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登録販売者試験 · 学習ガイド

啓発活動

啓発活動とは

啓発活動とは、薬の正しい使い方や副作用への気付き、相談先の理解などを広げる活動です。

説明と使用者の言い返しをノートで比較し、保管場所の誤解をエルくんが赤ペンで訂正する図。
「一回量」「服用間隔」「子どもの手が届かない保管」などを、使用者が自分の言葉で説明できるか確認すると、伝えたつもりの誤解を見つけられます。

薬の適正使用は、販売の瞬間だけでなく、家庭での使い方や保管まで伝わって初めて支えられます。

啓発活動
伝える項目具体的な確認
使用方法一回量、回数、間隔、年齢、食間の意味
安全な保管小児の手の届かない場所、製品ごとの保存条件
異常時服用中止、相談・受診、添付文書持参
情報源最新の添付文書、PMDA、安全性情報・救済相談

啓発の目的と担い手

啓発の目的と担い手の図解。左に「国・自治体等」と「関係団体」の協力、中央に啓発リーフレットを置き、右の生活者へ向かう矢印で知識の普及を示す。生活者のそばに「範囲と限界」を置き、そこから「異常時は相談・受診」へ下向き矢印を引く。登録販売者・薬剤師は啓発への参加・協力者として中央に添える。
覚えること:範囲と限界を知り異常時は相談・受診

医薬品の特質や使用・取扱いの正しい知識を広く生活者に浸透させ、保健衛生の維持向上に貢献することを目的に、毎年10月17日〜23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等が広報活動やイベントを行います。登録販売者は薬剤師とともに、こうした活動への積極的な参加・協力が期待されます。

法第68条の3は、国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区が、関係機関・関係団体の協力の下に、医薬品等の適正な使用に関する啓発と知識の普及に努めると定めています。啓発は、生活者がセルフメディケーションの範囲と限界を知り、異常時に相談・受診できるようにするものです。

「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し薬物乱用防止を推進するため、毎年6月20日〜7月19日の1か月間、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が行われます。薬物乱用や依存は違法薬物だけでなく一般用医薬品でも生じ、一般用医薬品の乱用が違法薬物の乱用につながることもあります。

青少年は薬物乱用の危険性の認識が十分でなく、好奇心から身近な薬物を興味本位で乱用することがあるため、小中学生のうちからの啓発が重要です。エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンを含む製剤は指定濫用防止医薬品に指定されています。

家庭での実践

家庭での実践の図解。横一列に左の食事、中央の空白、右の食事を配置し、中央を「食間」と示す。中央と食事中の領域を仕切り、「食事中ではない」と添える。
覚えること:「食間」の指示なら食事と食事の間

一回量・服用回数・服用間隔、年齢制限、併用、保管を製品ごとに確認します。「食間」は食事中ではなく食事と食事の間です。小児の誤飲を避ける保管、使用期限、症状が続く場合の受診を具体的な場面で説明します。

副作用被害救済制度やPMDAの情報入手先も伝えます。本人が正しく行動できるか、薬の名前と使い方を言い換えて確かめます。

一般用医薬品の安全対策例

一般用医薬品の安全対策例の図解。左に「かぜと区別困難」な初期症状、中央に「症状悪化」を置き、右へ矢印を伸ばして「服用中止」→「医師の診療」の順に示す。中央と右の間には仕切りを入れ、症状悪化が対応を変える条件だと明確にする。
覚えること:症状悪化なら服用を中止し受診

安全対策の事例は、原因成分・健康被害・措置を組にして読みます。実際の使用可否は現行製品の成分・表示で判断し、歴史的事例をそのまま現在の使用方法に置き換えません。

アンプル入りかぜ薬:解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンを配合したアンプル入りかぜ薬で、1959年から1965年までに重篤な副作用(ショック)による死亡例が計38名発生しました。アンプル剤は吸収が速く血中濃度が急速に高値に達するため、1965年に厚生省(当時)が製品の回収を要請し、1970年には一般用かぜ薬の承認基準が制定されました。

小柴胡湯による間質性肺炎:1991年4月以降、使用上の注意に記載され、1994年1月にインターフェロン製剤との併用が禁忌とされました。その後も慢性肝炎患者で死亡を含む重篤例があったため、1996年3月に厚生省(当時)が関係製薬企業に緊急安全性情報の配布を指示しました。

一般用かぜ薬による間質性肺炎:2003年5月までに計26例が報告されました。初期症状がかぜの諸症状と区別しにくいことから、同年6月に一般用かぜ薬全般の使用上の注意の改訂が指示され、「症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受ける」旨の注意喚起が加わりました。

塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA):鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていました。2000年5月、米国で女性が食欲抑制剤として高用量を使用した場合の出血性脳卒中との関連が報告され、FDAが自主的な販売中止を要請しました。日本では同年11月、直ちに販売中止とはせず、心臓病の人や脳出血の既往がある人等は使用しないよう注意喚起しました。

しかし2003年8月までに、PPAが配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が複数報告され、その多くは用法・用量の範囲を超えた使用や、禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものでした。厚生労働省は使用上の注意の改訂、情報提供の徹底とともに、プソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)等への速やかな切替えを指示しました。

試験に出る

  • 「薬と健康の週間」は毎年10月17日〜23日、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は毎年6月20日〜7月19日(「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」の普及)であること。
  • 薬物乱用・依存は一般用医薬品でも生じ、小中学生のうちからの啓発が重要であること。
  • アンプル入りかぜ薬、小柴胡湯、一般用かぜ薬の間質性肺炎、塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品の経緯(年・原因成分・措置)。

重要な言葉

啓発活動
薬の正しい使い方や相談先の理解を広げる活動。
食間
一般に食事と食事の間を指す。
適正使用
薬を正しく安全に使うこと。
指定濫用防止医薬品
乱用のおそれがあるとして指定された、エフェドリンやコデイン等を含む製剤。
PPA
塩酸フェニルプロパノールアミン。かつて鼻炎用内服薬等に配合された充血除去成分。

確認問題

確かめよう薬と健康の週間は薬の販売促進だけが目的?

いいえ。適正使用と健康被害の防止を普及する活動です。

「食間」は、食事をしている最中を指す。

啓発活動では、対象者の理解度に合わせた説明が重要である。

一般用医薬品でも薬物乱用や依存が生じ得る。

アンプル入りかぜ薬では、アミノピリン・スルピリンによるショックで死亡例が発生し、1965年に製品の回収が要請された。

PPA含有医薬品は、2000年の米国での報告を受けて日本でも直ちに販売が中止された。

「食間」の一般的な意味は?

啓発活動で大切なことは?

「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が行われる期間は?

PPA含有医薬品について、厚生労働省が代替成分への速やかな切替えを指示した成分は?

薬のは、販売の瞬間だけでなく、家庭での使い方や保管まで伝わって初めて支えられます。

出典・参考資料

試験の公式案内と、この記事の参考にした学習資料です。

編集:Pinternet Works · 更新日:

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