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日商簿記検定 · 学習ガイド

原価計算の基本構造(最初にここを固める)

製造原価とは

製造原価とは、材料費・労務費・経費を集めて、製品の製造にかかった原価を計算したものです。完成すると製品へ、販売されると売上原価へと移ります。

エルくんが説明する図解。材料/労務/経費→仕掛品9→製品7と残仕掛2へ分岐。
考え方の例:材料費4万円、労務費3万円、経費2万円を投入すると製造原価は9万円です。完成した分が7万円なら、残る仕掛品は2万円になります。

商業簿記では商品を仕入れて売りますが、工業簿記では材料から製品を作ります。完成前と完成後で、費用の置き場所が変わります。

原価計算の基本構造(最初にここを固める)
段階勘定次に移る条件
材料の購入材料工場で消費したとき
製造中仕掛品完成したとき
完成・未販売製品外部へ販売したとき
販売済み売上原価損益計算書の費用となる(最終段階)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左の材料費4万円・労務費3万円・経費2万円から矢印を中央の仕掛品トレーへ向け、投入額9万円を示す。トレーから右の完成分7万円へ矢印を伸ばし、残る仕掛品2万円はトレー内に置く。
覚えること:投入9万円・完成7万円→仕掛品2万円

材料費4万円、労務費3万円、経費2万円を投入すると、製造原価は9万円です。完成した分が7万円なら、残る仕掛品は2万円になります。

原価は材料などから仕掛品へ集まり、完成すると製品へ、販売すると売上原価へ移ります。製造した時点で全額が費用になるわけではありません。

製品在庫と売上原価を混同してはいけません。まだ売れていない完成品は資産として残ります。

工場会計を独立させる場合、本社と工場で帳簿を分け、本社勘定・工場勘定などで内部の対応を取ります。工場が完成品を製品へ振り替える段階と、外部へ売れて売上原価になる段階は別です。広告費や販売員給与などの営業費は、工場の製造原価と区別して期間の費用へ結び付けます。

材料から売上原価までの流れ

材料から売上原価までの流れの図解。左から「材料→仕掛品→製品→売上原価」の4箱を矢印でつなぐ。「製品」から「売上原価」への矢印にだけ「売れた分だけ」と添え、未販売の製品は製品の箱に残す。
覚えること:売れた製品だけ売上原価へ

製造業では材料の購入→材料の消費→仕掛品→製品→売上原価という順に原価が移ります。未完成品は仕掛品、完成して未販売なら製品という資産です。売れた分だけ売上原価へ移り、販売員給与や広告費などの販売費・一般管理費は製造原価へ入れません。

当月製造費用は直接材料費+直接労務費+製造間接費です。これに月初仕掛品を足し月末仕掛品を引くと完成品製造原価、さらに月初製品を足し月末製品を引くと売上原価です。2026年公開第4問(2)では、完成品原価1,760万円+月初製品115万5千円−月末製品83万5千円=売上原価1,792万円です。

工場と本社の費用を区別する

工場と本社の費用を区別するの図解。上部の「掛けで材料購入」から矢印を左右に分け、縦の仕切りの左に工場の帳簿、右に本社の帳簿を置く。左に「(借)材料/(貸)本社」、右に「(借)工場/(貸)買掛金」を記し、両帳簿の「本社」と「工場」を点線で対応づける。
覚えること:工場会計独立時は対応勘定で記録

工場会計を独立させる場合は本社・工場の対応勘定で材料や製品の移動を記録します。工場の製造原価明細書は材料費・労務費・経費から完成品製造原価へ、損益計算書は売上高と売上原価・販売費等から利益へつなぎます。費用がどの場所で発生したかと、どの段階で費用化するかを分けます。

工場会計が独立しているときは、工場の帳簿に材料・賃金・製造間接費・仕掛品・製品などを置き、本社との取引は工場側の「本社」勘定と本社側の「工場」勘定で記録します。本社が工場の材料を掛けで購入した場合、工場は(借)材料/(貸)本社、本社は(借)工場/(貸)買掛金です。

本社の指示で工場が製品を得意先へ発送し、本社が売上を計上する場合、工場は(借)本社/(貸)製品、本社は(借)売上原価/(貸)工場と(借)売掛金/(貸)売上です。どの勘定をどちらの帳簿に置くかは問題の指示に従い、本社勘定と工場勘定の残高が貸借逆で一致するかを確かめます。

工場と本社の費用を区別する
取引工場の仕訳本社の仕訳
本社が工場の材料を掛けで購入(借)材料/(貸)本社(借)工場/(貸)買掛金
工場が製品を得意先へ直送し本社が売上計上(借)本社/(貸)製品(借)売上原価/(貸)工場、(借)売掛金/(貸)売上

試験に出る

  • 工業簿記では、材料費・労務費・経費が仕掛品に集まり、完成すると製品へ移る。
  • 投入した製造原価のうち、未完成分は期末仕掛品として資産に残る。
  • 製品が販売されて初めて、その原価は売上原価として費用になる。
  • 工場会計を独立させる場合は、本社と工場の帳簿を内部勘定で対応させる。
  • 広告費や販売員給与などの営業費は、製造原価と区別して期間費用とする。

重要な言葉

製造原価
製品の製造にかかった材料費・労務費・経費の合計。
仕掛品
まだ完成していない製品に投入された原価を集める勘定。
製品
完成した製品の原価を集め、販売されるまで資産として残す勘定。
営業費
販売や管理にかかる費用で、製造原価には含めない。

確認問題

確かめよう9万円を投入し7万円分が完成し、期首仕掛品がなければ、期末仕掛品はいくらですか。

2万円です。

製品を製造した時点で、その原価の全額が費用になる。

期末仕掛品は、まだ完成していない分の原価として資産に残る。

材料費4万円・労務費3万円・経費2万円を投入し、7万円分が完成したときの期末仕掛品は?

広告費や販売員給与などの営業費の扱いは?

商業簿記では商品を仕入れて売りますが、では材料から製品を作ります。完成前と完成後で、費用の置き場所が変わります。

材料費4万円、労務費3万円、経費2万円を投入すると、製造原価はです。完成した分が7万円なら、残る仕掛品は2万円になります。

原価は材料などからへ集まり、完成すると製品へ、販売すると売上原価へ移ります。製造した時点で全額が費用になるわけではありません。

製品在庫と売上原価を混同してはいけません。まだ売れていない完成品はとして残ります。

工場会計を独立させる場合、本社と工場で帳簿を分け、本社勘定・工場勘定などで内部の対応を取ります。工場が完成品を製品へ振り替える段階と、外部へ売れて売上原価になる段階は別です。広告費や販売員給与などのは、工場の製造原価と区別して期間の費用へ結び付けます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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