧200V、各相10Ωなら相電圧約115.5V、線電流約11.55Aです。同じ条件のΔ結線なら各相200V、相電流20A、線電流約34.6Aです。結線を見ずに200÷10とするとY結線で誤ります。
平衡三相の有効電力P=√3×線間電圧×線電流×力率はY・Δの両方に使えます。各相の電力を3倍する方法でも一致します。不平衡では相ごとに計算します。
確認

単相のVIcosφと混同しないことが重要です。また不平衡な負荷に、条件を確認せず平衡三相の式を当てはめることはできません。
試験に出る
- 平衡三相の有効電力 P=√3VIcosφ を使う計算問題。
- 線間電圧と線電流が「線」の値かを読み取る問題。
- 三つの相の合計にさらに3を掛けないことの確認。
- 単相のVIcosφとの混同を狙った正誤問題。
- 平衡条件が崩れた負荷に同じ式を当てはめられないこと。
- Y結線の1相の抵抗が断線すると、残る2相が線間電圧に直列となり各相電圧は線間電圧の1/2になる問題(200Vなら約116V→100V)。
- Δ結線で電源線1本が断線すると、全消費電力が断線前の1/2になる問題(各相30Ω・200Vで4kW→2kW)。
- 同じ抵抗をΔ結線にするとY結線の3倍の電力を消費することの確認。
重要な言葉
- 三相交流
- 位相を120度ずつずらした三つの交流を組み合わせた電源。
- 線間電圧
- 電源線同士の間に現れる電圧。
- 線電流
- 電源線に流れる電流。
- 三相電力
- 平衡三相全体の有効電力で、P=√3VIcosφ。
確認問題
確かめよう他条件が同じで線電流が半分なら電力は?
半分。P=√3VIcosφは線電流Iに比例するからです。
平衡三相の有効電力は三つの相の合計なので、P=√3VIcosφにさらに3を掛ける。
三相交流の三つの位相は120度ずつずれている。
平衡三相の有効電力の式で、線間電圧V・線電流Iとすると?
線間電圧200V、線電流10A、力率0.8の平衡三相の有効電力(約)は?
モーターへ大きな電力を送る場面ではが使われます。大きさと周波数が同じ三つの交流を、位相をずつずらして組み合わせたものです。
平衡三相負荷で200V、線電流10A、力率0.8なら、有効電力は√3×200×10×0.8≒、約2.77kWです。図の電圧と電流が「線」の値かを先に読みます。
平衡三相全体の有効電力はです。三つの相の電力を合計した式なので、これにさらに3を掛ける必要はありません。
のVIcosφと混同しないことが重要です。またな負荷に、条件を確認せず平衡三相の式を当てはめることはできません。
電圧降下
電圧降下とは、電線の抵抗によって電源電圧の一部が失われ、負荷に届く電圧が下がる現象です。抵抗分だけの回路ではIRで表します。

長い配線の先で電源と同じ電圧が得られるとは限りません。電線にも抵抗があるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。
| 区分 | 式・判断(rは電線1本の抵抗、抵抗負荷) |
|---|---|
| 単相2線式 | 電圧降下2Ir、電線損失2I²r |
| 単相3線式(平衡) | 電圧降下Ir(中性線に電流なし)、電線損失2I²r |
| 三相3線式(平衡) | 電圧降下√3Ir、電線損失3I²r |
| 負荷電圧 | 送電側電圧−電圧降下 |
| 電線抵抗 | 同材質なら長さに比例、断面積に反比例 |
基本の仕組み

単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下は4Vです。電源が100Vなら負荷側は96Vになります。
抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はIRです。電線が長いほど抵抗は増え、断面積が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。
電線抵抗・損失・負荷電圧

電圧降下は電源から負荷までの導体の抵抗による電圧差です。単相2線式では往路と復路の2本を通るため、同じ片道抵抗rならΔV=2Irです。負荷電圧=送電側電圧−ΔVです。電線での電力損失は2I²rになります。
同じ材質・長さで断面積を2倍にすれば電線抵抗と抵抗分の電圧降下は半分です。電流を2倍にすれば電圧降下は2倍、損失は4倍です。実際の交流配線ではリアクタンスや力率も影響し、単相3線式や三相3線式を2線式の往復式に無条件で置き換えません。
例:片道0.2Ω、10Aの単相2線式なら電圧降下4V、電線損失40Wです。100Vの送電側に対し負荷側は96V。電圧降下と損失は単位も計算式も違います。
確認

電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、回路全体の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やリアクタンスも条件に入ります。
試験に出る
- 電圧降下をIRで求める計算問題(往復の抵抗を忘れない)。
- 片道の抵抗か往復の抵抗かを読み分ける問題。
- 電線が長い・断面積が大きいと抵抗がどう変わるかの正誤問題。
- 電流が増えると電圧降下が比例して増えることの確認。
- 三相や交流ではリアクタンスも条件になること。
- こう長と1000m当たりの抵抗から往復の電線抵抗を求める問題(こう長10m・5.0Ω/km・15Aなら0.1Ωで1.5V)。
- 電圧降下を所定値以内にする電線の最小太さを、Ω/kmの表から選ぶ問題。
- 三相3線式の電圧降下√3Ir・損失3I²rを、単相2線式の2Ir・2I²rと取り違えない問題。
重要な言葉
- 電圧降下
- 電線抵抗により負荷側の電圧が下がる現象。
- 電線抵抗
- 電線がもつ抵抗。長いほど大きく、断面積が大きいほど小さい。
- 単相2線式
- 2本の電線で電力を送る方式。電圧降下は往復で考えます。
確認問題
確かめよう同じ電線で電流が20Aになったら、この例の降下は?
8V。抵抗が同じなら電流に比例します。
単相2線式の電圧降下では、電線が往復することから抵抗を2倍で考える。
電線の断面積が大きくなると、電線抵抗は大きくなる。
片道の電線抵抗0.2Ω、負荷電流10Aの単相2線式の電圧降下は?
電源100Vで電圧降下4Vのとき、負荷側の電圧は?
三相3線式で電線1本の抵抗0.1Ω、線電流20Aの抵抗負荷のとき、線間の電圧降下(約)は?
長い配線の先で電源と同じが得られるとは限りません。電線にもがあるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。
単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下はです。電源が100Vなら負荷側はになります。
抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はです。電線が長いほど抵抗は増え、が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。
電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やも条件に入ります。
覚えるポイント
- 直列は分かれ道がないので各抵抗の電流が同じです。
- 直流または純抵抗負荷ではP=VI=I²Rです。
- 交流では抵抗だけでなくコイルやコンデンサも電流の流れ方に影響します。
- 平衡三相全体の有効電力はP=√3VIcosφです。
- 抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はIRです。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- 電気技術者試験センター:第二種電気工事士学科試験 例題(電気に関する基礎理論) ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
教材の編集方針・訂正について
