絶縁・接地・導通・極性・漏電保護を、別々の検査目的として整理します。測定器の選び方と、検査結果から分かることの範囲を学びます。
仕組みを理解する
絶縁抵抗測定(最頻出)
絶縁抵抗測定とは、電線間や電路と大地の間がどの程度電流を通しにくいかを、絶縁抵抗計で調べる検査です。

電流を本来の通り道から外へ漏らさない働きが絶縁です。絶縁抵抗測定では、電線間や電路と大地の間がどの程度電流を通しにくいかを調べます。
| 電路の区分 | 絶縁抵抗の基準・測り方 |
|---|---|
| 使用電圧300V以下・対地電圧150V以下 | 0.1MΩ以上(単相100V、単相3線式100/200V) |
| 使用電圧300V以下・対地電圧150V超 | 0.2MΩ以上(三相3線式200V) |
| 使用電圧300V超の低圧 | 0.4MΩ以上(三相400V等) |
| 絶縁抵抗の測定が困難な場合 | 使用電圧を加えた状態で漏えい電流1mA以下 |
| 電線相互間の測定 | 負荷(電球・機器)を外し、点滅器を入れて測る |
| 電路と大地間の測定 | 負荷をつないだまま点滅器を入れ、L端子を電路・E端子を接地側へ |
| 絶縁抵抗計の出力 | 直流。100V回路は125V、200V回路は250Vが目安 |
基本の仕組み

同じ測定条件で10MΩだった回路が0.5MΩへ下がった例では、以前より漏れやすくなった可能性があります。数値の大小と、使用電圧などに対応する判定基準を分けて読みます。
絶縁抵抗計は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。通常の使用電圧を読む電圧計とは目的が異なり、対象機器に適した測定条件が必要です。
0.1・0.2・0.4MΩの条件

低圧電路の電線相互間と電路・大地間の絶縁抵抗は、開閉器や過電流遮断器で区切れる電路ごとに判定します。使用電圧300V以下で対地電圧150V以下は0.1MΩ以上、300V以下でそれ以外は0.2MΩ以上、300V超は0.4MΩ以上です。単相3線式の200V回路は対地電圧100Vなので0.1MΩ、三相3線式200Vは0.2MΩの区分です。
絶縁抵抗計は直流の試験電圧を加えます(交流ではありません)。100V回路は定格測定電圧125V、200V回路は250Vを目安に選び、電子機器は外すか低い電圧で測ります。停電・検電後、電池とL・E端子の短絡による0点を確認し、L端子を電路、E端子を接地側につなぎます。測定後は残留電荷に注意します。
2026年度上期の問題では、三相3線式200V(対地電圧200V)の電動機回路の0.18MΩが0.2MΩ未満で不適合でした。単相3線式の200V回路で0.16MΩなら0.1MΩ区分なので適合です。分電盤で全回路を一括測定した値が基準以上なら、各分岐回路もそれ以上なので個別測定を省略できます。
確認

絶縁抵抗が高いことと、配線が正しい端子へつながっていることは同じ確認ではありません。導通や極性の誤りは別の検査で調べます。
試験に出る
- 絶縁抵抗測定は、電線間や電路と大地の間の漏れにくさを調べる検査である点を問う問題。
- 測定値の大小は、使用電圧・対地電圧に対応する判定基準と分けて読むことが重要です。
- 絶縁抵抗計は測定用の電圧を加える器械で、通常の電圧計とは目的が異なります。
- 絶縁抵抗が高いことと、導通や極性が正しいことは別の確認である点に注意します。
- 抵抗が下がると、同じ電圧に対して流れる漏れ電流は増える関係を押さえます。
- 基準値は対地電圧で区分する:単相3線式100/200Vの200V回路は対地電圧100Vなので0.1MΩ、三相3線式200Vは対地電圧200Vなので0.2MΩ。
- 絶縁抵抗計は直流の電圧を加える計器で、100V回路は定格測定電圧125V、200V回路は250Vが目安。電子機器は外すか低い電圧で測る。
- 絶縁抵抗の測定が困難な場合は、使用電圧を加えた状態の漏えい電流1mA以下で適合とできる。
重要な言葉
- 絶縁抵抗
- 電線間や電路と大地の間で、電流の漏れにくさを表す抵抗。
- 絶縁抵抗計
- 測定用の電圧を加えて絶縁抵抗を求める計器。
- メガオーム
- 絶縁抵抗を表す単位で、MΩと書く。
- 対地電圧
- 電線と大地との間の電圧。接地式電路では電線と大地間の電圧を指し、絶縁抵抗の基準値の区分に使う。
- 漏えい電流
- 絶縁物を通って大地などへ漏れる電流。絶縁抵抗の測定が困難な低圧電路では1mA以下を基準にする。
確認問題
確かめよう絶縁抵抗の低下は電気が漏れにくくなった意味?
いいえ、漏れやすくなった意味です。抵抗が下がると同じ電圧に対して流れる漏れ電流は増えます。
絶縁抵抗が高いほど、電気は漏れやすい。
絶縁抵抗の測定値は、使用電圧に対応する基準と分けて読む。
絶縁抵抗の測定が困難な低圧電路では、使用電圧を加えた状態で漏えい電流が1mA以下であれば適合とできる。
単相3線式100/200Vの200V回路は、使用電圧200Vなので0.2MΩ以上が必要である。
絶縁抵抗測定で調べることは?
絶縁抵抗計の特徴は?
三相3線式200V(対地電圧200V)の電動機回路で、電路と大地間の絶縁抵抗が0.18MΩだった。判定は?
使用電圧100Vの低圧屋内配線の絶縁抵抗測定に適した絶縁抵抗計の定格測定電圧は?
電流を本来の通り道から外へ漏らさない働きがです。では、電線間や電路と大地の間がどの程度電流を通しにくいかを調べます。
同じ測定条件でだった回路がへ下がった例では、以前より漏れやすくなった可能性があります。数値の大小と、使用電圧などに対応する判定基準を分けて読みます。
は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。通常の使用電圧を読むとは目的が異なり、対象機器に適した測定条件が必要です。
が高いことと、配線が正しい端子へつながっていることは同じ確認ではありません。や極性の誤りは別の検査で調べます。
接地抵抗測定
接地抵抗測定とは、接地極を通って大地へ電流が流れるときの流れにくさを、接地抵抗計などで調べる検査です。

接地線が存在していても、大地との接続が十分とは限りません。接地抵抗測定は、接地極を通って大地へ電流が流れるときの流れにくさを調べます。
| 記号・項目 | 内容 |
|---|---|
| E | 測定対象の接地極 |
| P | 電位を測る補助接地極(Eから約10m) |
| C | 試験電流を流す補助接地極(Pからさらに約10m) |
| 地電圧 | 測定前に許容値以下かを確認 |
| 測定電流 | 交流(直流の絶縁抵抗計とは異なる) |
| D種/C種の基準 | 原則100Ω/10Ω以下。0.5秒以内の自動遮断で500Ω以下 |
基本の仕組み

原理を表す計算例で、試験電流0.01Aに対して電位差が0.3Vなら抵抗は0.3÷0.01=30Ωです。電流と電位差から抵抗を求める考え方はオームの法則とつながります。
代表的な方法では、測定対象の接地極と補助接地極を使って測定します。土壌の状態や電極間の配置は結果に影響するため、器械の接続だけでなく測定条件も重要です。
接地抵抗の3極法

接地抵抗は接地極から大地へ電流が流れるときの抵抗で、低い値を求めます。絶縁抵抗は電路から大地へ漏れにくいことを示し、高い値を求めます。接地線の導通があるだけでは、接地極の抵抗が基準以下か分かりません。
3極法では測定対象の接地極E、補助接地極P(電位)、C(電流)を、ほぼ一直線上に約10m間隔で打ち込みます。測定前に電池、補助接地極の位置と接続、地電圧が許容値以下かを確認し、測定ボタンを押して接地抵抗を読みます。2026年度上期問題は、この「地電圧」の確認を問いました。
D種接地は原則100Ω以下、C種は原則10Ω以下で、地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置があればどちらも500Ω以下でよくなります。接地抵抗計は電極の分極を避けるため交流の測定電流を使います。土壌の乾湿、補助極間の距離、周囲の埋設導体も測定値に影響します。
確認

接地線の途中の導通があることだけで、接地抵抗が規定値を満たすとはいえません。金属線のつながりと、接地極から大地への抵抗は異なる対象です。
試験に出る
- 接地線があっても大地との接続が十分とは限らず、接地抵抗測定が必要である点を問う問題。
- 試験電流と電位差から抵抗を求める計算(オームの法則)が出題されます。
- 測定には接地極と補助接地極を使い、土壌の状態や電極間の配置が結果に影響します。
- 接地線の導通と、接地極から大地への接地抵抗は別の対象である点に注意します。
- 測定値は土壌など測定条件とともに記録し、条件をそろえて比較します。
- 接地抵抗は低いほど良く、絶縁抵抗は高いほど良い。どちらもΩ系の単位だが評価の向きが逆である。
- 3極法では接地極E・補助接地極P・Cをほぼ一直線上に約10m間隔で打ち込み、測定前に電池と地電圧を確認する。
- D種は原則100Ω以下、C種は原則10Ω以下。地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置があれば、どちらも500Ω以下でよい。
重要な言葉
- 接地抵抗計
- 接地極から大地への抵抗を測る計器。
- 補助接地極
- 接地抵抗測定で測定対象の接地極と組み合わせて使う電極。
- 接地抵抗
- 接地極から大地へ電流が流れるときの流れにくさ。
確認問題
確かめよう雨の後と乾燥時で測定値が違ったら、まず何を見る?
土壌など測定条件の違い。記録と条件をそろえて比較します。
接地線の導通が確認できれば、接地抵抗の規定値も満たしている。
接地抵抗測定の結果は、土壌の状態や電極間の配置に影響される。
接地抵抗計の3極法では、補助接地極P・Cを接地極Eからほぼ一直線上に約10mずつ離して打ち込む。
地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設した場合、D種接地工事の接地抵抗値は500Ω以下でよい。
試験電流0.01Aで電位差0.3Vのとき、抵抗は?
接地抵抗測定で使うものは?
接地抵抗計(電池式)で3極法の測定をするとき、補助接地極の配置として適切なものは?
が存在していても、大地との接続が十分とは限りません。は、接地極を通って大地へ電流が流れるときの流れにくさを調べます。
原理を表す計算例で、試験電流に対して電位差がなら抵抗は0.3÷0.01=30Ωです。電流と電位差から抵抗を求める考え方はオームの法則とつながります。
代表的な方法では、測定対象のとを使って測定します。土壌の状態や電極間の配置は結果に影響するため、器械の接続だけでなく測定条件も重要です。
接地線の途中のがあることだけで、が規定値を満たすとはいえません。金属線のつながりと、接地極から大地への抵抗は異なる対象です。
導通・極性確認
導通・極性確認とは、つながるべき点がつながり、決められた側や端子との対応が正しいかを、導通試験と極性確認で調べる検査です。

配線を完成させたら、つながるべき点がつながり、つながってはいけない点が分かれているかを確かめます。導通確認と極性確認は、機器が動くかどうかだけでは見つけにくい誤りを探します。
| 検査 | 確認すること |
|---|---|
| 導通 | 指定された経路がつながるか(停電して回路計等で) |
| 極性 | 電圧側・接地側が指定端子か(通電後に検電器等で) |
| 絶縁 | 漏れにくさをMΩで確認 |
| 接地 | 保護接地の経路と大地抵抗を確認 |
基本の仕組み

図面で端子AとBが同じ線で結ばれる指定なら、その二点のつながりを確認します。一方、電圧線と接地側電線を取り違えた場合は、導通があっても指定どおりの極性とはいえません。
導通は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応です。図面・端子表示・電線表示を照合して、経路と役割の両方を確かめます。
通るべき経路と端子の役割

導通試験は、図面でつながるべき端子間に経路があるか、つながってはいけない経路がないかを調べます。停電を確認したうえで回路計等の抵抗・導通機能を使います。低抵抗だから絶縁が十分という意味にはなりません。
極性確認は、接地側電線・電圧側電線・接地線が指定の端子に接続されているかを見る作業です。コンセントの接地側極(W表示)やランプレセプタクルの受金ねじ部には接地側電線(白)をつなぎます。通電後に検電器を当て、接地側に電圧がないことで確かめられます。
回路が点灯・動作しても、電圧側と接地側の取り違えや接地線の未接続が残ることがあります。導通、極性、絶縁、接地は異なる検査項目です。
確認

導通があることだけで絶縁状態や接続部の強度まで判断してはいけません。検査項目ごとに分かることと分からないことを区別します。
試験に出る
- 導通は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応であることを問う問題。
- 電圧線と接地側電線の取り違えは、導通があっても正しい極性とはいえません。
- 導通があるだけで絶縁状態や接続部の強度まで判断できない点に注意します。
- 図面・端子表示・電線表示を照合し、経路と役割の両方を確認することを押さえます。
- 機器が動くかどうかだけでは見つけにくい誤りを探す検査である点を確認します。
- 導通試験は停電状態で回路計(テスタ)などを使い、配線の断線や接続先の誤りを確認する。
- 極性は通電後に検電器で確認でき、コンセントの接地側極(W表示)や受金ねじ部に電圧がないことを見る。
- 点灯・動作したことは合格の証拠にならず、接地線の未接続や極性の誤りが残ることがある。
重要な言葉
- 導通試験
- つながるべき点が電気的に通じているか確認する検査。
- 極性確認
- 電圧線と接地側など、決められた側や端子との対応を確認すること。
- 誤結線
- つなぐ先や極性を間違えて配線すること。
確認問題
確かめよう導通試験に合格すれば誤結線はすべてない?
いいえ。つなぐ先の指定や極性との一致も別に確認します。
導通試験に合格すれば、つなぐ先の指定や極性も正しいと断定できる。
電圧線と接地側電線を取り違えても、導通があれば正しい配線である。
極性確認で調べることは?
導通試験で分からないことは?
配線を完成させたら、つながるべき点がつながり、つながってはいけない点が分かれているかを確かめます。とは、機器が動くかどうかだけでは見つけにくい誤りを探します。
図面で端子AとBが同じ線で結ばれる指定なら、その二点のつながりを確認します。一方、と接地側電線を取り違えた場合は、導通があっても指定どおりのとはいえません。
は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応です。図面・・電線表示を照合して、経路と役割の両方を確かめます。
があることだけで絶縁状態やまで判断してはいけません。検査項目ごとに分かることと分からないことを区別します。
検電・安全確認
検電とは、作業対象に電圧がないことを検電器で確かめる操作で、遮断器の操作状態とは別に無電圧を確認するために行います。

スイッチを切ったつもりでも、別の電源や操作の取り違えによって電圧が残る場合があります。検電は「切った」という操作の記憶を、設備の状態の確認へ置き換えるために行います。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 遮断器のOFF表示 | 操作した状態を示すだけ |
| 検電 | 作業箇所に電圧がないか確認 |
| 器具の作動確認 | 故障による無反応を見落とさない |
| 別電源・逆送 | 回路図・現場表示で供給源を確認 |
基本の仕組み

同じ盤に商用電源と非常用電源が入る例では、一方を切っただけでは確認が終わりません。図面で電源の経路を把握し、作業対象に電圧がない状態かを管理します。
検電器は対象の電圧区分や方式に適合するものを用います。器械自体が正常であることと、対象が停電していることは、どちらも確認が必要です。
停電の操作と無電圧の確認

作業前は対象回路と供給源を特定し、遮断・誤投入防止を行ってから検電します。スイッチや遮断器の表示がOFFでも、別電源、逆送、回路表示違いがあり得るため、作業箇所で無電圧を確かめます。
検電器は対象の電圧・交流/直流に合うものを選び、既知の活線等で器具の作動を確認してから対象を調べ、必要に応じて後にも作動確認を行います。無反応だけで器具の故障と真の無電圧を区別できないためです。
単相3線式なら外側の2線と中性線、三相なら3線すべてなど、作業で触れ得る各線を図面に合わせて検電します。検電は電圧の有無を見る操作で、絶縁抵抗値や接地抵抗値を測る試験ではありません。
確認

無反応なら無条件に安全という理解は誤りです。器械の不具合や不適合、確認箇所の誤りでも反応が得られないことがあります。
試験に出る
- 遮断器の操作状態と、作業対象が無電圧であることは別であり、検電が必要です。
- 検電は、スイッチを切ったという記憶ではなく設備の状態を確認するために行います。
- 検電器は対象の電圧区分や方式に適合するものを選びます。
- 検電器が正常であることも確認が必要で、無反応を無条件に安全としない点に注意します。
- 複数電源がある盤では、図面で経路を把握して無電圧を管理します。
- 作業前は供給源の特定、遮断、誤投入防止、検電の順に進める。
- 検電器は対象の電圧・交流/直流に合うものを選び、使用前後に既知の充電部で作動を確かめる。
- 検電は電圧の有無を見る操作で、絶縁抵抗値や接地抵抗値の測定の代わりにはならない。
重要な言葉
- 検電器
- 作業対象に電圧があるかを確認する器具。
- 無電圧
- 作業対象に電圧がかかっていない状態。
- 停電確認
- 対象を停電させたうえで、実際に電圧がないことを確かめること。
確認問題
確かめよう遮断器の表示がOFFなら検電は省略できる?
いいえ。操作した状態と、作業対象の無電圧は同じ証拠ではありません。
遮断器の表示がOFFなら、検電を省略して作業してよい。
検電器が無反応なら、器械の状態を確認しなくても安全と判断できる。
検電を行う目的は?
検電器を選ぶときに確認することは?
スイッチを切ったつもりでも、別の電源や操作の取り違えによってが残る場合があります。は「切った」という操作の記憶を、設備の状態の確認へ置き換えるために行います。
同じ盤にとが入る例では、一方を切っただけでは確認が終わりません。図面で電源の経路を把握し、作業対象に電圧がない状態かを管理します。
は対象のや方式に適合するものを用います。器械自体が正常であることと、対象が停電していることは、どちらも確認が必要です。
なら無条件に安全という理解は誤りです。器械のや不適合、確認箇所の誤りでも反応が得られないことがあります。
漏電・遮断器試験
漏電遮断器とは、電路から外へ漏れた電流を検知して遮断する装置で、検査では決められた条件で動作するかを確認します。

漏電遮断器は電路から外へ漏れた電流を検知して遮断する装置です。検査では、装置が付いているかだけでなく、必要な条件で動作するかを確認します。
| 表示・機能 | 意味 |
|---|---|
| 定格電流(A) | 通常の回路電流に関わる値 |
| 定格感度電流(mA) | 漏電検知に関わる値。30mA以下が高感度形 |
| 動作時間 | 定格感度電流で遮断するまでの時間。0.1秒以内が高速形 |
| テストボタン | 内蔵試験回路による動作確認(値の実測ではない) |
| D種接地の省略例 | 水気のない場所で15mA・0.1秒以下の電流動作型を施設 |
基本の仕組み

二つの装置の表示に「定格電流」と「定格感度電流」があったら、前者は通常の回路電流、後者は漏電検出に関わる値として分けます。AとmAの単位の違いも手掛かりです。
動作試験では感度や動作時間、試験条件の適合を評価します。テストボタンの確認で分かる範囲と、専用試験器による測定で分かる範囲を区別します。
過電流保護と漏電保護の試験

配線用遮断器は過負荷・短絡、漏電遮断器は地絡を検知します。漏電遮断器には過電流保護を兼ねる型と兼ねない型があり、銘板から定格電流、定格感度電流、動作時間、遮断容量などを別々に読みます。
テストボタンは器具内の試験回路で動作を確認できます。定格感度電流や動作時間の値まで検証するには、適合する漏電遮断器試験器を使い、試験電流と時間を測ります。テストボタンで動いたことだけを規定値の実測と扱いません。
装置が作動しても接地線の未接続や電路の絶縁不良が消えたわけではありません。保護装置の機能、絶縁抵抗、接地抵抗はそれぞれ検査します。
確認

漏電遮断器があるから接地や絶縁確認が不要になるわけではありません。また過電流保護機能の有無は器種により異なるので、名称だけで決めません。
試験に出る
- 漏電遮断器は、装置の有無だけでなく必要な条件で動作するかを確認することが問われます。
- 定格電流は通常の回路電流、定格感度電流は漏電検出に関わる値として区別します。
- 動作試験では感度・動作時間・試験条件の適合を評価し、テストボタンで分かる範囲を区別します。
- 漏電遮断器があっても接地や絶縁確認は不要にならない点に注意します。
- 過電流保護機能の有無は器種により異なるため、名称だけで判断しません。
- 配線用遮断器は過負荷・短絡、漏電遮断器は地絡を検知する。過電流保護付きの漏電遮断器もある。
- テストボタンは内蔵試験回路で動作を確かめるもので、感度電流や動作時間の実測には漏電遮断器試験器を使う。
- 漏電遮断器を設けても、絶縁抵抗測定や接地抵抗測定は別に必要である。
重要な言葉
- 漏電遮断器
- 漏れた電流を検知して回路を遮断する装置。
- 定格感度電流
- 漏電遮断器が動作する目安となる漏れ電流の値。
- 動作時間
- 漏電遮断器が検知してから遮断するまでの時間。
確認問題
確かめよう定格感度電流を回路で通常流してよい電流と読むのは正しい?
いいえ。漏電に対する動作の指標です。
漏電遮断器を取り付ければ、接地や絶縁確認は不要になる。
定格感度電流は、回路で通常流れる電流の大きさを表す。
定格電流と定格感度電流の違いで正しいものは?
漏電遮断器の動作試験で評価するものは?
「高感度高速形」の漏電遮断器の性能として正しいものは?
は電路から外へ漏れた電流を検知して遮断する装置です。検査では、装置が付いているかだけでなく、で動作するかを確認します。
二つの装置の表示に「」と「」があったら、前者は通常の回路電流、後者は漏電検出に関わる値として分けます。AとmAの単位の違いも手掛かりです。
では感度や、試験条件の適合を評価します。テストボタンの確認で分かる範囲と、専用試験器による測定で分かる範囲を区別します。
漏電遮断器があるからや絶縁確認が不要になるわけではありません。また機能の有無は器種により異なるので、名称だけで決めません。
測定器の識別と使い分け
測定器の使い分けとは、何を知りたいかを先に決め、電流・電圧・絶縁・接地など測定対象に合った測定器を選ぶことです。

測定器を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。電流、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。
| 測定器 | 測る量・用途 |
|---|---|
| 回路計(テスタ) | 電圧・抵抗・導通(導通試験) |
| クランプ形電流計 | 負荷電流(導体1本をはさむ) |
| クランプ形漏れ電流計 | 漏れ電流(往復の全導体を一括してはさむ) |
| 電力計/電力量計 | 電力W/電力量kWh |
| 検相器 | 三相の相順(相回転) |
| 絶縁抵抗計/接地抵抗計 | 電路の絶縁(MΩ)/接地極の抵抗(Ω) |
| 低圧検電器 | 電圧の有無 |
| 動作原理 | 使える回路 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 可動コイル形 | 直流 | 直流の電流計・電圧計 |
| 可動鉄片形 | 交流 | 商用周波数の電流計・電圧計 |
| 整流形 | 交流 | 回路計の交流レンジ |
| 誘導形 | 交流 | 電力量計 |
| 電流力計形 | 交直両用 | 電力計 |
| 熱電形 | 交直両用 | 高周波を含む電流の測定 |
| 置き方の記号 | 意味 |
|---|---|
| ⊥ | 鉛直に置いて使用 |
| ⊓ | 水平に置いて使用 |
| ∠60°など | 指定した角度に傾けて使用 |
基本の仕組み

外へ電気が漏れにくいかなら絶縁抵抗計、接地極と大地との抵抗なら接地抵抗計です。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。
同じΩの表示でも、接地抵抗は大地へのつながりやすさ、絶縁抵抗は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。
測定器と物理量の対応

回路計(テスタ)は電圧・抵抗・導通を測れ、導通試験に使います。抵抗を測るときは回路を停電させ、0Ω調整をしてから当てます。2026年度上期問題では「電力計と消費電力量の測定」が誤りの組合せでした。
電力計は有効電力W、電力量計は積算の電力量kWhを測ります。誘導形電力量計は計器定数(rev/kWh)と円板の回転数から電力を求められます。検相器は三相の相順、接地抵抗計は接地極と大地の抵抗、絶縁抵抗計は電路の絶縁(MΩ)を測ります。
クランプ形電流計で負荷電流を測るときは1本の導体をはさみます。漏れ電流を測るときは往復の全導体(単相3線式なら中性線を含む3本)を一括してはさみ、打ち消し合わずに残る差を読みます。計器の単位表示とレンジも照合します。
確認

一台で複数機能を持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能と測定レンジを確認します。
試験に出る
- 測定器は名前ではなく「何を知りたいか」から選ぶことを問う問題。
- 漏れにくさは絶縁抵抗計、接地極と大地の抵抗は接地抵抗計と区別します。
- 配線の電流はクランプメータ、電圧の有無は検電器というように用途で選びます。
- 同じΩ表示でも測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べない点に注意します。
- 複数機能の測定器でも、選んだ機能と測定レンジを確認します。
- 回路計(テスタ)は導通試験や電圧・抵抗の測定に使う。電力計は消費電力(W)を測り、消費電力量(kWh)は電力量計で測る。
- 計器の動作原理記号:可動コイル形は直流、可動鉄片形は交流、誘導形は交流の電力量計、電流力計形は交直両用の電力計。
- クランプ形漏れ電流計は往復の全導体(単相3線式は中性線を含む3本)を一括してはさみ、負荷電流は1本だけをはさむ。
- 検相器は三相回路の相順(相回転)を確認する。
重要な言葉
- クランプメータ
- 電線を挟んで電流を測る計器。
- 接地抵抗計
- 接地極と大地との間の抵抗を測る計器。
- 測定レンジ
- 測定器で測れる値の範囲。
- 回路計(テスタ)
- 切り替えて電圧・抵抗・導通などを測る計器。導通試験に使う。
- 検相器
- 三相回路の相順(相回転)を確認する計器。
- 計器定数
- 電力量計で1kWh当たりの円板回転数などを示す値(rev/kWh)。回転数から電力を計算できる。
確認問題
確かめよう接地極の状態確認に絶縁抵抗計を選ぶのは適切?
いいえ。必要なのは接地抵抗の測定機能です。
接地極の状態を調べるには、絶縁抵抗計を使うのが適切である。
同じΩの表示でも、接地抵抗と絶縁抵抗は評価する対象が違う。
可動鉄片形の計器は、主に交流の電流・電圧の測定に使われる。
電力計を使えば、一定期間の消費電力量(kWh)を測定できる。
配線に流れる電流を調べる測定器は?
電圧の有無を確認する測定器は?
単相3線式回路の漏れ電流をクランプ形漏れ電流計で測る方法として正しいものは?
計器定数1200rev/kWhの電力量計の円板が1分間に20回転した。負荷の電力は?
直流回路の測定に用いる計器の動作原理として適切なものは?
を選ぶ問題では、器械の名前より「何を知りたいか」を先に考えます。、電圧、絶縁の状態、接地の状態は、それぞれ別の測定対象です。
外へ電気が漏れにくいかなら、接地極と大地との抵抗ならです。配線の電流を調べるクランプメータと、電圧の有無を確認する検電器も区別します。
同じΩの表示でも、は大地へのつながりやすさ、は漏れにくさを評価します。測定方式と対象が違うため、単位だけで器械を選べません。
一台でを持つ測定器もありますが、外観からすべて測れるとは判断できません。型名だけでなく選んだ機能とを確認します。
竣工検査の手順(頻出)
竣工検査とは、完成した設備が図面や施工条件と一致し、電気的な安全性と機能を満たすかを手順に沿って確認する検査です。

工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。竣工検査では、図面や施工条件との一致と、電気的な安全性・機能を順に確かめます。
| 段階 | 主な確認内容 |
|---|---|
| ①目視点検 | 材料・施工方法・接続・表示を図面と照合 |
| ②絶縁抵抗測定 | 電圧区分ごとの基準値(0.1/0.2/0.4MΩ) |
| ③接地抵抗測定 | 接地種別と0.5秒遮断の条件で判定 |
| ④導通試験 | 配線の断線・接続先の誤り |
| ⑤通電試験 | 電圧・極性・相順・保護装置・負荷の動作 |
| 記録 | 回路・条件・値・基準・判定・日時 |
基本の仕組み

器具の種類は図面どおりでも、接地線が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要な機能試験を分けると見落としを減らせます。
各検査は対象と前提条件が異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要な機能確認を混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。
点検・停電測定・通電確認の順序

竣工検査は一般に、目視点検→絶縁抵抗測定→接地抵抗測定→導通試験→通電試験(試送電)の順に行います。目視点検で施工方法・器具・表示を図面と照合し、停電のまま測定と導通試験を済ませ、最後に通電して電圧・極性・相順・機器の動作を確かめます。
絶縁抵抗は電圧区分ごとの基準、接地抵抗は接地種別と例外条件、漏電遮断器は感度・動作時間を判定します。各結果に対象回路、測定条件、測定値、基準、判定、日時を残すと再検査できる記録になります。
照明が点灯しても接地がつながらない、遮断器が動いても絶縁が低い、といった不具合は残り得ます。個々の試験が何を証明するかを分け、すべての必要な検査を終えてから使用開始します。
確認

「最後に電源を入れて動けば合格」は誤りです。絶縁不良や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。
試験に出る
- 竣工検査の一般的な順序は、目視点検→絶縁抵抗測定→接地抵抗測定→導通試験→通電試験(試送電)。
- 絶縁・接地・導通は停電状態で行い、通電試験で電圧・極性・相順・機器の動作を確かめる。
- 「動けば合格」ではなく、絶縁不良や保護機能の不備が残る点に注意します。
- 記録には測定値だけでなく、対象回路・条件・日時・判定を残します。
- 測定器の試験電圧を電子機器へ不用意に加えないよう、回路を切り分けて測る。
重要な言葉
- 竣工検査
- 完成した設備の安全性と機能を確認する検査。
- 外観検査
- 器具の取付けや接続状態を目で確認する検査。
- 試験記録
- 測定値と対象回路・条件・日時・判定を残した記録。
確認問題
確かめよう検査記録に測定値だけあれば十分?
いいえ。対象回路、条件、日時、判定もあって初めて再確認や比較に使えます。
電源を入れて機器が動けば、竣工検査は合格としてよい。
検査記録は測定値だけでなく、対象回路や条件、判定も残す。
竣工検査は、通電試験を行ってから絶縁抵抗測定を行うのが一般的な順序である。
竣工検査で確認する内容は?
検査記録に残すべきものは?
一般用電気工作物の竣工検査の一般的な順序として正しいものは?
工事が終わった設備は、見た目が整っていてもすぐ使用できるとは限りません。では、図面や施工条件との一致と、・機能を順に確かめます。
器具の種類は図面どおりでも、が接続されていないという例を考えます。外観と接続の確認、導通、絶縁、接地、必要なを分けると見落としを減らせます。
各検査は対象とが異なります。停電状態で行う確認と、通電が必要なを混同せず、計画された手順と安全管理の下で結果を記録します。
「最後にを入れて動けば合格」は誤りです。や保護機能の不備は、通常運転できていても残ることがあります。
覚えるポイント
- 絶縁抵抗計は測定用の電圧を加えて抵抗を求める器械です。
- 代表的な方法では、測定対象の接地極と補助接地極を使って測定します。
- 導通は電気的な経路の有無、極性は決められた側や端子との対応です。
- 検電器は対象の電圧区分や方式に適合するものを用います。
- 動作試験では感度や動作時間、試験条件の適合を評価します。
- 同じΩの表示でも、接地抵抗は大地へのつながりやすさ、絶縁抵抗は漏れにくさを評価します。
- 各検査は対象と前提条件が異なります。
- 絶縁抵抗の基準は、対地電圧150V以下0.1MΩ、300V以下でそれ以外0.2MΩ、300V超0.4MΩ。測定困難なら漏えい電流1mA以下です。
- 接地抵抗計の3極法では、E・P・Cをほぼ一直線上に約10m間隔で配置します。
- 竣工検査は目視点検→絶縁抵抗測定→接地抵抗測定→導通試験→通電試験の順です。
- 可動コイル形は直流、可動鉄片形は交流、誘導形は電力量計です。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- e-Gov法令検索:電気設備に関する技術基準を定める省令 ↗(第58条(低圧の電路の絶縁性能))
- 経済産業省:電気設備の技術基準の解釈 ↗(第14条(低圧電路の絶縁性能)、第17条(接地工事の種類))
- HIOKI:接地抵抗計と測定方式の説明 ↗
- HIOKI:高圧受電設備の測定と測定器の使い分け ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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