本文へ移動

宅地建物取引士 · 学習ガイド

不動産登記法

不動産登記とは

不動産登記とは、土地や建物の所在や権利関係を登記簿に記録して公示し、取引の安全を支える制度です。

エルくんが説明する図解。登記簿を表題部/所有権/担保権に分け、相続取得を知る→3年期限の線。
考え方の例:相続で不動産を取得したことを知った場合は、基本的にその取得を知った日など法定の起算点から3年以内の相続登記申請義務があります。

登記は不動産の所在や権利関係を公示する仕組みです。誰が所有者かを外部から調べられることが取引の基礎になります。

表示登記・権利登記と効力

表示登記・権利登記と効力の図解。中央に開いた一冊の登記簿を置き、太い縦線で左の表題部と右の権利部を分ける。左は建物の図から「物理的な状態」へ、右は「所有権移転」「抵当権設定」から権利部へ矢印を向け、それぞれが公示する内容を対比する。
覚えること:表題部は状態、権利部は権利を公示

登記簿を信じれば、記載が事実と違っても必ず権利を取得できるわけではありません。不動産登記には一般に公信力がないことも押さえます。

表示に関する登記(表題部)は不動産の物理的な状態を公示し、権利に関する登記(権利部)は所有権移転や抵当権設定などを公示します。表示に関する登記には申請義務があり、建物を新築したときや建物が滅失したときは、1か月以内に表題登記・滅失の登記を申請しなければなりません。登記官が職権でできる場合もあります。

分筆・合筆は土地の表示の変更で、表題部所有者又は所有権の登記名義人しか申請できません。ただし、一筆の土地の一部が別の地目になったときなどは、登記官が職権で分筆の登記をします。

登記事項証明書は、誰でも手数料を納めて交付を請求でき、オンラインでも請求できます。一方、登記簿の附属書類(申請書など)の閲覧は、図面を除き、自分が申請した書類か、正当な理由があるときに限られます。

申請方法と登記義務

申請方法と登記義務の図解。中央の「遺贈」から左右に矢印を分け、左を「相続人へ→単独申請」、右を「相続人以外へ→共同申請」とする。中央の仕切りで申請方法の違いを明確にする。
覚えること:遺贈は相続人へ単独、相続人以外へ共同

権利に関する登記は、原則として登記権利者と登記義務者の共同申請です。例外として、相続・合併による移転、相続人に対する遺贈、判決による登記、登記名義人の住所・氏名の変更、収用による移転、契約から10年を経過した買戻し特約の抹消などは単独で申請できます。相続人以外の者への遺贈は共同申請です。

相続(遺言を含む)で不動産の所有権を取得した相続人は、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。期限内に相続人申告登記をすれば、この義務を果たしたことになります。遺産分割が成立したときは、分割の日から3年以内にその内容の登記を申請します。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。

所有権の登記名義人は、住所・氏名等が変わった日から2年以内に変更の登記を申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象です。

相続登記の義務は2024年4月1日、住所・氏名等の変更登記の義務は2026年4月1日に施行されました。施行前の相続や変更も対象で、相続登記は2027年3月31日まで、住所等の変更登記は2028年3月31日までが期限です(起算日が後になる場合はその日から)。問題文でいつ知ったか、いつ変更したかを確認します。

申請方法と登記義務
登記・申請原則と期限過去問の判定点
表題部所在・地番・種類・構造など権利部の所有権・抵当権と区別
権利に関する登記原則、権利者と義務者の共同申請相続・相続人への遺贈・判決・住所変更等は単独申請。相続人以外への遺贈は共同申請
相続登記取得を知った日から3年以内。10万円以下の過料2024年4月1日より前の相続も対象(2027年3月31日まで)
住所・氏名等の変更登記変更日から2年以内。5万円以下の過料2026年4月1日より前の変更も対象(2028年3月31日まで)

試験に出る

  • 相続登記の申請義務は、取得を知った日などから3年以内が基本。起算点が問われます。
  • 相続登記の義務化は2024年4月に始まり、施行前の相続にも経過措置があります。
  • 2026年4月から、所有権登記名義人の住所・氏名等の変更登記は変更日から2年以内が基本です。
  • 表題部は物理的状況、権利部は権利関係を示すという区分が問われます。
  • 不動産登記には一般に公信力がなく、記載を信用しても必ず権利を取得できるわけではありません。

重要な言葉

表題部
不動産の所在や地番、種類、面積など物理的状況を示す登記の部分。
権利部
所有権や担保権などの権利関係を示す登記の部分。
公信力
登記の記載を信頼して取引した者を保護する効力。不動産登記には一般にない。

確認問題

確かめよう相続登記は売却するまで必ず放置できる?

いいえ。申請義務と期限があります。

相続で不動産を取得したら、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請するのが基本である。

不動産登記には公信力があるので、登記を信じれば必ず権利を取得できる。

建物を新築した所有者は、新築の日から3か月以内に表題登記を申請しなければならない。

建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失の登記を申請しなければならない。

分筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人の申請がなければ、登記官が職権ですることは一切できない。

登記事項証明書は、利害関係の有無にかかわらず、誰でも手数料を納付して交付を請求することができる。

登記簿の附属書類のうち申請書は、利害関係の有無を問わず、誰でも閲覧を請求することができる。

相続人以外の者に対する遺贈による所有権移転登記は、受遺者が単独で申請することができる。

相続人に対する遺贈による所有権移転登記は、登記権利者である相続人が単独で申請することができる。

相続登記の申請期限内に相続人申告登記をした相続人は、相続登記の申請義務を履行したものとみなされる。

所有権の登記名義人が住所変更登記の申請義務を正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料の対象となる。

2024年4月1日より前に開始した相続によって取得した不動産は、相続登記の申請義務の対象外である。

買戻しの特約の登記は、売買契約の日から10年を経過したときは、登記権利者が単独で抹消を申請することができる。

相続登記の申請義務の基本の期限は?

2026年4月からの住所・氏名等の変更登記の基本の期限は?

権利に関する登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

Aが2025年6月1日に死亡し、子Bが単独で甲土地を相続した。Bが相続の開始と甲土地の取得を知ったのは2025年8月1日である。Bの相続登記の申請期限として正しいものはどれか。

所有権の登記名義人が、住所・氏名等の変更登記の申請義務を正当な理由なく怠った場合の過料はどれか。

不動産登記に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

登記は不動産の所在や権利関係をする仕組みです。誰が所有者かを外部から調べられることが取引の基礎になります。

登記簿を信じれば、記載が事実と違っても必ず権利を取得できるわけではありません。不動産登記には一般にがないことも押さえます。

表示に関する登記()は不動産の物理的な状態を公示し、権利に関する登記()は所有権移転や抵当権設定などを公示します。表示に関する登記には申請義務があり、建物を新築したときや建物が滅失したときは、に表題登記・滅失の登記を申請しなければなりません。登記官が職権でできる場合もあります。

分筆・合筆は土地の表示の変更で、表題部所有者又はしか申請できません。ただし、一筆の土地の一部が別の地目になったときなどは、登記官がで分筆の登記をします。

登記事項証明書は、手数料を納めて交付を請求でき、オンラインでも請求できます。一方、登記簿の附属書類(申請書など)の閲覧は、図面を除き、自分が申請した書類か、があるときに限られます。

権利に関する登記は、原則として登記権利者と登記義務者のです。例外として、相続・合併による移転、相続人に対する遺贈、判決による登記、登記名義人の住所・氏名の変更、収用による移転、契約からを経過した買戻し特約の抹消などは単独で申請できます。は共同申請です。

相続(遺言を含む)で不動産の所有権を取得した相続人は、相続の開始と所有権の取得を知った日から以内にを申請しなければなりません。期限内に相続人申告登記をすれば、この義務を果たしたことになります。遺産分割が成立したときは、分割の日から3年以内にその内容の登記を申請します。正当な理由なく怠るとの過料の対象です。

所有権の登記名義人は、住所・氏名等が変わった日から以内に変更の登記を申請しなければなりません。正当な理由なく怠るとの過料の対象です。

相続登記の義務は2024年4月1日、住所・氏名等の変更登記の義務は2026年4月1日に施行されました。施行前の相続や変更も対象で、相続登記はまで、住所等の変更登記はまでが期限です(起算日が後になる場合はその日から)。問題文でいつ知ったか、いつ変更したかを確認します。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について