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電気工事士試験 · 学習ガイド

配電理論・配線設計

器具に必要な電流を求め、分岐回路・幹線・保護装置・電線へ順に結び付けます。負荷の必要量と配線の許容条件を分けて判断する教材です。

仕組みを理解する

配電方式の基礎

配電方式とは、電線の本数と線間の組み合わせで住宅に100Vと200Vを供給する方法です。単相3線式では中性線が二つの100V負荷の基準になります。

電気を回路に分ける。住宅全景の左に分電盤、右に照明・台所・エアコンの三つの機器グループ。
考え方の例:分電盤から用途ごとの回路へ電気を分ける構造です。単相2線式と3線式の結線の違いを示した図ではありません。

住宅で100Vの照明と200Vの機器を使い分けられるのは、配電方式と取り出す二点の関係によります。電線の本数だけでなく、どの線間で負荷をつなぐかを読みます。

配電方式の基礎
区分判断の目安
単相2線式2線の間に一つの供給電圧
単相3線式外側と中性線100V、外側同士200V
中性線電流両外側線の電流の差(平衡なら0)
中性線断線100V負荷が直列となり、不平衡なら過電圧の危険
三相3線式三相負荷に供給し、線と相の値を区別

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。三本の線を上から電圧線・中性線・電圧線の順に水平に並べる。左側に中性線と各電圧線の間を示す100Vの括弧を二つ、右側に両電圧線の間を示す200Vの括弧を一つ置く。
覚えること:中性線と片側で100V、電圧線間200V

単相3線式の100/200V回路では、中性線と片側の電圧線の間が100V、両側の電圧線同士の間が200Vです。図に三本の線を描き、100Vの区間二つと200Vの全体を示すと整理できます。

中性線は二つの100V負荷をつなぐ基準になります。負荷が平衡なら中性線電流は相殺されますが、負荷の不平衡があれば中性線にも電流が流れます。

方式と中性線断線

方式と中性線断線の図解。正方形の中央に単相3線式の回路模型を一つだけ描く。左右の外側線間を200Vとし、中性線は中央で途切れた状態にする。定格100Vの二つの抵抗負荷を外側線間に直列に置き、80Ω側に160V、20Ω側に40Vを表示する。
覚えること:中性線断線時は抵抗比で分圧

単相2線式は2本の間で一つの電圧を得ます。単相3線式は外側2線間が200V、各外側線と中性線間が100Vです。三相3線式は三相負荷への供給に使い、線間電圧・線電流と各相の値を区別します。引込線は供給側から需要場所へ電気を取り入れる部分で、屋内の幹線・分岐回路とは位置が異なります。

単相3線式の中性線が断線すると、二つの100V負荷が200Vに直列接続された状態になり、抵抗に比例して電圧が分配されます。定格100Vで125Wと500Wの抵抗負荷なら各抵抗は80Ωと20Ωで、200Vから160Vと40Vに分圧されます。中性線電流が平衡時に0でも、断線してよい意味ではありません。

中性線と接地線も区別します。中性線は通常の回路で電流が流れ得る導体、接地線は故障時の感電防止に関わる導体です。

確認

確認の図解。中央に断線した中性線、右に各100V負荷を置き、断線箇所から負荷へ向かう矢印で「電圧配分が崩れるおそれ」を示す。図は一場面とし、断線部を大きく描く。
覚えること:中性線断線で電圧配分が崩れるおそれ

「中性線はいつでも電流ゼロ」と覚えるのは誤りです。中性線の断線は各100V負荷への電圧配分を崩すおそれがあるため、正常な接続が重要です。

試験に出る

  • 単相3線式で100Vと200Vをどの二点間から取るかを問う問題。
  • 中性線の役割と、平衡・不平衡で中性線電流がどうなるかの正誤問題。
  • 中性線断線が各100V負荷へ与える影響を問う問題。
  • 電線の本数と線間の組み合わせを図から読み取る問題。
  • 単相2線式との違いを整理する問題。
  • 単相3線式の電圧降下で、平衡なら中性線の降下は0、不平衡なら中性線電流(両外側線の電流の差)による降下も入れる問題。
  • 中性線断線時の分圧を、各負荷の抵抗R=V²/Pから求める問題(125Wと500Wなら160Vと40V)。
  • 単相3線式の中性線(中性極)には過電流遮断器を施設しないことの確認(電技解釈148条・149条)。

重要な言葉

単相3線式
中性線を挟む二本の電圧線で100Vと200Vを取り出せる方式。
中性線
二つの100V負荷をつなぐ基準となる線。
配電方式
電線の本数と線間の組み合わせによる電力供給のしかた。

確認問題

確かめよう100/200Vの単相3線式で200Vを取り出す二点は?

二本の電圧線間。中性線と電圧線の間ではありません。

単相3線式の中性線には、負荷が平衡であれば電流が流れない。

単相3線式の中性線と片側の電圧線の間は200Vである。

単相3線式(100/200V)で200Vを取り出すのは?

中性線の断線で起こりうることは?

住宅で100Vの照明と200Vの機器を使い分けられるのは、と取り出す二点の関係によります。電線の本数だけでなく、どので負荷をつなぐかを読みます。

単相3線式の100/200V回路では、と片側のの間が100V、両側の電圧線同士の間が200Vです。図に三本の線を描き、100Vの区間二つと200Vの全体を示すと整理できます。

中性線は二つの100V負荷をつなぐ基準になります。負荷が平衡ならは相殺されますが、負荷のがあれば中性線にも電流が流れます。

「中性線はいつでも電流ゼロ」と覚えるのは誤りです。中性線のは各100V負荷へのを崩すおそれがあるため、正常な接続が重要です。

負荷と回路容量

回路容量とは、一つの回路に接続できる負荷の大きさを電流で表した設計上の目安です。器具の個数ではなく同時に使う負荷で考えます。

回路の容量と負荷。一つの電源回路につながる二つの電気器具から、必要電流の大きさを示す箱が中央へ集まる。
接続する機器の負荷を足し合わせ、同時使用の条件を踏まえて回路容量と比較します。個々の機器だけでなく、同じ回路全体を見ることが大切です。

一つの回路に複数の器具を接続すると、それぞれに必要な電流が回路全体へ集まります。器具の個数ではなく、同時に使う負荷の大きさで考えるのが出発点です。

負荷と回路容量
区分判断の目安
抵抗負荷I=P/V
単相交流I=P/(V×力率)
平衡三相I=P/(√3×線間電圧×力率)
電動機出力と効率から入力電力を求める

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に100Vの純抵抗負荷600Wと800Wを同時に使う様子、中央に計算機と結果の14Aを置く。14Aから右側の電線・器具・遮断器へ照合の矢印を伸ばし、三者を仕切りで分けて同じ定格値だと見せない。
覚えること:負荷電流は電線・器具・保護装置と照合

100Vで使う純抵抗負荷600Wと800Wを同時使用する計算例では、合計電流は(600+800)÷100=14Aです。これを電線や器具、保護装置の条件と照合します。

負荷電流は設計の必要量、電線の許容電流は温度上昇を考えた限界、遮断器の定格は保護装置の仕様です。三つは関連しますが同じ数字を表す言葉ではありません。

負荷から必要電流を求める

負荷から必要電流を求めるの図解。正方形の上部に100Vのコンセント、左右に抵抗負荷500Wと1000Wを置く。各負荷から「5A」「10A」の矢印を中央下へ集め、「5A+10A=15A」と示す。
覚えること:100V抵抗、同時5A+10A=15A

抵抗負荷ならI=P/V、単相交流の一般負荷ならI=P/(V×力率)、平衡三相ならI=P/(√3×線間電圧×力率)です。効率が与えられた電動機では入力電力=出力/効率としてから電流へ変換します。W、kW、VA、Aを混ぜないようにします。

単相100Vの抵抗負荷500Wと1000Wを同時に使うなら電流は5A+10A=15Aです。一方、100Vで皮相電力1000VA、力率0.8の負荷は電流10A、有効電力800Wです。ワット数だけから力率を無視して電流を求めません。

設備容量は接続される器具の合計、最大需要電力は同時使用を考えた最大値です。負荷電流を求めてから、配線・遮断器・コンセントの各条件を照合します。

確認

確認の図解。正方形の左に遮断器、右にコンセントと電線を置き、中央を縦線で仕切る。遮断器の数値から右側へ伸びる矢印に×印を重ね、数値をそのまま適用できないことを示す。
覚えること:遮断器の数値だけで判断しない

遮断器の数値だけ見て「そこまでならどのコンセントや電線でも使える」と判断してはいけません。交流電動機では効率や力率、始動時の電流も考慮します。

試験に出る

  • 純抵抗負荷の消費電力から負荷電流を求める計算問題。
  • 負荷電流・許容電流・遮断器の定格の意味の違いを問う問題。
  • 器具の個数ではなく同時に使う負荷で考えることの確認。
  • 遮断器の数値だけで電線やコンセントの条件を判断できないこと。
  • 交流電動機では効率・力率・始動電流も考慮すること。
  • 三相負荷の電流をI=P/(√3×V×cosφ)で求め、√3や力率を落とさない計算。
  • VA表示とW表示を区別し、有効電力[W]=皮相電力[VA]×力率で換算する問題。
  • 設備容量と最大需要電力を取り違えず、需要率を掛ける順序を確認する問題。

重要な言葉

回路容量
一つの回路で扱える負荷の大きさを電流で表した設計上の目安。
負荷電流
接続した負荷に流れる電流。設計の必要量。
許容電流
温度上昇を考えて電線に流せる電流の限界。

確認問題

確かめよう同じ100Vで負荷が1000W増えた純抵抗回路では何A増える?

10A。個数でなく電力を電流へ換算します。

100Vの純抵抗負荷600Wと800Wを同時に使うと、合計電流は14Aである。

負荷電流・許容電流・遮断器の定格はどれも同じ意味の数字である。

100Vの純抵抗負荷600Wと800Wを同時使用したときの合計電流は?

交流電動機の負荷を考えるときに追加で考慮するものは?

一つのに複数の器具を接続すると、それぞれに必要な電流が回路全体へ集まります。器具の個数ではなく、同時に使うの大きさで考えるのが出発点です。

100Vで使う純抵抗負荷と800Wを同時使用する計算例では、合計電流は(600+800)÷100=です。これを電線や器具、保護装置の条件と照合します。

は設計の必要量、電線のは温度上昇を考えた限界、遮断器の定格は保護装置の仕様です。三つは関連しますが同じ数字を表す言葉ではありません。

の数値だけ見て「そこまでならどのコンセントや電線でも使える」と判断してはいけません。交流電動機では効率や力率、も考慮します。

分岐回路設計(頻出・暗記で解ける)

分岐回路とは、分電盤から照明やコンセントへ電力を分けて送る枝の回路です。電線・器具・遮断器の組合せで過大な電流から保護します。

回路の容量と負荷。一つの電源回路につながる二つの電気器具から、必要電流の大きさを示す箱が中央へ集まる。
接続する機器の負荷を足し合わせ、同時使用の条件を踏まえて回路容量と比較します。個々の機器だけでなく、同じ回路全体を見ることが大切です。

分電盤から照明やコンセントへ向かう枝が分岐回路です。一つの枝で事故が起きたとき、必要な部分を保護できるように、電線・器具・遮断器を組み合わせます。

分岐回路設計(頻出・暗記で解ける)
区分判断の目安
遮断器過負荷・短絡から回路を保護
電線材質・断面積・工法から許容電流を判定
コンセント回路と接続機器に合う定格を判定
位置・距離分岐点から遮断器までの区間を確認
分岐回路設計(頻出・暗記で解ける)
分岐回路の過電流遮断器電線の太さ(軟銅線)コンセントの定格電流
15A以下直径1.6mm以上15A以下
15A超20A以下の配線用遮断器直径1.6mm以上20A以下
15A超20A以下のヒューズ直径2.0mm以上20A
20A超30A以下直径2.6mm(5.5mm²)以上20A以上30A以下
30A超40A以下断面積8mm²以上30A以上40A以下
40A超50A以下断面積14mm²以上40A以上50A以下
分岐回路設計(頻出・暗記で解ける)
分岐点から過電流遮断器までの長さその区間の電線の許容電流
3m以下制限なし
3m超8m以下幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上
8m超幹線の過電流遮断器の定格電流の55%以上

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。中央に縦の仕切りがある三列の表を置き、左から遮断器の種類・定格、電線の太さ、コンセントの定格を書き分ける。三列から下向きの矢印を「組合せ条件」へ集め、過大な電流から配線・接続器を保護するための確認だと示す。
覚えること:三列に書き分け組合せ条件を確認

問題で遮断器の種類と定格、電線の太さ、コンセントの定格が示されたら、まず三列の表に書き分けます。選択肢の一つだけ定格が変わる問題でも、どの組合せ条件が崩れたかを比較できます。

分岐回路の規定は、過大な電流で配線や接続器が傷まないための組合せ条件です。遮断器のアンペア数を丸暗記するだけでなく、何を保護する回路かを意識します。

分岐回路の組合せを選ぶ

分岐回路の組合せを選ぶの図解。中央のエルくんを挟み、左に20A配線用遮断器と電線1.6mm以上、右に20Aヒューズと電線2.0mm以上を並べ、中央を縦の仕切りで分ける。各機器から対応する電線へ下向き矢印を引き、同じ20Aでも必要な電線の太さが違うことを示す。
覚えること:同じ20Aでも電線太さは異なる

分岐回路では、①電源方式・電圧、②過電流遮断器の種類と定格、③電線の種類・太さと許容電流、④コンセント等の定格、⑤分岐点から遮断器までの距離を順に読みます。どれか一つの条件だけ正しくても組合せ全体が不適切なら選べません。

組合せは電技解釈149条で決まります。20A配線用遮断器なら電線1.6mm以上・コンセント20A以下、20Aヒューズなら電線2.0mm以上・コンセント20A、30Aなら電線2.6mm(5.5mm²)以上・コンセント20A以上30A以下です。同じ20Aでも配線用遮断器とヒューズで電線の太さが違います。

分岐回路の過電流遮断器は、幹線との分岐点から3m以下に施設します。分岐点から遮断器までの電線の許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上なら8m以下、55%以上なら長さの制限なく離せます。例えば幹線50Aで7mなら50×0.35=17.5A以上です。

確認

確認の図解。中央に遮断器、左に「負荷に必要な容量」、右に「電線・器具の保護」を配置し、中央から左右へ矢印を伸ばす。左右の条件は仕切りで分け、下部の「両方満たす」に線を合流させる。
覚えること:負荷の必要容量と電線・器具の保護を両立

「遮断器が大きいほどよい」は誤りです。負荷に対して必要な容量を満たすことと、電線・器具を保護できることを両方満たす必要があります。

試験に出る

  • 遮断器の定格・電線の太さ・コンセントの定格の組合せを問う頻出問題。
  • 分岐回路が何を保護するための規定かを問う正誤問題。
  • 定格を一列だけ変えたとき、どの条件が崩れるかを比較する問題。
  • 「遮断器が大きいほどよい」が誤りである理由。
  • 負荷追加時に回路全体の条件を再確認する考え方。
  • 20A配線用遮断器は1.6mm、20Aヒューズは2.0mmと、遮断器の種類で電線の最小太さが変わる点。
  • 30A分岐回路に15Aコンセントは使えない(20A以上30A以下)点を突く組合せ問題。
  • 分岐点から遮断器までの長さに応じた35%(8m以下)・55%(8m超)の許容電流計算。

重要な言葉

分岐回路
分電盤から照明やコンセントへ分けて送る枝の回路。
過電流遮断器
過大な電流が流れたときに回路を遮断する装置。
コンセント定格
コンセントが扱える電圧・電流の条件。

確認問題

確かめよう負荷を追加するため遮断器だけ大きくすれば解決する?

いいえ。電線と接続器を含む回路全体の条件を再確認します。

分岐回路では、遮断器を大きくすれば電線や器具の条件を満たさなくてもよい。

分岐回路の規定は、配線や接続器が過大な電流で傷まないための組合せ条件である。

20Aのヒューズで保護する分岐回路には、直径1.6mmの電線を使える。

分岐回路の遮断器・電線・コンセントで確認すべきことは?

負荷を追加するときに遮断器だけを大きくすると?

分岐回路の配線用遮断器・電線(軟銅線)・コンセントの組合せとして適切なものは?(分岐点から遮断器まで3m)

定格電流100Aの過電流遮断器で保護された幹線から分岐し、分岐点から6mの位置に過電流遮断器を施設する。分岐点から遮断器までの電線の許容電流の最小値は?

分電盤から照明やコンセントへ向かう枝がです。一つの枝で事故が起きたとき、必要な部分を保護できるように、電線・器具・を組み合わせます。

問題で遮断器の種類と、電線の太さ、コンセントの定格が示されたら、まず三列の表に書き分けます。選択肢の一つだけ定格が変わる問題でも、どのが崩れたかを比較できます。

分岐回路の規定は、で配線や接続器が傷まないための組合せ条件です。遮断器のアンペア数を丸暗記するだけでなく、何をする回路かを意識します。

「遮断器が大きいほどよい」は誤りです。負荷に対して必要なを満たすことと、を保護できることを両方満たす必要があります。

幹線設計

需要率とは、設備容量に対する最大需要電力の割合で、幹線の設計に使います。設備容量に需要率を掛けると最大需要電力になります。

幹線と分岐回路。太い幹線一本が分電盤へ入り、そこから細い三本の分岐回路へ分かれる樹形図。
幹線は複数の回路に電気を届け、分電盤から分岐回路へ分かれます。線の太さは役割を示す表現で、実際の電線サイズの指定ではありません。

幹線は複数の分岐回路へ電力を運ぶ共通部分です。各部屋の器具がすべて同時に最大で使われるかを考えることで、枝と建物全体の設計を区別できます。

幹線設計
区分判断の目安
IM≦IH(IM:電動機等の合計、IH:他の負荷の合計)電線の根拠:IM+IH(係数なし)
IM>IHかつIM≦50A電線の根拠:IM×1.25+IH
IM>IHかつIM>50A電線の根拠:IM×1.1+IH
幹線の過電流遮断器(電動機等あり)3IM+IH以下。幹線の許容電流×2.5を超えるならその値以下
需要率指定された同時使用条件に従う

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の「設備容量20kW」と上の「問題指定の需要率60%」から、中央の計算器へ矢印を集め、右の「最大需要電力12kW」へ矢印を出す。12kWは電流ではなく電力として示す。
覚えること:20kW×指定60%=最大需要12kW

設備容量の合計20kWに対し、問題で需要率60%が与えられた例では、最大需要電力は12kWです。その後、電圧・相数・力率の条件から幹線に流れる電流を求めます。

需要率は設備容量に対する最大需要電力の割合です。幹線では同時使用の条件を考えますが、その値を勝手に小さく見積もるのではなく、問題の指定や設計条件に従います。

幹線の太さと遮断器を分ける

幹線の太さと遮断器を分けるの図解。上端に「需要率の指定があれば先に適用」と小さく置き、その下に電線の許容電流を決める分岐図を描く。IM>IHでなければ右へ進みIM+IH以上、IM>IHなら下へ進み、IM≦50Aでは1.25IM+IH以上、IM>50Aでは1.1IM+IH以上とする。
覚えること:IM>IH時のみ50Aで係数分岐

幹線の太さを決める根拠となる電流と、幹線用過電流遮断器の定格を決める式は分けて読みます。電動機等を含む場合、起動電流に配慮して電線の許容電流と遮断器の定格に異なる条件が置かれます。需要率の指定がある場合はその条件を先に適用します。

幹線の電線の許容電流は定格電流の合計以上が原則です。電動機等の合計IMが他の負荷の合計IHより大きいときだけ、IM≦50AならIM×1.25、IM>50AならIM×1.1にIHを加えます。例:IM25A・IH20Aなら1.25×25+20=51.25A、IM10A・IH35Aなら単純合計の45Aです。

幹線の過電流遮断器の定格電流は、原則として幹線の許容電流以下です。電動機等があるときは3IM+IH以下とでき、それが幹線の許容電流の2.5倍を超えるなら2.5倍以下にします。電動機が複数なら合計してから判定し、電熱器には係数を掛けません。

確認

確認の図解。中央に仕切りのある2つの受け皿を置き、左を「設備容量」、右を「最大需要電力」とする。2つを入れ違える動きを交差する矢印で示し、その先を「電流計算のずれ」につなぐ。
覚えること:設備容量と最大需要電力を取り違えない

設備容量と最大需要電力を取り違えると、電流の計算が最初からずれます。また電動機を含む幹線は、一般負荷だけの単純な合計と同じ扱いとは限りません。

試験に出る

  • 設備容量に需要率を掛けて最大需要電力を求める計算問題。
  • 設備容量と最大需要電力の違いを問う正誤問題。
  • 需要率を勝手に見積もらず、問題の指定に従うこと。
  • 電動機を含む幹線は一般負荷だけの合計と扱いが異なること。
  • 幹線に流れる電流を電圧・相数・力率から求める流れ。
  • 電動機等の合計が他の負荷の合計以下なら係数を掛けず単純合計とする問題(2026年上期:10A+15A+20A=45A)。
  • 幹線の過電流遮断器を3IM+IHと許容電流×2.5の小さい方で決める問題。
  • 電動機等の合計が50Aを超えるかどうかで1.25倍と1.1倍を選ぶ問題。

重要な言葉

幹線
複数の分岐回路へ電力を運ぶ共通部分。
需要率
設備容量に対する最大需要電力の割合。
最大需要電力
実際に同時使用されると想定される最大の電力。

確認問題

確かめよう設備容量30kW、需要率80%の最大需要電力は?

24kW。80を掛けず、0.8へ直して計算します。

設備容量に需要率を掛けると最大需要電力が求まる。

電動機を含む幹線は、一般負荷だけの単純な合計と同じ扱いでよい。

電動機10Aと電熱器15A・20Aを接続する幹線では、根拠となる電流は1.25×10+35=47.5Aである。

設備容量20kW、需要率60%の最大需要電力は?

需要率の定義は?

電動機の定格電流の合計25A、電熱器の定格電流の合計20Aの幹線で、電線の太さを決める根拠となる電流の最小値は?

は複数の分岐回路へ電力を運ぶ共通部分です。各部屋の器具がすべて同時に最大で使われるかを考えることで、枝との設計を区別できます。

設備容量の合計20kWに対し、問題で60%が与えられた例では、最大需要電力はです。その後、電圧・相数・力率の条件から幹線に流れる電流を求めます。

は設備容量に対するの割合です。幹線では同時使用の条件を考えますが、その値を勝手に小さく見積もるのではなく、問題の指定や設計条件に従います。

と最大需要電力を取り違えると、電流の計算が最初からずれます。またを含む幹線は、一般負荷だけの単純な合計と同じ扱いとは限りません。

過電流遮断器

過電流遮断器とは、過負荷や短絡で流れる異常な電流を遮断して回路を保護する装置です。定格電流と遮断容量は別の仕様です。

遮断器が回路を守る。正常時の閉じたスイッチと異常電流時の開いたスイッチの二場面。
過電流遮断器は過大な電流を検知して回路を遮断します。通常時と異常時で接点の状態が変わることが保護の基本です。

電線は大きすぎる電流が流れると発熱します。過電流遮断器は、過負荷や短絡による異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。

過電流遮断器
区分判断の目安
過負荷通常経路で負荷が大きくなる
短絡線間が低抵抗でつながり大電流が流れる
地絡電路が大地側につながる
漏電遮断器行きと帰りの電流差で地絡を検知
過電流遮断器
遮断器(電技解釈33条)動作・溶断しない電流所定時間内に動作・溶断
配線用遮断器(定格30A以下)定格電流の1倍1.25倍で60分以内、2倍で2分以内
配線用遮断器(定格30A超50A以下)定格電流の1倍1.25倍で60分以内、2倍で4分以内
ヒューズ(定格30A以下)定格電流の1.1倍1.6倍で60分以内、2倍で2分以内
過電流遮断器
漏電遮断器(電技解釈36条)内容
原則金属製外箱をもつ使用電圧60V超の低圧機械器具に至る電路に施設
省略できる例(場所)乾燥した場所、または対地電圧150V以下で水気のある場所以外
省略できる例(器具)電気用品安全法の2重絶縁構造、ゴム・合成樹脂等で被覆したもの
省略できる例(接地・電源)C種・D種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下、または機械器具側300V以下の絶縁変圧器で非接地

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。1つの回路図の中央に過電流遮断器を置き、左側に器具の使い過ぎから電流が増える流れ、右側に電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながる箇所を描く。左右は仕切らず、各原因から「過電流」へ向かう矢印を付ける。
覚えること:過負荷と短絡は起こり方が違う

器具の使い過ぎで電流が増える過負荷と、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながる短絡では、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。

定格電流は通常使う電流の基準、遮断容量は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。

過電流・地絡・短絡の保護

過電流・地絡・短絡の保護の図解。中央に漏電遮断器、左に電源、右に負荷を置き、上段の行き線は右向き、下段の帰り線は左向きの矢印で示す。負荷側から大地へ漏れる線を下向きに描き、帰りの電流が行きより少ないことを漏電遮断器の位置で示す。
覚えること:地絡は漏電遮断器が行き帰りの差で検知

過電流には、負荷の使い過ぎによる過負荷と、線間の異常接続による短絡があります。地絡は電路の一部が大地や接地された外箱等につながる事故で、過電流遮断器だけでは漏れた電流を確実に検知できません。漏電遮断器は行きと帰りの電流差を検知します。

定格電流は通常の連続使用条件に関係し、遮断容量は設置位置で想定する短絡電流を安全に遮断できる能力です。漏電遮断器には定格感度電流・動作時間など別の仕様があります。20Aという表示だけで地絡保護機能や遮断容量は決まりません。

保護装置は電源側・負荷側の配置も読みます。事故時に必要な部分を切り離し、正常な回路への影響を抑えるため、幹線用と分岐用の遮断器をそれぞれ適切に設けます。

確認

確認の図解。中央に配線用遮断器を置き、その表示から下向きの矢印を左右に分岐させる。左右を仕切り、「過電流保護」と「漏電保護」を別々の確認欄にし、装備を示すチェック印は付けない。
覚えること:保護機能は別。装備は表示で確認

配線用遮断器が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護と漏電保護は別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。

試験に出る

  • 過負荷と短絡の違いを問う正誤問題。
  • 定格電流と遮断容量の違いを問う問題。
  • 遮断容量は想定される短絡電流に見合う必要があること。
  • 配線用遮断器が漏電を検知するとは限らないこと。
  • 通常の開閉と事故時の遮断を分けて考える問題。
  • 定格20Aの配線用遮断器に40A(2倍)が流れたとき、2分以内に動作すべきことを問う問題。
  • ヒューズは定格の1.1倍に耐え、1.6倍・2倍で所定時間内に溶断することを問う問題。
  • 漏電遮断器を省略できる条件(乾燥した場所、対地電圧150V以下で水気のない場所、2重絶縁など)を選ぶ問題。

重要な言葉

過電流遮断器
過負荷や短絡による異常な電流を遮断する装置。
定格電流
通常使用する電流の基準。
遮断容量
所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力。
配線用遮断器
過電流保護を行う代表的な遮断器。漏電検知は別機能。

確認問題

確かめよう定格電流が同じなら遮断容量も必ず同じ?

いいえ。平常時の電流と事故を切れる能力は別の仕様です。

定格電流が同じ遮断器なら、遮断容量も必ず同じである。

過電流保護と漏電保護は別の機能である。

遮断容量が表すのは?

過負荷と短絡の違いとして正しいのは?

定格電流20Aの配線用遮断器に40Aの電流が流れ続けたとき、自動的に動作しなければならない時間の限度は?

電線は大きすぎる電流が流れると発熱します。は、過負荷やによる異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。

器具の使い過ぎで電流が増えると、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながるでは、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。

は通常使う電流の基準、は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。

が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護とは別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。

電線の許容電流

許容電流とは、温度上昇を一定の範囲に抑えて電線に流せる電流の限界です。太さだけでなく周囲温度や管内の線数でも変わります。

許容電流は条件で変わる。同じ断面の電線の単独配置と複数束ねた配置を比較。
同じ電線でも熱の逃げ方が変われば許容電流の条件は変わります。太さだけで判断せず、周囲の温度や束ね方などの条件も確認します。

同じ電線でも、熱を逃がしやすい場所と多くの線を束ねた場所では温度の上がり方が違います。許容電流は電線の太さだけで決まる値ではありません。

電線の許容電流
区分判断の目安
断面積大きいほど一般に抵抗が小さく、許容電流は大きい
絶縁物・工法耐熱・放熱条件を決める
電線数・周囲温度電流減少係数の適用条件
補正後許容電流基準許容電流×指定された係数
電線の許容電流
600Vビニル絶縁電線(軟銅線)許容電流(周囲温度30℃以下)
直径1.6mm27A
直径2.0mm35A
直径2.6mm48A
断面積2mm²27A
断面積3.5mm²37A
断面積5.5mm²49A
断面積8mm²61A
電線の許容電流
同一管内の電線数電流減少係数
3本以下0.70
4本0.63
5本または6本0.56
7本以上15本以下0.49

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の「基準30A」と「減少係数0.7」を中央の計算器に入れ、右向きの矢印の先に「補正後21A」を置く。その右に数値を示さない「負荷電流」を並べ、両者を比較する位置関係にする。
覚えること:30A×0.7=21Aを負荷電流と比較

問題で基準となる許容電流が30A、適用する電流減少係数が0.7と指定された例なら、30×0.7=21Aです。条件を補正した値と負荷電流を比べます。

導体の抵抗で発熱した熱を、絶縁体や周囲へ逃がせる範囲で使用するのが考え方です。材質・絶縁物・周囲温度・管内の電線数などが表を選ぶ条件になります。

許容電流の表と補正

許容電流の表と補正の図解。上部に金属管内のビニル絶縁電線4本を描き、その下を左から「該当する基準表の37A」→「×0.63」→「約23.3A」の順に矢印でつなぐ。右端に「選択肢は23A」を添え、上部の条件と計算部分は横線で仕切る。
覚えること:該当表値×指定係数で算定

許容電流は導体の材質・断面積、絶縁物の耐熱、周囲温度、施工方法、同一管内の電線数で変わります。問題ではまず基準表から該当する電線の値を選び、その後で指定された電流減少係数を掛けます。中性線など算定上の電線数の扱いも問題文・基準に従います。

2026年上期の学科試験(問8)は、金属管内に3.5mm²のビニル絶縁電線4本を収め、係数0.63を指定しています。基準許容電流37Aに0.63を掛けると約23.3Aで、選択肢では23Aです。係数で割ったり、断面積の数字をそのまま電流Aにしたりしません。

許容電流と抵抗・電圧降下の条件は別です。太い電線は抵抗が小さく電圧降下を抑えますが、選定時には発熱に対する許容電流と負荷電圧の双方を検討します。

確認

確認の図解。中央の電線の周囲に、こもった熱を波線で描く。右側に許容電流の縦目盛りを置き、電線から目盛りへ矢印をつなぎ、目盛り上の下向き矢印で小さくなる方向を示す。
覚えること:熱がこもるなら許容電流は小さく

別の工法の表から数値を借りたり、係数で割って許容電流を大きくしたりしないようにします。熱がこもる条件なら、許容できる電流は小さくなる方向です。

試験に出る

  • 基準の許容電流に電流減少係数を掛ける計算問題。
  • 許容電流は太さだけで決まらないことを問う正誤問題。
  • 材質・絶縁物・周囲温度・管内の電線数が条件になること。
  • 係数で割って許容電流を大きくする誤りを問う問題。
  • 熱がこもる条件では許容電流が小さくなる方向の確認。
  • 1.6mm=27A、2.0mm=35A、2.6mm=48A、5.5mm²=49Aなど、基準の許容電流を覚えているかを問う計算問題。
  • 管内の電線数から係数(3本以下0.70、4本0.63、5・6本0.56)を選ぶ問題(2.0mm4本なら35×0.63≒22A)。
  • 許容電流の条件と、電圧降下の条件を別々に検討すること。

重要な言葉

許容電流
温度上昇を抑えて電線に流せる電流の限界。
電流減少係数
電線を束ねたときなどに許容電流を補正する係数。
電線の太さ
導体の断面積に関わる表示で、抵抗や許容電流に影響する。

確認問題

確かめよう係数0.8を適用した値が基準値より大きくなる計算は妥当?

いいえ。補正の意味と計算の向きが一致していません。

許容電流は電線の太さだけで決まる。

基準の許容電流30Aに電流減少係数0.7を掛けると21Aになる。

基準の許容電流30Aに電流減少係数0.7を適用した値は?

熱がこもりやすい条件で許容電流はどうなる?

合成樹脂管に直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めたときの電線1本当たりの許容電流は?(周囲温度30℃以下)

同じ電線でも、熱を逃がしやすい場所と多くの線を束ねた場所ではの上がり方が違います。は電線の太さだけで決まる値ではありません。

問題で基準となる許容電流が、適用する電流減少係数が0.7と指定された例なら、30×0.7=です。条件を補正した値と負荷電流を比べます。

導体の抵抗で発熱した熱を、絶縁体や周囲へ逃がせる範囲で使用するのが考え方です。材質・・・管内の電線数などが表を選ぶ条件になります。

別の工法の表から数値を借りたり、係数で割ってを大きくしたりしないようにします。熱がこもる条件なら、許容できる電流はなる方向です。

覚えるポイント

  • 中性線は二つの100V負荷をつなぐ基準になります。
  • 負荷電流は設計の必要量、電線の許容電流は温度上昇を考えた限界、遮断器の定格は保護装置の仕様です。
  • 分岐回路の規定は、過大な電流で配線や接続器が傷まないための組合せ条件です。
  • 需要率は設備容量に対する最大需要電力の割合です。
  • 定格電流は通常使う電流の基準、遮断容量は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。
  • 導体の抵抗で発熱した熱を、絶縁体や周囲へ逃がせる範囲で使用するのが考え方です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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