医薬品医療機器等法の目的と製品区分、医薬品のリスク区分、販売業の許可と管理者、法定表示、広告・販売方法の規制と行政の監視指導を整理します。2026年5月1日施行の特定要指導医薬品と指定濫用防止医薬品の規律も区別します。
仕組みを理解する
法の目的と規制対象
医薬品医療機器等法(いわゆる薬機法)とは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保と、これらの使用による保健衛生上の危害の発生・拡大の防止などを目的に、製造販売・販売・表示・広告などを規制する法律です。

外見が似た製品でも、医薬品・医薬部外品・化粧品・食品では、目的、表示できる効能効果の範囲、製造販売や販売に必要な許可が違います。まず法律の目的と、製品の区分を押さえます。
| 区分 | 定義・目的 | 製造販売・販売 |
|---|---|---|
| 医薬品 | 日本薬局方収載品、疾病の診断・治療・予防や身体の構造・機能への影響を目的とする物(機械器具等を除く) | 製造販売業の許可と品目ごとの承認等。販売には薬局開設か販売業の許可が必要 |
| 医薬部外品 | 定められた目的に使う作用が緩和な物 | 製造販売業の許可と原則承認。販売の許可は不要 |
| 化粧品 | 清潔・美化等の目的で作用が緩和な物。医薬品的な効能効果は表示不可 | 製造販売業の許可と原則として品目ごとの届出。販売の許可は不要 |
| 保健機能食品 | 食品。特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品 | 健康増進法・食品表示法の制度で、医薬品医療機器等法の承認品ではない |
基本の仕組み

医薬品医療機器等法(いわゆる薬機法)は、医薬品等の品質・有効性・安全性の確保と、使用による保健衛生上の危害の発生・拡大の防止のための規制などを行い、保健衛生の向上を図ることを目的とします(法第1条)。
医薬関係者は、購入者等に適正な使用に関する正確かつ適切な情報を提供するよう努めなければなりません(法第1条の5)。登録販売者も最新の情報の入手と研鑽に努め、薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者は、従事する登録販売者に研修を毎年度受講させます。国民にも、知識と理解を深める努力が求められます(法第1条の6)。
登録販売者は、都道府県知事の試験に合格し、販売従事登録を受けた者です。登録は従事する薬局・店舗の所在地(配置販売業は配置区域)の都道府県知事が行い、二以上の都道府県に申請しても一つしか受けられません。登録後の手続は下表のとおりです。
| 手続・事項 | 期限・内容 |
|---|---|
| 登録事項の変更届 | 30日以内に、登録を受けた都道府県知事へ(変更の原因を証する書類を添付) |
| 販売等に従事しなくなったとき | 30日以内に本人が登録の消除を申請 |
| 死亡・失踪の宣告 | 30日以内に、戸籍法上の届出義務者が登録の消除を申請 |
| 精神の機能の障害で業務の継続が著しく困難になったとき | 遅滞なく、登録を受けた都道府県知事に届け出る |
| 受験資格 | 平成27年度以降は学歴・実務経験を問わない。管理者等になるには一定の実務・業務経験が必要 |
何を何の制度で規制するか

医薬部外品は、吐きけ等の不快感・口臭・体臭の防止、あせも・ただれ等の防止、脱毛の防止・育毛・除毛、ねずみ・はえ・蚊等の防除などに使う物で、作用が緩和なものです。効能効果は定められた範囲に限られます。製造販売には製造販売業の許可と原則として品目ごとの承認が必要ですが、販売は一般小売店でもできます。
化粧品は、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚・毛髪を健やかに保つための、作用が緩和な物です。医薬品的な効能効果の表示は一切認められず、医薬品成分の配合も原則できません。薬用化粧品・薬用石けん等は、医薬部外品の枠内で承認されたものです。
食品は医薬品・医薬部外品・再生医療等製品以外のすべての飲食物です。保健機能食品は食品で、健康食品は法令上の定義がない呼び名です。食品として売られていても、成分本質、効能効果の標榜、形状、用法用量から医薬品とみなされれば、無承認無許可医薬品として取締りの対象になります。
| 食品の区分 | 根拠・手続 | 表示のポイント |
|---|---|---|
| 特定保健用食品 | 健康増進法に基づく個別の許可又は承認 | 特定の保健の目的が期待できる旨を表示。条件付き特定保健用食品もある |
| 栄養機能食品 | 食品表示基準。個別の許可申請は不要(自己認証) | 栄養成分量が上下限値の範囲内。消費者庁長官の個別審査を受けていない旨も表示 |
| 機能性表示食品 | 食品表示基準。販売前に消費者庁長官へ届出 | 事業者の責任で機能性を表示。疾病リスクの低減に係る表示は不可 |
| 特別用途食品(特定保健用食品を除く) | 健康増進法に基づく許可又は承認 | 乳児・幼児・妊産婦・病者等の用途。経口補水液は病者用食品 |
| いわゆる健康食品 | 法令上の定義なし | 保健機能食品と紛らわしい名称や、機能・保健の目的の表示は不可 |
試験に出る
- 法第1条の目的は、品質・有効性・安全性の確保と保健衛生上の危害の発生・拡大の防止などを通じて、保健衛生の向上を図ることであること。
- 医薬関係者は正確かつ適切な情報提供に努め、国民も医薬品等の有効性・安全性の知識と理解を深めるよう努めるとされていること。
- 薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者は、従事する登録販売者に研修実施機関の研修を毎年度受講させなければならないこと。
- 登録販売者は都道府県知事の販売従事登録を受けた者で、登録事項の変更届と登録消除の申請はいずれも30日以内であること。
- 医薬部外品・化粧品は販売業の許可なく一般小売店で販売できるが、製造販売には製造販売業の許可が必要なこと。
- 化粧品は医薬品的な効能効果を一切表示できず、保健機能食品も医薬品・医薬部外品ではないこと。
- 食品として売られていても、成分本質・効能効果の標榜・形状・用法用量から医薬品とみなされれば無承認無許可医薬品として取締りの対象になること。
重要な言葉
- 薬機法
- 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の通称。手引きでは「法」と略す。
- 登録販売者
- 都道府県知事の試験に合格し、法第36条の8第2項の販売従事登録を受けた者。第二類・第三類医薬品を販売できる。
- 販売従事登録
- 医薬品の販売等に従事する薬局・店舗の所在地(配置販売業は配置区域)の都道府県知事が行う登録。登録証が交付される。
- 医薬部外品
- 吐きけ等の不快感の防止、あせも・ただれの防止、衛生害虫の防除など定められた目的に使う、作用が緩和な物。効能効果の範囲が定められている。
- 薬用化粧品
- 化粧品としての使用目的を持ちつつ、定められた範囲の医薬品的な効能効果を表示するため、医薬部外品として承認された製品。
- 保健機能食品
- 特定保健用食品・栄養機能食品・機能性表示食品の総称。食生活を通じた健康の保持増進が目的の食品で、医薬品ではない。
- 無承認無許可医薬品
- 必要な承認・許可を受けずに製造販売等された医薬品。医薬品とみなされる「健康食品」もこれに当たり、取締りの対象となる。
確認問題
確かめよう医薬部外品ならあらゆる疾病の治療効果を表示できる?
いいえ。表示できるのは、あらかじめ定められた範囲の効能効果に限られます。
医薬部外品は、あらゆる疾病の治療効果を表示できる。
医薬品医療機器等法は、医薬品などの品質・有効性・安全性の確保を目的とする。
登録販売者は、登録事項に変更を生じたときは30日以内に、登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。
化粧品は、人体に対する作用が緩和であれば医薬品的な効能効果を表示できる。
医薬部外品を販売するには、医薬品と同様に販売業の許可が必要である。
特定保健用食品は、医薬品として承認を受けた食品である。
医薬品などの品質・有効性・安全性の確保を目的とする法律は?
医薬部外品の表示について正しいものは?
登録販売者の販売従事登録について正しいものは?
「医薬品の範囲に関する基準」で、それだけでは医薬品に該当する要素とされないものは?
外見が似た製品でも、・・化粧品・食品では、目的、表示できる効能効果の範囲、製造販売や販売に必要な許可が違います。まず法律の目的と、製品の区分を押さえます。
医薬品医療機器等法(いわゆる)は、医薬品等の品質・有効性・安全性の確保と、使用による保健衛生上の危害の発生・拡大の防止のための規制などを行い、保健衛生の向上を図ることを目的とします(法第1条)。
は、都道府県知事の試験に合格し、を受けた者です。登録は従事する薬局・店舗の所在地(配置販売業は配置区域)の都道府県知事が行い、二以上の都道府県に申請しても一つしか受けられません。登録後の手続は下表のとおりです。
化粧品は、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚・毛髪を健やかに保つための、作用が緩和な物です。医薬品的な効能効果の表示は一切認められず、医薬品成分の配合も原則できません。・薬用石けん等は、医薬部外品の枠内で承認されたものです。
食品は医薬品・医薬部外品・再生医療等製品以外のすべての飲食物です。保健機能食品は食品で、は法令上の定義がない呼び名です。食品として売られていても、成分本質、効能効果の標榜、形状、用法用量から医薬品とみなされれば、無承認無許可医薬品として取締りの対象になります。
医薬品の分類とリスク区分
医薬品の分類とリスク区分とは、医薬品を医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分け、一般用医薬品をさらに第一類・第二類・第三類に分けるもので、区分ごとに販売できる専門家と情報提供の義務が異なります。

医薬品は医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分かれ、一般用医薬品はさらにリスク区分で第一類・第二類・第三類に分かれます。区分によって扱える店舗、販売する専門家、情報提供の扱いが変わります。リスク区分は効き目の強さの順位ではありません。
| 区分 | 販売する専門家 | 積極的な情報提供 | 相談への応答 | 陳列(薬局・店舗販売業) |
|---|---|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 薬剤師(特定要指導医薬品は対面) | 対面等により書面を用いた情報提供と指導:義務 | 義務 | 要指導医薬品陳列区画の内部(鍵をかけた陳列設備等を除く) |
| 第一類医薬品 | 薬剤師 | 書面を用いた情報提供:義務 | 義務 | 第一類医薬品陳列区画の内部(鍵をかけた陳列設備等を除く) |
| 指定第二類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 努力義務。禁忌の確認と専門家への相談を勧める旨を確実に認識させる措置が必要 | 義務 | 情報提供設備から7m以内(鍵をかけた陳列設備、1.2m以内に進入できない措置の場合を除く) |
| 第二類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 努力義務 | 義務 | 区分ごとに、混在させない |
| 第三類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 法上の規定なし(行うことが望ましい) | 義務 | 区分ごとに、混在させない |
基本の仕組み

医薬品は、①日本薬局方に収められている物、②人又は動物の疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的の物、③人又は動物の身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的の物です(②③は機械器具等でないもの。法第2条第1項)。検査薬・殺虫剤・器具用消毒薬のように身体に直接使わないものも含まれます。
医療用医薬品は医師等の処方箋や指示で使われ、販売できるのは薬局と卸売販売業者に限られます。一般用医薬品と要指導医薬品は需要者の選択で使われ、注射等の侵襲性の高い使用方法や、血液を検体とする検査薬は認められません。効能効果は一般の生活者が判断できる症状で示されます。
要指導医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定し、所定の期間の経過後に一般用医薬品へ移行することがあります。毒薬・劇薬が要指導医薬品に該当することはありますが、一般用医薬品にはありません。2026年5月1日からは、対面販売が特に必要なものが特定要指導医薬品に指定されています。
| 項目 | 毒薬 | 劇薬 |
|---|---|---|
| 指定 | 毒性が強いものとして厚生労働大臣が指定 | 劇性が強いものとして厚生労働大臣が指定 |
| 直接の容器等の表示 | 黒地に白枠・白字で品名と「毒」の文字 | 白地に赤枠・赤字で品名と「劇」の文字 |
| 貯蔵・陳列 | 他の物と区別し、貯蔵・陳列する場所にかぎを施す | 他の物と区別して貯蔵・陳列する |
| 交付の禁止 | 14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者 | 14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者 |
| 一般の生活者への販売・譲渡 | 品名・数量・使用目的・譲渡年月日・譲受人の氏名・住所・職業を記入し、署名又は記名押印した文書の交付を受ける | 毒薬と同じ |
| 開封しての販売 | 店舗管理者が薬剤師の店舗販売業者、医薬品営業所管理者が薬剤師の卸売販売業者以外の販売業者は不可 | 毒薬と同じ |
| 一般用医薬品との関係 | 要指導医薬品に該当することはあるが、一般用医薬品はない | 要指導医薬品に該当することはあるが、一般用医薬品はない |
| 制度 | 要点 |
|---|---|
| 生物由来製品 | 感染症の発生リスクに着目して指定。生物由来の原材料を使っていても、リスクが極めて低いものは対象外。現在、指定された一般用医薬品・要指導医薬品はない |
| 店舗販売業が扱える医薬品 | 要指導医薬品と一般用医薬品のみ |
| 配置販売業が扱える医薬品 | 配置販売品目基準(経年変化が起こりにくい等)に適合する一般用医薬品のみ |
要指導・第一類・第二類・第三類

第一類医薬品は、副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあり、使用に特に注意が必要として大臣が指定するものと、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品です。第二類医薬品は同程度の健康被害のおそれがあるもの(第一類を除く)で大臣が指定するもの、第三類医薬品はそれ以外です。
第二類のうち特別の注意を要するものが指定第二類医薬品で、小児・妊婦等や相互作用で重大な副作用の危険が高まる成分、依存性・習慣性のある成分を含みます。第三類も副作用等で身体の変調・不調が起こるおそれはあります。リスク区分は副作用の発生状況などで見直され、第三類から第一類・第二類へ変わることもあります。
要指導医薬品と第一類は薬剤師、第二類・第三類は薬剤師又は登録販売者が販売します。情報提供と陳列の違いは下表のとおりで、相談があった場合の応答はどの区分でも義務です。2026年5月1日からは要指導医薬品も映像・音声による「対面等」の方法で販売できますが、特定要指導医薬品は薬剤師の対面販売に限られます。
試験に出る
- 医薬品の定義は、日本薬局方収載品、疾病の診断・治療・予防の目的、身体の構造・機能に影響を及ぼす目的の3つで、検査薬や殺虫剤も含まれること。
- 医療用医薬品を販売できるのは薬局と卸売販売業者で、店舗販売業・配置販売業は扱えないこと。
- 毒薬は黒地に白枠・白字、劇薬は白地に赤枠・赤字で表示し、14歳未満の者等への交付が禁止されること。
- 一般用医薬品の毒薬・劇薬や、生物由来製品に指定された一般用医薬品・要指導医薬品は現在ないこと。
- 要指導医薬品と第一類医薬品は薬剤師、第二類・第三類医薬品は薬剤師又は登録販売者が販売すること。
- 積極的な情報提供は要指導医薬品・第一類医薬品が義務、第二類が努力義務、第三類は法上の規定なしで、相談への応答は全区分で義務であること。
- 特定要指導医薬品(2026年5月1日施行)は薬剤師の対面販売が必要で、特定販売の対象外であること。
重要な言葉
- リスク区分
- 一般用医薬品を保健衛生上のリスクに応じて第一類・第二類・第三類に分けた区分。安全性の新たな知見に応じて見直される。
- 第一類医薬品
- 保健衛生上のリスクが特に高い成分を含むものや、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品。薬剤師が販売し、書面での情報提供が義務。
- 指定第二類医薬品
- 第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの。情報提供設備から7m以内に陳列する。
- 要指導医薬品
- 一般用医薬品とは別の区分で、薬剤師の対面等による情報提供と薬学的知見に基づく指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定する医薬品。
- 特定要指導医薬品
- 要指導医薬品のうち、適正な使用のために薬剤師の対面による販売又は授与が特に必要なものとして指定された医薬品。
- 毒薬・劇薬
- 毒性又は劇性が強く、薬用量と中毒量が接近して安全域が狭いものなどとして厚生労働大臣が指定する医薬品。
- 生物由来製品
- 人その他の生物(植物を除く)に由来する原材料を用いた製品のうち、感染症の発生リスクに着目して厚生労働大臣が指定するもの。
確認問題
確かめよう登録販売者が第一類医薬品を販売できる?
できません。第一類医薬品は薬剤師に販売させなければなりません。
登録販売者は、第一類医薬品を販売できる。
第二類医薬品の積極的な情報提供は努力義務である。
毒薬又は劇薬で、一般用医薬品に該当するものがある。
劇薬は、容器等に白地に赤枠・赤字で、品名と「劇」の文字を記載する。
第三類医薬品について購入者から相談があっても、情報提供は任意である。
特定要指導医薬品は、特定販売(インターネット販売など)により販売できる。
第一類医薬品を販売するのは?
一般用医薬品のリスク区分は?
毒薬・劇薬の交付が禁止されている相手は?
指定第二類医薬品の陳列について正しいものは?
医薬品は医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分かれ、一般用医薬品はさらにで第一類・第二類・第三類に分かれます。区分によって扱える店舗、販売する専門家、情報提供の扱いが変わります。リスク区分は効き目の強さの順位ではありません。
医療用医薬品は医師等の処方箋や指示で使われ、販売できるのは薬局と卸売販売業者に限られます。一般用医薬品とは需要者の選択で使われ、注射等の侵襲性の高い使用方法や、血液を検体とする検査薬は認められません。効能効果は一般の生活者が判断できる症状で示されます。
要指導医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定し、所定の期間の経過後に一般用医薬品へ移行することがあります。毒薬・劇薬が要指導医薬品に該当することはありますが、一般用医薬品にはありません。2026年5月1日からは、対面販売が特に必要なものがに指定されています。
は、副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあり、使用に特に注意が必要として大臣が指定するものと、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品です。は同程度の健康被害のおそれがあるもの(第一類を除く)で大臣が指定するもの、はそれ以外です。
第二類のうち特別の注意を要するものがで、小児・妊婦等や相互作用で重大な副作用の危険が高まる成分、依存性・習慣性のある成分を含みます。第三類も副作用等で身体の変調・不調が起こるおそれはあります。リスク区分は副作用の発生状況などで見直され、第三類から第一類・第二類へ変わることもあります。
販売業の許可と販売方法
店舗販売業とは、要指導医薬品又は一般用医薬品を店舗で販売・授与するための、店舗ごとの許可に基づく販売業で、配置販売業・卸売販売業とは販売場所・方法・扱える医薬品が異なります。

医薬品を業として販売するには、薬局の開設か医薬品の販売業の許可が必要です。販売業の許可は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3種類で、一般の生活者に販売できるのは店舗販売業と配置販売業です。薬局での販売は薬局の業務に付随するため販売業の許可は不要です。許可は6年ごとに更新を受けないと効力を失います。
| 業態 | 許可権者・単位 | 扱える医薬品 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 薬局 | 所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長) | 医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品 | 調剤ができる。医薬品の販売に販売業の許可は不要 |
| 店舗販売業 | 店舗ごとに所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長) | 要指導医薬品・一般用医薬品 | 調剤不可。店舗管理者は薬剤師又は登録販売者 |
| 配置販売業 | 配置区域を含む都道府県ごとに都道府県知事 | 配置販売品目基準に適合する一般用医薬品 | 先用後利。分割販売の禁止。区域管理者を置く |
| 卸売販売業 | 営業所ごとに所在地の都道府県知事 | 薬局・販売業者・医療機関等への販売 | 一般の生活者に直接販売できない。店舗販売業者には要指導・一般用、配置販売業者には一般用以外を販売しない |
基本の仕組み

店舗販売業の許可は店舗ごとに、所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長)が与えます。扱えるのは要指導医薬品と一般用医薬品だけで、薬剤師がいても調剤はできず、薬剤師がいなければ要指導医薬品・第一類医薬品は販売できません。店舗による販売以外(露天販売・現金行商等)の方法での販売は禁止です。
店舗管理者は薬剤師又は登録販売者で、要指導医薬品・第一類医薬品を販売する店舗では原則として薬剤師です。登録販売者が店舗管理者・区域管理者になるには、下表の従事期間の要件を満たす必要があります。管理者は、知事の許可なく他の場所で薬事に関する実務に従事できず、販売業者に必要な意見を書面で述べます。
配置販売業の許可は、配置しようとする区域を含む都道府県ごとに知事が与えます。扱えるのは配置販売品目基準に適合する一般用医薬品だけで、要指導医薬品は扱えません。第一類医薬品は薬剤師がいなければ販売できず、開封しての分割販売は禁止です。区域管理者は、第一類を扱う区域では薬剤師、第二類・第三類の区域では薬剤師又は登録販売者です。
配置販売業者又は配置員は、あらかじめ従事しようとする区域の都道府県知事に氏名・住所・区域・期間等を届け出て、住所地の知事が発行する身分証明書を携帯します。店舗販売業者が配置で売るには配置販売業の許可、配置販売業者が店舗で売るには薬局開設か店舗販売業の許可が別に必要です。卸売販売業は一般の生活者に直接販売できません。
| 登録販売者が管理者になる要件 | 従事期間 | 追加の条件 |
|---|---|---|
| 原則 | 過去5年間のうち通算2年以上(月80時間以上の月が24月以上、又は通算2年以上かつ過去5年間で合計1,920時間以上) | なし |
| 追加的な研修を修了した場合 | 過去5年間のうち通算1年以上(月160時間以上の月が12月以上、又は通算1年以上かつ過去5年間で合計1,920時間以上) | 毎年度の研修に加え、店舗(区域)の管理及び法令遵守に関する追加的な研修を修了 |
| 管理者の経験がある場合 | 通算1年以上 | 過去に店舗管理者等として業務に従事した経験がある |
| 第一類医薬品を販売する店舗で薬剤師を管理者にできない場合 | 要指導医薬品・第一類医薬品を扱う薬局等で登録販売者として3年以上(月80時間以上の月が36月以上、又は通算3年以上かつ過去5年間で合計2,880時間以上) | 店舗管理者を補佐する薬剤師を置く |
特定販売と指定濫用防止医薬品

特定販売は、薬局・店舗以外の場所にいる者への要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)・一般用医薬品・薬局製造販売医薬品(毒薬・劇薬を除く)の販売です。その薬局・店舗に貯蔵・陳列している医薬品を販売し、ネット広告は行政が容易に閲覧できるホームページで行います。相談の希望があれば、対面又は電話で情報提供します。
指定濫用防止医薬品(2026年5月1日施行)は、エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、プソイドエフェドリン、ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリンの8成分(いずれも外用剤を除く)を有効成分とする製剤です。生薬を主たる有効成分とする製剤は含みません。
販売時は薬剤師又は登録販売者が、書面を用いて濫用による危害のおそれ等を情報提供し、年齢や購入状況を確認します。18歳未満の者には、告示の数量以下の1包装に限り、氏名も確認して対面等で情報提供すれば販売できます。18歳以上でも数量を超える場合は理由を確認し、対面等で情報提供します。適正使用を確保できなければ販売できません。
| 場面 | ルール |
|---|---|
| 対象製剤 | 8成分(外用剤を除く)を有効成分とする要指導医薬品・一般用医薬品・薬局製造販売医薬品 |
| 告示の数量 | 1包装で、用法用量から5日分以下。かぜ薬・鼻炎用内服薬・解熱鎮痛薬としての製剤は成分により7日分以下(エフェドリン・コデインは5日分のみ) |
| 外箱等の表示 | 告示の数量以下は「要確認」、それを超えるものは「要」を丸囲み又は四角囲みにした字句 |
| 18歳未満 | 告示の数量以下の1包装に限る。氏名等を確認し、対面等で情報提供して販売 |
| 18歳以上で数量を超える購入 | 理由等を確認し、対面等で情報提供して販売 |
| 販売時の確認事項 | 年齢、他の指定濫用防止医薬品を含む購入状況、数量を超える場合の理由、適正な使用を目的とする購入であること等 |
| 陳列(第二類・第三類) | 指定濫用防止医薬品陳列区画の内部(鍵をかけた陳列設備等を除く)、又は情報提供設備から7m以内に陳列し、薬剤師・登録販売者を継続的に配置 |
| 手順書 | 販売方法、情報提供と確認、陳列、多量・頻回の購入への対応などの手順書を作成し、それに基づいて販売 |
試験に出る
- 医薬品の販売業の許可は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3種類で、6年ごとに更新を受けないと効力を失うこと。
- 店舗販売業は要指導医薬品と一般用医薬品のみを扱い、薬剤師がいても調剤はできないこと。
- 登録販売者が店舗管理者・区域管理者になるには、原則として過去5年間のうち通算2年以上の従事期間が必要なこと。
- 第一類医薬品を販売する店舗で登録販売者を店舗管理者にする場合は、店舗管理者を補佐する薬剤師を置くこと。
- 配置販売業では、区域の都道府県知事への事前の届出、身分証明書の携帯、分割販売の禁止があること。
- 特定販売はその薬局・店舗に貯蔵・陳列している医薬品に限られ、特定要指導医薬品は対象外であること。
- 指定濫用防止医薬品は8成分(外用剤を除く)を含む製剤で、18歳未満には告示の数量以下の1包装に限り対面等で販売すること。
- 2025年公布の改正のうち、登録受渡店舗など遠隔管理による販売の仕組みは、令和8年4月一部改訂の手引きには含まれていないこと。
重要な言葉
- 店舗販売業
- 店舗ごとに所在地の都道府県知事等の許可を受け、要指導医薬品と一般用医薬品を店舗で販売する業態。調剤はできない。
- 配置販売業
- 購入者の居宅等に医薬品を預け、使用した分の代金を後で受け取る業態。配置販売品目基準に適合する一般用医薬品のみを扱う。
- 先用後利
- 配置販売業で、購入者が医薬品を使用した後でなければ代金請求権が生じないという販売形態。
- 卸売販売業
- 薬局、他の販売業者、製薬企業、医療機関等に医薬品を販売する業態。一般の生活者に直接販売できない。
- 店舗管理者
- 店舗を実地に管理する薬剤師又は登録販売者。従事者を監督し、店舗販売業者に必要な意見を書面で述べる。
- 特定販売
- 薬局・店舗以外の場所にいる者に対する、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)・一般用医薬品・薬局製造販売医薬品の販売。
- 指定濫用防止医薬品
- 濫用により中枢神経系の興奮・抑制や幻覚を生ずるおそれがあるとして指定された医薬品。年齢・購入状況の確認と数量の制限がある。
確認問題
確かめよう17歳の購入者に、指定濫用防止医薬品の大容量製品を販売できる?
できません。18歳未満には告示の数量以下の1包装に限り、対面等で情報提供して販売します。
店舗販売業と配置販売業は、販売場所や方法が同じである。
指定濫用防止医薬品を販売するときは、購入者の年齢や購入状況を確認する。
店舗販売業の許可は、6年ごとに更新を受けなければ効力を失う。
店舗販売業では、薬剤師が従事していれば調剤を行うことができる。
配置販売業では、医薬品を開封して分割販売することができる。
18歳未満の者には、指定濫用防止医薬品を一切販売できない。
2026年5月1日に施行された、年齢・数量の確認などを伴う販売制度の対象は?
店舗販売業と配置販売業の違いとして正しいものは?
登録販売者が店舗管理者になるための従事期間の原則は?
特定販売について正しいものは?
医薬品を業として販売するには、薬局の開設か医薬品の販売業のが必要です。販売業の許可は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3種類で、一般の生活者に販売できるのは店舗販売業と配置販売業です。薬局での販売は薬局の業務に付随するため販売業の許可は不要です。許可は6年ごとに更新を受けないと効力を失います。
の許可は店舗ごとに、所在地の都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長)が与えます。扱えるのは要指導医薬品と一般用医薬品だけで、薬剤師がいても調剤はできず、薬剤師がいなければ要指導医薬品・第一類医薬品は販売できません。店舗による販売以外(露天販売・現金行商等)の方法での販売は禁止です。
は薬剤師又は登録販売者で、要指導医薬品・第一類医薬品を販売する店舗では原則として薬剤師です。登録販売者が店舗管理者・区域管理者になるには、下表の従事期間の要件を満たす必要があります。管理者は、知事の許可なく他の場所で薬事に関する実務に従事できず、販売業者に必要な意見を書面で述べます。
の許可は、配置しようとする区域を含む都道府県ごとに知事が与えます。扱えるのは配置販売品目基準に適合する一般用医薬品だけで、要指導医薬品は扱えません。第一類医薬品は薬剤師がいなければ販売できず、開封しての分割販売は禁止です。区域管理者は、第一類を扱う区域では薬剤師、第二類・第三類の区域では薬剤師又は登録販売者です。
配置販売業者又は配置員は、あらかじめ従事しようとする区域の都道府県知事に氏名・住所・区域・期間等を届け出て、住所地の知事が発行する身分証明書を携帯します。店舗販売業者が配置で売るには配置販売業の許可、配置販売業者が店舗で売るには薬局開設か店舗販売業の許可が別に必要です。は一般の生活者に直接販売できません。
は、薬局・店舗以外の場所にいる者への要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)・一般用医薬品・薬局製造販売医薬品(毒薬・劇薬を除く)の販売です。その薬局・店舗に貯蔵・陳列している医薬品を販売し、ネット広告は行政が容易に閲覧できるホームページで行います。相談の希望があれば、対面又は電話で情報提供します。
(2026年5月1日施行)は、エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、プソイドエフェドリン、ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリンの8成分(いずれも外用剤を除く)を有効成分とする製剤です。生薬を主たる有効成分とする製剤は含みません。
容器・添付文書の表示(法定表示)
法定表示とは、医薬品医療機器等法に基づいて医薬品の直接の容器・被包や外箱等に記載しなければならない事項の総称で、添付文書等の記載とともに、購入時・使用時の安全な判断を支えます。

容器・外箱の法定表示と添付文書等の記載は、購入時と使用時の判断を支える情報です。法律で記載が義務づけられた事項と、記載してはならない事項の両方があり、これを満たさない医薬品は薬局や販売業でも販売できません。
| 法定表示事項 | 表示が必要な医薬品・内容 |
|---|---|
| 製造販売業者等の氏名又は名称及び住所 | 医薬品全般 |
| 名称 | 日局収載品は日局で定められた名称、一般的名称があるものはその名称 |
| 製造番号又は製造記号 | 医薬品全般。回収の際に対象品を特定する手がかりになる |
| 重量・容量又は個数等の内容量 | 医薬品全般 |
| 「日本薬局方」の文字等 | 日局に収載されている医薬品 |
| 有効成分の名称及びその分量 | 日局収載品以外の医薬品(日局の基準に適合しないが承認を受けた日局品を含む) |
| 「要指導医薬品」の文字 | 要指導医薬品 |
| リスク区分を示す字句 | 一般用医薬品 |
| 枠の中に「2」の数字 | 指定第二類医薬品 |
| 「店舗専用」の文字 | 配置販売品目以外の一般用医薬品 |
| 「要確認」の字句 | 告示の数量以下の指定濫用防止医薬品(それを超えるものは「要」を丸囲み又は四角囲み) |
| 「注意-人体に使用しないこと」の文字 | 誤って人体に散布・噴霧等された場合に健康被害を生じるおそれがあるとして指定された医薬品(殺虫剤等) |
| 使用の期限 | 3年を超えて性状・品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣が指定する医薬品 |
基本の仕組み

医薬品は、直接の容器又は被包に法定の事項を記載しなければならず(法第50条)、毒薬・劇薬には法第44条の表示も必要です。小売用に包装されていて、直接の容器等の記載が外箱等を透かして容易に見えないときは、外箱等にも同じ事項を記載します(法第51条)。
要指導医薬品と一般用医薬品には、添付文書又は容器・外箱等に、最新の論文その他の知見に基づいて用法用量その他使用及び取扱い上必要な注意等を記載します(法第52条第2項)。法定表示と添付文書等の記載は、見やすい場所に、読みやすく理解しやすい用語で正確に、特に明瞭に、邦文で記載します。
添付文書・容器・外箱等には、①虚偽又は誤解を招くおそれのある事項、②承認を受けていない効能効果、③保健衛生上危険がある用法・用量・使用期間を記載できません(法第54条)。表示や記載が不適切な医薬品は不正表示医薬品として、薬局や販売業でも販売・陳列できません。
容器表示と添付文書を使い分ける

一般用医薬品・要指導医薬品の主な法定表示事項は、製造販売業者等の氏名又は名称及び住所、名称、製造番号又は製造記号、内容量、有効成分の名称及び分量、「要指導医薬品」の文字又はリスク区分を示す字句などです。配置販売品目以外の一般用医薬品には「店舗専用」、指定第二類医薬品には枠の中に「2」の数字を表示します。
使用期限が法定表示事項になるのは、適切な保存条件の下で3年を超えて性状・品質が安定でない医薬品等、大臣が指定する医薬品です。表示された使用期限は未開封で保管した場合の期限で、開封後は期限まで品質が保たれるとは限りません。期限を超過した医薬品は、正当な理由なく販売・陳列・広告できません。
薬局・店舗販売業・卸売販売業で購入者の求めに応じて分割販売するときは、分割販売する者の責任で法定表示と添付文書等の記載を行い、分割販売を行う者の氏名又は名称と店舗の名称・所在地も記載します。あらかじめ小分けして販売することは無許可製造等に当たり、認められません。
試験に出る
- 直接の容器等の記載が外箱等を透かして容易に見えない場合は、外箱等にも同じ事項を記載すること(法第51条)。
- 指定第二類医薬品は枠の中に「2」の数字、配置販売品目以外の一般用医薬品は「店舗専用」の文字を表示すること。
- 使用期限の表示が法定表示事項となるのは、3年を超えて性状・品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣が指定する医薬品であること。
- 記載禁止事項は、虚偽・誤解を招くおそれのある事項、承認を受けていない効能効果、保健衛生上危険な用法・用量・使用期間であること。
- 法定表示と添付文書等の記載は、見やすい場所に、読みやすく理解しやすい用語で正確に、邦文で記載すること。
- 不正表示医薬品は、製薬企業だけでなく薬局・医薬品の販売業でも販売・陳列が禁止されること。
重要な言葉
- 添付文書
- 医薬品に添付する文書。製薬企業が作成したものだけでなく、薬局・販売業者が販売時に添付させる文書も含まれる。
- 使用期限
- 未開封の状態で保管された場合に品質が保持される期限。表示義務の対象は厚生労働大臣が指定する医薬品。
- 法定表示
- 法第44条・第50条・第51条に基づく、容器・被包・外箱等への記載の総称。個々の記載事項を法定表示事項という。
- 不正表示医薬品
- 法定表示や添付文書等の記載が適切でない、又は記載禁止事項が記載された医薬品。販売・陳列が禁止される。
- 分割販売
- 特定の購入者の求めに応じ、医薬品の包装を開封して分けて販売すること。配置販売業では禁止されている。
確認問題
確かめよう使用期限内であれば、開封後も期限まで品質が保たれる?
いいえ。表示された使用期限は未開封の状態で保管された場合の期限です。
使用期限が切れていなければ、開封後の保管方法は問わない。
表示された使用期限は、未開封の状態で保管された場合に品質が保持される期限である。
直接の容器の法定表示が外箱を透かして容易に見えない場合は、外箱にも同じ事項を記載しなければならない。
承認を受けていない効能効果でも、事実であれば添付文書に記載できる。
指定第二類医薬品には、枠の中に「2」の数字を表示する。
効能効果・用法用量・使用上の注意を説明する文書は?
医薬品の添付文書・容器・外箱に記載してはならない事項(法第54条)に当たるものは?
配置販売品目以外の一般用医薬品に表示が必要な文字は?
容器・外箱のと等の記載は、購入時と使用時の判断を支える情報です。法律で記載が義務づけられた事項と、記載してはならない事項の両方があり、これを満たさない医薬品は薬局や販売業でも販売できません。
添付文書・容器・外箱等には、①虚偽又は誤解を招くおそれのある事項、②承認を受けていない、③保健衛生上危険がある用法・用量・使用期間を記載できません(法第54条)。表示や記載が不適切な医薬品はとして、薬局や販売業でも販売・陳列できません。
が法定表示事項になるのは、適切な保存条件の下で3年を超えて性状・品質が安定でない医薬品等、大臣が指定する医薬品です。表示された使用期限は未開封で保管した場合の期限で、開封後は期限まで品質が保たれるとは限りません。期限を超過した医薬品は、正当な理由なく販売・陳列・広告できません。
法令遵守と行政対応
法令遵守とは、医薬品の広告・販売方法・陳列・記録などの決まりを日々の業務で守ることで、行政庁の監視指導や処分、苦情相談への対応もこれに関わります。

法令遵守は販売時だけでなく、広告、販売方法、記録、行政の監視指導への対応まで含みます。広告の規制は販売業者に限らず「何人も」が対象で、違反には行政処分や罰則があります。
| テーマ | 要点 |
|---|---|
| 誇大広告等の禁止(法第66条) | 何人も対象。虚偽・誇大な記事、医師等が保証したと誤解されるおそれのある記事、堕胎の暗示やわいせつな文書・図画 |
| 承認前の医薬品の広告禁止(法第68条) | 何人も対象。未承認の医薬品の名称・製造方法・効能効果・性能の広告 |
| チラシでの同一紙面掲載 | 医薬品と食品等の同一紙面への掲載自体は可。食品等に医薬品的な効能効果があるように見せると法第68条違反になり得る |
| 店舗以外の拠点・現金売り | 許可を受けた店舗以外を拠点とする販売や、配置販売業での先用後利によらない現金売りは法第37条第1項違反 |
| 多量購入 | 業として他者に提供する(無許可販売)おそれがあれば事情を尋ね、状況により販売を差し控える |
| 販売記録 | 要指導医薬品・第一類医薬品は品名・数量・日時・薬剤師の氏名・理解の確認結果を書面に記載し2年間保存。第二類・第三類は努力義務 |
| 回収への協力 | 製造販売業者等が行う廃棄・回収・販売の停止・情報提供などの措置に、薬局開設者・販売業者は協力に努める |
基本の仕組み

法第66条は、何人も医薬品等の名称・製造方法・効能効果・性能について、明示的・暗示的を問わず虚偽又は誇大な記事を広告・記述・流布してはならないとします。法第68条は、承認前の医薬品の名称・効能効果等の広告を禁止します。顧客誘引の意図が明確、特定の商品名が明らか、一般人が認知できる状態の3要件を満たせば広告に当たります。
医薬品等適正広告基準では、事実に反する認識を得させるおそれがある広告と、過度の消費や乱用を助長するおそれがある広告を不適正とします。漢方処方製剤のしばり表現を省く、医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜する、効能や安全性を保証する、「天然成分なので副作用がない」とする、推薦をうたうなどが該当します。
違反広告には厚生労働大臣又は都道府県知事の措置命令があり、虚偽・誇大な広告には売上額×4.5%の課徴金制度があります。薬局開設者・販売業者は、購入者の使用意見(口コミ等)を表示したり、購入・閲覧の履歴に基づき自動的に購入を勧誘したりする広告をしてはならず、医薬品を競売に付すこともできません。
不適正な販売方法と行政の監視指導

キャラクターグッズ等の景品類の提供は景品表示法の限度内なら認められますが、医薬品を懸賞や景品として授与することは原則不可です。組み合わせ販売は、情報提供を十分に行える種類の範囲内で合理性がある場合に限られ、効能効果が重複する組合せや相互作用のおそれがある組合せは不適当です。個々の法定表示が外から明瞭に見える必要もあります。
厚生労働大臣、都道府県知事、保健所設置市長、特別区長は、職員から薬事監視員を命じます。都道府県知事等は、薬局開設者・販売業者に報告をさせ、薬事監視員に立入検査、帳簿書類等の検査、従業員への質問、疑いのある物の試験に必要な最少分量の収去をさせることができます。拒否や虚偽の報告・答弁は50万円以下の罰金です。
処分の種類と主体は下表のとおりです。生活者の苦情は、行政の薬務主管課・保健所・薬事監視事務所のほか、国民生活センター・消費生活センター・消費者団体にも寄せられ、必要に応じて行政に通報されます。業界団体・職能団体も相談窓口を設け、自主的なチェックと自浄的是正に取り組んでいます。
| 措置 | 命じる主体 | 対象・内容 |
|---|---|---|
| 構造設備の改善命令・施設の使用禁止 | 都道府県知事等 | 構造設備が基準に適合しない場合など(配置販売業者を除く) |
| 業務体制の整備命令 | 都道府県知事等 | 業務体制が体制省令の基準に適合しなくなった場合 |
| 業務運営の改善命令 | 都道府県知事等 | 法令違反があり、保健衛生上の危害の発生・拡大の防止に必要な場合 |
| 管理者の変更命令 | 都道府県知事等 | 管理者の法令違反、又は管理者として不適当な場合 |
| 配置員の業務停止命令 | 都道府県知事 | 配置員が業務に関し法令に違反した場合 |
| 許可の取消し・業務停止命令 | 都道府県知事等 | 法令違反や、許可の基準に反する状態に至った場合 |
| 緊急命令(販売の一時停止等) | 厚生労働大臣 | 医薬品による保健衛生上の危害の発生・拡大を防止するため |
| 廃棄・回収等の命令 | 厚生労働大臣又は都道府県知事等 | 不正表示医薬品、不良医薬品、無承認無許可医薬品等 |
試験に出る
- 誇大広告等(法第66条)と承認前の医薬品の広告(法第68条)の禁止は、販売業者に限らず「何人も」が対象であること。
- 広告に該当するのは、顧客を誘引する意図が明確、特定の商品名が明らか、一般人が認知できる状態の3要件をすべて満たす場合であること。
- しばり表現の省略、医療用医薬品の効能効果の標榜、有効性・安全性の保証、医薬関係者等の推薦(事実でも原則不適当)は不適正な広告であること。
- 医薬品を懸賞・景品として授与することは原則不可で、組み合わせ販売は情報提供できる範囲と組合せの合理性が条件であること。
- 薬事監視員の立入検査・収去を拒んだり、質問に正当な理由なく答弁しなかったりすると、50万円以下の罰金の対象になること。
- 改善命令・管理者の変更命令・業務停止命令・許可の取消しは都道府県知事等、緊急命令は厚生労働大臣が行うこと。
- 苦情相談は、行政の薬務主管課・保健所・薬事監視事務所のほか、国民生活センター・消費生活センターや業界団体にも寄せられること。
重要な言葉
- 法令遵守
- 広告・販売方法・陳列・記録などの法令上の決まりを、日々の業務で守ること。
- 製造番号
- 製品のまとまりを特定するための番号・記号。法定表示事項で、回収時の照合にも使う。
- 行政処分
- 改善命令、業務停止命令、許可の取消しなど、行政庁が法令違反等に対して命じる措置。刑事上の罰則とは別の制度。
- 薬事監視員
- 厚生労働大臣、都道府県知事、保健所設置市長、特別区長が職員から命じ、立入検査などの監視指導を行う者。
- 課徴金制度
- 虚偽・誇大な広告を行った者に、違反期間中の対象商品の売上額×4.5%の納付を厚生労働大臣が命じる制度。
- しばり表現
- 漢方処方製剤等の効能効果に付される、使用する人の体質や症状などの前提条件。広告で省くことは原則として認められない。
- 組み合わせ販売
- 購入者の利便性のため複数の医薬品や医薬品と他の物品を組み合わせて販売すること。合理性のある組合せに限られる。
確認問題
確かめよう医薬関係者が推薦している事実があれば、その旨を広告してよい?
いいえ。事実であっても、医薬関係者・医療機関等が推薦している旨の広告は、原則として不適当です。
回収の連絡を受けたときは、商品名だけ合えば製造番号の照合は不要である。
行政による改善命令と刑事上の罰則は、制度として区別される。
医薬品の誇大広告の禁止は、広告を依頼した製薬企業だけが対象である。
医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていない。
薬事監視員の質問に正当な理由なく答弁しなかった従業員は、罰則の対象となる。
効能効果が重複する医薬品どうしでも、購入者の利便性があれば組み合わせて販売してよい。
医薬品の回収の連絡を受けたとき、対象品の特定に使うものは?
法令遵守の対応として正しいものは?
虚偽・誇大な広告に対する課徴金の額は?
医薬品の広告に該当する要件に含まれないものは?
は販売時だけでなく、広告、販売方法、記録、行政の監視指導への対応まで含みます。広告の規制は販売業者に限らず「何人も」が対象で、違反には行政処分や罰則があります。
医薬品等適正広告基準では、事実に反する認識を得させるおそれがある広告と、過度の消費や乱用を助長するおそれがある広告を不適正とします。漢方処方製剤のを省く、医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜する、効能や安全性を保証する、「天然成分なので副作用がない」とする、推薦をうたうなどが該当します。
違反広告には厚生労働大臣又は都道府県知事の措置命令があり、虚偽・誇大な広告には売上額×4.5%の制度があります。薬局開設者・販売業者は、購入者の使用意見(口コミ等)を表示したり、購入・閲覧の履歴に基づき自動的に購入を勧誘したりする広告をしてはならず、医薬品を競売に付すこともできません。
厚生労働大臣、都道府県知事、保健所設置市長、特別区長は、職員からを命じます。都道府県知事等は、薬局開設者・販売業者に報告をさせ、薬事監視員に立入検査、帳簿書類等の検査、従業員への質問、疑いのある物の試験に必要な最少分量の収去をさせることができます。拒否や虚偽の報告・答弁は50万円以下の罰金です。
覚えるポイント
- 法の目的と規制対象:医薬品医療機器等法は医薬品等の品質・有効性・安全性の確保と保健衛生上の危害の防止を目的とします。登録販売者は都道府県知事の販売従事登録を受けた者で、変更届と登録消除の申請は30日以内です。医薬部外品・化粧品・保健機能食品は医薬品と区別します。
- 医薬品の分類とリスク区分:要指導医薬品と第一類医薬品は薬剤師、第二類・第三類医薬品は薬剤師又は登録販売者が販売します。情報提供は第一類が義務、第二類が努力義務で、相談への応答は全区分で義務です。毒薬・劇薬は14歳未満の者等に交付できず、一般用医薬品にはありません。
- 販売業の許可と販売方法:販売業の許可は店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3種類で、6年ごとに更新します。登録販売者が管理者になるには原則過去5年間で通算2年以上の従事期間が必要です。指定濫用防止医薬品は8成分で、18歳未満には告示の数量以下の1包装に限り対面等で販売します。
- 容器・添付文書の表示(法定表示):直接の容器の記載が外箱から見えなければ外箱にも記載します。指定第二類医薬品は枠の中に「2」、配置販売品目以外の一般用医薬品は「店舗専用」と表示します。未承認の効能効果などの記載は禁止され、不正表示医薬品は販売できません。
- 法令遵守と行政対応:誇大広告等・承認前広告の禁止は何人も対象で、課徴金は売上額×4.5%です。医薬品を景品にすることは原則不可です。都道府県知事等は薬事監視員による立入検査や改善命令・業務停止・許可取消しを、厚生労働大臣は緊急命令を行えます。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 東京都:登録販売者試験 ↗
- 東京都:2025年度問題・正答 ↗
- 厚生労働省:登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)掲載ページ ↗
- 厚生労働省:試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)本文 ↗(第4章 薬事に関する法規と制度)
- 厚生労働省:医薬品の販売制度 ↗
- 厚生労働省:令和7年薬機法等の一部改正(特定要指導医薬品・指定濫用防止医薬品は2026年5月1日施行) ↗
- 厚生労働省医薬局長通知:指定濫用防止医薬品の販売等について(令和7年12月26日医薬発1226第16号) ↗
- 厚生労働省医薬局長通知:厚生労働大臣が定める数量(告示)の適用について(令和8年2月13日医薬発0213第2号) ↗
- 厚生労働省:2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容 ↗
- 東京都:令和7年度登録販売者試験午前問題 ↗
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