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登録販売者試験 · 学習ガイド

適正使用(医薬品の適正使用・安全対策)

添付文書の効能効果・用法用量・使用上の注意を読み分けます。安全性情報の収集から対策、健康被害の救済、適正使用の啓発へつなげます。

仕組みを理解する

適正使用情報(添付文書・製品表示)

適正使用情報とは、添付文書や製品表示など、薬を安全に使うために必要な情報で、禁止条件と相談条件を区別して読みます。

エルくんが説明する図解。効能/用量/禁止/相談の四つの欄と使用者情報を照合する図。
「してはいけないこと」に該当する場合と、「相談すること」に当てはまり事前相談が必要な場合では対応が違います。使用者の年齢、病歴、併用薬を照らし合わせます。

添付文書の注意欄は、禁止条件と相談条件を区別して読めることが重要です。すべてを同じ強さの注意として扱いません。

適正使用情報(添付文書・製品表示)
区分読む内容
してはいけないこと該当時に使用・併用・運転・授乳・飲酒・長期連用などを避ける
相談すること使用前に相談すべき人、使用後に中止・相談が必要な症状
その他の注意容認される軽微な症状(「次の症状が現れることがある」)
製品表示(外箱等)効能・効果、用法・用量、添加物、禁止事項、相談勧奨、保管上の注意等

添付文書の全体像

添付文書の全体像の図解。中央に開いた紙の添付文書を置き、中段の抜粋として上から「使用上の注意」→「効能又は効果」→「用法及び用量」の順に並べる。項目間は罫線で区切り、「使用上の注意」だけを枠と文字色で目立たせる。
覚えること:使用上の注意は効能・効果より前

一般用医薬品の添付文書は、①改訂年月、②添付文書の必読及び保管に関する事項、③販売名・薬効名・リスク区分、④製品の特徴、⑤使用上の注意、⑥効能又は効果、⑦用法及び用量、⑧成分及び分量、⑨病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる養生訓)、⑩保管及び取扱い上の注意、⑪消費者相談窓口、⑫製造販売業者の名称及び所在地の順に記載されます。

重要な内容が変更された場合は改訂年月を記載し、改訂箇所を明示します。添付文書は開封時に一度読めば済むものではなく、購入者以外の家族が使う時や、使用後に医療機関を受診する時にも持参・参照できるよう保管します。養生訓は必須の記載ではありません。

使用上の注意は枠囲いや文字の色などで目立つように記載され、効能・効果より前に置かれます。効能・効果や用法・用量に関連する注意は、それぞれの項目に続けて区別して記載されます。一般用検査薬では、効能・効果が「使用目的」、用法・用量が「使用方法」となります。

成分及び分量の項には、有効成分のほか添加物も記載されます。添加物はアレルギーの原因となり得るため、その成分でアレルギーの既往歴がある人は使用を避けます。尿や便の着色、検査値への影響などの注意も、この項に続けて記載されます。

保管及び取扱い上の注意では、シロップ剤などは変質しやすいため開封後の冷蔵庫保管が望ましい一方、錠剤・カプセル剤・散剤は取り出した時の温度差で湿気を帯びるため冷蔵庫保管は不適当です。小児の手の届かない所への保管、他の容器に入れ替えないこと、点眼薬を他の人と共用しないことも記載されます。

医療用医薬品は令和3年8月1日から紙の添付文書の同梱が廃止され、容器等の符号(バーコード又は二次元コード)から最新の情報を電子的に確認します。一般用医薬品は使用時にすぐ内容を確認できるよう、添付文書がある場合は引き続き紙の添付文書が同梱されます。

注意事項を使う人に当てはめる

注意事項を使う人に当てはめるの図解。左に「15歳未満」の年齢カード、右に「アスピリン」と書かれた製品を置き、中央で照合した結果を赤い×と「使用しない」で示す。下には、その理由として「ライ症候群との関連が示唆」と短く添える。
覚えること:15歳未満はアスピリンを使用しない

「してはいけないこと」は、守らないと症状が悪化する事項や副作用・事故等が起こりやすくなる事項です。「次の人は使用(服用)しないこと」「次の部位には使用しないこと」「本剤を使用(服用)している間は、次の医薬品を使用(服用)しないこと」のほか、運転操作・授乳・飲酒・長期連用に関する注意があります。

医療用医薬品との併用は、処方薬の使用を自己判断で控えるのは適当でないため、「相談すること」の「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」として記載されます。一般用検査薬では、検査結果だけで確定診断はできないため、陽性なら速やかに医師の診断を受ける旨が「してはいけないこと」に記載されます。

「相談すること」には、使用前に相談すべき人(医師の治療を受けている人、妊婦、授乳中の人、高齢者、アレルギーの既往歴がある人、次の症状がある人・次の診断を受けた人)が記載されます。使用上の注意の「高齢者」は、およその目安として65歳以上を指します。

使用後については、副作用と考えられる症状が現れた場合、薬理作用から予測される軽微な症状(抗ヒスタミン薬の眠気等)が持続・増強した場合、一定期間使っても改善しない場合に、いったん使用を中止して相談する旨が記載されます。重篤な副作用の症状が現れたら、ただちに医師の診療を受けます。

「その他の注意」には、容認される軽微な症状が「次の症状が現れることがある」として記載されます。妊婦が「相談すること」に記載される場合は、ヒトでの具体的な悪影響が判明しているとは限らず、使用経験のデータが限られ安全性の評価が難しいためです。

成分と使用者を照らし合わせます。例えばプソイドエフェドリン塩酸塩は、心臓病・高血圧・甲状腺機能障害・糖尿病の診断を受けた人や、前立腺肥大による排尿困難がある人は「使用しないこと」です。抗コリン成分は緑内障の人が「相談すること」です。主な記載を下の表で整理します。

注意事項を使う人に当てはめる
記載(手引き別表)主な成分理由
15歳未満の小児は使用しないアスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、サリチル酸ナトリウム外国でライ症候群との関連性が示唆されている
15歳未満の小児は使用しないプロメタジンを含む成分外国で乳児突然死症候群などの致命的な呼吸抑制が報告されている
15歳未満の小児は使用しないイブプロフェン、オキセサゼイン一般用医薬品に小児向けの製品がない
15歳未満の小児は使用しないロペラミド外国で乳幼児の過量摂取による中枢神経系障害、呼吸抑制、麻痺性イレウスが報告されている
12歳未満の小児は使用しないコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩重篤な呼吸抑制が現れるおそれ
6歳未満の小児は使用しないアミノ安息香酸エチルメトヘモグロビン血症を起こすおそれ
出産予定日12週以内の妊婦は使用しないアスピリン、アスピリンアルミニウム、イブプロフェン妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、分娩時出血の増加等のおそれ
授乳中は服用しないか、服用する場合は授乳を避けるジフェンヒドラミンを含む成分乳児に昏睡を起こすおそれ
授乳中は服用しないか、服用する場合は授乳を避けるコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩母乳への移行により乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告
授乳中は服用しないか、服用する場合は授乳を避けるロートエキス(内服薬、坐薬・注入軟膏)乳児に頻脈を起こすおそれ
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしない抗ヒスタミン成分、コデイン類、ブロモバレリル尿素等眠気等
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないスコポラミン臭化水素酸塩水和物、メチルオクタトロピン臭化物眠気、目のかすみ、異常なまぶしさ
相談すること:インターフェロン製剤で治療を受けている人小柴胡湯、小柴胡湯が配合されたかぜ薬相互作用により間質性肺炎を起こしやすくなる

製品表示の読み方

製品表示の読み方の図解。中央に未開封の外箱を大きく描き、表面の表示欄を拡大して効能・効果、用法・用量、注意を示す。箱の中の添付文書は点線で示し、「開封前に確認」の矢印を外箱の表示へ向ける。
覚えること:開封前に外箱の注意を確認

添付文書は外箱に封入されているため、開封後に自分に合わないと分かる事態を防ぐ目的で、外箱等にも効能・効果、用法・用量、添加物のほか、「次の人は使用(服用)しないこと」「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」等の副作用・事故を避けるための注意が記載されます。

外箱等には、添付文書の必読、専門家への相談勧奨、保管に関する注意も記載されます。1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含む滋養強壮目的の内服液剤では、アルコールを含有する旨と分量が記載されます。

使用期限は、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品では法的な表示義務がありません。ただし流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常です(配置販売品では「配置期限」の場合があります)。

表示された使用期限は未開封で保管した場合の期限で、開封後はその期日まで品質が保証されない場合があります。開封後の品質保持期間は包装形態や使用・保管状況によるため、質問にはそれらを踏まえて説明します。

法定表示のほか、他の法令に基づく表示もあります。可燃性ガスを噴射剤とするエアゾール製品や消毒用アルコール等の危険物には消防法に基づく「火気厳禁」等、エアゾール製品には高圧ガス保安法に基づく「高温に注意」や使用ガスの名称、容器包装には資源の有効な利用の促進に関する法律に基づく識別マークが表示されます。

購入者と使用者が異なる場合も、実際に使う人の年齢、妊娠・授乳、基礎疾患、併用薬を確かめます。以前の製品知識に頼らず改訂年月と最新の情報を見ます。

試験に出る

  • 添付文書は改訂年月から製造販売業者の名称・所在地までの順に並び、使用上の注意が効能・効果より前に置かれること。
  • 医療用医薬品との併用は「してはいけないこと」ではなく「相談すること」の「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」に記載されること。
  • 使用期限は、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状・品質が安定な医薬品では法的な表示義務がなく、表示された期限は未開封時のものであること。
  • 別表の成分と理由の組(15歳未満・12歳未満などの年齢制限、授乳中、運転操作、基礎疾患)。

重要な言葉

適正使用情報
添付文書や製品表示など、安全に使うための情報。
してはいけないこと
守らないと症状の悪化や副作用・事故等が起こりやすくなる禁止事項。
相談すること
使用前に専門家へ相談すべき人と、使用後に中止・相談が必要な症状。
高齢者
使用上の注意では、およその目安として65歳以上を指す。
使用期限
未開封の状態で保管した場合に品質が保持される期限。

確認問題

確かめよう使用期限はすべての一般用医薬品に必ず表示される?

いいえ。適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状・品質が安定な医薬品には、法的な表示義務がありません。

禁止事項に該当しても、少量なら自己判断で使ってよい。

添付文書は改訂されることがある。

使用期限の表示義務はすべての一般用医薬品にある。

医療用医薬品との併用は、「してはいけないこと」の項に「次の医薬品を使用しないこと」として記載される。

錠剤やカプセル剤は、開封後は冷蔵庫内で保管するのが望ましい。

添付文書の注意欄で区別して読むべきものは?

効能効果が示すものは?

コデインリン酸塩水和物を含む一般用医薬品で、「次の人は使用(服用)しないこと」に記載される年齢区分は?

の注意欄は、禁止条件と相談条件を区別して読めることが重要です。すべてを同じ強さの注意として扱いません。

安全性情報

安全性情報とは、販売開始後に得られた副作用などの新しい情報を伝えるもので、添付文書の改訂などにつながります。

エルくんが説明する図解。新情報→評価→添付文書改訂/迅速周知→販売現場の説明更新。
重篤な副作用の新情報が出れば、添付文書の使用上の注意の改訂や、緊急安全性情報等による迅速な周知が行われることがあります。

薬の安全性は販売開始後も更新されます。新しい注意を見つけたら、以前の案内を見直す必要があります。

安全性情報
情報性格
緊急安全性情報緊急・重大な注意喚起や使用制限/A4黄色地(イエローレター)/1か月以内に情報提供
安全性速報通常の改訂情報より迅速な注意喚起/A4青色地(ブルーレター)/1か月以内に情報提供
医薬品・医療機器等安全性情報厚生労働省が重要な副作用・不具合等をとりまとめた情報(一般用医薬品を含む)
PMDAメディナビ特に重要な情報の電子メール配信サービス。誰でも利用可能

安全性情報の種類

安全性情報の種類の図解。上部の「重要度・迅速性」から同じ太さの矢印を3本分岐させ、下部に縦並びの3つの同じ大きさの分類箱へつなぐ。3番目の箱の名称だけは2行に分けて表示し、種類の優劣や順序は示さない。
覚えること:重要度と迅速性で3種類を区別

製造販売業者等は、医薬品の有効性・安全性等の情報を収集・検討し、薬局開設者・店舗販売業者・配置販売業者やそこで働く薬剤師・登録販売者に提供するよう努めなければなりません。販売側も、提供された情報の活用や必要な情報の収集・検討・利用に努めます。

広範囲の医薬関係者へ速やかに伝える必要がある場合は、関係機関・関係団体の協力と行政庁の関与の下で周知されます。重要度と迅速性により、緊急安全性情報、安全性速報、医薬品・医療機器等安全性情報を区別します。

情報の伝達と適用

情報の伝達と適用の図解。中央の仕切りを挟み、左に黄色のA4印刷物、右に青色のA4印刷物を置く。各印刷物の下に注意喚起の違いを示し、最下部は括弧でまとめて共通の情報提供期限を示す。
覚えること:両者とも1か月以内に情報提供

緊急安全性情報(イエローレター)は、緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な場合に、厚生労働省の命令・指示、製造販売業者の自主決定等に基づいて作成されるA4サイズの黄色地の印刷物です。報道発表、PMDAメディナビ、製造販売業者からの直接配布や電子メール等により1か月以内に情報提供されます。

安全性速報(ブルーレター)は、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起や適正使用のための対応の注意喚起が必要な場合に作成されるA4サイズの青色地の印刷物です。作成の契機と1か月以内の情報提供は緊急安全性情報と同様です。

緊急安全性情報は医療用医薬品や医家向け医療機器に関するものが多いものの、小柴胡湯による間質性肺炎(平成8年3月)のように、一般用医薬品に関係して発出された例もあります。

医薬品・医療機器等安全性情報は、厚生労働省が一般用医薬品を含む医薬品・医療機器等の重要な副作用・不具合等をとりまとめ、医薬関係者向けに提供するもので、ブルーレターの別名ではありません。都道府県等へ送付され、厚生労働省・PMDAのホームページに掲載されるほか、専門誌にも転載されます。

PMDAのホームページには、添付文書情報、緊急安全性情報や使用上の注意の改訂情報、副作用が疑われる症例情報、承認情報、製品回収情報などが掲載されます。特に重要な情報はPMDAメディナビ(医薬品医療機器情報配信サービス)で電子メール配信され、誰でも利用できます。

販売時の活用

販売時の活用の図解。左に製品の外箱、右にPMDA掲載の最新添付文書を表示した端末を置き、外箱から端末へ「反映に期間」と記した矢印を引く。端末の下には、販売時に確認する対象製品・患者と改訂内容を並べる。
覚えること:販売時はPMDA最新添付文書も参照

情報の題名だけでなく対象製品・対象患者・改訂内容・必要な販売時対応を確認し、過去に購入した人への案内も検討します。添付文書や外箱表示の改訂が反映された製品が流通するまでには一定の期間がかかるため、PMDAに掲載された最新の添付文書情報も参照します。

試験に出る

  • 緊急安全性情報はA4サイズの黄色地(イエローレター)、安全性速報はA4サイズの青色地(ブルーレター)で、いずれも厚生労働省の命令・指示や製造販売業者の自主決定等に基づき作成され、1か月以内に情報提供されること。
  • 小柴胡湯による間質性肺炎(平成8年3月)のように、一般用医薬品に関係する緊急安全性情報が出た例があること。
  • 医薬品・医療機器等安全性情報は厚生労働省がとりまとめ、一般用医薬品も対象に含むこと。PMDAメディナビは誰でも利用できること。

重要な言葉

安全性情報
販売後に得られた副作用などの新しい情報。
緊急安全性情報
緊急かつ重大な注意喚起や使用制限が必要な場合のA4黄色地の文書(イエローレター)。
安全性速報
通常の改訂情報より迅速な注意喚起が必要な場合のA4青色地の文書(ブルーレター)。
PMDA
医薬品医療機器総合機構。公的な情報を提供する。
PMDAメディナビ
特に重要な安全性情報を電子メールで配信する医薬品医療機器情報配信サービス。

確認問題

安全性情報は、新しく発売された薬だけに関係する。

重い副作用の新情報では、添付文書が改訂されることがある。

医薬品・医療機器等安全性情報はブルーレターの別名である。

PMDAメディナビは医薬関係者に限って利用できる。

緊急安全性情報が一般用医薬品に関係して発出されたことはない。

販売後に得られた副作用などの情報を伝えるものは?

安全性情報を読むときに大切なことは?

安全性速報(ブルーレター)の説明として正しいものは?

薬のは販売開始後も更新されます。新しい注意を見つけたら、以前の案内を見直す必要があります。

安全対策(副作用情報の収集と措置)

安全対策とは、副作用の疑いがある情報を収集して分析・評価し、必要な措置や周知につなげる一連の流れです。因果関係が確定していない段階の情報も、被害防止の材料として扱います。

エルくんが説明する図解。薬/時期/症状/併用薬の記録→報告→専門評価→安全対策。
相談を受けたら、使った薬、使用時期、症状、併用薬などを確認し、必要な受診と報告制度への対応につなげます。

副作用の疑いがある情報を集めることは、ほかの使用者の被害防止につながります。確定するまで何も記録しないのでは情報が失われます。

安全対策(副作用情報の収集と措置)
主体・段階役割
登録販売者等の医薬関係者危害の防止に必要と認めたら厚生労働大臣へ報告(実務上はPMDAへ提出)。期限の定めはない
製造販売業者等副作用等を15日以内・30日以内などの期限に従い報告し、収集・評価
PMDA・厚生労働省調査検討、薬事審議会の意見を聴いた改訂指示等の行政措置
患者本人等患者副作用報告も可能。救済給付の請求とは別

誰が誰に報告するか

誰が誰に報告するかの図解。左の医薬関係者から、右上の厚生労働大臣へ法上の報告先を示す矢印、右下のPMDAへ実務上の提出先を示す矢印を分岐させる。矢印の起点には、副作用等が疑われる健康被害を知り、危害防止に必要と認める場合、という条件を置く。
覚えること:疑いの被害を知り危害防止に必要なら報告

法第68条の10第2項により、薬局開設者、病院・診療所の開設者、医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者その他の医薬関係者は、副作用等によると疑われる健康被害の発生を知り、保健衛生上の危害の発生・拡大防止に必要と認めるときは、厚生労働大臣へ報告しなければなりません。実務上は報告書をPMDAに提出します。

製造販売業者等も法第68条の10第1項により、副作用等によると疑われる健康被害や感染症の発生等を知ったときは、定められた期限までに厚生労働大臣へ報告する義務があります(実務上はPMDAへ提出)。医薬関係者は、製造販売業者等が行う情報収集への協力に努めます。

患者本人や家族もPMDAの患者副作用報告を利用できますが、救済給付の請求とは別の手続です。

誰が誰に報告するか
製造販売業者等の報告の種類報告期限
使用上の注意から予測できない副作用(死亡・重篤)15日以内
使用上の注意から予測できない副作用(非重篤)定期報告
使用上の注意から予測できる副作用(死亡)15日以内
予測できる重篤な副作用(死亡を除く)のうち、新有効成分含有医薬品の承認後2年以内のもの、市販直後調査などで得られたもの15日以内
予測できる重篤な副作用(死亡を除く)で上記以外30日以内
感染症(予測できないもの、予測できる重篤なもの)15日以内
外国での製造・販売中止、回収、廃棄等の措置15日以内
研究報告(重大な疾病等のおそれ、発生傾向の著しい変化、効能・効果を有しないこと)30日以内

報告の判断と方法

報告の判断と方法の図解。左に購入者等から得た情報、中央に報告様式、右にPMDAを置き、左から右へ矢印でつなぐ。様式は把握できた欄だけを記入する構図にする。
覚えること:必要と認めたら把握範囲で速やかに報告

報告対象は、医薬品等によると疑われる身体の変調・不調、日常生活に支障を来す程度の健康被害(死亡を含む)です。因果関係が必ずしも明確でなくても対象になり得ます。安全対策上必要と認めるときは、過量使用や誤用によると思われる健康被害も報告します。

副作用は使用上の注意に記載されたものだけとは限らず、かぜ薬による間質性肺炎のように適応症状と見分けにくい場合もあります。医薬部外品・化粧品による健康被害は自発的な情報協力が求められ、無承認無許可医薬品や健康食品によると疑われる健康被害は最寄りの保健所に連絡します。

報告様式はPMDAのホームページから入手でき、記入欄すべてを埋める必要はありません。購入者等(健康被害を生じた本人に限らない)から把握できる範囲で報告します。複数の専門家が販売に携わっていても、健康被害の情報に直接接した専門家1名が報告すれば十分です。

医薬関係者の報告期限は特に定められていませんが、報告の必要性を認めたら適宜速やかに、郵送・ファクシミリ・電子メールでPMDAへ送付します。令和3年4月からはウェブサイトへの直接入力による報告もできます。報告者には安全性情報受領確認書が交付されます。

収集後の評価・措置

収集後の評価・措置の図解。左の副作用情報から中央の上下2段へ矢印を分け、上段は製造販売業者等の評価・検討、下段は専門委員の意見を聴くPMDAの調査・検討を示す。矢印を右で合流させ、薬事審議会の意見を聴いた厚生労働大臣から、措置例「使用上の注意の改訂指示」へ下向きに矢印を引く。
覚えること:評価後、大臣は審議会の意見を聴き措置

集まった副作用情報は製造販売業者等が評価・検討するほか、PMDAが専門委員の意見を聴きながら調査検討します。その結果に基づき、厚生労働大臣は薬事審議会の意見を聴いて、使用上の注意の改訂指示、効能・効果や用法・用量の一部変更、調査・実験の実施の指示、製造・販売の中止、製品の回収等の措置を講じます。

販売者は原因を独断せず、重い症状なら受診を優先して情報をつなぎます。

制度の成り立ちと承認後の調査

制度の成り立ちと承認後の調査の図解。左の「医療用の有効成分」から中央の「一般用に初配合」へ矢印を引き、右の「要指導医薬品」につなぐ。そこから下向きの矢印で「承認後概ね3年」の安全性調査と結果報告を示す。
覚えること:医療用→一般用初配合承認後約3年調査報告

1961年のサリドマイド薬害事件を契機に、1968年、WHO加盟国を中心にWHO国際医薬品モニタリング制度が確立しました。日本では1967年3月に約3000の医療機関をモニター施設とする医薬品副作用モニター制度が始まり、1978年8月からは約3000のモニター薬局による一般用医薬品の副作用報告も行われました。

1997年7月に医薬品等安全性情報報告制度へ拡充され、2002年7月の薬事法改正で医師や薬剤師等の医薬関係者による報告が義務化されました。2006年6月の薬事法改正で登録販売者制度が導入され、登録販売者も報告を行う医薬関係者に位置づけられています。企業からの報告制度は1979年の薬事法改正で制度化されました。

一般用医薬品でも、既存の医薬品と明らかに異なる有効成分を配合したものには再審査制度が適用され、10年を超えない範囲で厚生労働大臣が承認時に定める期間(概ね8年)、使用成績等を集積して提出します。

医療用医薬品で使われていた有効成分を一般用医薬品で初めて配合したものは要指導医薬品に指定され、承認条件として承認後の一定期間(概ね3年)、安全性に関する調査と結果の報告が求められます。

試験に出る

  • 登録販売者も医薬関係者として厚生労働大臣への報告義務を負い(実務上はPMDAへ提出)、報告期限は特に定められていないこと。
  • 製造販売業者等の報告期限(使用上の注意から予測できない重篤な副作用・死亡は15日以内、予測できる重篤例のうち市販直後調査等以外は30日以内、研究報告は30日以内)。
  • 因果関係が明確でない場合や過量使用・誤用による健康被害も対象になり得ること。記入欄すべての記入は不要で、直接接した専門家1名の報告で足りること。

重要な言葉

副作用報告
副作用の疑いがある情報を報告する制度。
因果関係
薬と症状の間の原因と結果のつながり。
安全対策
情報収集から措置・周知までの一連の取組。
再審査制度
新しい有効成分の医薬品について、承認後の使用成績等を一定期間集積して国へ提出させる制度。

確認問題

確かめよう報告書に不明な項目があると提出できない?

いいえ。記入欄すべてに記入する必要はなく、把握できた範囲で報告します。

因果関係が確定していないと、疑い情報は報告できない。

安全対策は、情報収集・分析評価・措置・周知の流れである。

医薬関係者の副作用等報告は、因果関係が確定していなくても対象になり得る。

登録販売者が副作用等の報告を行う場合は、知った日から15日以内に報告しなければならない。

同じ店舗の複数の専門家が同じ健康被害の情報に接した場合、全員がそれぞれ報告書を提出しなければならない。

副作用の相談を受けたときに確認する事項は?

販売者の対応として正しいものは?

製造販売業者等が、使用上の注意から予測できない重篤な副作用症例の発生を知ったときの報告期限は?

の疑いがある情報を集めることは、ほかの使用者の被害防止につながります。確定するまで何も記録しないのでは情報が失われます。

医薬品副作用被害救済制度

医薬品副作用被害救済制度とは、適正に使った医薬品による重い副作用の健康被害を救済する公的な制度です。

エルくんが説明する図解。適正使用→副作用→被害程度/除外条件を確認→救済給付の入口。
一般用医薬品でも、適正使用による副作用で入院治療を必要とする程度の疾病など、法定の要件を満たせば給付対象となり得ます。

適正使用していても重い副作用が起きる場合があります。その健康被害を救済する公的な仕組みを学びます。

医薬品副作用被害救済制度
給付対象・内容請求期限
医療費入院治療を要する程度の疾病の治療費(自己負担分)を実費補償費用の支払いが行われた時から5年以内
医療手当入院治療を要する程度の疾病の治療に伴う医療費以外の負担(定額)医療が行われた日の属する月の翌月初日から5年以内
障害年金一定程度の障害がある18歳以上の人の生活補償等(定額)請求期限なし
障害児養育年金一定程度の障害がある18歳未満の人を養育する人(定額)請求期限なし
遺族年金生計維持者の死亡時の遺族の生活の立て直し等(定額、最高10年間)死亡の時から5年以内
遺族一時金生計維持者以外の人の死亡時の遺族への見舞等(定額)遺族年金と同じ
葬祭料副作用により死亡した人の葬祭に伴う出費(定額)遺族年金と同じ

対象と対象外を判定する

対象と対象外を判定するの図解。画面上部の「適正使用」から下へ矢印を伸ばし、中央で左右に分岐させる。左は入院治療が必要な疾病から「対象」へ進み、やむを得ず自宅療養した場合もその矢印に合流させる。右は医療機関での治療を要さず寛解した軽度の疾病から「対象外」へ進める。
覚えること:適正使用で入院必要な疾病は対象

医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた副作用で、入院治療が必要な程度の疾病、日常生活に著しい制限を受ける程度以上の障害、死亡が対象です。入院治療が必要と認められ、やむを得ず自宅療養した場合も含みます。医療機関での治療を要さずに寛解した軽度のものは対象外です。一般用医薬品も対象になり得ます。

添付文書や外箱等に記載された用法・用量、使用上の注意に従って使用されていることが基本で、不適正な使用による健康被害は対象になりません。

要指導医薬品・一般用医薬品のうち、殺虫剤・殺鼠剤(人体に直接使用するものを除く)、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)は救済制度の対象外です。人体に直接使用する殺菌消毒剤は対象になり得ます。

製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもの、個人輸入した医薬品を含む)による健康被害も対象外です。このほか、厚生労働大臣が指定する抗がん剤等の対象除外医薬品や、法定予防接種による健康被害(別の公的救済制度がある)も対象になりません。

七つの給付

七つの給付の図解。画面中央を縦線で仕切り、左に医療費1種、右に医療費以外の6種を6枚のカードで示す。左は費用から保険等の給付額を差し引いて自己負担分が残る図、右は6枚のカードを「定額」の枠で囲む図にする。
覚えること:医療費は自己負担実費、他6種は定額

給付は医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭料の7種類です。医療費は健康保険等の給付額を差し引いた自己負担分の実費補償、医療手当は医療費以外の費用負担に着目した定額給付で、どちらも入院治療を必要とする程度の疾病が対象です。

障害年金は一定程度の障害がある18歳以上の人、障害児養育年金は一定程度の障害がある18歳未満の人を養育する人が対象です。遺族年金は生計維持者が死亡した場合の遺族に最高10年間を限度に支給され、遺族一時金は生計維持者以外が死亡した場合の遺族への見舞等を目的とします。医療費以外はすべて定額です。

請求期限は、医療費が費用の支払いが行われた時から5年以内、医療手当が医療が行われた日の属する月の翌月初日から5年以内です。障害年金と障害児養育年金には請求期限がありません。遺族年金・遺族一時金・葬祭料は死亡の時から5年以内(死亡前に医療費等の支給決定があった場合は死亡の時から2年以内)です。

請求と判定の流れ

請求と判定の流れの図解。左から右へ、本人・家族によるPMDAへの請求、薬事審議会の諮問・答申を経た厚生労働大臣の判定、判定結果に基づく給付を矢印でつなぐ。審議会と大臣の間は往復矢印にし、判定を行うのは大臣だと分かるようにする。
覚えること:本人・家族が請求、判定結果に基づく給付

健康被害を受けた本人(又は家族)がPMDAへ給付を請求します。医療機関が代わって自動申請する制度ではありません。薬事審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が副作用によるものか、適正に使用されたか等を医学的薬学的に判定し、その結果に基づいて給付されます。副作用かどうか判断がつかない場合でも請求できます。

一般用医薬品等では、医師の診断書、要した医療費を証明する書類(受診証明書)などのほか、販売した薬局開設者・医薬品の販売業者が作成する販売証明書等が必要です。専門家は、救済制度とPMDAの相談窓口を紹介し、販売証明書の発行に円滑に対応します。副作用報告をしただけでは給付請求になりません。

制度は1980年5月、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として運営が始まりました。給付費は製造販売業者が年度ごとに納付する拠出金、事務費の2分の1相当額は国庫補助で賄われます。2004年4月1日以降に生物由来製品を介した感染等で生じた健康被害には、生物由来製品感染等被害救済制度があります。

医薬品PLセンター

医薬品PLセンターの図解。上部に「救済制度の対象外」「製品不良など」「企業に賠償責任」の3条件をまとめ、条件がそろう場合だけ中央の医薬品PLセンターへ矢印を向ける。下部では消費者を左、製造販売元を右に置き、中央のエルくんが両者の交渉を仲介する。
覚えること:救済対象外で企業に賠償責任→PL相談

救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合は、医薬品PLセンターへの相談が推奨されます。平成7年7月の製造物責任法(PL法)の施行と同時に、日本製薬団体連合会が開設しました。

消費者が医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害を含む)について製造販売元の企業と交渉する際、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、裁判によらない迅速な解決に導きます。

試験に出る

  • 対象は入院治療を必要とする程度の疾病(やむを得ず自宅療養した場合を含む)、日常生活に著しい制限を受ける程度の障害、死亡であり、医療機関での治療を要さずに寛解した軽度のものは対象外であること。
  • 対象外の医薬品(殺虫剤・殺鼠剤、人体に直接使用しない殺菌消毒剤、一般用検査薬、精製水・ワセリン等の一部の日局収載医薬品)と、製品不良・無承認無許可医薬品による被害の除外。
  • 7種類の給付と請求期限(医療費・医療手当は5年以内、障害年金・障害児養育年金は期限なし、遺族年金・遺族一時金・葬祭料は死亡の時から5年以内)。
  • 製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合は、医薬品PLセンターへの相談が推奨されること。

重要な言葉

医薬品副作用被害救済制度
適正使用による重い副作用の被害を救済する公的制度。
給付
救済制度によって支払われる医療費など。
PMDA
救済制度を運営する医薬品医療機器総合機構。
販売証明書
一般用医薬品等の救済給付の請求で、販売した薬局開設者・販売業者が作成する書類。
医薬品PLセンター
医薬品・医薬部外品の苦情を裁判によらずに解決へ導く、日本製薬団体連合会の相談機関。

確認問題

確かめよう医療手当は治療費の実費補償?

いいえ。実費補償は医療費で、医療手当は医療費以外の費用負担に着目した定額給付です。

一般用医薬品は、一律に救済制度の対象外である。

救済制度では、適正使用や被害の程度などの要件を確認する。

救済給付の医療手当は、治療費の自己負担分を実費補償する。

障害年金と障害児養育年金には請求期限がない。

一般用検査薬の使用による健康被害は、救済給付の対象となる。

製品不良による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度で救済される。

医薬品副作用被害救済制度の対象となるのは?

救済制度について正しいものは?

要指導医薬品・一般用医薬品のうち、救済制度の対象となり得るものは?

していても重い副作用が起きる場合があります。その健康被害を救済する公的な仕組みを学びます。

啓発活動

啓発活動とは、薬の正しい使い方や副作用への気付き、相談先の理解などを広げる活動です。

説明と使用者の言い返しをノートで比較し、保管場所の誤解をエルくんが赤ペンで訂正する図。
「一回量」「服用間隔」「子どもの手が届かない保管」などを、使用者が自分の言葉で説明できるか確認すると、伝えたつもりの誤解を見つけられます。

薬の適正使用は、販売の瞬間だけでなく、家庭での使い方や保管まで伝わって初めて支えられます。

啓発活動
伝える項目具体的な確認
使用方法一回量、回数、間隔、年齢、食間の意味
安全な保管小児の手の届かない場所、製品ごとの保存条件
異常時服用中止、相談・受診、添付文書持参
情報源最新の添付文書、PMDA、安全性情報・救済相談

啓発の目的と担い手

啓発の目的と担い手の図解。左に「国・自治体等」と「関係団体」の協力、中央に啓発リーフレットを置き、右の生活者へ向かう矢印で知識の普及を示す。生活者のそばに「範囲と限界」を置き、そこから「異常時は相談・受診」へ下向き矢印を引く。登録販売者・薬剤師は啓発への参加・協力者として中央に添える。
覚えること:範囲と限界を知り異常時は相談・受診

医薬品の特質や使用・取扱いの正しい知識を広く生活者に浸透させ、保健衛生の維持向上に貢献することを目的に、毎年10月17日〜23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等が広報活動やイベントを行います。登録販売者は薬剤師とともに、こうした活動への積極的な参加・協力が期待されます。

法第68条の3は、国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区が、関係機関・関係団体の協力の下に、医薬品等の適正な使用に関する啓発と知識の普及に努めると定めています。啓発は、生活者がセルフメディケーションの範囲と限界を知り、異常時に相談・受診できるようにするものです。

「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し薬物乱用防止を推進するため、毎年6月20日〜7月19日の1か月間、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が行われます。薬物乱用や依存は違法薬物だけでなく一般用医薬品でも生じ、一般用医薬品の乱用が違法薬物の乱用につながることもあります。

青少年は薬物乱用の危険性の認識が十分でなく、好奇心から身近な薬物を興味本位で乱用することがあるため、小中学生のうちからの啓発が重要です。エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンを含む製剤は指定濫用防止医薬品に指定されています。

家庭での実践

家庭での実践の図解。横一列に左の食事、中央の空白、右の食事を配置し、中央を「食間」と示す。中央と食事中の領域を仕切り、「食事中ではない」と添える。
覚えること:「食間」の指示なら食事と食事の間

一回量・服用回数・服用間隔、年齢制限、併用、保管を製品ごとに確認します。「食間」は食事中ではなく食事と食事の間です。小児の誤飲を避ける保管、使用期限、症状が続く場合の受診を具体的な場面で説明します。

副作用被害救済制度やPMDAの情報入手先も伝えます。本人が正しく行動できるか、薬の名前と使い方を言い換えて確かめます。

一般用医薬品の安全対策例

一般用医薬品の安全対策例の図解。左に「かぜと区別困難」な初期症状、中央に「症状悪化」を置き、右へ矢印を伸ばして「服用中止」→「医師の診療」の順に示す。中央と右の間には仕切りを入れ、症状悪化が対応を変える条件だと明確にする。
覚えること:症状悪化なら服用を中止し受診

安全対策の事例は、原因成分・健康被害・措置を組にして読みます。実際の使用可否は現行製品の成分・表示で判断し、歴史的事例をそのまま現在の使用方法に置き換えません。

アンプル入りかぜ薬:解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンを配合したアンプル入りかぜ薬で、1959年から1965年までに重篤な副作用(ショック)による死亡例が計38名発生しました。アンプル剤は吸収が速く血中濃度が急速に高値に達するため、1965年に厚生省(当時)が製品の回収を要請し、1970年には一般用かぜ薬の承認基準が制定されました。

小柴胡湯による間質性肺炎:1991年4月以降、使用上の注意に記載され、1994年1月にインターフェロン製剤との併用が禁忌とされました。その後も慢性肝炎患者で死亡を含む重篤例があったため、1996年3月に厚生省(当時)が関係製薬企業に緊急安全性情報の配布を指示しました。

一般用かぜ薬による間質性肺炎:2003年5月までに計26例が報告されました。初期症状がかぜの諸症状と区別しにくいことから、同年6月に一般用かぜ薬全般の使用上の注意の改訂が指示され、「症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受ける」旨の注意喚起が加わりました。

塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA):鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていました。2000年5月、米国で女性が食欲抑制剤として高用量を使用した場合の出血性脳卒中との関連が報告され、FDAが自主的な販売中止を要請しました。日本では同年11月、直ちに販売中止とはせず、心臓病の人や脳出血の既往がある人等は使用しないよう注意喚起しました。

しかし2003年8月までに、PPAが配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が複数報告され、その多くは用法・用量の範囲を超えた使用や、禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものでした。厚生労働省は使用上の注意の改訂、情報提供の徹底とともに、プソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)等への速やかな切替えを指示しました。

試験に出る

  • 「薬と健康の週間」は毎年10月17日〜23日、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は毎年6月20日〜7月19日(「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」の普及)であること。
  • 薬物乱用・依存は一般用医薬品でも生じ、小中学生のうちからの啓発が重要であること。
  • アンプル入りかぜ薬、小柴胡湯、一般用かぜ薬の間質性肺炎、塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品の経緯(年・原因成分・措置)。

重要な言葉

啓発活動
薬の正しい使い方や相談先の理解を広げる活動。
食間
一般に食事と食事の間を指す。
適正使用
薬を正しく安全に使うこと。
指定濫用防止医薬品
乱用のおそれがあるとして指定された、エフェドリンやコデイン等を含む製剤。
PPA
塩酸フェニルプロパノールアミン。かつて鼻炎用内服薬等に配合された充血除去成分。

確認問題

確かめよう薬と健康の週間は薬の販売促進だけが目的?

いいえ。適正使用と健康被害の防止を普及する活動です。

「食間」は、食事をしている最中を指す。

啓発活動では、対象者の理解度に合わせた説明が重要である。

一般用医薬品でも薬物乱用や依存が生じ得る。

アンプル入りかぜ薬では、アミノピリン・スルピリンによるショックで死亡例が発生し、1965年に製品の回収が要請された。

PPA含有医薬品は、2000年の米国での報告を受けて日本でも直ちに販売が中止された。

「食間」の一般的な意味は?

啓発活動で大切なことは?

「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が行われる期間は?

PPA含有医薬品について、厚生労働省が代替成分への速やかな切替えを指示した成分は?

薬のは、販売の瞬間だけでなく、家庭での使い方や保管まで伝わって初めて支えられます。

覚えるポイント

  • 適正使用情報(添付文書・製品表示):効能効果は何に使うか、用法用量はどう使うか、使用上の注意はどんな条件を避け・相談するかを示します。使用期限は製造後3年を超えて安定な医薬品では法的表示義務がありません。
  • 安全性情報:緊急安全性情報(イエローレター)と安全性速報(ブルーレター)は1か月以内に情報提供されます。医薬品・医療機器等安全性情報は厚生労働省がとりまとめ、PMDAメディナビは誰でも利用できます。
  • 安全対策(副作用情報の収集と措置):登録販売者も厚生労働大臣への報告義務を負い、報告期限は定められていません。企業報告は15日以内・30日以内などの期限があります。報告は因果関係が確定した事例だけに限られません。
  • 医薬品副作用被害救済制度:PMDAの救済制度は入院相当の疾病・重い障害・死亡を対象とし、7種類の給付があります。一般用検査薬や製品不良による被害は対象外で、製品不良は医薬品PLセンターへの相談が推奨されます。
  • 啓発活動:薬と健康の週間は毎年10月17日〜23日、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は毎年6月20日〜7月19日です。一般用医薬品でも乱用・依存が生じ得るため、小中学生のうちからの啓発が重要です。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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