許容電流とは
許容電流とは、温度上昇を一定の範囲に抑えて電線に流せる電流の限界です。太さだけでなく周囲温度や管内の線数でも変わります。

同じ電線でも、熱を逃がしやすい場所と多くの線を束ねた場所では温度の上がり方が違います。許容電流は電線の太さだけで決まる値ではありません。
| 区分 | 判断の目安 |
|---|---|
| 断面積 | 大きいほど一般に抵抗が小さく、許容電流は大きい |
| 絶縁物・工法 | 耐熱・放熱条件を決める |
| 電線数・周囲温度 | 電流減少係数の適用条件 |
| 補正後許容電流 | 基準許容電流×指定された係数 |
| 600Vビニル絶縁電線(軟銅線) | 許容電流(周囲温度30℃以下) |
|---|---|
| 直径1.6mm | 27A |
| 直径2.0mm | 35A |
| 直径2.6mm | 48A |
| 断面積2mm² | 27A |
| 断面積3.5mm² | 37A |
| 断面積5.5mm² | 49A |
| 断面積8mm² | 61A |
| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
|---|---|
| 3本以下 | 0.70 |
| 4本 | 0.63 |
| 5本または6本 | 0.56 |
| 7本以上15本以下 | 0.49 |
基本の仕組み

問題で基準となる許容電流が30A、適用する電流減少係数が0.7と指定された例なら、30×0.7=21Aです。条件を補正した値と負荷電流を比べます。
導体の抵抗で発熱した熱を、絶縁体や周囲へ逃がせる範囲で使用するのが考え方です。材質・絶縁物・周囲温度・管内の電線数などが表を選ぶ条件になります。
許容電流の表と補正

許容電流は導体の材質・断面積、絶縁物の耐熱、周囲温度、施工方法、同一管内の電線数で変わります。問題ではまず基準表から該当する電線の値を選び、その後で指定された電流減少係数を掛けます。中性線など算定上の電線数の扱いも問題文・基準に従います。
2026年上期の学科試験(問8)は、金属管内に3.5mm²のビニル絶縁電線4本を収め、係数0.63を指定しています。基準許容電流37Aに0.63を掛けると約23.3Aで、選択肢では23Aです。係数で割ったり、断面積の数字をそのまま電流Aにしたりしません。
許容電流と抵抗・電圧降下の条件は別です。太い電線は抵抗が小さく電圧降下を抑えますが、選定時には発熱に対する許容電流と負荷電圧の双方を検討します。
確認

別の工法の表から数値を借りたり、係数で割って許容電流を大きくしたりしないようにします。熱がこもる条件なら、許容できる電流は小さくなる方向です。
試験に出る
- 基準の許容電流に電流減少係数を掛ける計算問題。
- 許容電流は太さだけで決まらないことを問う正誤問題。
- 材質・絶縁物・周囲温度・管内の電線数が条件になること。
- 係数で割って許容電流を大きくする誤りを問う問題。
- 熱がこもる条件では許容電流が小さくなる方向の確認。
- 1.6mm=27A、2.0mm=35A、2.6mm=48A、5.5mm²=49Aなど、基準の許容電流を覚えているかを問う計算問題。
- 管内の電線数から係数(3本以下0.70、4本0.63、5・6本0.56)を選ぶ問題(2.0mm4本なら35×0.63≒22A)。
- 許容電流の条件と、電圧降下の条件を別々に検討すること。
重要な言葉
- 許容電流
- 温度上昇を抑えて電線に流せる電流の限界。
- 電流減少係数
- 電線を束ねたときなどに許容電流を補正する係数。
- 電線の太さ
- 導体の断面積に関わる表示で、抵抗や許容電流に影響する。
確認問題
確かめよう係数0.8を適用した値が基準値より大きくなる計算は妥当?
いいえ。補正の意味と計算の向きが一致していません。
許容電流は電線の太さだけで決まる。
基準の許容電流30Aに電流減少係数0.7を掛けると21Aになる。
基準の許容電流30Aに電流減少係数0.7を適用した値は?
熱がこもりやすい条件で許容電流はどうなる?
合成樹脂管に直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めたときの電線1本当たりの許容電流は?(周囲温度30℃以下)
同じ電線でも、熱を逃がしやすい場所と多くの線を束ねた場所ではの上がり方が違います。は電線の太さだけで決まる値ではありません。
問題で基準となる許容電流が、適用する電流減少係数が0.7と指定された例なら、30×0.7=です。条件を補正した値と負荷電流を比べます。
導体の抵抗で発熱した熱を、絶縁体や周囲へ逃がせる範囲で使用するのが考え方です。材質・・・管内の電線数などが表を選ぶ条件になります。
別の工法の表から数値を借りたり、係数で割ってを大きくしたりしないようにします。熱がこもる条件なら、許容できる電流はなる方向です。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- 電気技術者試験センター:第二種電気工事士学科試験 例題(配電理論及び配線設計) ↗
- 経済産業省:電気設備技術基準の解釈(設備・施工条件) ↗(第33条・第36条・第146条・第148条・第149条)
編集:Pinternet Works · 更新日:
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