アプリでの毎日の復習から、試験に向けた学習計画と仕上げまで。自分の学習段階に合うところから読み進めてください。
学習の始め方
おぼエルでの学習ステップ
Step 1: 商業簿記の基礎固め — テキスト+おぼエル並行(1〜2ヶ月)
- テキストまたは動画で1分野を学ぶ → その分野をおぼエルで演習
- 1分野ずつ「インプット→アウトプット」のサイクルを回す
- 1周目は理解重視。細かい暗記は2周目以降に回す
- 1日30〜50問ペース
Step 2: 工業簿記を得点源に(1〜2ヶ月)
- 工業簿記は「勘定連絡図(原価の流れ)」の理解が最優先
- 費目別 → 個別原価計算 → 総合原価計算 → 標準原価計算 → 直接原価計算・CVP の順に積み上げる
- おぼエルで工業簿記・原価計算の分野を集中的に回す
Step 3: 難所の攻略と総仕上げ(1〜2ヶ月)
- 連結会計・税効果会計など難所を集中演習
- おぼエルの習熟度が低い分野を重点的に
- 本番形式の問題演習(予想問題集・ネット試験の無料体験プログラムなど)で時間配分(90分)に慣れる
- 間違えた問題の解き直しと、正解した問題も解説を読む習慣で知識を確実に
合格後の次のステップ
| 方向性 | 説明 |
|---|---|
| 日商簿記1級 | 会計学・原価計算まで含む最高峰。税理士試験の受験資格にもつながる |
| 税理士・公認会計士 | 2級の知識は会計系国家資格の土台になる |
| 実務・キャリア | 経理・財務職への就転職、FP・中小企業診断士など関連資格へ |
試験の仕組み
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 日商簿記検定試験 2級 |
| 実施団体 | 日本商工会議所・各地商工会議所 |
| 受験資格 | なし(学歴・年齢・国籍問わず誰でも受験可能) |
| 試験科目 | 商業簿記・工業簿記(原価計算を含む) |
| 試験時間 | 90分 |
| 合格基準 | 100点満点中70点以上(絶対評価) |
※ 2026年度時点の情報です。最新情報は必ず公式サイト(外部:www.kentei.ne.jp)で確認してください。
統一試験とネット試験
簿記2級は2つの方式から選んで受験できます。どちらで合格しても資格の価値は同じです。
| 項目 | 統一試験(ペーパー) | ネット試験(CBT) |
|---|---|---|
| 実施日 | 年3回(例年6月・11月・2月) | テストセンターで随時 |
| 解答方法 | 答案用紙に記入 | パソコンで入力 |
| 合否発表 | 後日(商工会議所により異なる) | 試験終了後すぐスコアと合否が分かる |
| 不合格時 | 次回(数ヶ月後)まで待つ | 空席があれば早期に再受験を申し込める(申込規定あり) |
| 申込先 | 受験地の商工会議所 | CBT-Solutions のサイト |
出題構成
| 大問 | 科目 | 主な出題内容 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 商業簿記 | 仕訳問題 5問 | 20点 |
| 第2問 | 商業簿記 | 連結会計、株主資本等変動計算書、勘定記入、銀行勘定調整表など | 20点 |
| 第3問 | 商業簿記 | 決算問題(損益計算書・貸借対照表・精算表の作成など) | 20点 |
| 第4問 | 工業簿記 | 仕訳、費目別計算、部門別・個別・総合原価計算、財務諸表など | 28点 |
| 第5問 | 工業簿記 | 標準原価計算(差異分析)、直接原価計算、CVP分析など | 12点 |
※ 出題内容の内訳は回により変動します。
- 商業簿記 60点・工業簿記 40点の構成
- 第2問は連結会計など難問が出やすく、受験生の多くが苦戦する
- 第4問・第5問の工業簿記はパターンが限られており、対策すれば安定得点が狙える
受験料
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 受験料 | 5,500円(2024年度改定後) |
| ネット試験の事務手数料 | 550円(申込方法により必要) |
※ 金額は改定される場合があります。申込時に必ず公式情報を確認してください。
申し込み方法
統一試験
- 受験希望地の商工会議所の申込期間・方法を確認(商工会議所ごとに異なる)
- 期間内に申し込み・受験料支払い
- 受験票を受け取り、試験当日に会場へ
ネット試験
- CBT-Solutions(外部:cbt-s.com) でアカウント作成
- 試験・会場・日時を選択して申し込み
- 受験料+事務手数料を支払い
- 当日テストセンターで受験。終了後すぐ結果が分かる
試験当日の持ち物
- 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 電卓(計算機能のみのもの。関数電卓・プログラム機能付きは不可)
- 統一試験の場合: 受験票、筆記用具(HB以上の黒鉛筆・シャープペンシル)
効果的な勉強法
3級との学習アプローチの違い
| 3級 | 2級 |
|---|---|
| 個人商店レベルの取引 | 株式会社の実務レベルの取引 |
| 商業簿記のみ | 商業簿記+工業簿記(原価計算) |
| 仕訳パターンが少ない | 仕訳パターンが大幅に増える(リース、外貨建、税効果など) |
| 暗記中心でも対応可能 | 「仕組みの理解」がないと応用問題で崩れる |
3級の知識(仕訳の基本、決算の流れ、財務諸表の構造)は2級の土台です。3級から時間が空いている人は、最初の1〜2週間で3級範囲を軽く復習してから2級に入ると立ち上がりがスムーズです。
合格戦略: 工業簿記を得点源に
2級合格の定石は「工業簿記で稼ぎ、商業簿記で守る」です。
- 工業簿記(第4問+第5問)は40点。出題パターンが商業簿記より限られている
- パターンを習得すれば安定して8〜9割が狙える
- 工業簿記で36点前後を確保できれば、商業簿記60点中34点(約6割)で合格ライン
| 目標配分の例 | 得点 |
|---|---|
| 第1問(仕訳) | 16/20 |
| 第2問(連結など難問) | 10/20 |
| 第3問(決算) | 12/20 |
| 第4問(工業簿記) | 24/28 |
| 第5問(工業簿記) | 10/12 |
| 合計 | 72/100 |
おぼエルを最大限活用する
1. 仕訳は毎日触れる
第1問の仕訳20点は最も対策効果が高い得点源です。おぼエルで毎日仕訳問題に触れ、「問題文を読んだ瞬間に勘定科目が浮かぶ」状態を目指しましょう。
2. 分野別の優先順位
- 工業簿記・原価計算 — 得点源。勘定連絡図の理解から始め、パターンを反復
- 商業簿記(仕訳) — 第1問対策。リース・外貨建・税効果など新論点を重点的に
- 財務諸表・決算 — 第3問対策。決算整理仕訳から財務諸表への流れを習得
- 連結会計 — 難所だが頻出。基本パターン(資本連結・のれん・内部取引消去)は確実に
3. 周回の仕方
- 1周目は理解重視。正答率は気にせず、解説を読んで「なぜそうなるか」をつかむ。細かい暗記は2周目以降でOK
- 2周目以降は定着重視。間違えた問題は翌日〜数日後に解き直す
- 正解した問題も解説を読む。「たまたま正解」を潰し、関連知識を補強できる
- おぼエルの習熟度表示で弱点分野を特定し、重点的に回す
インプットとアウトプットのバランス
| フェーズ | インプット | アウトプット(おぼエル等) |
|---|---|---|
| 初期(学習中の分野) | 50% | 50% |
| 中期(全範囲学習後) | 20% | 80% |
| 直前(仕上げ) | 10% | 90% |
インプットの方法
- 無料動画・講義: 受験級に対応する講義で分野の全体像をつかむ
- テキスト: 動画で理解した内容を確認・補足
- おぼエルの解説: 問題を解きながら解説を読むのも立派なインプット
難所の攻略法
連結会計(2級最大の難所)
- いきなり完璧を目指さない。「支配獲得日の資本連結 → のれん → 連結1年目 → 内部取引消去 → 未実現利益」の順に段階的に
- タイムテーブル(下書き)の書き方を型として覚えると、得点が安定する
- 第2問で出題されても、開始仕訳・のれん償却・配当金の修正など取れる部分点を確実に拾う意識で
工業簿記の勘定連絡
- 「材料 → 仕掛品 → 製品 → 売上原価」という原価の流れ(勘定連絡図)を自分で描けるようにする
- これが描ければ、費目別・個別・総合・標準のどの問題も「今どこを計算しているか」を見失わない
税効果会計
- 「会計上の費用と税務上の損金のズレを調整する」という目的をまず理解する
- 出題される一時差異は貸倒引当金・減価償却・その他有価証券評価差額金などパターンが限られる
よくある失敗パターンと対策
❌ テキストを完璧に読み終えてから問題を解く
→ 簿記は解いて覚える科目。1章読んだらすぐおぼエルで演習し、インプットとアウトプットを小さく回す。
❌ 工業簿記を後回しにして時間切れ
→ 工業簿記は得点源。商業簿記と並行するか、早い段階で着手する。
❌ 連結会計で挫折して学習が止まる
→ 連結は誰にとっても難しい分野。1周目は基本パターンだけ押さえて先へ進み、2周目以降に深める。
❌ 間違えた問題を放置する
→ 間違えた問題こそ伸びしろ。翌日に解き直し、1週間後にもう一度確認する。
❌ 電卓を使わずスマホ計算で済ませる
→ 本番は電卓。普段から本番と同じ電卓で練習し、操作速度を上げておく。
本番のテクニック
解く順番
- おすすめは「第1問 → 第4問 → 第5問 → 第3問 → 第2問」
- 得点源の仕訳・工業簿記を先に確保し、難問になりやすい第2問を最後に回す
時間配分の目安(90分)
| 大問 | 時間 |
|---|---|
| 第1問 | 10〜15分 |
| 第4問・第5問 | 30〜35分 |
| 第3問 | 20〜25分 |
| 第2問 | 残り時間(15〜20分) |
その他
- 難しい問題に固執しない。1問に5分以上悩んだら飛ばして戻る
- 第2問・第3問は空欄を作らず、分かる箇所だけでも埋めて部分点を拾う
- ネット試験は下書き用紙が配布される。ボックス図・タイムテーブルを手早く書く練習をしておく
学習計画
学習期間・一日の問題数は計画例です。経験や確保できる時間に合わせて調整し、解説を理解する時間と復習日も確保してください。
プラン A: 標準6ヶ月コース
対象: 3級合格から時間が空いている人、初学者(3級範囲の学習を含む)、計画的に合格を目指す人
第1期: 土台づくり+商業簿記1周目(1〜2ヶ月目)
| 週 | 学習内容 | おぼエル目標 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 3級範囲の復習(仕訳の基本・決算の流れ) | 30問/日 |
| 3〜5週目 | 商業簿記: 資産・負債の会計処理(有価証券、固定資産、リースなど) | 30問/日 |
| 6〜8週目 | 商業簿記: 収益・費用と特殊取引、資本と税金 | 30問/日 |
第2期: 工業簿記+決算・財務諸表(3〜4ヶ月目)
| 週 | 学習内容 | おぼエル目標 |
|---|---|---|
| 9〜11週目 | 工業簿記: 勘定連絡、費目別、個別原価計算 | 40問/日 |
| 12〜13週目 | 工業簿記: 総合・部門別原価計算 | 40問/日 |
| 14〜16週目 | 原価計算: 標準原価計算・直接原価計算・CVP分析/財務諸表・決算整理 | 40問/日 |
第3期: 難所攻略+仕上げ(5〜6ヶ月目)
| 週 | 学習内容 | おぼエル目標 |
|---|---|---|
| 17〜19週目 | 連結会計・税効果会計の集中攻略 | 50問/日 |
| 20〜22週目 | 全分野2〜3周目。習熟度の低い分野を重点的に | 50〜60問/日 |
| 23〜24週目 | 本番形式の演習+最終確認 | 60問/日 |
1日の学習時間: 60〜90分
プラン B: 短期集中3ヶ月コース
対象: 3級合格直後で知識が鮮明な人、1日2時間以上確保できる人
| 期間 | 学習内容 | おぼエル目標 |
|---|---|---|
| 1〜4週目 | 商業簿記1周目(テキスト+おぼエル並行) | 40問/日 |
| 5〜8週目 | 工業簿記・原価計算1周目+商業簿記2周目 | 50問/日 |
| 9〜10週目 | 連結会計・税効果など難所+財務諸表 | 60問/日 |
| 11〜12週目 | 全分野総復習+本番形式演習 | 80問/日 |
1日の学習時間: 2〜3時間
プラン C: 働きながら4〜5ヶ月コース
対象: 平日の学習時間が限られる社会人(3級合格者)
平日のルーティン(45〜60分)
- 通勤中: おぼエルで20〜30問
- 昼休み: おぼエルで10問
- 就寝前: テキスト・動画15〜20分
休日のルーティン(2〜3時間)
- 動画 or テキストで新しい分野をインプット
- おぼエルで50〜80問
- 総合問題・計算問題を紙と電卓で演習
| 月 | 平日 | 休日 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 商業簿記の仕訳をおぼエルで | 商業簿記のインプット |
| 2ヶ月目 | 商業簿記の続き+復習 | 工業簿記のインプット開始 |
| 3ヶ月目 | 工業簿記・原価計算をおぼエルで | 総合原価計算・標準原価計算の演習 |
| 4ヶ月目 | 連結・税効果+弱点分野 | 本番形式演習 |
| 5ヶ月目(予備) | 弱点の最終補強 | 本番形式演習+総仕上げ |
周回の考え方
| 周回 | 目的 | やり方 |
|---|---|---|
| 1周目 | 全体像の理解 | 正答率を気にせず解説を読み込む。難所は深追いしない |
| 2周目 | 定着 | 間違えた問題を中心に。暗記事項(仕訳パターン・公式)を詰める |
| 3周目以降 | 仕上げ | 習熟度の低い分野に絞る。正解した問題も解説を読み知識を横に広げる |
- 間違えた問題の解き直しは翌日→1週間後の2段階で
- 正解した問題も解説を読むことで「たまたま正解」を潰す
試験直前の2週間
| 日 | やること |
|---|---|
| 14日前 | 本番形式の演習1回目(90分計測)。弱点を特定 |
| 13〜10日前 | 弱点分野をおぼエルで集中復習 |
| 9日前 | 本番形式の演習2回目。時間配分と解く順番を固める |
| 8〜5日前 | 仕訳(第1問対策)と工業簿記の最終演習 |
| 4日前 | 本番形式の演習3回目。70点超えを確認 |
| 3〜2日前 | 連結の開始仕訳・原価計算の公式など暗記事項の最終確認 |
| 前日 | 軽く見直し。持ち物(電卓・身分証)確認。早めに就寝 |
| 当日 | 解く順番(第1問→第4・5問→第3問→第2問)を守り、落ち着いて臨む |
教材の使い分け
教材を選ぶ基準
受験級と適用年度の出題区分表に合うテキスト・問題集を組み合わせます。おぼエルで仕訳や用語を反復したら、紙や試験形式に近い画面で帳簿・試算表・財務諸表を自分で完成させましょう。電卓操作と集計を含めて時間を計り、部分的な知識を総合問題につなげます。
理解・反復・実戦を組み合わせる
- 初めての範囲は教本や解説で全体像をつかみます。
- おぼエルでは少量ずつ解き、誤答の理由と正しい考え方を確認します。
- 一巡後は時間を計った演習で、知識を自力で使えるかを確かめます。
- 教材を増やしすぎず、同じ教材の解き直しと弱点の補強に時間を使います。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
編集:Pinternet Works · 更新日:
教材の編集方針・訂正について
