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登録販売者試験 · 学習ガイド

販売時のコミュニケーションと薬害の歴史

販売時のコミュニケーションと薬害の歴史とは

販売時のコミュニケーションと薬害の歴史とは、使用者の安全条件を確かめて情報を伝えることと、過去の薬害から安全対策を学ぶことです。原因となった製品と健康被害を対応させて理解します。

エルくんが説明する図解。購入者→実際の使用者を確認→年齢/症状/併用薬の三項目。
「家族用」という相談なら、実際に使う人の年齢・症状・併用薬を確認します。購入者本人への質問だけでは使用者の条件が分からない場合があります。

販売時の会話は、商品を決める前に使用者の安全条件を確かめるために行います。薬害の歴史も、情報を集め伝える重要性とつながります。

販売時のコミュニケーションと薬害の歴史
原因製品・論点健康被害・対応
使用者確認代理購入なら実際に使う人の条件を聞く
サリドマイド製剤胎児の先天異常
キノホルム製剤スモン
血液凝固因子製剤HIV感染
ヒト乾燥硬膜クロイツフェルト・ヤコブ病
フィブリノゲン製剤等C型肝炎ウイルス感染

基本の仕組み

基本の仕組みの図解。左に「家族用」と相談する購入者、右に実際の使用者について記入する確認票を配置し、左から右へ矢印を引く。確認票は年齢・症状・併用薬の3行に仕切る。
覚えること:家族用は使用者の年齢・症状・併用薬を確認

「家族用」という相談なら、実際に使う人の年齢・症状・併用薬を確認します。購入者本人への質問だけでは使用者の条件が分からない場合があります。

サリドマイドによる胎児への被害、キノホルムによるスモンなどは、原因となった薬と健康被害を対応させて学びます。安全性情報の収集・評価・対策の役割を考えます。

過去に広く使われていたという事実だけで安全性が確定するわけではありません。販売後も新しい情報へ注意を払い、相談内容を適切に記録します。

薬害の歴史は、原因となった製品と被害を一組で比較します。HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤によるHIV感染は、製剤に混入した病原体による感染被害で、薬理作用による副作用とは機序が異なります。単に「どの薬も同じ種類の副作用」とまとめないようにします。

ヒト乾燥硬膜を介したクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)も、HIV感染とは原因製品を区別します。例えば「HIV―血液凝固因子製剤」「CJD―ヒト乾燥硬膜」と対応を言い直し、情報収集・安全対策が被害防止にどう関わるかを考えます。個別事件の和解による給付と、一般の副作用救済制度は同一制度ではありません。

相談の順序と薬害の対応

相談の順序と薬害の対応の図解。中央に①「購入目的」から②「使用者は誰か」へ進む矢印を置く。②の下は縦線で「購入者」と「使用者」の記入欄を分け、代理購入では両者を混同しない構図にする。
覚えること:代理購入は購入者と使用者を区別

手引きが挙げる確認事項は、①購入の目的(ニーズ・動機)、②使用するのは情報提供を受けている本人か家族等か、③小児・高齢者・妊婦等が想定されるか、④医療機関で治療を受けていないか、⑤アレルギーや副作用の経験があるか、⑥相互作用や飲み合わせで問題となる医薬品・食品の摂取がないかです。

常備薬として購入されることも多いため、⑦すぐに使用される状況か、⑧症状がある場合はいつ頃からか、原因や患部が特定されているかの把握にも努めます。第一類医薬品では③〜⑤を販売する薬剤師が確認しなければならず、第二類医薬品では③〜⑤を薬剤師又は登録販売者が確認するよう努めなければなりません。

購入者等の状況は変化し得るため、販売数量は一時期に使用する必要量とするなど、コミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮します。代理購入では購入者と使用者を区別します。

薬害では原因製品と健康被害を組にして理解します。サリドマイド製剤は妊娠中の使用による胎児の先天異常、キノホルム製剤はスモン、血液凝固因子製剤はHIV感染、ヒト乾燥硬膜はクロイツフェルト・ヤコブ病、特定のフィブリノゲン製剤・血液凝固第Ⅸ因子製剤はC型肝炎ウイルス感染です。サリドマイド製剤とキノホルム製剤は過去に一般用医薬品としても販売されていました。

被害からは、製造販売後の情報収集、行政の安全対策、販売現場での情報提供・副作用報告と受診勧奨の必要性を学びます。一般用医薬品の販売に従事する専門家も、健康被害の拡大防止の責務の一端を担っています。

主な薬害訴訟と救済制度

主な薬害訴訟と救済制度の図解。上部の左右に二つの訴訟の書類を置き、矢印を中央で合流させて、下部の「1980年創設」の制度ファイルへつなぐ。左右は時系列ではなく、二つの訴訟がともに創設の契機となった関係を表す。
覚えること:両訴訟を契機に1980年救済制度創設

サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、胃腸薬にも配合されましたが、血管新生を妨げる作用があり、血液-胎盤関門を通過して胎児に移行します。血管新生を妨げる作用はS体のみ、鎮静作用はR体のみが持つとされますが、体内でR体とS体が相互に転換するため、R体だけを製剤化しても催奇形性は避けられません。

1961年11月に西ドイツのレンツ博士が催奇形性を警告しましたが、日本では出荷停止が1962年5月、販売停止・回収が同年9月と対応の遅れが問題視されました。この事件を契機に、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集体制が整備されました。

スモンは、初期に腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢が起こり、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難が現れます。麻痺が上半身に拡がることや、視覚障害から失明に至ることもあります。キノホルム製剤は1970年9月に販売が停止されました。

CJDは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種であるプリオンが原因とされ、認知症に類似した症状が現れて死に至る重篤な神経難病です。プリオン不活化のための十分な化学的処理が行われないまま流通したヒト乾燥硬膜が、脳外科手術で移植されて発生しました。

サリドマイド訴訟とスモン訴訟を契機に、1980年に医薬品副作用被害救済制度が創設されました。HIV訴訟の和解後には感染症報告の義務づけや緊急輸入制度などを内容とする改正薬事法が1996年に成立し、CJD訴訟の和解を受けて2002年の薬事法改正で生物由来製品による感染等被害救済制度が創設されました。

C型肝炎訴訟は、出産や手術の際に特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けてC型肝炎ウイルスに感染したことに対する訴訟です。2008年1月に議員立法で特別措置法が制定・施行され、給付金の支給の仕組みに沿って和解が進められています。その後、医薬品等行政評価・監視委員会が設置されました。

主な薬害訴訟と救済制度
訴訟原因となった製品健康被害和解・その後の対策
サリドマイド訴訟催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤出生児の四肢欠損・耳の障害等の先天異常1974年10月和解
スモン訴訟整腸剤として販売されたキノホルム製剤亜急性脊髄視神経症(スモン)1979年9月全面和解。1980年に医薬品副作用被害救済制度を創設
HIV訴訟HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤血友病患者のHIV感染1996年3月和解。1996年に改正薬事法が成立
CJD訴訟脳外科手術等に用いられたヒト乾燥硬膜クロイツフェルト・ヤコブ病2002年3月和解。生物由来製品による感染等被害救済制度を創設
C型肝炎訴訟特定のフィブリノゲン製剤・血液凝固第Ⅸ因子製剤C型肝炎ウイルス感染2008年1月に特別措置法を制定・施行

試験に出る

  • 商品を決める前に使用者の安全条件を確認する点。
  • 「家族用」でも実際の使用者の年齢・症状・併用薬を確認する点。
  • 第一類医薬品では③〜⑤の確認が薬剤師の義務、第二類医薬品では薬剤師又は登録販売者の努力義務である点。
  • サリドマイドは胎児の先天異常、キノホルムはスモンという対応。
  • 血液凝固因子製剤はHIV、ヒト乾燥硬膜はCJD、特定のフィブリノゲン製剤等はC型肝炎という原因製品の区別。
  • サリドマイド訴訟とスモン訴訟を契機に、1980年に医薬品副作用被害救済制度が創設された点。
  • 個別事件の和解・特別措置法による給付と、一般の医薬品副作用被害救済制度は別である点。

重要な言葉

薬害
医薬品によって引き起こされた健康被害。
サリドマイド
催眠鎮静成分。妊娠中の使用で胎児に四肢欠損などの先天異常(サリドマイド胎芽症)を起こした。
スモン
キノホルム製剤による亜急性脊髄視神経症。英名の頭文字から呼ばれる。
副作用救済制度
医薬品副作用被害救済制度の略。医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため1980年に創設。個別事件の和解給付とは別。
プリオン
細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種。CJDの原因とされる。

確認問題

確かめよう薬を買いに来た人と使う人は必ず同じ?

いいえ。使用者を最初に確認します。

薬を買いに来た人と、実際に使う人は必ず同じである。

血液凝固因子製剤によるHIV感染と、ヒト乾燥硬膜を介したCJDは、原因製品が異なる。

医薬品副作用被害救済制度は、サリドマイド訴訟とスモン訴訟を契機として創設された。

キノホルム製剤で問題となった健康被害は?

「家族用」という相談で確認すべきことは?

販売時の会話は、商品を決める前に使用者のを確かめるために行います。の歴史も、情報を集め伝える重要性とつながります。

「家族用」という相談なら、実際に使う人の年齢・症状・を確認します。購入者本人への質問だけではの条件が分からない場合があります。

による胎児への被害、によるスモンなどは、原因となった薬と健康被害を対応させて学びます。安全性情報の収集・評価・対策の役割を考えます。

過去に広く使われていたという事実だけでが確定するわけではありません。販売後も新しい情報へ注意を払い、相談内容を適切に記録します。

薬害の歴史は、原因となった製品と被害を一組で比較します。HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤による感染は、製剤に混入した病原体による感染被害で、薬理作用による副作用とは機序が異なります。単に「どの薬も同じ種類の副作用」とまとめないようにします。

ヒト乾燥硬膜を介したクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)も、HIV感染とは原因製品を区別します。例えば「HIV―血液凝固因子製剤」「CJD―」と対応を言い直し、情報収集・安全対策が被害防止にどう関わるかを考えます。個別事件の和解による給付と、一般のは同一制度ではありません。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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