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日商簿記検定 · 学習ガイド

部門別計算(重要度★★★)

部門別計算とは

部門別計算とは、製造間接費を部門ごとに集計し、製品へ配賦するための計算です。

エルくんが説明する図解。動力A↔修繕Bの双方向矢印と製造部門への最終配賦。
動力部門Aと修繕部門Bが相互に用役を提供するなら、Aの最終費用にはBからの配賦、BにはAからの配賦が含まれます。これを連立方程式で求める方法があります。

補助部門が互いにサービスを提供する場合、一方向の配賦だけでは利用関係を十分に反映できません。

部門別計算(重要度★★★)
区分判断・計算
直接配賦補助部門同士の用役を無視
階梯式配賦順位を決め、下位へ一方向
相互配賦補助部門同士の用役を反映(簡便法/連立方程式法)

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に動力部門A、右に修繕部門Bを置き、A→BとB→Aの矢印を上下に分けて描く。両部門の配賦総額には相手からの配賦も含まれることを示し、下部の「連立方程式」へ線でつなぐ。
覚えること:相互提供なら配賦総額を連立で求める

動力部門Aと修繕部門Bが相互に用役を提供するなら、Aの配賦総額にはBからの配賦、BにはAからの配賦が含まれます。これを連立方程式で求めるのが連立方程式法(純粋の相互配賦法)です。

相互配賦法は補助部門間の用役授受を考慮します。直接配賦法はこれを無視し、階梯式配賦法は決めた順位で一方向に配賦するため、結果が異なります。

配賦率の分母にどの部門を含むかを、方法ごとに確認します。同じ利用割合を、方法の違いを無視して使い回さないようにします。

補助部門費の配賦方法を選ぶ

補助部門費の配賦方法を選ぶの図解。左に二つの補助部門、右に製造部門を置く。①用役割合で補助部門同士と製造部門へ向かう矢印を引き、②補助部門に残った額から製造部門だけへ向かう太い矢印を重ねる。
覚えること:用役割合で補助間にも、残額は製造部門へ

直接配賦法は補助部門間の用役を無視し、補助部門費を製造部門だけへ配ります。階梯式配賦法は指定した順位の上位から下位へ配り、先に閉じた部門へ戻しません。相互配賦法は補助部門間の授受を考慮します。

相互配賦法の簡便法では、第1次配賦で補助部門同士にも用役の割合で配った後、補助部門に残った額を直接配賦法で製造部門だけへ配ります。連立方程式法では、各補助部門の配賦総額を未知数として求めます。問題がどちらを指定しているか確認し、分母に含める受益部門を方法ごとに変えます。

部門費を製品へ配る基準には機械時間・直接作業時間などがあります。費用の発生原因と配賦基準が結び付くかを考え、部門間配賦と製造部門から製品への配賦を混ぜません。

階梯式配賦法の順位は問題の指示に従います。指示がなければ、他の補助部門へ用役を提供する部門数が多い部門を上位とし、同数なら第1次集計費(または相互の配賦額)が大きい部門を上位とするのが一般的です。

1級では複数基準配賦法も問われます。補助部門の変動費は実際の用役消費量で、固定費は用役消費能力(予定した最大利用量)の割合で配賦します。予定配賦率や予算額で配賦すれば、補助部門の能率の良し悪しを製造部門へ転嫁せず、補助部門費配賦差異として補助部門に残せます。

連立方程式法の計算例

連立方程式法の計算例の図解。正方形の上段にA部門92万円とB部門60万円を左右に置き、間をA→B20%、B→A10%の逆向き矢印で結ぶ。中央にa=92+0.1b、b=60+0.2aと解いた総額を置き、そこから下段の製造部門X(50+32=82万円)とY(30+40=70万円)へ矢印を伸ばす。
覚えること:検算は82+70=92+60=152万円

第1次集計でA部門費92万円、B部門費60万円とします。Aの用役はB20%・製造部門X50%・Y30%、Bの用役はA10%・X40%・Y50%に提供されます。配賦総額をa・bとすると、a=92+0.1b、b=60+0.2aです。

連立方程式を解くとa=100万円、b=80万円です。Xへは100×50%+80×40%=82万円、Yへは100×30%+80×50%=70万円を配賦します。合計152万円が第1次集計額の合計92+60と一致することで検算します。

連立方程式法の計算例
配賦先Aから(総額100万円)Bから(総額80万円)受入合計
A部門—8万円(10%)8万円
B部門20万円(20%)—20万円
製造部門X50万円(50%)32万円(40%)82万円
製造部門Y30万円(30%)40万円(50%)70万円

試験に出る

  • 部門別計算は、製造間接費を部門ごとに集計して配賦する。
  • 相互配賦法には、第1次配賦の後は直接配賦法で製造部門へ配る簡便法と、補助部門間の授受を最後まで反映する連立方程式法(純粋の相互配賦法)がある。
  • 直接配賦法は補助部門間の用役授受を無視する。
  • 階梯式配賦法は、決めた順位の上位から下位へ一方向に配賦し、配賦を終えた部門へは戻さない。
  • 配賦率の分母にどの部門を含むか、方法ごとに確認する。
  • 複数基準配賦法では、補助部門の変動費を実際の用役消費量、固定費を用役消費能力の割合で配賦する。

重要な言葉

補助部門費
製造を直接行わない補助部門で発生した間接費。
相互配賦法
補助部門間の用役授受を考慮して配賦する方法。簡便法と連立方程式法がある。
直接配賦法
補助部門間の用役授受を無視して製造部門へ配賦する方法。
階梯式配賦法
補助部門に順序を付けて配賦する方法。
複数基準配賦法
補助部門費を変動費と固定費に分け、変動費は実際の用役消費量、固定費は用役消費能力の割合で配賦する方法。

確認問題

確かめよう相互用役を無視するのは相互配賦法?

いいえ。直接配賦法です。

直接配賦法は、補助部門間の用役授受を考慮しない。

相互配賦法は、補助部門間の用役授受を無視する。

補助部門間の用役授受を無視する配賦方法は?

補助部門間の用役授受を最後まで反映し、各補助部門の配賦総額を未知数として解く方法は?

A部門費92万円・B部門費60万円で、AはBへ用役の20%、BはAへ10%を提供する。連立方程式法によるAの配賦総額は?

が互いにサービスを提供する場合、一方向の配賦だけでは利用関係を十分に反映できません。

動力部門Aと修繕部門Bが相互に用役を提供するなら、Aの配賦総額にはBからの配賦、BにはAからの配賦が含まれます。これをで求めるのが連立方程式法(純粋の相互配賦法)です。

は補助部門間の用役授受を考慮します。直接配賦法はこれを無視し、は決めた順位で一方向に配賦するため、結果が異なります。

の分母にどの部門を含むかを、方法ごとに確認します。同じ利用割合を、方法の違いを無視して使い回さないようにします。

連立方程式を解くとa=、b=80万円です。Xへは100×50%+80×40%=82万円、Yへは100×30%+80×50%=70万円を配賦します。合計152万円が第1次集計額の合計92+60と一致することで検算します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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