本文へ移動

登録販売者試験 · 学習ガイド

医薬品副作用被害救済制度

医薬品副作用被害救済制度とは

医薬品副作用被害救済制度とは、適正に使った医薬品による重い副作用の健康被害を救済する公的な制度です。

エルくんが説明する図解。適正使用→副作用→被害程度/除外条件を確認→救済給付の入口。
一般用医薬品でも、適正使用による副作用で入院治療を必要とする程度の疾病など、法定の要件を満たせば給付対象となり得ます。

適正使用していても重い副作用が起きる場合があります。その健康被害を救済する公的な仕組みを学びます。

医薬品副作用被害救済制度
給付対象・内容請求期限
医療費入院治療を要する程度の疾病の治療費(自己負担分)を実費補償費用の支払いが行われた時から5年以内
医療手当入院治療を要する程度の疾病の治療に伴う医療費以外の負担(定額)医療が行われた日の属する月の翌月初日から5年以内
障害年金一定程度の障害がある18歳以上の人の生活補償等(定額)請求期限なし
障害児養育年金一定程度の障害がある18歳未満の人を養育する人(定額)請求期限なし
遺族年金生計維持者の死亡時の遺族の生活の立て直し等(定額、最高10年間)死亡の時から5年以内
遺族一時金生計維持者以外の人の死亡時の遺族への見舞等(定額)遺族年金と同じ
葬祭料副作用により死亡した人の葬祭に伴う出費(定額)遺族年金と同じ

対象と対象外を判定する

対象と対象外を判定するの図解。画面上部の「適正使用」から下へ矢印を伸ばし、中央で左右に分岐させる。左は入院治療が必要な疾病から「対象」へ進み、やむを得ず自宅療養した場合もその矢印に合流させる。右は医療機関での治療を要さず寛解した軽度の疾病から「対象外」へ進める。
覚えること:適正使用で入院必要な疾病は対象

医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた副作用で、入院治療が必要な程度の疾病、日常生活に著しい制限を受ける程度以上の障害、死亡が対象です。入院治療が必要と認められ、やむを得ず自宅療養した場合も含みます。医療機関での治療を要さずに寛解した軽度のものは対象外です。一般用医薬品も対象になり得ます。

添付文書や外箱等に記載された用法・用量、使用上の注意に従って使用されていることが基本で、不適正な使用による健康被害は対象になりません。

要指導医薬品・一般用医薬品のうち、殺虫剤・殺鼠剤(人体に直接使用するものを除く)、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)は救済制度の対象外です。人体に直接使用する殺菌消毒剤は対象になり得ます。

製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもの、個人輸入した医薬品を含む)による健康被害も対象外です。このほか、厚生労働大臣が指定する抗がん剤等の対象除外医薬品や、法定予防接種による健康被害(別の公的救済制度がある)も対象になりません。

七つの給付

七つの給付の図解。画面中央を縦線で仕切り、左に医療費1種、右に医療費以外の6種を6枚のカードで示す。左は費用から保険等の給付額を差し引いて自己負担分が残る図、右は6枚のカードを「定額」の枠で囲む図にする。
覚えること:医療費は自己負担実費、他6種は定額

給付は医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金、葬祭料の7種類です。医療費は健康保険等の給付額を差し引いた自己負担分の実費補償、医療手当は医療費以外の費用負担に着目した定額給付で、どちらも入院治療を必要とする程度の疾病が対象です。

障害年金は一定程度の障害がある18歳以上の人、障害児養育年金は一定程度の障害がある18歳未満の人を養育する人が対象です。遺族年金は生計維持者が死亡した場合の遺族に最高10年間を限度に支給され、遺族一時金は生計維持者以外が死亡した場合の遺族への見舞等を目的とします。医療費以外はすべて定額です。

請求期限は、医療費が費用の支払いが行われた時から5年以内、医療手当が医療が行われた日の属する月の翌月初日から5年以内です。障害年金と障害児養育年金には請求期限がありません。遺族年金・遺族一時金・葬祭料は死亡の時から5年以内(死亡前に医療費等の支給決定があった場合は死亡の時から2年以内)です。

請求と判定の流れ

請求と判定の流れの図解。左から右へ、本人・家族によるPMDAへの請求、薬事審議会の諮問・答申を経た厚生労働大臣の判定、判定結果に基づく給付を矢印でつなぐ。審議会と大臣の間は往復矢印にし、判定を行うのは大臣だと分かるようにする。
覚えること:本人・家族が請求、判定結果に基づく給付

健康被害を受けた本人(又は家族)がPMDAへ給付を請求します。医療機関が代わって自動申請する制度ではありません。薬事審議会の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が副作用によるものか、適正に使用されたか等を医学的薬学的に判定し、その結果に基づいて給付されます。副作用かどうか判断がつかない場合でも請求できます。

一般用医薬品等では、医師の診断書、要した医療費を証明する書類(受診証明書)などのほか、販売した薬局開設者・医薬品の販売業者が作成する販売証明書等が必要です。専門家は、救済制度とPMDAの相談窓口を紹介し、販売証明書の発行に円滑に対応します。副作用報告をしただけでは給付請求になりません。

制度は1980年5月、製薬企業の社会的責任に基づく公的制度として運営が始まりました。給付費は製造販売業者が年度ごとに納付する拠出金、事務費の2分の1相当額は国庫補助で賄われます。2004年4月1日以降に生物由来製品を介した感染等で生じた健康被害には、生物由来製品感染等被害救済制度があります。

医薬品PLセンター

医薬品PLセンターの図解。上部に「救済制度の対象外」「製品不良など」「企業に賠償責任」の3条件をまとめ、条件がそろう場合だけ中央の医薬品PLセンターへ矢印を向ける。下部では消費者を左、製造販売元を右に置き、中央のエルくんが両者の交渉を仲介する。
覚えること:救済対象外で企業に賠償責任→PL相談

救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合は、医薬品PLセンターへの相談が推奨されます。平成7年7月の製造物責任法(PL法)の施行と同時に、日本製薬団体連合会が開設しました。

消費者が医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害を含む)について製造販売元の企業と交渉する際、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、裁判によらない迅速な解決に導きます。

試験に出る

  • 対象は入院治療を必要とする程度の疾病(やむを得ず自宅療養した場合を含む)、日常生活に著しい制限を受ける程度の障害、死亡であり、医療機関での治療を要さずに寛解した軽度のものは対象外であること。
  • 対象外の医薬品(殺虫剤・殺鼠剤、人体に直接使用しない殺菌消毒剤、一般用検査薬、精製水・ワセリン等の一部の日局収載医薬品)と、製品不良・無承認無許可医薬品による被害の除外。
  • 7種類の給付と請求期限(医療費・医療手当は5年以内、障害年金・障害児養育年金は期限なし、遺族年金・遺族一時金・葬祭料は死亡の時から5年以内)。
  • 製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合は、医薬品PLセンターへの相談が推奨されること。

重要な言葉

医薬品副作用被害救済制度
適正使用による重い副作用の被害を救済する公的制度。
給付
救済制度によって支払われる医療費など。
PMDA
救済制度を運営する医薬品医療機器総合機構。
販売証明書
一般用医薬品等の救済給付の請求で、販売した薬局開設者・販売業者が作成する書類。
医薬品PLセンター
医薬品・医薬部外品の苦情を裁判によらずに解決へ導く、日本製薬団体連合会の相談機関。

確認問題

確かめよう医療手当は治療費の実費補償?

いいえ。実費補償は医療費で、医療手当は医療費以外の費用負担に着目した定額給付です。

一般用医薬品は、一律に救済制度の対象外である。

救済制度では、適正使用や被害の程度などの要件を確認する。

救済給付の医療手当は、治療費の自己負担分を実費補償する。

障害年金と障害児養育年金には請求期限がない。

一般用検査薬の使用による健康被害は、救済給付の対象となる。

製品不良による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度で救済される。

医薬品副作用被害救済制度の対象となるのは?

救済制度について正しいものは?

要指導医薬品・一般用医薬品のうち、救済制度の対象となり得るものは?

していても重い副作用が起きる場合があります。その健康被害を救済する公的な仕組みを学びます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

教材の編集方針・訂正について