過電流遮断器とは
過電流遮断器とは、過負荷や短絡で流れる異常な電流を遮断して回路を保護する装置です。定格電流と遮断容量は別の仕様です。

電線は大きすぎる電流が流れると発熱します。過電流遮断器は、過負荷や短絡による異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。
| 区分 | 判断の目安 |
|---|---|
| 過負荷 | 通常経路で負荷が大きくなる |
| 短絡 | 線間が低抵抗でつながり大電流が流れる |
| 地絡 | 電路が大地側につながる |
| 漏電遮断器 | 行きと帰りの電流差で地絡を検知 |
| 遮断器(電技解釈33条) | 動作・溶断しない電流 | 所定時間内に動作・溶断 |
|---|---|---|
| 配線用遮断器(定格30A以下) | 定格電流の1倍 | 1.25倍で60分以内、2倍で2分以内 |
| 配線用遮断器(定格30A超50A以下) | 定格電流の1倍 | 1.25倍で60分以内、2倍で4分以内 |
| ヒューズ(定格30A以下) | 定格電流の1.1倍 | 1.6倍で60分以内、2倍で2分以内 |
| 漏電遮断器(電技解釈36条) | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 金属製外箱をもつ使用電圧60V超の低圧機械器具に至る電路に施設 |
| 省略できる例(場所) | 乾燥した場所、または対地電圧150V以下で水気のある場所以外 |
| 省略できる例(器具) | 電気用品安全法の2重絶縁構造、ゴム・合成樹脂等で被覆したもの |
| 省略できる例(接地・電源) | C種・D種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下、または機械器具側300V以下の絶縁変圧器で非接地 |
基本の仕組み

器具の使い過ぎで電流が増える過負荷と、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながる短絡では、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。
定格電流は通常使う電流の基準、遮断容量は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。
過電流・地絡・短絡の保護

過電流には、負荷の使い過ぎによる過負荷と、線間の異常接続による短絡があります。地絡は電路の一部が大地や接地された外箱等につながる事故で、過電流遮断器だけでは漏れた電流を確実に検知できません。漏電遮断器は行きと帰りの電流差を検知します。
定格電流は通常の連続使用条件に関係し、遮断容量は設置位置で想定する短絡電流を安全に遮断できる能力です。漏電遮断器には定格感度電流・動作時間など別の仕様があります。20Aという表示だけで地絡保護機能や遮断容量は決まりません。
保護装置は電源側・負荷側の配置も読みます。事故時に必要な部分を切り離し、正常な回路への影響を抑えるため、幹線用と分岐用の遮断器をそれぞれ適切に設けます。
確認

配線用遮断器が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護と漏電保護は別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。
試験に出る
- 過負荷と短絡の違いを問う正誤問題。
- 定格電流と遮断容量の違いを問う問題。
- 遮断容量は想定される短絡電流に見合う必要があること。
- 配線用遮断器が漏電を検知するとは限らないこと。
- 通常の開閉と事故時の遮断を分けて考える問題。
- 定格20Aの配線用遮断器に40A(2倍)が流れたとき、2分以内に動作すべきことを問う問題。
- ヒューズは定格の1.1倍に耐え、1.6倍・2倍で所定時間内に溶断することを問う問題。
- 漏電遮断器を省略できる条件(乾燥した場所、対地電圧150V以下で水気のない場所、2重絶縁など)を選ぶ問題。
重要な言葉
- 過電流遮断器
- 過負荷や短絡による異常な電流を遮断する装置。
- 定格電流
- 通常使用する電流の基準。
- 遮断容量
- 所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力。
- 配線用遮断器
- 過電流保護を行う代表的な遮断器。漏電検知は別機能。
確認問題
確かめよう定格電流が同じなら遮断容量も必ず同じ?
いいえ。平常時の電流と事故を切れる能力は別の仕様です。
定格電流が同じ遮断器なら、遮断容量も必ず同じである。
過電流保護と漏電保護は別の機能である。
遮断容量が表すのは?
過負荷と短絡の違いとして正しいのは?
定格電流20Aの配線用遮断器に40Aの電流が流れ続けたとき、自動的に動作しなければならない時間の限度は?
電線は大きすぎる電流が流れると発熱します。は、過負荷やによる異常な電流から回路を保護する装置です。通常の開閉と事故時の遮断を分けて考えます。
器具の使い過ぎで電流が増えると、電圧の異なる線同士が低い抵抗でつながるでは、事故電流の大きさや必要な動作が違います。同じ「過電流」でも発生のしかたを比較しましょう。
は通常使う電流の基準、は所定条件で安全に遮断できる事故電流の能力です。負荷電流だけでなく、その場所で想定される短絡電流に見合う必要があります。
が必ず漏電を検知するわけではありません。過電流保護とは別の機能で、どの機能が装備されているかを表示で読みます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- 電気技術者試験センター:第二種電気工事士学科試験 例題(配電理論及び配線設計) ↗
- 経済産業省:電気設備技術基準の解釈(設備・施工条件) ↗(第33条・第36条・第146条・第148条・第149条)
編集:Pinternet Works · 更新日:
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