医薬品の分類とリスク区分とは
医薬品の分類とリスク区分とは、医薬品を医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分け、一般用医薬品をさらに第一類・第二類・第三類に分けるもので、区分ごとに販売できる専門家と情報提供の義務が異なります。

医薬品は医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分かれ、一般用医薬品はさらにリスク区分で第一類・第二類・第三類に分かれます。区分によって扱える店舗、販売する専門家、情報提供の扱いが変わります。リスク区分は効き目の強さの順位ではありません。
| 区分 | 販売する専門家 | 積極的な情報提供 | 相談への応答 | 陳列(薬局・店舗販売業) |
|---|---|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 薬剤師(特定要指導医薬品は対面) | 対面等により書面を用いた情報提供と指導:義務 | 義務 | 要指導医薬品陳列区画の内部(鍵をかけた陳列設備等を除く) |
| 第一類医薬品 | 薬剤師 | 書面を用いた情報提供:義務 | 義務 | 第一類医薬品陳列区画の内部(鍵をかけた陳列設備等を除く) |
| 指定第二類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 努力義務。禁忌の確認と専門家への相談を勧める旨を確実に認識させる措置が必要 | 義務 | 情報提供設備から7m以内(鍵をかけた陳列設備、1.2m以内に進入できない措置の場合を除く) |
| 第二類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 努力義務 | 義務 | 区分ごとに、混在させない |
| 第三類医薬品 | 薬剤師又は登録販売者 | 法上の規定なし(行うことが望ましい) | 義務 | 区分ごとに、混在させない |
基本の仕組み

医薬品は、①日本薬局方に収められている物、②人又は動物の疾病の診断・治療・予防に使用されることが目的の物、③人又は動物の身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的の物です(②③は機械器具等でないもの。法第2条第1項)。検査薬・殺虫剤・器具用消毒薬のように身体に直接使わないものも含まれます。
医療用医薬品は医師等の処方箋や指示で使われ、販売できるのは薬局と卸売販売業者に限られます。一般用医薬品と要指導医薬品は需要者の選択で使われ、注射等の侵襲性の高い使用方法や、血液を検体とする検査薬は認められません。効能効果は一般の生活者が判断できる症状で示されます。
要指導医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定し、所定の期間の経過後に一般用医薬品へ移行することがあります。毒薬・劇薬が要指導医薬品に該当することはありますが、一般用医薬品にはありません。2026年5月1日からは、対面販売が特に必要なものが特定要指導医薬品に指定されています。
| 項目 | 毒薬 | 劇薬 |
|---|---|---|
| 指定 | 毒性が強いものとして厚生労働大臣が指定 | 劇性が強いものとして厚生労働大臣が指定 |
| 直接の容器等の表示 | 黒地に白枠・白字で品名と「毒」の文字 | 白地に赤枠・赤字で品名と「劇」の文字 |
| 貯蔵・陳列 | 他の物と区別し、貯蔵・陳列する場所にかぎを施す | 他の物と区別して貯蔵・陳列する |
| 交付の禁止 | 14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者 | 14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者 |
| 一般の生活者への販売・譲渡 | 品名・数量・使用目的・譲渡年月日・譲受人の氏名・住所・職業を記入し、署名又は記名押印した文書の交付を受ける | 毒薬と同じ |
| 開封しての販売 | 店舗管理者が薬剤師の店舗販売業者、医薬品営業所管理者が薬剤師の卸売販売業者以外の販売業者は不可 | 毒薬と同じ |
| 一般用医薬品との関係 | 要指導医薬品に該当することはあるが、一般用医薬品はない | 要指導医薬品に該当することはあるが、一般用医薬品はない |
| 制度 | 要点 |
|---|---|
| 生物由来製品 | 感染症の発生リスクに着目して指定。生物由来の原材料を使っていても、リスクが極めて低いものは対象外。現在、指定された一般用医薬品・要指導医薬品はない |
| 店舗販売業が扱える医薬品 | 要指導医薬品と一般用医薬品のみ |
| 配置販売業が扱える医薬品 | 配置販売品目基準(経年変化が起こりにくい等)に適合する一般用医薬品のみ |
要指導・第一類・第二類・第三類

第一類医薬品は、副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあり、使用に特に注意が必要として大臣が指定するものと、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品です。第二類医薬品は同程度の健康被害のおそれがあるもの(第一類を除く)で大臣が指定するもの、第三類医薬品はそれ以外です。
第二類のうち特別の注意を要するものが指定第二類医薬品で、小児・妊婦等や相互作用で重大な副作用の危険が高まる成分、依存性・習慣性のある成分を含みます。第三類も副作用等で身体の変調・不調が起こるおそれはあります。リスク区分は副作用の発生状況などで見直され、第三類から第一類・第二類へ変わることもあります。
要指導医薬品と第一類は薬剤師、第二類・第三類は薬剤師又は登録販売者が販売します。情報提供と陳列の違いは下表のとおりで、相談があった場合の応答はどの区分でも義務です。2026年5月1日からは要指導医薬品も映像・音声による「対面等」の方法で販売できますが、特定要指導医薬品は薬剤師の対面販売に限られます。
試験に出る
- 医薬品の定義は、日本薬局方収載品、疾病の診断・治療・予防の目的、身体の構造・機能に影響を及ぼす目的の3つで、検査薬や殺虫剤も含まれること。
- 医療用医薬品を販売できるのは薬局と卸売販売業者で、店舗販売業・配置販売業は扱えないこと。
- 毒薬は黒地に白枠・白字、劇薬は白地に赤枠・赤字で表示し、14歳未満の者等への交付が禁止されること。
- 一般用医薬品の毒薬・劇薬や、生物由来製品に指定された一般用医薬品・要指導医薬品は現在ないこと。
- 要指導医薬品と第一類医薬品は薬剤師、第二類・第三類医薬品は薬剤師又は登録販売者が販売すること。
- 積極的な情報提供は要指導医薬品・第一類医薬品が義務、第二類が努力義務、第三類は法上の規定なしで、相談への応答は全区分で義務であること。
- 特定要指導医薬品(2026年5月1日施行)は薬剤師の対面販売が必要で、特定販売の対象外であること。
重要な言葉
- リスク区分
- 一般用医薬品を保健衛生上のリスクに応じて第一類・第二類・第三類に分けた区分。安全性の新たな知見に応じて見直される。
- 第一類医薬品
- 保健衛生上のリスクが特に高い成分を含むものや、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品。薬剤師が販売し、書面での情報提供が義務。
- 指定第二類医薬品
- 第二類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの。情報提供設備から7m以内に陳列する。
- 要指導医薬品
- 一般用医薬品とは別の区分で、薬剤師の対面等による情報提供と薬学的知見に基づく指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定する医薬品。
- 特定要指導医薬品
- 要指導医薬品のうち、適正な使用のために薬剤師の対面による販売又は授与が特に必要なものとして指定された医薬品。
- 毒薬・劇薬
- 毒性又は劇性が強く、薬用量と中毒量が接近して安全域が狭いものなどとして厚生労働大臣が指定する医薬品。
- 生物由来製品
- 人その他の生物(植物を除く)に由来する原材料を用いた製品のうち、感染症の発生リスクに着目して厚生労働大臣が指定するもの。
確認問題
確かめよう登録販売者が第一類医薬品を販売できる?
できません。第一類医薬品は薬剤師に販売させなければなりません。
登録販売者は、第一類医薬品を販売できる。
第二類医薬品の積極的な情報提供は努力義務である。
毒薬又は劇薬で、一般用医薬品に該当するものがある。
劇薬は、容器等に白地に赤枠・赤字で、品名と「劇」の文字を記載する。
第三類医薬品について購入者から相談があっても、情報提供は任意である。
特定要指導医薬品は、特定販売(インターネット販売など)により販売できる。
第一類医薬品を販売するのは?
一般用医薬品のリスク区分は?
毒薬・劇薬の交付が禁止されている相手は?
指定第二類医薬品の陳列について正しいものは?
医薬品は医療用医薬品・要指導医薬品・一般用医薬品に分かれ、一般用医薬品はさらにで第一類・第二類・第三類に分かれます。区分によって扱える店舗、販売する専門家、情報提供の扱いが変わります。リスク区分は効き目の強さの順位ではありません。
医療用医薬品は医師等の処方箋や指示で使われ、販売できるのは薬局と卸売販売業者に限られます。一般用医薬品とは需要者の選択で使われ、注射等の侵襲性の高い使用方法や、血液を検体とする検査薬は認められません。効能効果は一般の生活者が判断できる症状で示されます。
要指導医薬品は、薬剤師の対面等による情報提供と指導が必要なものとして厚生労働大臣が指定し、所定の期間の経過後に一般用医薬品へ移行することがあります。毒薬・劇薬が要指導医薬品に該当することはありますが、一般用医薬品にはありません。2026年5月1日からは、対面販売が特に必要なものがに指定されています。
は、副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害のおそれがあり、使用に特に注意が必要として大臣が指定するものと、承認後一定期間内の新規の一般用医薬品です。は同程度の健康被害のおそれがあるもの(第一類を除く)で大臣が指定するもの、はそれ以外です。
第二類のうち特別の注意を要するものがで、小児・妊婦等や相互作用で重大な副作用の危険が高まる成分、依存性・習慣性のある成分を含みます。第三類も副作用等で身体の変調・不調が起こるおそれはあります。リスク区分は副作用の発生状況などで見直され、第三類から第一類・第二類へ変わることもあります。
出典・参考資料
試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。
- 東京都:登録販売者試験 ↗
- 東京都:2025年度問題・正答 ↗
- 厚生労働省:登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)掲載ページ ↗
- 厚生労働省:試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月一部改訂)本文 ↗(第4章 薬事に関する法規と制度)
- 厚生労働省:医薬品の販売制度 ↗
- 厚生労働省:令和7年薬機法等の一部改正(特定要指導医薬品・指定濫用防止医薬品は2026年5月1日施行) ↗
- 厚生労働省医薬局長通知:指定濫用防止医薬品の販売等について(令和7年12月26日医薬発1226第16号) ↗
- 厚生労働省医薬局長通知:厚生労働大臣が定める数量(告示)の適用について(令和8年2月13日医薬発0213第2号) ↗
- 厚生労働省:2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容 ↗
- 東京都:令和7年度登録販売者試験午前問題 ↗
編集:Pinternet Works · 更新日:
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