電圧降下とは
電圧降下とは、電線の抵抗によって電源電圧の一部が失われ、負荷に届く電圧が下がる現象です。抵抗分だけの回路ではIRで表します。

長い配線の先で電源と同じ電圧が得られるとは限りません。電線にも抵抗があるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。
| 区分 | 式・判断(rは電線1本の抵抗、抵抗負荷) |
|---|---|
| 単相2線式 | 電圧降下2Ir、電線損失2I²r |
| 単相3線式(平衡) | 電圧降下Ir(中性線に電流なし)、電線損失2I²r |
| 三相3線式(平衡) | 電圧降下√3Ir、電線損失3I²r |
| 負荷電圧 | 送電側電圧−電圧降下 |
| 電線抵抗 | 同材質なら長さに比例、断面積に反比例 |
基本の仕組み

単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下は4Vです。電源が100Vなら負荷側は96Vになります。
抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はIRです。電線が長いほど抵抗は増え、断面積が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。
電線抵抗・損失・負荷電圧

電圧降下は電源から負荷までの導体の抵抗による電圧差です。単相2線式では往路と復路の2本を通るため、同じ片道抵抗rならΔV=2Irです。負荷電圧=送電側電圧−ΔVです。電線での電力損失は2I²rになります。
同じ材質・長さで断面積を2倍にすれば電線抵抗と抵抗分の電圧降下は半分です。電流を2倍にすれば電圧降下は2倍、損失は4倍です。実際の交流配線ではリアクタンスや力率も影響し、単相3線式や三相3線式を2線式の往復式に無条件で置き換えません。
例:片道0.2Ω、10Aの単相2線式なら電圧降下4V、電線損失40Wです。100Vの送電側に対し負荷側は96V。電圧降下と損失は単位も計算式も違います。
確認

電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、回路全体の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やリアクタンスも条件に入ります。
試験に出る
- 電圧降下をIRで求める計算問題(往復の抵抗を忘れない)。
- 片道の抵抗か往復の抵抗かを読み分ける問題。
- 電線が長い・断面積が大きいと抵抗がどう変わるかの正誤問題。
- 電流が増えると電圧降下が比例して増えることの確認。
- 三相や交流ではリアクタンスも条件になること。
- こう長と1000m当たりの抵抗から往復の電線抵抗を求める問題(こう長10m・5.0Ω/km・15Aなら0.1Ωで1.5V)。
- 電圧降下を所定値以内にする電線の最小太さを、Ω/kmの表から選ぶ問題。
- 三相3線式の電圧降下√3Ir・損失3I²rを、単相2線式の2Ir・2I²rと取り違えない問題。
重要な言葉
- 電圧降下
- 電線抵抗により負荷側の電圧が下がる現象。
- 電線抵抗
- 電線がもつ抵抗。長いほど大きく、断面積が大きいほど小さい。
- 単相2線式
- 2本の電線で電力を送る方式。電圧降下は往復で考えます。
確認問題
確かめよう同じ電線で電流が20Aになったら、この例の降下は?
8V。抵抗が同じなら電流に比例します。
単相2線式の電圧降下では、電線が往復することから抵抗を2倍で考える。
電線の断面積が大きくなると、電線抵抗は大きくなる。
片道の電線抵抗0.2Ω、負荷電流10Aの単相2線式の電圧降下は?
電源100Vで電圧降下4Vのとき、負荷側の電圧は?
三相3線式で電線1本の抵抗0.1Ω、線電流20Aの抵抗負荷のとき、線間の電圧降下(約)は?
長い配線の先で電源と同じが得られるとは限りません。電線にもがあるため、電流が流れると電線部分で電圧を使い、負荷に届く電圧が下がります。
単相2線式で片道の電線抵抗が0.2Ω、負荷電流が10Aという例なら、往復で0.4Ωなので電圧降下はです。電源が100Vなら負荷側はになります。
抵抗分だけの簡単な回路では電圧降下はです。電線が長いほど抵抗は増え、が大きいほど抵抗は減ります。長さが片道か往復かで計算に入れる値が変わります。
電線一本の抵抗に電流を掛けた値を、の降下としないよう注意します。三相や交流のより詳しい問題では、相の関係やも条件に入ります。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 電気技術者試験センター:第一種 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種 ↗
- 学科問題・解答と使用条件 ↗
- 電気技術者試験センター:第二種の学科出題範囲・図記号の扱い ↗
- 電気技術者試験センター:第二種電気工事士学科試験 例題(電気に関する基礎理論) ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
教材の編集方針・訂正について
